元になった由衣美さんの「Happy Birthday 2001」を読む

理恵 (3月30日(金)06時32分38秒)
◆アニトさま◆
ご無沙汰しております。理恵です。
お誕生日おめでとうございます。
ご挨拶をと思っていたのですが、綾乃様に先に見つかってしまったようですね。
R様の特別なお計らいで、アニト様T1010ともどもの参加です。
◆みなさま◆
ご無沙汰いたしております。パーティーの末席に参加させていただきます。
私のそばにいたのは、実は「アニト様T1010」と申します。
やすこさんの「スネーク」をお知りになったR様の、
「おもしろいわね、これ」という一言で、
「アニト様T1000」に比べて格段の「バージョン・FUCK」が実現しています。
・・・どうぞ「ご自由に」お使いくださいませ。うふふ
ただし、どうなっても責任は・・・え、R様、こんな時間に・・・
◆みなさま◆
Rです。ここにまで出てくるとは考えていなかったのですが・・・
どたばたしてしまいました。失礼をお詫びいたします。
上記書き込みの責任は、すべて理恵にとらせます。
・・・どうぞ「アニトさんT1010」ともども、ご自由にお使いくださいませ。
どうぞ、みなさまが「大好きなように」理恵をお楽しみください。
 * * * *
HAPPY BIRTHDAY 2001
      ・・・R's“TREAT[AND]TRICK”

* * * *
「みんな楽しそうね」
パーティーが始まる前の、とんでもなく雑然とした雰囲気の中、
グラスを傾けながら、R様がおっしゃいました。
ラフロイグの30年物、ストレート・ノー・チェイサー。
さっきからぐいぐいと空けておられます。
「理恵は、これからどうするの・・・話していいわ」
R様、ずいぶんと上機嫌でいらっしゃいます。
綾乃さんのお言葉に、ついつい自惚れてしまった理恵が、そこにいました。
「ありがとうございます・・・お許しいただけるのでしたら、
このパーティーがお開きになるまで、理恵は、女の子で・・・」
R様の目が、とても優しくなられました。
理恵は、思い切って申し上げました。
「女の子でいられたらと願っています」
R様が、それはそれは優しさにあふれかえった、
見ている理恵も、心の底から温かくなるような微笑みを浮かべられました。
と同時に、マグネシウムライトが眼前で焚かれたかのような輝きが走りました。
* * * *
シルクの肌触りです。
顔があたっている枕も、胸も、腕も、腰も、そして、足の先まですべて・・・
「裸だ、わたし」
目が覚めました。
キングサイズのダブルベッドに横たわり、
シルクの波に覆われている理恵がいました。
かすかに聞こえるのは、波の、こちらは本当の、音です。
ゆっくりとした心地よいリズムです。
遠浅の、あの醜悪なテトラポッドなどはない浜辺が近くにあるのでしょう。
「お目覚めになられましたね」
女性の声です。
あわてて飛び起きました。
一糸乱れることなくまとめ上げた黒髪、
寝起きの眼で見ても、手を入れていない、自然な、それでいてくっきりした眉、
目のあたりも、そして唇も自然な艶やかさを保ちつつ、
ぽっちゃりと花開いている・・・
状況を把握することを後回しにして、理恵は彼女に魅入られていました。
それを見計らったかのように、彼女が口を開きました。
「Hと申します。ただいまから、お世話をさせていただきます」
え、どういうこと!!!
飛び起きた理恵は、体中に違和感を感じました。
理恵が、理恵の身体が、理恵の身体ではありません!
ない、ないんです。そして、ある、あるんです。
「驚かれるのも当然ですわね。どうぞ、鏡でご自分のお姿をご覧下さい」
H・・・そう名乗った彼女の声に促されて、ベッドの横にある鏡を見ました。
「K・・・さん?」
Kさんが、そこにいらっしゃいました。
「軽くウェーブしたセミロングの髪、
顔は、はかなげで、それでも凛としていました。
少女から、大人に生まれ変わった−それは間違いなくR様によって−
余計なものをそぎ落としたシェイプ。
絹のような細やかな肌。
最小限の手入れしか必要としない眉。くっきりとした二重。
しなやかに長く伸びたまつげ。細やかなのにくっきりと流れた鼻筋。
そして唇は、R様と口づけすることこそふさわしい、
Kさんの少女を残していました」
理恵がかつて、このように形容したKさんがそこにいました。
・・・いえ、それだけではありません。
何かにとりつかれたかのように、
理恵は何ひとつ身につけてはいない身体のすべてを、
眼前にある鏡にさらしていました。
Kさん・・・Kさんがいました。
「女の子でいられたら」
・・・理恵の願いが実現したの・・・かしら・・・
一瞬の陶酔・・・でも
「R様からのお言いつけを申し上げます。
一.パーティーがお開きになるまで、女の子とする。
一.その身体は、まごうことなく『私の』Kの身体である。
 理解はできているであろう。Kと理恵とを入れ替えたまでのこと。
 私は、どんな些細な傷であろうとKの身体に残すことを許さない。
一.『私の』Kは、身体も精神もKであるからこそ、悦びを極める。
 それゆえ、理恵が悦びを極めることは許されない。
一.Hは私である。そう考え、行動すること」
Hさんの、柔らかな、しかし抗うことを許さない声。
「違う。私はKさんではないんです・・・わたしは理恵、理恵は・・・」
それでも、ついつい言葉を発してしまう理恵。
「わかっています。でも、いま、あなたはK様。
私は、R様に絶対服従する、H。
そうであるからこそ、私を、R様であるとお考え下さい」
それはそれは優しさにあふれかえった、
見ている理恵も、心の底から温かくなるような微笑み
・・・どこかでみたような・・・その微笑みでHさんが歩み寄ってきました。
「パーティーがお開きになるまで、おつきあいいただきますわ」
今になって気がつきました。
Hさんも、Kさん、いえ、理恵と同じく、
何ひとつ身にまとってはいらっしゃいません。
Hさんが、今はKさんの身体である理恵の右斜め後ろに立ちました。
左手が肩の上におかれました。身体が引き寄せられます。
理恵、いえ、Kさんよりひとまわり上背のある身体。
ちょうど耳のあたりにきた、Hさんの唇がささやきました。
「女の子でいる間に、もう少しだけ、きれいになっていただきます」
* * * *
「もう、泣きませんから。私、決心しました。でも・・・
わかっています。これから私が何を受け入れればいいのか・・・
このパーティーがお開きになるまで、
私が、この、理恵さんの身体でいることも・・・
そして、この身体で、私が今まで、経験したことのない、
経験したことのない、でも理恵さんなら受け入れられるんでしょうね、
あんなことも、こんなことも・・・私、受け入れます」
そう言い放って、Kはきびすを返して、パーティー会場に戻っていった。
かわいい。でも、無謀ね。何が起きても知らないわよ。
アニトさん、そして、みなさん。
K−まだ同性である私との間でしか悦びを極めたことのない小娘−を、
理恵−どのような相手とも、ただれた悦びを極める淫乱マゾ−の身体に込めて、
バースディパーティーの会場に送り込みます。
再び、己自身の身体に戻ったときに、Kはどうなっているんでしょうか。
楽しみです。どうぞ、存分に弄んでくださいませ。

* * * *

パーティ当日 由衣美さんは・・・・・ 権太さんは・・ カオルさんは・・
山崎アカリさんは・・ 綾乃さんは・・    

もちろん、理恵ひとりをいい気分にさせることなど考えていません。
それはまた別のお話で。
・・・・・・・・・みなさんが、Kを弄ぶのをみるのが大好きなRでした。
PS.無理矢理なお話ですね。
でも綾乃さんのおかげでインスピレーションがわきました。
何とか理恵も、パーティーに参加できました。ありがとうございます。
* * * *
みなさんが大好きです。理恵でした。




アニト (3月31日(土)07時45分29秒)
理恵さん、こん○○は。
パーティへの参加をありがとうございます。
遠慮しないで誰かと絡んだり、
わたしに会いに来ていただればよかったのに〜。
ぐえっ、「アニト様T1010」バージョンアップしたのですか!。
生身のわたしも負けてはいられません。
《無理矢理なお話》も通してしまうのが『空想デート』の楽しさですよ。




理恵 (4月21日(土)23時36分11秒)
◆アニト様
『HAPPY BIRTHDAY 2001』という
素敵な場所を与えていただきましたことにあらためて感謝いたします。
普段の理恵は『MAGICAL EVE』のような性格なので、
このような時間と空間が大好きなのです。
だからこそ、お祭りが終わって、それぞれの厳しい日常に帰っていくことが
とてもつらいことも、ひしひしと感じます。
とても厚かましいお願いですが、もう少し、遊ばせてやって下さいませ。
そして、ごめんなさい。本当にごめんなさい。
アニト様の住む地域を、おもちゃにしているのではありません。
本当に、そう聞こえるんです。先にお詫びいたします。
◆綾乃様
ごめんなさい、R様のお言いつけで着替えにいってしまって。
またお会いできるかしら・・・
◆宏美様
理恵がご一緒いたします。
理恵のことです。簡単には会場へ戻れない、そんな予感がしてなりません。
ただし、女装マゾの宏美様が、それを幸ととるか不幸ととるかは、
理恵が図り知ることはできません。
しばらくおつきあい下されば幸いです。
◆みなさま
別棟にある「R's“TREAT[AND]TRICK」を先にお読み下さい。
でないと、何のことやらわからないお話になっています。
* * * *
HAPPY BIRTHDAY 2001
・・・R's“TREAT[AND]TRICK”U「歩く」
* * * *
エアコンがよく効いていた。
メカ音痴の私だが、年代物の車であることぐらいはわかる。
それなのにエアコンだけでなく、簡単なバーセットまでついていた。
ミッション・ギアであるにもかかわらずギアチェンジは、とてもなめらかだ。
よほど運転技術が高いのだろう。
・・・そんなことを考えていた。
「宏美」という名前の、理恵と同じく女性の衣服を身につけることを、
そして女性として、おそらくは理恵・・・だけではなく私もそうだ・・・
と同じように、マゾヒスティックなセックスを、望んでやまないのであろう、
きれいな化粧をこらした、スーツ姿の男性と、今、私は二人きりだ。
運転席との間にはスモーク硝子が降りている。
今、座っている贅沢な造りの後部座席は、これを本当の意味でワゴンというのだろう、
革張りのシートでおそらく4人がゆったりと向かい合わせに座ることができる。
私と宏美さんは向かい合わせに座っていた。
何かしゃべらなくてはいけないのだろうか。
何をしゃべることがあるのだろうか。
私が「理恵」であるのならば、もしかすると二人は、
「同好の士」として言葉を交わすことができたのかもしれない・・・
私にはできない。
突然、スモーク硝子が鮮やかな色調を帯びはじめた。
「理恵、聞こえてるよね」
R様のお顔が、スモーク硝子に浮き上がった。
「液晶機能を持っているスモーク硝子だよ、理恵。便利でしょ。
もちろん、私にも理恵の顔はよく見えているよ」
理恵、理恵、理恵・・・
何度もそう呼ばないで!理恵じゃない!わかっているでしょ!
私は、私は・・・理恵・・・さんじゃ・・・ありません。
わかって、いらっしゃいますよ・・・ね。ね、R様。
「理恵、もういちどお着替えしなさいね。
今から運転手が渡す紙袋の中に、理恵が通っていた高校の制服が入っているから。
じゃあ、ね。理恵、ちゃん」
R様が画面の中に、右手でワイングラスを掲げられた。
そして、左手で誰かを、男だ、を引き寄せられた。
見覚えがある。スタッフとして働いている、確か、良平という人だ。
「『いま』は、二人とも空き家なの。そうよね」
良平という人の顔、いや、その表情に見覚えがある。
理恵だ。R様の前に引き出された理恵の表情だ。やめて!!!!
言いかけた。言わなかった。
やっとのことでブレーキが利いた。理恵は、ここにいる。
画面が途切れた。そしてスモーク硝子が音もなく下がった。
「どうぞ、お着替え下さい」
震えるような、私の声がした。そこには、私がいた。
「フルネームを名乗ることは禁じられております。
失礼いたしますが、Kとお呼び下さい。
未熟な運転で恐縮しております。
はじめてこのような素敵な車を運転いたしましたので。
アニト様の大切なお客さんをお乗せするのも、はじめてで。緊張いたしました。
理恵様、どうぞ、こちらにお召し替え下さい」
そうだ。大正解だ。
私が、その運転席に座らされていたならば、そう言ったであろう、
これは。T−1010だ。
その存在を口外することは、R様から固く禁じられている。
「Kさん?・・・あのKさんなんですか」
宏美さんが運転席をのぞき込む。
「え、あ・・・そうです。以後お見知り置き下さい」
スモーク硝子が再び上がった。
「R様も、Kさんも、とても素敵な方なんですね。
羨ましい。やっぱり本当の女性って。
あ、ごめんなさい。理恵さんも素敵な人ですよ」
困惑する宏美さん。だから、違うんです。私は・・・私は・・・
「気にしないでください!」
思わず語気を荒げてしまった。
凍りついた雰囲気・・・何とかしなくては。そう思った。
私は、運転席の私、Kから受け取った紙袋を開いた。





アニト (4月22日(日)23時54分25秒)
理恵さん、こんばんは。
どうぞどうぞご自由に遊んでみてください。
なんにでもなることができ、どんな設定でもかまわない、
それが空想の楽しさです。
《祭りの後の厳しい日常》ではなく、
次の祭りを待つドキドキワクワクとした毎日を過ごしてください。




理恵 (7月8日(日)22時14分28秒)
◆アニト様
ごめんなさい。本当にごめんなさい。
アニト様の住む地域を、おもちゃにしているのではありません。
本当に、そう聞こえるんです。先にお詫びいたします。
◆由衣美様
少しだけ、前に進みました。
何とかしなくては、ね。
◆アカリ様
女の子ですものね。締めるところは締めないと。
◆権太様
実をいうと、権太さんの「男の子のアイデンティティー」というフレーズに、
私は大受けしてしまいました。
* * * *
リンクにある私書箱に、理恵も登録しました。IDは「rieforr」です。
「そのまんま」のIDです。
みなさんが大好きです。理恵でした。
* * * *
HAPPY BIRTHDAY 2001
・・・R's“TREAT[AND]TRICK”U「歩く・2」
* * * *
車が止まったのは、N駅の西口だった。
「申し訳ありません。アニト様御用達のお店は、駅の東口にございます。
ぜひそちらまで、ご案内をと申しつけられていたのですが、渋滞がひどくなりまして。
このN駅のコンコースを通り抜けると、10分ほどでお店の入り口になりますから」
慇懃な「私」の声。もう少しまともなウソをついて欲しい。
N駅の西口は、K塾だの、Y予備校だの、いずれにせよ若者たちが集まる街だ。
スモーク硝子の窓越しには、女子生徒たちが無数に行き来している。
「全国女子大・女子短大集中模試が終わったとのことです」
何から何まで準備のよいこと。
「理恵さん・・・あの、言いにくいのですが、早くお着替えなさった方がいいですよ。
あと20分したら、私、ドアを開けるようご命令を受けているんです。ごめんなさい」
私は紙袋から出したブラウスとスカートをぼんやり見ていた。ハンカチまである。
K・◆・・・ごていねいに、ひとつひとつ、私のイニシャルまで刺繍してあった。
そういう学校だった。でも、母が行かせてくれた学校だった。
「ハンカチ一枚までよ、金儲けの種にするような学校に、ようも行かす気になっとるわ。
ポンポロポンポロ鍵盤たたいて、頭のてっぺんから声出すよりか、
その器量と指使いなら、よぉーぽど、ええ稼ぎ、できるとこ紹介したるがね」
私は、今もそのことばを忘れない。
苦労に苦労を重ねて私をその高校に入れた母親に対して、叔母が浴びせた罵詈雑言だ。
リボンタイ、ハイソックス、コインローファー、そしてわたしが3年生の時の襟章。
そして、ブラジャー・・・ていねいな作りの、高校生の私にはとても手がでなかったもの。
私がたつきの道を得ることが出来た、しかし、それと引き替えに生活レベルの違いから、
ひとりの友人さえ出来なかった、屈辱の高校時代が無理矢理に甦らされてしまう。
それらが今、しっとりとした深みのある革張りのシートの上にひろがっている。
スモーク硝子が下がった。
「私」が、私そっくりのT−1010が振り返る。
「宏美様、R様からお電話です」
携帯電話が渡された。
「はい、宏美です。
お電話ありがとうございます。今、N駅の西口に着いたところです。
いえ、道路が込んでまして、こちらが近道だと言うことで・・・はい・・・
でも、まだ、・・・おっしゃるとおりですけれども、
でも、理恵さんにしても初めて会った私の前で、・・・あ・・・申し訳ありません。
失礼なことを申し上げてしまいました。お許し下さい。
・・・そんな・・・私にできるわけが・・・いえ・・・申し訳ありません・・・・
やらせていただきます・・・はい・・・失礼します」
宏美と名乗る男の表情が凍りついていた。
携帯電話を返した。私の方に向きなおった。
「理恵さん」
本能的に恐怖感を感じた。
背中に回した左手でドアレバーをまさぐる。動く筈もない。
「こんなことをする気はなかったんです。本当です。ごめんなさい、ごめんなさい・・・
でも・・R様が・・・そうしないと、良平さんが・・・私、由衣美さんのおかげで・・・
パーティーに来ることができて、良平さんは由衣美さんの大切な人だから・・・」
つぶやくように宏美と名乗る男が言葉を並べる。
「理恵さんを着替えさせるようにとのご命令です。Kさんにも見ていていただくようにと」
10秒だけ考えた。ドアレバーから手を離した。
ゆっくりと微笑んでみた。
できた。理恵ならば見せるであろう、女装マゾ奴隷の運命を受け入れる、
悲しい、しかし友情−奴隷にこの感情が許されるのであれば−の微笑み、だ。
R様の前で啖呵を切った以上、引き下がることなどできない、と思い定めていた私だった。
「第一段階、合格」。そう思った。
宏美さん−理恵ならばそう呼ぶのであろう−の手が私の服にかかった。
小刻みに震えている。
目をつぶろうかどうか、少しだけ迷った。
つぶらないことにした。
宏美さんを見ていようと思った。
きれいにメークした、でも男性のスーツ姿の宏美さんが、上着をハンガーに掛ける。
扱い方を見ていて、ものを大切にする人なんだろうなと感じた。
だが、そこまでだった。
「理恵さん。本当にいいんですね」
その一言を、言わないで欲しかった。
宏美さん、どうしてそんな言葉をかけるの・・・
「いいですわ」なんて答えられるはずなどない!
ならば、私の返事はひとつしかない。
「どうぞ、宏美さん」
私の姿をしたT−1010が、切なげな表情をして、じっと見つめている。
いい線だわ。私なら、きっとそんな表情をする。
そして、哀れな女装奴隷たちのために、涙の一筋でも・・・流した。
見事な造りですわ。R様。
私は瞬きもせず、宏美さんの顔を見つめ続けた。
宏美さんの指が、私の、理恵の身体のあちらこちらで、つかず離れず、
ていねいに、ていねいに、不規則和音を奏でた。
第1楽章が終わった。
美しくメークアップされながら、ビジネススーツを身にまとった男・宏美。
丸裸にむかれ、メークした顔以外、誰まごうことなく男である理恵、である私・K。
私のままの顔かたちをした、私ならそうするだろう仕草と物言いをするT−1010。
程なく第2楽章が始まった。
美しくメークアップされながら、ビジネススーツを身にまとった男・宏美。
・・・和音の基調をなしている男・・・女だ。
私が通っていた高校の、私が着ていた制服を着た、理恵の身体をした私。
ブラウス、スカート、リボンタイ、ハイソックス、コインローファー、ハンカチ・・・
もちろんすべてイニシャルが刺繍されている。
そして私が3年生の時の襟章。
* * * *
みゃー、みゃー、みゃー、みゃー、みゃー、みゃー、みゃー、みゃー
ネコの声・・・私の声・・・違う、猫の声。
猫たちが、私と宏美さんの廻りを蠢いていた。
猫。それも若い雌猫の集まりだ。
狩り場に迷い込んだ哀れな獲物、それが宏美さんと私だ。
どうせならば、私たちを襲い、骨までしゃぶるぐらいの血祭りにして欲しい。
心からそう願った。
私は、白のブラウスに紫色のリボンタイを締めている。
スカートは膝上15センチ。やはり紫を基調にしたチェック地だ。
そしておきまりのルーズソックス、60センチもの。
ブラウスの下はパステルブルーのブラジャー。
本来ならスカートの下もお揃いなのだが、下着として身にまとうものはなかった。
下着がどうであれ、私が着ている制服は、理恵ではない、私が通った高校の制服だった。
「あれぇ、あの制服、みたことないがね」
「なにぃ、あれ。ちょっとォ、あの服着とる子、高校生にみぇーしんがね」
「なにゆーがや。男だがね。おっさんのオカマにきまっとるがね」
「ちょっとぉ、こっち来るといいがね。みてぇ。あのおっさんらぁ、ふたり」
聞こえない振りをする私。
だが高性能DVから伸びるイヤホンは、雌猫たちの嘲笑を正確に伝え続けていた。
完全にメークアップしていながら、きちんとスーツ上下を身にまとっている宏美さん、
その横を歩く制服を着た私、
周りを囲むのは、こちらは本物の女子高校生・・・
異様な一団が、広いN駅のコンコースをぞろぞろと進んでいた。
周りを囲む若い雌猫たちの輪は、少しづつ数を増し、
いつの間にか私たち二人は、彼女たちが簡単にもみくちゃにできる中を、
肩が触れんばかりになって歩いていた。
猫たち、若い雌猫たち。
みゃー、みゃー、みゃー、みゃー、みゃー、みゃー、みゃー、みゃー





アニト (7月9日(月)00時01分58秒)
理恵さん、こんばんは。
わたしは愛知県の東の方なのでみゃーみゃーとは言わないのですが
普段の会話の中ではたぶん独特の方言が混じっていることでしょう。
この場合は物語の中ですから気にすることはありませんよ。
それに方言が巧みに活かされていて、街の表情が目に見えるようです。
こういうのは「有り」でしょう。
万が一、N市のお友達から苦情が来たら
わたしの方からあやまっておきますみゃー。(あっ!)

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