十二妹絶望物語

第6話

 千影、咲耶、そして白雪。

 すでに3人の妹が、勝沼によって処女を散らされていた。

 しかし、当の勝沼の気分ははっきり言って酷く悪かった。

 いきなり最初からこちらの正体を見破った千影だけは捕らえてあるが、続く咲耶、白雪の2人は処女こそ奪ったものの、その後逃げられてしまっている。

 おまけに、千影の攻撃で草陰は倒れ、直人と木戸は順調に回復はしているが、まだ復帰していない。

 どうにも、この街に来てからは失敗続きだった。


 中でも問題だったのは白雪のことだ。

 食堂のテーブルの上に押し倒して無理矢理処女を奪ったはいいが、そのときに女体盛りの真似事をして食べたキノコの作用で、監禁部屋に連れて行く前に倒れて数時間意識を失ってしまったのだ。

 その間に白雪は簡単な片付けをして姿を消していた。

 身体を捨てて警察の手を逃れることも真剣に考えたのだが、パトカーが家の前に停まるということはなかった。

 代わりに、夜遅くなって白雪からのメールが届いた。

にいさまへ


……………今日のにいさま、酷いですの。まるで違う人みたいだったですのよ。

姫がにいさまのために頑張ってお料理つくったのに、食べないでひっくり返しちゃうなんて、あんまりですの!


……それに、テーブルの上でいきなりあんなことを……

姫は初めてのときはもっとロマンチックにって、決めてましたのに。

にいさまったら乱暴ですの。

あのとき姫、にいさまのことがちょっぴり怖かったんですのよ。

罰として、当分にいさまにはお料理つくってあげませんの。

他の料理じゃ満足できない。姫の料理が食べたいって思っても許さないんですの!

……ホント言うと、姫は今日のにいさまが怖くて、顔を見れませんの。

今度会ったときには、姫の大好きないつものやさしいにいさまに戻っててほしいんですの。

姫にやさしくしてくれれば、今日のことは特別に忘れてあげますのよ。

姫より

 どうやら、向こうが勝手に勘違いして最悪の事態だけはさけることができたようだった。

 とはいえ、確信は勿論ないようだが、“にいさま”の変わり様を不審に思い始めているのは確からしい。

 しばらくは変に刺激しないよう白雪には近づかない方がいいかもしれない。

 そうすると、白雪だけでなく、その近くにいる妹たちにも近づきにくい。

 失敗を挽回し、自信を取り戻したいところだが、これではなかなか次の獲物を決めにくかった。

 何も浮かばないまま白雪を犯してからもう丸一日がたとうとしている。

「おぼっちゃま!」

 勝沼が思案していると、ようやく古手川が狩りから戻ってきた。

「ふん。おまえは楽しんできたようだな」

 勝沼が不機嫌にそう言うと、古手川は1本のビデオテープを差し出す。

 ラベルには『公園で利佳とエッチ』とあった。

「……ひまがあったらそのうち見てやる」

 テープを受け取ると、勝沼はそれを適当な場所に置いた。

「では、失礼します」

 用が済むと、すぅっと古手川は姿を消す。

 勝沼は再び次のことを考えようとしたが、そのとき点けたままになっていたパソコンが、メールの着信を知らせる電子音を鳴らした。

 発信者を見ると、療養所にいる妹、鞠絵だった。

 鞠絵ならば、咲耶や白雪のことを気にする必要はない。

 勝沼はこれ幸いとにやりと笑い、メールを開いて中を読んだ。

 メールは近況や身体の調子などを伝え、最後に外出許可が取れたので、明日もし時間があるならば兄上様に会いたいということが書かれていた。

 どいつもこいつも、自分から餌食になりにやって来る。

 だが、このパターンで咲耶も白雪も失敗していた。

 『2度あることは3度ある』という。まさかとは思うが、気は引き締めておくべきだろう。

 鞠絵をおびき出すためにメールを返信しながら、勝沼はそう考えていた。

「……ご主人様」

 メールの送信ボタンをクリックした直後、聞き覚えのある若い男の声が聞こえた。

 ドアをすり抜けて、勝沼への忠誠が中でも一番厚い男、直人が姿を見せた。

「直人か。どうした?」

「このとおり、ようやく回復しましたので報告に参りました」

「そうか。言っていたより早かったな」

「はい。……ただ、そのかわり木戸はまだしばらくかかるようです。いつまでも古手川一人では任せておけないと、ここ数日は先にオレだけが回復していましたから」

 勝沼は直人の言葉に今の隠し部屋の様子を想像した。

 木戸のことだ。数日間おあずけ状態にされた鬱憤を晴らすように、今ごろ千影の身体を思うままに嬲っていることだろう。

 何本もの触手を伸ばして千影の全身を舐めまわすようにまさぐり、全ての穴を大小の触手で埋める。

 もはや千影は壊れてほとんど意識がないようだったが、あいつはそんなことはほとんど気にするまい。

 千影の身体中が触手から吐き出された液と千影自身の体液でぐちゃぐちゃにしてしまうことは想像に難くない。

 調子に乗りすぎて、1つの穴に2本も3本も触手を突っ込んで身体まで壊してしまわないかという心配も、ないわけではない。

 もしくは、前後の穴にあまりもの大量の体液を注ぎ込んで破裂させてしまうとか。

 さすがにそんなことまでやってしまえば、勝沼がどう思うかということくらいは理解しているはずだが……

「それで、千影の様子はどうだった?」

「はい。もうずっとあの調子です。身体だけは勝手に反応していますが、自分の意識というものはもうまるで見せていません。そのため、奪える力が減って回復が遅れました。
……ところで、ここに来る途中、監禁部屋を通ったのですが。まだ何もされていないのですか? 誰一人あそこに少女は繋がれていませんでしたが」

 勝沼の顔が不機嫌にしかめられた。

 直人たちはずっとあの奥の隠し部屋で千影から力を奪って回復していたのだ。知らないのは仕方ないが、こうして言われると自分の失敗を皮肉って言われているようで面白くなかった。

 勝沼が何も言わずに顔を不機嫌にしたため、直人はすぐにそれと察して違う話題を出す。

「もし、何かありましたら、いつでもお言いつけください。古手川一人では手が回らないこともありましょう」

「ああ。おまえも復帰したことだし、これから忙しくなるだろ。しっかり働けよ」

「はい。おまかせください」

 直人は頭を下げると、またドアをすり抜けて出て行った。

 一人になると、念のためもう一度メールチェックを行い、勝沼はパソコンを終了させる。

 暗い部屋でベッドに横になると、明日鞠絵を犯し、監禁部屋へ入れてしまうための計画を考え始めた。




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