十二妹絶望物語

第1話

「……ふん、こんなものか。まあ、ワーグやカリンに比べればまだ手強かった方か?」

 足元に倒れる千影を見下しつつ、勝沼は呟いた。

 その言葉に反応するように千影の身体がピクリと動き、再び起き上がろうとする。

「しつこいんだよ……カッ!」

「……ぁ…………」

 勝沼が気合を込めて睨みつけると、千影は崩れ落ちるように意識を失った。

「爺!直人!この家にどこか適当な監禁場所を探して来い。……爺?」

 いつもはすぐに返事があるはずの部下の声がない。妙に思って周りを見ると、ボロボロになって床の辺りを漂っている直人と木戸の姿があった。

「……おぼっちゃま。直人と木戸はおぼっちゃまとその少女の争う余波で、いわゆる霊体というものに大きなダメージを受けております。 しばらくはまともに動くこともできますまい」

 後ろの壁の中から出てきながら、古手川は彼らがどうなったかを伝えた。

 言われてみれば、激しい争いがあったことを物語るようにリビングは無茶苦茶な有り様だった。

「フォッフォフォッ……ですが、大丈夫でございます。草陰とは違い、完全に消滅したわけではないので、いずれは回復いたしましょう」

「とは言え、当面動けるのは爺一人か。初めて亡霊として甦ったときも爺しかいなかったからそれは構わんが、しばらくはこの家に留まることができるかどうか……」

「フォッフォッ……おぼっちゃま、ご心配には及びません。爺はすでに普段使われていない部屋をみつけてございます。少し手を加えればすぐにちゃんとした監禁部屋になりましょう」

「ほう。手際がいいな。ならとりあえず直人と木戸をそこに運んでおけ。ここに転がしていても邪魔なだけだからな」

「はい。おぼっちゃま」

「それと、ここは森の中でも廃屋でもない。騒ぎが外に漏れないようこの家の防音処理を明日中に強化できるよう手配しておけ。……もちろん、監禁部屋の方も、な。費用は以前作った勝沼紳一名義の通帳から出して構わん」

「承知いたしました。それでは……」

 古手川はボロボロになった直人と木戸を両肩で担ぐようにしてリビングを出て行った。

 その姿がなくなると、勝沼は先ほどの争いで破れたソファーにどっかと腰を下ろした。

 その視線の先には意識を失って倒れたままの千影の姿がある。

 少女一人を捕らえるために、草陰は消滅、直人と木戸は霊体に大ダメージと、深刻な被害が出た。こんなことは亡霊になってから初めてのことだ。

 勝沼自身、以前に魔王から受けた力と、更にカリンという名の天使を陵辱して得た力がなかったら、あえなく消滅させられていただろう。

 今は意識を失っているが、目を覚ましたらまた厄介なことになるのは必定だ。

 しばし勝沼は千影を見下ろしながら考えていたが、やがてふと思いついて悪魔や天使から手に入れた記憶と知識を頭の中で探り始めた。傍目にはまるで居眠りをしているかのようだったが、しばらくして求めていたものを探り当てたのか、にやりとした。

 マジックとカレンダーを取ってきてカレンダーの裏に大きな円を描くと、その中に記号や奇妙な文字を記し、絨毯の上にそれを置いて妖しげな文言を唱え始める。普通のマジックで書かれたはずの模様や文字が鈍い光を放ちだし、何もないはずの円の中心で何かが蠢き始めた。

「!!」

 最後にひときわ高く勝沼が何事か叫ぶと、蠢いていたモノは一気に数倍に膨れ上がった。

「本来、こういうことはあまり好まんのだがな」

 そうぼやきつつも、勝沼の顔はにやりとした笑みを浮かべていた。

 そのモノは、半液状のスライムに触手が何本も生えたような気味の悪いモノだったが、勝沼は何を思ったか倒れていた千影の片腕を掴むと、そのまま強引にそのスライムに向けて投げつけた。

 スライムはそのやわらかい身体で千影を受け止めると、四肢を触手で絡め取り、千影の身体を半ば取り込むように半液状の身体の中へ沈めていった。

「……ぅ…………」

 ここにいたってようやく千影も意識を取り戻したが、すでに身体の自由はなかった。

「ようやくお目覚めか。どうだ? 気分は?」

「…………こんなもの…………」

 千影は身体に纏わりつくモノを消し去ろうとしたが、スライムは全く変化する様子も見せず、更に深く千影の身体を取り込もうとしていった。

「……そんな…………」

 千影は信じられないといった表情で愕然と声を漏らした。

「くっくっ……そう。その表情だ。やっぱり少女はそうでなくてはな」

 勝沼は心底愉快そうに笑うと、いつのまにか裸になった下半身をずいと千影の眼前に突き出した。

 頭と顎を押さえて口を強引に開けさせると、その中に勃起した一物を突き込む。

 一気に喉の奥に突き込まれてさすがに苦しげな表情を浮かべるが、それでも千影はこちらを睨もうとする。

「おっと。一つ言っておくがこの身体そのものは、確かにおまえの大事な“兄くん”のモノだ。間違っても歯を立てたり噛み切ろうとしたりしないことだ」

 千影の視線に何か感じるものがあった勝沼は、先んじてそう釘をさしておいた。

「……くっ……兄くん…………」

 そう言われてしまっては無念ながらもどうすることもできなかった。

「わかったら、さっさとしゃぶれ。身体だけは愛しい“兄くん”のモノなんだ。感謝しながらな」

 そんな指示にも不承不承従わざるを得なかった。

 喉深くまで突き込まれた一物をゆっくり引き出し、半ばくらいまで外気に触れるようになったところで舌を使い始める。

「くっ……」

 勝沼は思ったより敏感な反応を示す己の一物にうめきを漏らした。

 それも仕方のない話だ。勝沼自身は3桁に届くという数の少女の身体を貪った経験があるとはいえ、この“兄くん”の身体は恐らくはまだ女を知らぬ童貞のもの。一物は自身の手以外の刺激にまったく慣れていなかった。

「……早漏とまではいかないが、そう長持ちはしそうにないな」

 勝沼はそう判断を下し、自分で腰を動かし始めた。

 まるで女陰に突き込んでいるかのような遠慮のない出し入れに千影は再び苦悶のうめきを漏らすが、まったく構わず、むしろかえって勢いよく突き込んでいく。

「…………ガハッ!……」

 さすがに奥の方まで突きすぎたのか、とうとう耐え切れなくなって千影は一物を吐き出した。

「……ゴホッ……ゴホッ…………」

 むせ続ける千影の前に、容赦なく再び一物が突き出される。

「勝手に口から出していいと誰が許した? 俺は別にこの身体がどうなっても構わんのだがな」

 そう言って手近にあった家具の破片を手に取りそれを自分の首にかざして見せた。そのまま手を横に引けば、頚動脈を損傷して下手をすれば失血死する。そうなればもちろん身体は死ぬことになるが、勝沼はそうなる前に身体から抜け出してしまえばそれで済むことだ。

「……まって…………待ってくれ…………」

 勝沼が本気であることをすぐに悟った千影は必死に止めようとするが、四肢の自由を奪われていては声を出すことしかできない。

「…………私が悪かった……だから……兄くんには…………」

 愉快そうに唇を歪めると、勝沼は手にしたものを首から離し、無造作に放り捨てた。

「舐めろ。今度は咥えずに舌だけでな」

 千影は黙って小さく頷き、舌を伸ばして眼前に突き出された一物を舐め始めた。

 先走りの汁が滲み出る亀頭の先を、出てくるものを舐め啜るかのように舐めていく。

 続いてさらに舌を伸ばすと亀頭から滑らせ、裏筋をなぞるように舐め下ろし、袋の辺りまで来たらまた同じ道を舐め上げるということを何度も繰り返した。

「う……」

 勝沼が小さく快感のうめきを漏らすと、千影はその顔を見上げて舌は動かしたまま妖艶な笑みさえ浮かべてみせた。

 勝沼は千影のその仕草にあまり面白くない顔をすると、いきなり千影の頭を掴んでイラマチオを始めた。

 思うまま口内粘膜を嬲り、千影の顔に再び苦悶の表情が浮かぶと、勝沼は満足したように千影の口の中で放出した。

「……ぅ……」

 千影は喉の奥に出されたものを吐き出そうとしたが、勝沼は一物を千影の口に突き込んだまま頭をしっかり押さえつけて離さない。

 仕方なく千影は喉の奥に溜まったものを嚥下した。

 ごくりと喉が動いたのを確かめて、ようやく勝沼が千影の頭を離すと、唇と一物との間に粘液の掛け橋がかかり、やがてぷつりと切れ落ちた。

 併せてまだ少し口の中に残っていた精液も唇の端からこぼれだし、白濁した涎の筋が顎を滴っていった。


パチンッ

 不意に勝沼が指を鳴らすと、今まで千影を押さえ続けていたスライムが煙のように姿を消した。

 それによって15センチほどの高さを背中から絨毯の上に落ちた千影の上に、勝沼はすかさずのしかかっていった。

 身体の若さのせいか、たった今1発出したところだというのに、一物に萎えた様子は全くない。

 千影は口に出された直後の上に、背中から床に落ちたせいで息を全部吐き出してしまい、抵抗が遅れ力も入らなかった。

ビリィッ!

 千影のズボンの股の部分だけを強引に引き破られると、その下に現れた下着が横へずらされ、濡れていない秘所へ一気に一物が突き出された。

「……!」

 激痛に千影の視界が一瞬赤に染まる。

 まだ濡れていないだとか、処女であるだとかいうこととはまるで関わりなく一気に突き出されたモノによって、一瞬のうちに純潔の証が突き破られ、そのまま子宮まで貫きかねないほどの勢いだった。

「…………く……は……」

 結合部から紅いものが溢れ、太ももを伝って流れていく。

 千影は激痛と苦しさで息も満足にできずにいた。

 しかし、勝沼は千影の様子にはまったく構わずすぐに腰を動かし始めた。

 動きの激しさに結合部の周りに鮮血が飛び散る。この量からすると、単に破瓜の血というだけでなく、乾いたところに無理に突き込まれたため、膣内のどこかも傷ついたらしかったが、勝沼に動きを緩める様子はない。

 むしろ、血で多少は中が滑らかになるとばかりに一層激しく腰を打ちつけていった。

「……あうっ!…………」

 突然勝沼が服の上から千影の胸を握ったために、千影は声を上げて身体をびくんと跳ねさせた。

「おっ、これはなかなか……」

 同時に膣内もきゅっと締め付けられたため勝沼はにやりとしてさらに2度、3度と胸を握り締める。

「……うっ……うっ……」

 勝沼が手を離した後も、握られた部分の服ははっきり皺の痕が残っていた。

「……ぬ……抜いて…………」

 試しに一度腰の動きを止めて様子を見ると、千影は息も絶え絶えにそんなことを言ってきた。

 もちろん、そんな言葉に従うつもりはまったくない。

 かわりに小さく小刻みに腰を揺すってやった。

「……あ…………」

 千影が感じていたのはずっと苦痛だけだったが、それでも膣内はわずかだが血とは違うものを分泌し始めていた。

 勝沼の一物は、膣内のその微妙な変化をしっかりと感じ取っていた。

 もちろん、勝沼はこれは千影が感じ始めたためのものではなく、身体を護るためのいわば防衛本能から染み出てきたものだということは百も承知していた。

 それでもそっと右手を結合部に下ろすと、繋がった部分のすぐ上にある肉粒を探り当て、親指と人差し指で挟んで押し潰した。

「……んっ…………」

 それだけで、また少し分泌液の量が増える。

ずぷっ、ずぷっ……

 そうなれば、抽送のたびに湿った音がするようになるのにそう長い時間はかからなかった。

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

 いつの間にか、千影はもちろん勝沼の息も荒いものになっていた。

 2回目とはいえまだ経験の浅い男の物。もう限界は近かった。

「……ううっ、そろそろイクぞぉっ!」

 両手で千影の腰をしっかり掴むと、ひときわ強く己の一物を突き込む。

びゅっ……びゅるっ……

 膣の最奥で勝沼はありったけの精液を吐き出した。

「……あぅ…………」

 射精の際の衝撃で、千影は再び意識を闇の底へ沈めていった。

 2回連続の射精でさすがに少し萎えた一物を中から抜き出すと、ぽっかり空いた肉穴からとめどなく溢れるのと同じ、ピンク色のぬめぬめとした液体がそこにもべっとりと纏わりついていた。




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