十二妹絶望物語

第5話

 校門の前で待っていた白雪に、優しいにいさまを演じて微笑みながら手を振ってやる。

 あと小一時間もすれば、無邪気に喜ぶ顔を泣き顔に変えてやるのだと腹の内で企みながら。

「にいさま。楽しみにしててね。今日は特に腕によりをかけてがんばりますの!」

 そう言って駆け寄って来た白雪の手にはすでにバスケットがあった。

「それは?」

「これは……うふふっ。
今日の料理のために持って来た特別の材料ですの」

「へえ……」

 そんな会話をしながら連れ立って商店街に行くと、店を回ってさらに多くの食材を買い込んできた。

「……ちょっと多くないか?」

 それを見て勝沼は疑いの声をかけた。

 白雪が別の妹か誰かを勝手に呼んでいるとしたら、少し予定に変更が出てくる。

「だいじょうぶ! にいさまならこれくらいペロリと食べられますの」

 どうやら他の人を呼んでいるわけではなさそうだった。

 だが、ついでに言えば、勝沼はその量だけでなく、中身の方も多少気になっていた。

 初めから白雪の料理をじっくり味わうつもりはもちろんなかったが、白雪が買ってきたものを見ても何を作るつもりなのかいまいちわからなかった。

 バスケットの中の特別の食材とやらがそれらを繋ぎ合わせる鍵になるのかも知れなかったが。

「さて、それじゃ僕の家に行ってさっそくこの食材を使って料理を作ってもらおうか」

 食材の入った袋を白雪の手から取ると、先導するように家の方に向かって行った。



 家の前に着くと、玄関の鍵を開けるために勝沼は扉の前に立ってポケットに手を入れた。

チャリ……

 鍵と一緒に、古手川を呼び出すための呼び鈴が指に当たった。

 ここで古手川を呼んで気絶させてしまってもいいが、どのみち中に入ってしまえばもう逃げられない。

 せっかく料理を作ってくれると言うのだ。どうせなら、料理を作らせた後でそれも利用して楽しむというのもいいかもしれない。

 一度掴みかけた呼び鈴から手を放すと、ちゃんと鍵を取り出して白雪を中へ導き入れた。

 台所まで白雪を連れて行ってそこで食材の袋を下ろすと、

「じゃ、ここは自由に使っていいよ。僕はちょっと部屋に戻ってるから」

 そう言って一旦白雪を置いて台所を離れた。

 その足で、念のためにと監禁部屋の扉を確認した後、勝沼は部屋に戻って服を着替え始めた。

 後で脱ぎやすく、また汚してもいいラフな格好に着替え終わるのとほぼ同時、古手川が壁を抜けて姿を現した。

「おぼっちゃま。少し宜しいですか?」

「なんだ、爺? 今、獲物が来ているんだ。手短にするか後にしろ」

「フォッフォッフォ……先ほど見ましたが、直人たちの回復も順調の様子。もう間もなく復帰するでしょう。

それで、おぼっちゃまのお許しをいただければ、狩りに行こうかと思っているのですが……」

「ふん……そんなことか。いいだろう。だがいつものように一部始終をビデオに撮ってくることを忘れるなよ」

「フォッフォッフォッフォ……承知したしました。では早速……」

 すぅっと古手川の姿が消える。

 勝沼はそれを見送ると、着替えが終わったというのにさらにタンスの中を探って何かを取り出し、一人こちた。

「さて、と。それじゃ、白雪の様子でも見てくるか」

 食堂に戻って台所を見やると、当然ながら白雪は料理の真っ最中だった。

 まだまだ時間がかかるようで、手持ち無沙汰だったが、手伝おうとかそういう気持ちは全くない。

 いっそもう待つのは止めにして、今すぐ襲ってやろうかとも思ったが、やはりそれは思いとどまる。

(下手に今押し倒そうとして、万一包丁で刺されたりしたら大変だからな)

 仮に致命傷を負ったとしても意識がなくなる前に身体を抜け出さえすれば、勝沼自身は問題ないのだが、それが遅れれば地獄へ逆戻り。身体から抜け出せても、もうここでの狩りは諦めざるを得ないだろう。

「……仕方ない。待つとするか」

 だが、ここでじっと待っているのも暇すぎる。

「おーい、白雪! あとどれくらい時間がかかる?」

 台所の白雪に呼びかけると、

「にいさま? ……あと2時間くらいかかると思いますの。だから、お部屋で待ってくれると嬉しいんですの」

 そう答えが返ってきた。

 ……長い。

 だが、それだけかかるなら逆に安全なこともある。

 部屋に戻ると、勝沼はすぐさまベッドに身を投げ出した。

 このまま行ってもよかったが、用心して悪いことはない。

 勝沼は久々に身体を抜けて亡霊の姿に戻った。

 抜け殻のように横たわったままの身体を置いて部屋を抜けると、監禁部屋の方へ向かった。

 まだ誰も繋がれていない11人分の鎖がある部屋をさらに抜けて、隠し部屋に入る。

「直人、木戸、どうだ? 調子は」

 そこでは、直人と木戸が憑いた触手生物によって未だに千影の陵辱が続けられていた。

 すでに瞳に光は完全になく、触手が前後の穴を塞いで激しく出入りをしてもほとんど反応はなかった。

「ご主人様? どうかなさいましたか」

 直人の顔が触手生物の胴体に浮かび上がる。

「いや。ヒマができたんで少し見に来ただけだ。それで、回復の具合はどうだ? 爺は順調と言っていたが」

「はい。あと3,4日もすればオレは大丈夫です」

「そうか。……まあ、これだけやっていればな」

 そう言って結合部に視線を送る。

ぐちゅ、ぐちゅっ……

 千影と触手との分泌物が混ざり合い、白い泡と淫らな音を立て続けている。

 前から溢れたその混合液は、後ろの方へも流れていって再びそこでも新たな体液と混じりあっていた。

「おぼっちゃん。どうです? おぼっちゃんもやってみては」

 直人の隣に浮かび上がった木戸の顔がそう提案したが、

「いや、反応しない少女など嬲ってもつまらん」

 あっさり断ると、もう興味も失って隠し部屋を出ていった。

 兄の身体が寝ている部屋に戻り、再びそれにとり憑いて時計を見ると、思ったより時間が経っていた。

 再度白雪の様子を見に行くと、ちょうど料理を作り終わってテーブルに並べているところだった。

「あ、にいさま! ちょうど呼びに行こうと思ったところでしたのよ」

 勝沼が入ってきたことに気づいた白雪が、にっこり笑って振り向く。

 だが、“にいさま”を演じる時間はもう終わりだ。

ガシャ、ガシャーンッ!

 並べたばかりの料理が白雪の肢体に薙ぎ倒されてテーブルや床に散乱する。

 勝沼が白雪の腕を掴んでテーブルの上に引き倒したのだ。

「い、いやあっ! 料理がっ、せっかく作ったお料理がぁぁ!」

 白雪は“にいさま”の豹変が信じられず、悲鳴を上げた。

「料理なんかより、こっちの方が食べたいんだよ!」

 勝沼は一気に胸元から白雪の服を引き破る。

ビリイイィィ!

 同時にその勢いでまたいくつかの料理がひっくり返る。

 白雪の未成熟な胸が露わになると、勝沼はその先端にむしゃぶりつくように唇を寄せた。

「にいさま……ひどい……」

 目に一杯に涙を溜めて白雪は非難した。

 勝沼はその声を聞いて一旦身体を起こすと、白雪の涙顔を見下ろした。

「……わかってるよ。せっかく白雪が作ってくれた料理をムダにする気はないさ。
でも、このままだとちょっとな……」

 そう言って白雪の肢体を押さえていた手の片方を放し、ポケットから何かを取り出す。

 細長い数本の布切れ。ハチマキのようだった。

 勝沼は体重をかけて下半身の動きを封じてから、両手を掴んで頭の後ろに交差させると、一本のハチマキを使ってそれを結んでしまった。

「痛い! にいさま、ひどいことしないで……」

 途中で勝沼の意図に気づいた白雪が抵抗したが、男の力には敵わず、かえってそれできつく結ばせる結果となった。

 続いて足は一本ずつテーブルの足に繋がれる。長さが足りなかったのか、こちらはかなり無理矢理に大きく開かされた。

「み、見ないで欲しい……ですの」

 ほぼ限界まで開かれたためにスカートもめくれてその下の白い下着も露わとなっていた。

 羞恥のためか、抵抗して暴れたためか、白雪の身体はうっすら赤く染まり熱をもっていた。

「くっく……これで準備よし、と。それじゃあ、白雪の料理を味わうとするか」

 満足げにそう言うと、テーブルの上にまだ残っている料理を見回した。

「にいさま! これをほどいて……どうしてこんなことするんですの!?」

 縛られてほとんど動けなくなった四肢で必死にもがくように、白雪は訴えてくる。

 勝沼はそれに構う様子を全く見せず、

「ま、とりあえずはこれを……」

 皿から落ちてテーブルに直に載っていたフランスパンを手に取ると、適当な長さにちぎって勝沼に訴え続ける白雪の口に捻じ込んだ。

「……むぐぅ……」

「……これで少し静かになるか」

 そしてキノコのソテーやら何やら、まだ皿の上に無事残っていた料理を適当に白雪の身体の上に並べていく。

「……ま、こんなものか」

 一応女体盛りのような格好となったのに満足して勝沼はフォークを取った。

 フォークの先で白雪の白い肌や乳首を時々つついたりしながら勝沼は食事を始める。

 しかし、半分ほど食べたところでいまいち盛り上がらない感じで飽きてしまった。

「……もう少し趣向の違うものはないのか?」

 テーブルに張り付けられ、胸や腹の上に料理を半分ほど残したままの白雪を置いて、勝沼は一旦台所に入っていった。

「いいものがあるじゃないか」

 戻ってきた勝沼の手には、鍋があった。中身は野菜とキノコのクリームソース。まだ十分な暖かさを保っていた。

 白雪の前まで来ると、たまじゃくしでそれをすくって白雪からもよく見える位置へ持っていった。

「ぅんっ!」

 白雪の顔色が変わる。

ポタッ

 すくったときにおたまの縁に付いたソースが一滴、白雪の胸に落ちた。

「んんっ」

 そのなだらかな起伏に沿ってソースが流れ落ちる。

 勝沼は白雪のこの反応に気を良くして、へその上辺りに位置をずらすと、おたまを傾けた。

「んん〜〜!」

 顔を激しく左右に振って白雪は熱さに悶える。

 そこに勝沼の舌がソースを舐め取ろうと伸びてくる。

 勝沼の舌がかわりに唾液を白雪の肌にまぶしてソースを舐め取ると、ソースがかかっていた部分の肌は、熱さで他の場所よりも少し赤くなっていた。

「んぅっ!」

 再び白雪のうめきが高くなる。

 腹の上を伝って下着にまで流れていったソースをも勝沼が舐め始めたからだった。

ピチャッ、ピチャッ……

 その動きは、次第に下着に染み込んだソースを舐めるというより、下着越しに白雪の大切な場所を舌で嬲るものに変わっていく。

「っぷぅ……」

 勝沼がようやく顔を上げると、下着も勝沼の口の周りもソースと唾液とでベトベトになって、両者の間に細い唾液の糸が繋がっていた。

「……そろそろいいか」

 手の甲で口を拭うと、勝沼はカチャカチャとズボンのベルトを外し始めた。

「んん! んんむ〜〜!」

 涙でぼんやりした視界でもさすがに勝沼が何をしようとしているのかはわかったのか、白雪は今までで最大の勢いで暴れ始めた。

 しかし、四肢を縛られていてはやはりどうすることもできなかった。

 下半身を剥き出しにした勝沼が、白雪の下着を剥ぎ取って、そそり立った一物を秘所に押し当てた。

「んんんんんんんんんん!」

 途中で処女膜が引っかかったが、お構いなしで一息に最奥まで一物を突き刺す。

 あまりの激痛に意識を失うこともできず、あとからあとから涙が流れ出てテーブルクロスに染みを作っていった。

 一旦半ばまで引き抜いたところで腰を止めると、結合部から溢れ出た血が小さな血溜まりを作る。

 そこで勝沼はふと思い出したように、

「おっと。これじゃ、感想も聞けないな」

 と、白雪の口に捻じ込んだままだったフランスパンを引き出した。

「ひっ……ひっ……ひぐっ……」

 しかし、せっかく口を自由にしてやったというのに、白雪はまともな言葉を口にすることもできなかった。

「どうした? せっかくにいさまがお返しにたっぷりごちそうしてあげてるのに、これは気に入らなかったか?」

 そう言ってもう一度突いてやると、

「ひぐぅっ!」

 悲鳴を上げて白雪の身体が跳ねる。

 それを皮切りに腰をゆっくりと動かし始める。

「ひっ……ぐっ……うぅっ……」

 勝沼の腰の動きに合わせて、途切れ途切れに白雪の悲鳴が続く。

 徐々にだが腰の動きを早くしつつ、結合部に手を伸ばし、そのすぐ上でかすかに見える極小さな肉の粒を指で軽く弾いた。

「いやああぁぁっ!」

 大きな悲鳴とともにギュッと白雪のただでさえ狭い膣内が痛いほどに勝沼の肉棒を締めつける。

「くっ……」

 あやうくイキそうになったが、勝沼はなんとかこらえ、白雪の左足のハチマキを外した。

 そしてその足を掴んで脇に挟むと、さらに奥に突き入れようとでもするように、激しい動きでラストスパートをかけ始めた。

「ひ……ひ……ひっ……」

 もう白雪は苦しさで呼吸すら満足にできていないようだった。

「よし、イクぞっ! ホワイトソースのお返しをたっぷり注ぎ込んでやるからなぁっ!」

びゅっ、びゅるっ、びゅるっ……!

 白雪の奥深いところで勝沼の一物が弾けた。

 大量の精液が最後の一滴まで膣内で絞り出され、勝沼はまだ繋がったまま大きく一つ息をついた。

 一物を白雪の膣内から抜き出すと、白雪の四肢を拘束していたハチマキをすべて解いた。

「……まだだ。咲耶のようなことはもうご免だからな。もう一回して完全に意識を失わせてやる」

 白雪の身体を反転させて今度はうつ伏せにすると、勢いをなくしかけた一物を2,3度しごいて先ほどの行為で腫れ上がりまだ破瓜の血と精液とを流し続けている穴に押し当てようとした。

グラッ

 だが、その瞬間、勝沼の視界は大きくブレた。

「な、何だ……?」

 足元のバランスが崩れて倒れそうになった勝沼は、反射的にどこかに寄りかかって身体を支えようとした。

ガツンッ

 しかし、支えようとしたその手も滑ってしまい、椅子の背の角に後頭部を激しく打ち、身体から抜け出る間もなく、意識を失ってしまった。



 勝沼が目を覚ましたときには、食堂に散らばっていた食器類は流しへ片付けられ、勝沼の身体も床に横たえられて後頭部のぶつけたところにはアイスノンが当てられていた。

 そして、家のどこにも白雪の姿はなかった。

 残っていたものは、白雪が忘れていったらしいバスケットだけ。そこには見慣れないものも多い様々なキノコがまだたっぷり残っていた。

 そう言えば、さっきの白雪の料理にはキノコ尽くしと言っていいほどキノコが多かった。おそらく、そのいくつかの組み合わせが偶然催眠作用のようなものを引き起こしたのだろう。

「くそっ……またか。しかも今度はかなりまずいな……」

 馬鹿馬鹿しいことで再び失敗した勝沼は、まだ痛む頭を押さえながら舌打ちをした。



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