私は21歳以上です。



  新体操倶楽部 千秋部長編
                 作:テンちゃん
 (その2)

                                 
      『新入部員シンジ』
  
 「おはっよ〜っ!」

 「オッハァ〜!!」

 通学途中の電車内。みんなに挨拶をすると返ってくる。
これほど気持ちのいい朝を舞は久しぶりに感じていた。 
 
 メール、、、いや、やっぱり直接話そう。話して<過去>
のことをスッキリさせよう、、、、、
 ためらいながら千秋に電話してから一週間ほどで確実に
舞の『周囲』が変わりつつあった。
 
 「ねぇねぇ、、まい〜!、こないださぁ!、キャハハ」

 千秋の『力』を警戒し、アレだけよそよそしかった友人
も気軽に話しかけてくる。
 <やっぱり仲間外れは、、、やだ、、、>
 正義感が強く、曲がったことが嫌いな彼女でも『学園生
活』そのものを棒にふりたくはなかった。
 他にとるべき手段や術は、、、18の少女には、、、、
まだ、、なかった。
 
 体育館。練習が終わり一年がモップがけしている。いつ
ものクセで自分もしようとする舞。

 「まいっ、、モップがけなんかしなくてイイよ!、、、
ホッント、今までゴメンネ、帰りジェラート屋よってこ!
、、もちアタシのオ、ゴ、リ!」

 千秋が横から来て声をかける。そう、、、なにもかも昔
に戻ったんだ、、、

 「そうですよぉ、、、マイせんぱい、、今までスミマセ
ンでしたぁ、、あとウチラでやっときますんで〜!」

 千秋の後ろから付いてきた留美がペロッと舌を出して言
う。 
 
 ガヤガヤ、、、、、ガヤガヤ、、、

 「カワッイ〜、、、なんねん?、、いちねんなのっ?」
 
 『異変』にはすぐ気付いた。一年を中心に体育館の入り
口でなにやらさわいでいる。
 見ると『レオタード』を着た少年が立っているではない
か!!

 「い、いちねんです!、、あ、あの、、、新体操部、、
ってココですか?、、、ボ、ボ、クも入部したいんですけ
ど、、な、名前はシンジっていいます、、、」

 エクボを浮かべた千秋は後輩をかきわけシンジの前に立
つ。

 「へぇ〜!、、こんな子、ウチの学校にいたんだぁ、、
知らなかったワ、、ルミィ、、もっと早く教えなきゃダメ
でしょ!、、だれかにツマミ喰いされたらどーすんの!」

 自分より背が少し低いシンジがとてもカワイらしい。フ
サフサとした茶色のクセっ毛の髪は天使のように見え、キ
ョトンとした目はいつもナニかにおびえているように見え
る。とても2コ下には見えず顔だけ見ると、小学生?と思
えてくる。
 そんな彼がレオタードを着用し、前のふくらみが恥ずか
しいのか両手でおさえている。

 「キ、キミほんとに入部するの?、、もう一回考えなお
した方が、、、」

 舞は言った瞬間しまった!、、と思った。自分を取り囲
む部員の刺さるような視線を感じた舞は、ゆっくりその場
からあとずさる。

 「もんだいナイよねぇ?、、舞?、、シカシこないだの
小島ってったけぇ!、、あんなキンニクマンよりこうゆう
『線』の細い子のほうが好みなの、、チアキがたっぷりカ
ワイがってアゲルわ、、、」

 「そ、そうね、、特に規定にはなかったハズ、、そ、そ
れより千秋、、、帰ろうよ、、あそこ早く閉まっちゃうよ
、、、ね?」

 せっかく取り戻した友情、、壊すわけにはいかない、、
しかしこの少年!舞が見てもなんだかムラムラとしたもの
が涌いてくるほどカライらしい。
 放っておくハズがない、、、千秋が放っておくハズがな
い、、、
 となりの留美が崇拝するような顔で千秋を見る。

 「な〜んか千秋センパイ『女王様』みた〜い!、、」

 シンジを見る千秋のムッチリと、しかし引き締まった肉
体は『S』のサガで打ち震えた。
 高校生の女の子と言っても千秋は特に早熟タイプなのか
エッチをしてる時など<オトコの悶える顔>を見てると自分
の奥から燃えるようなものが涌いてくる。
 こうした<サガ>は小学生の時、男子生徒をイジメていた
頃から始まったんだと自分でも解っていた。

 とてもジェラートどころではない。今すぐ、、今すぐ食
べてしまいたい、、
 ダメ、、ガマンできない、、、、、

 「ね?、、、千秋?、、、かえろ?、、、ね?」

 「まい〜!、、アタシ、こ〜ゆう子タイプなの知ってる
でしょ、、、すぐ済むからちょっとまってて!、、」

 <ヤダ、、、間違ってる、、止めなきゃ、、で、でも>

 泳ぐような目でどうしようかウロたえていると、二年の
弥生と一年の留美、ほか数人が少年を体育館に引きずり込
んでいる。
 
 <見てるしかないの?、、、見てるしか、、、> 

 舞の内部で激しい葛藤がせめぎ合う。少年の悲鳴にも似
た泣き声が体育館に響き、彼女は耳をふさいだ。

 「フフ、、声なんか出したって聞こえはしないワヨ、、
今日ってセンセイいないって知ってた?、、ん?、、入部
希望なんでしょ?、、だったらオトナシクしてなぁ、、」

 さぁて、、、ナニを使ってイジメよっかなぁ、、
 
次回から分岐が始まります。

 A 『トランポリン』を使いカワイがる
 B 『吊り輪』を使いカワイがる


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