私は21歳以上です。



 『くの一忍法修行(哀愁編)』 1
                        作:Biscuit

 この作品は本HP掲載中の「くの一の忍法修行」の作品にヒントを得て、
 新たにbiscuitさんが書き下ろした作品の第2弾です。設定や登場人物
 名が同じですが、全く新しい作品世界が広がっています。

 稚作の「本編」「番外編」、そしてbiscuitさんの「謀略編」などと併せて、
 ぜひともご覧下さい。                       (Midway)


 ― 時は、後に安土桃山と呼ばれる時代、華やかな文化が咲き誇ったが、まだ国
中で大小様々な戦が行われていた。天下を取る為、領土を広げる為、立身出世の
為、一族の名声の為。しかし、戦をする者達すべてが武士という訳ではなかった。
闇に生きる者、忍びもまた戦に一族の命運を賭けていた ―

 伊賀のとある里。里から少し離れた森の中を数名の黒装束の者が駆けて行く。先
頭にいるのは女だ。年は二十歳ぐらいだろうか、娘から女に変貌する頃の輝くよう
な美しさに溢れている。黒光りする長い髪、その髪と好対照の雪のような白い肌、そ
してほっそりとしている体躯。

 前方には同じような黒装束の者がやはり数名。互いに剣を抜き、手裏剣を投げる。

 カキッ! カキキィ!

 辺りに剣が手裏剣を弾く音、剣と剣が触れる音が響く。その時だった。先ほどの娘
の側に袴姿の美しい娘が現れた。

「姉様、総頭領から使いの者が来ております」

「総頭領から?」

「はっ」

「わかった、すぐに行く。おまえ達は訓練を続けろ!」
 黒装束の者達にそう言うと袴姿の娘と一緒に歩き出した。
 里の中心にある家に入ると使者が待っていた。顔見知りの壮年の男だ。

「さっそくだが、本題に入ろう。尾山城を知っておるか?」
「噂では聞いております。なんでも難攻不落の城だとか」
「そうじゃ、かの家康公でも落とせず難儀しておるとのこと。そこでそなた達の力を
借りたいのじゃ。」
「我らの?」
「そうじゃ、仔細は・・・」

 尾山城、武田勢を攻略中の家康の前に立ちはだかっている城である。城主は三
条隆盛という。決して大きな城でもないし、城を守る兵達が強い訳でもない。城が
落ちない理由、それは城の立地条件と城を預かる三条隆盛である。

 城の西側は大きな川、北側は険しい崖、南と東は川から引いた水を使った深い掘。
そして三条の戦上手さ。戦上手には二種類いる。野戦―野に大部隊を展開させ戦
闘を行う―が上手な者と城の攻防が上手な者、三条は後者だった。

 一年前、家康は尾山城を包囲した。三条軍は城にたてこもり、家康軍は手が出せ
ず散発的な戦闘が行われただけだった。包囲が半年続いた頃、ごうを煮やした家康
が三条軍は城から出ないと判断し、尾山城の包囲を解き武田領に攻め込もうした時、
突如三条軍が尾山城から出陣し家康軍の背後を突いたのだ。家康軍は総崩れとな
った。

 しかし、話はこれで終わらない。当初、三条軍が城から出なかったのは作戦ではな
く、出られなかったのだという噂が立った。三条隆盛が流行り病で生死の境をさ迷い、
回復してからも戦を指揮できるまでかなりの日数が必要だったという。

 しかも、三条隆盛の病を治すため、三条配下の忍びが城から出て堺に南蛮渡来の
薬を買いに行ったという。家康軍に包囲されている尾山城から。つまり尾山城には秘
密の抜け穴があるというのだ。

「そなた達の役目は、その抜け穴を発見し、そこから尾山城に潜入、三条隆盛を殺め
るか、城に火を付けるというものだ」

「はっ、わかりました」
「やってくれるか。ここで手柄を挙げれば、我ら伊賀一族は安泰だ。心してかかれよ」
「はっ」

 そう返事をし、頭を下げた娘、名を沙霧という。まだ若いが五十名あまりの配下を
持つくの一の頭領である。その若さでくの一に頭領になる、それは極めて優秀であ
るからにほかならない。今では伊賀くの一随一と言われるまでになった。

 そして隣に座る袴姿の娘は妹の沙恵、沙霧を補佐する副頭領といったところか。美
しいが沙霧ような明るい美しさではなく、夜空に輝く月のような静かな美しさであった。
性格も外見の通りで、外向的な沙霧に対して内向的な沙恵、それでも二人は仲の良
い姉妹でこれまで助け合いながら生きてきた。

 二人はもともと伊賀の者ではない。十五年ほど前、戦乱の中、親とはぐれ死にかか
っていたところを伊賀の忍びに助けられ、伊賀の里で育てられたのである。助けられ
た時、身元がわかるような物は何も持っておらず、沙恵が赤い櫛を握り締めていただ
けだったという。沙恵は今でもその櫛を大切に肌身離さず持っている。


 それから数日後、尾山城を遠くに見る山に旅姿の沙恵がいた。今回のお役目に沙
霧は沙恵のほか十名程のくの一であたることに決めた。沙霧と数名は尾山城の近く
の尾山町に入り、三条隆盛や尾山城について探りを入れる。そして、沙恵と数名は
周囲の森や山を探る。

「まぁ、きれいなお花」

 沙恵は崖の淵の山道に生えている薄桃色の花を見つめた。沙恵は花が好きだっ
た。そんな沙恵を沙霧はいつも 「忍びに花を愛でる心など不要だ、もっと鍛錬をしろ」
と叱りつけていたが。

(また、人を殺めなくてはならないのだろうか)

 沙恵はくの一という生業が好きではなかった。人を騙し、裏切り、殺める。そんなこ
とはしたくない。しかし、沙恵もくの一である。今まで数え切れぬほどの人を殺めてき
た。「筒がらし」で文字通り昇天させた者もいる。

 一方、沙霧は全く逆だった。くの一という生業を心から楽しんでいるようだった。敵
対する侍や忍びを捕らえ尋問に託けては嬲りものにし、最後は「筒がらし」で息の根
を止めていた。「筒がらし」で射精する男の樹液を受けるのがたまらないという。

(姉様のようにはなれない)

 そんなことを考えながら山道を歩く。ふと崖の下を見ると人が倒れている。
「!」

 本来、人が倒れていようが、死んでいようが、くの一にとって気にすべきことではな
いが、沙恵はそうはできなかった。険しい崖だが、くの一である沙恵にはどうというこ
となく、簡単に下まで降りて行った。倒れているのは侍姿の男、年は沙恵と同じくらい。

「もし、大丈夫ですか?」
 沙恵は声を掛ける。
「う、うん」
 沙恵が手を貸すと男はゆっくりと身を起こした。

「ありがとう、もう、大丈夫だ」

 男は沙恵が驚くほど好い男だ。役者のような色白のほっそりとした顔立ち、すらりと
した体躯。男は立ち上がろうとして、

「あぁっ」

 呻き声を上げて倒れかかる。沙恵は慌てて男を支えた。
「足を挫いたようだ」
「人を呼んで来ましょうか、お屋敷はどちらですか?」
「いや、いい、私の家はすぐ近くだ」

「えっ」

 沙恵は驚いた。城や町からはそれほど離れてはいないが、それでも山の中である。
身なりの良さそうな侍の住むところではない。だが、詮索している場合ではない。二
人は山道を歩いた。

「あっ、申し遅れた。私は前川一乃新」
「私は沙恵といいます」
「ところで、こんなところで何をしていたんだい?」

「弟を捜している途中なんです。弟は戦で手柄を立てて本物の侍になるって言って、
戦に行ったきり帰ってこないんです。父ももう年で畑を耕すのも辛いようで、弟に帰っ
てきてもらわないと。この辺に戦の途中で抜け出して樵になった人が多くいると聞い
て」

 沙恵は予め準備しておいた身の上話をした。この時代、まだ半農半武の者が多く、
その中には戦で手柄を立て立身出世を望む者も多かった。

「ああ、確かにいることはいるが、若い者はいないようだ」
「そうですか」

 ほどなく、十数軒の家がある里があり、里から少し離れた家―山荘といった方がよ
いだろう―に着いた。

「ここが私の家というか、今は家になっている。住んでいるのは私一人だから遠慮し
ないでくれ」

「?」

 沙恵は一乃助の言い方に疑問を感じたが口にはしなかった。沙恵は一乃新が座
敷に上がるのを手伝うと出て行こうとした。

「では、私はこれで失礼します」
「もう暗くなるし、泊まっていった方がいい」
「えっ、でも」
「遠慮することはない。大丈夫、何もしないから。それに夕飯を作ってほしいんだ」
 一乃新はそう言って微笑んだ。

「まあぁ、それではお言葉に甘えさせていただきます」
 沙恵も微笑みながら答えた。材料はそれなりにあった。簡単なものだったが食事
をこしらえ、沙恵と一乃新は膳をかこんだ。

「う、うまい!沙恵は料理が上手なんだね」
「ありがとうございます」

 一乃新はおいしそうに沙恵の料理を食べる。沙恵もそんな一乃新を見てうれしかっ
た。こんなに楽しい食事は初めてだ。しかし、一乃新はどういう人なのだろう?金に
困っているようには見えないが、こんな山の中に一人暮しとは・・・

 一夜明けた次の日、さすがに沙恵も辞去しようとしたが、一乃新から
「足が治るまでもうしばらく居てくれないか」
と言われ、お役目のことが頭をかすめたが昨夜の楽しい夕食を思い出すと断れなか
った。はじめはわだかまりもあったが、二、三日するとそれも消え、まるで山荘での生
活が本当の生活のように思えてきた。

 一日中、一乃新の側に居り、日の光の暖かみを感じ、小鳥のさえずりに耳を傾ける。
(幸せとはこういうものなのか・・・)
 沙恵はそう思った。
 しかし、そう思ったのは沙恵だけではなかった。一乃新もそう思ったのだ。


 前川一乃新の父は三条隆盛の重臣の一人だったが、一乃新が幼い頃亡くなった。
母も追うように亡くなり、一乃新は叔父の前川十衛門に引き取られた。十衛門は兄
である一乃新の父の後を継いで、三条隆盛の重臣になっていた。

 一乃新の十衛門家での生活は幸せとは言えないものだった。十衛門には二人の
息子と三人の娘がいた。一乃新にとっては従兄弟であるがあまり仲は良くなかった。
息子達に比べ一乃新の方が武芸、学問、容姿すべてにおいて勝っていたことや娘
達にとっても一乃新は結局は部外者だったことがその理由だろう。

 それでも、なんとか生活してきた。半年前のあの日までは。

 その日、十衛門と息子二人は城での戦勝の宴に出ていた。十衛門の妻も内儀の
集まりに出ており留守で、屋敷に居たのは一乃新、三人の娘の他数名の女中や家
人だけだった。

 夜も更けた頃、一乃新の部屋に三人の従姉妹達が来た。しかも白襦袢だけという
姿で。

「そ、そのような姿で何事ですか?」
 従姉妹達の姿に驚いた一乃新は訊ねた。
「そんな堅いことおっしゃらないでぇ」
 長姉の美樹が頬を赤くしながら言う。どうやら酒が入っているようだ。

「そうよ、そうよ、いっしょに楽しみましょうよ」
 と、これは次姉の美鈴。そうこうしている内に、美樹が倒れながらも一乃新を押し
倒す。

「うわぁ、何するんですか!」
「あら、一乃新、照れてるの?」
「ち、違います。私はもう寝ますのでみなさん出ていってください」
「ひどぉぉい」
 そう言いながら美鈴も一乃新に抱きつく。美樹の手は一乃新の夜着の裾を割り太
腿をなで上げる。

「美樹どの、さ、触らないでください」
「私のこと嫌いなのぉ?」
 拗ねたように言う美樹。美鈴は一乃新の耳に舌を入れる。

「ああぁぁっ」
「一乃新さんて敏感なのねぇ」
「あっ、ああぁぁ、や、やめて」

 一乃新は耳がこんなに感じるとは思っても見なかった。太腿を触っていた美樹の手
は一乃新の股間に向かった。一乃新の股間は知らぬ間に力がみなぎっている。美
樹は褌の上から撫上げる。

「ああぁぁっ」
(き、気持ちいい)
「まぁ、ほんとに大きいのね」
 うれしそうな声を上げる美樹。

「え?」
 美樹の言い方を不思議に思った一乃新に美鈴が耳元で囁く。
「昨日、美琴が見ちゃったんですって」

 一乃新は、畳に座り一乃新と二人の姉がいちゃつくのを見ている末妹の美琴を見
た。美琴はほんのりと頬を赤く染めている。

「昨日、字を教えてもらおうと一乃新様のお部屋に行ったら、一乃新様、あ、あれをお
出しになって、し、しごいていらして・・・」

 一乃新は恥ずかしさのあまり顔から火が出るのではないか思うほどだった。
(見られていた・・・)
 そう、昨日、習慣になっている手淫をしたのだ。若くて健康な一乃新にとって当たり
前と言えば当たり前だが。

「美琴、随分と控えめな言い方をするのね、昨日は、すっごく大きかったとか、激しか
ったとか言ってたくせに」

 この美鈴の言葉に、美琴も一乃新も真っ赤になった。
「ねぇ、一乃新、一人で慰めてもつまらないでしょう。私達といっしょに楽しみましょう
よ」

 美樹と美鈴は愛撫を続けながら、一乃新の夜着と褌を剥ぎ取る。
「や、やめて」
 一乃新も抵抗するが、二人に押さえつけられ、耳から首筋、男根を愛撫され身体に
力が入らない。

「うわぁぁ、きれいな身体ぁ」
 三人の娘達から、異口同音に感嘆の言葉が洩れる。一乃新は顔だけでなく、身体
もきれいだった。肌は女子のように白く、適度に筋肉がついていて引き締まっている。
「も、もう我慢できない!」
 そう叫ぶと、美樹は自分の帯を解き前を開くと、剥き出しになった女陰を一乃新の
太腿に擦りつける。

「私もっ」
 美鈴も美樹を真似て女陰を一乃新の太腿に擦り付ける。その間にも美樹と美鈴の
唇と指は一乃新の唇、乳首、男根を弄ぶ。
「はぁぁ、あっ、や、やめて、ああぁぁ、ひぃぃぃ」

「一乃新、少し興奮し過ぎじゃない?女を知らないわけじゃないんでしょ」
「あぁっ、ああぁぁ、わ、わたしは、ま、まだ、ああああぁぁっ」
「えっ、女を知らないの!」
 これは美樹と美鈴の口から出た言葉。

「じゃあ、今、私が教えてあげるわ」
 美鈴が一乃新に跨ろうとする。
「ちょ、ちょっと、待ちなさい」
 美樹が美鈴を止める。
「な、何よ」
「美鈴、私が姉なの、年長者なの。」
「ずるいわ、こんな時ばっかり」
「お黙りなさい。すぐに終わらすから」
「早くしてよぉ」

 美樹は白襦袢を脱ぎ全裸になると一乃新に跨り男根に手を掛けた。一乃新は必死
になって美樹の手を退けようとする。すかさず美鈴が一乃新の左手を押さえる。

「美琴、そんなところで何してるの、こっちに来て一乃新の手を押さえて」
 美樹に声を掛けられた美琴は、左手を胸元に右手を白襦袢の裾から下腹部に入れ
忙しなく動かしている。
「は、はい」

 美琴は立ち上がり一乃新の側に座り右手を押さえた。
「それじゃ、一乃新、いくわよ」
「や、やめろ、やめてくれ」
 美樹が尻を下げてくる。男根の先端が女陰に触れた。そして・・・

「あああぁぁぁっ」
「ひひぃぃぃっ」
 二人の口から叫び声が迸った。

「ああっ、ああ、すごいわ、こんなに大きいの初めてぇ」
「ううううぅぅ」
(これが、女なのか、気持ちいい・・・)

 一乃新は初めて味わう感覚に不本意ながら酔いしれた。
「一乃新、どう?男になった気分は?これからが本番よ」
 美樹はゆっくりと尻を上下に動かし出した。

「ああっ、やめて、あああ、動かないで、いいぃぃ」
「ああ、ほら、気持ちいいんでしょ、一乃新、ああ、いいわぁ」

 美樹は激しく尻を動かすようになった。美樹は見合いの話が次々に来るほどの美
人である。そんな美樹が一乃新に跨ってあられもなく尻を振っているのである。しか
もその言動からして相当慣れているに違いない。美鈴も。

 そう思うと、体がとてつもなく熱くなり、抑えきれなくなった。
(もう、我慢できない・・・)
 一乃新は下から猛然と突き上げた。

「ああっ、ああああぁぁぁ、すごいぃ、すごいわ、一乃新、あああぁぁ」
「ううぉぉ、ひぃっ、ううぉ、ううっ」

 一乃新は吠えながら腰を突き上げ、美樹も負けじと尻を振った。美樹は色白の裸
身を赤く染め全身汗まみれになっている。二人とも興奮しすぎたのだろう、すぐに頂
上が近づいてきた。

「ああ、もう、だめ、き、気をやりそう」
「ひぃぃ、うぉぉ、み、美樹どの、わ、わたしも、あああぁぁ」
 二人の動きが一段と激しくなり、一乃新の身体が海老のように反る。

「ああっ、で、出る、出るぅぅ、あああぁぁ」
 先に絶頂に達したのは一乃新だった。
「うおぉぉ、うう、ああああぁぁぁぁっ」

 膣の奥に一乃新の熱い樹液を受けた美樹も身体を反らし獣じみた叫び声を上げて
絶頂に達した。美樹は一乃新の上に倒れ込み、余韻を楽しむかのように一乃新にし
がみ付く。

「ちょっと、姉上、さっさとどいてよ」

 元々興奮していたところに、一乃新と美樹の激しい性交を目の当たりにした美鈴は
我慢の限界に達していたようで、美樹を半ば突き飛ばすように一乃新から退けると
一乃新に跨った。

「や、やめてください、お願いです」
 射精後の虚脱感と我を忘れ美樹と交わってしまった嫌悪感の中で一乃新は哀願し
た。

「やめてですって、ふざけるんじゃないわよ、こっちはもう我慢できないのよ、それに
なにぃ、このおっ勃っているものは!」
 そう、一乃新の男根は激しく射精した直後だというのに反り返っている。
「あんただって、したいんでしょ」
 美鈴は一乃新の男根を掴むと強引に自分の膣に入れた。

「やめてぇぇ」
 美鈴ははじめから猛烈に尻を振った。
「あああぁぁぁ、す、すごい、奥まで届いてる、こんなの初めてぇぇ」
「お、お願い、やめて、あああぁぁ、ゆるしてぇ、ああっ」

 一乃新は泣きながら許しを乞う。だが、快楽の虜になっている美鈴には通じない。
それどころか、尻を振るだけでなく膣に力を入れ一乃新の男根を締め上げる。

「ああっ、や、やめて、そんなに締めないでぇ」
 一乃新はまるで女子のようになっている。その時、美鈴の喘ぎ声とは異なる声が
した。

「あん、ああ、ああん」

 声は一乃新の右手の方。見ると、いつ白襦袢を脱いだのだろうか全裸になった美
琴が顔を桃色に染め、喘ぎながら脚を大きく広げ、一乃新の手の指を自分のまだ幼
い女陰に出し入れしている。そんな美琴に美鈴は尻を振りながら声を掛ける。

「ああっ、美琴、もうちょっと、ああ、待ってて、ああっ、いいぃぃ」
 美鈴はなおも激しく尻を振る。やはり美鈴も興奮し過ぎたのだろうか、早くも頂上が
近づいてきた。

「ああ、もう、気を、気をやりそう、ああ、こんなに早く、ああぁぁ」
「夜は長いんだし、何度でもできるわよ」
 これは、絶頂後の虚脱感から回復した美樹。

「そ、そうね、ああっ、ああぁぁ、もう少しだわ、一乃新も気をやるのよ、ああぁぁ」
 美鈴は強烈に締め上げた。
「ああああぁぁぁぁ、い、いやゃゃぁぁ」

 あまりの締め付けに悲鳴を上げる一乃新。そして二人に頂上が訪れた。
「ううぉぉぉぅ」
 一乃新は吠えながら身体を跳ね上げ射精した。

「ああ、ああぁぁ、いいい、いいいい」
 美鈴も身体を反らし大きく叫びながら絶頂に達した。

「ほら、美鈴、美琴が待ってるんだから早く退きなさい」
 美樹は一乃新の上に突っ伏している美鈴に言った。美鈴はゆっくりと一乃新から離
れた。美琴はすぐに跨ろうとして気付いた。二度射精した男根はさすがに力を失って
いる。

「大丈夫よ、男のものはね、こうすればすぐに勃つのよ」
 そう言うと美樹は一乃新の男根を握り激しくしごいた。すると、確かに男根に力が戻
り始めた。
「うううぅぅ、ああ、やめて、ああ」

「やってみる?」
 美樹は美琴に訊くと、美琴は顔を真っ赤にしながらも頷き、一乃新の男根をしごき
出した。やがて男根は完全に力を取り戻した。
「さぁ、美琴、これでおまえも一人前の女になるのよ」

 美樹は美琴に甘い声をかける。美琴は一乃新に跨り、美樹に手伝ってもらいなが
らも男根を自分の膣に入れる事に成功した。

(美琴とまで交わってしまった・・・)
 
 そう思った時、一乃新の意識は半ばなくなった。それまで身体中がものすごく熱か
ったのにその熱さもぼんやりとしか感じなくなっていた。どのくらい経ったのか、男根
から何かが出る感じがした。射精したようだ。

 その時だった、廊下から声がした。
「一乃新様、いかがなされたのですか?一乃新様!」
 その声は女中のおみつだ。

「一乃新様、開けますよ」
(これで助かる・・・)
 そう思うと、急に意識がはっきりしてきた。
 
 スウゥゥ
 障子が開いた。そこには女中のおみつとおふみが立っていた。
「!!」

 二人はあまりの光景に立ち竦んだ。寝具に横たわる全裸の一乃新に全裸の美琴
が跨り、側には全裸の美樹と美鈴がいる。数秒後、ようやくおみつが口を開いた。

「な、何をなさってるんですか!」
「見ればわかるでしょ、四人で楽しんでるのよ」
 悪びれもせず美樹が答える。 

「た、楽しんでいるって・・・」
 おみつも言葉が続かない。おふみは固まっている。美琴がゆっくりと一乃新から
離れた。一乃新の男根と腹には白濁と赤色の液体がべっとりとついており、全身が
汗で輝いている。

「ねぇ、せっかくだからおまえ達もいっしょに楽しまない?こんな機会めったにないわ
よ」
 美樹は妖しく微笑みながら誘う。

「!」
(冗談だろ、やめてくれ)
 一乃新は心の中で叫んだ。

 おみつとおふみは互いに顔を見合わせた。そして何も言わずに帯を解き夜着を
脱ぎ捨てると一乃新に襲いかかった。

 一乃新は今度こそ完全に意識を失った。

                                        (つづく)

 投稿の目次                       哀愁編のその2へすすむ
   くの一の忍法修行本編へ   番外編へ   謀略編へ

fc