○電脳Aチーム エンジェダイバー

 

第二話「プールサイドは天国、地獄!?」

 

 光菱商事の地下、ビルの全てを管理するシステム管理室。意識を電脳空間に飛ばした二人の少女は眠ったようにも見える。その二人の眠り姫、棗と鈴鹿、そして紫瑠羽の持つパソコンのモニターを交互に見比べ、すだれ頭の中年男、其山きよしは酷く不安な面持ちで、所在なげな様子を見せていた。

 今、現在、メンテナンス・ルームにはこの中年男と、三人の少女しかいなかった。其山が人払いをしたからだ。紫瑠羽は其山が何か人には見られて困るようなデータを隠しているのではないかと考えていたが、そうした事はよくある事なので特に気にしなかった。その方が、紫瑠羽達にとっても仕事がしやすいからでもある。

「どうした、あの刀を持った娘は捕まってしまったじゃないか!?本当に大丈夫なんだろうな??もし、仕事に失敗したら、料金は支払わんぞっ!」

 苛立ちを紫瑠羽にぶつける其山。紫瑠羽はそれには答えられず、黙って事の成り行きを見つめている。鈴鹿が失敗したら、料金どころか、鈴鹿と棗の精神がロストしてしまうのだ。

 紫瑠羽はその小さな手が赤くなるほどに握りしめた。

「(棗さん、鈴鹿さんが捕まっちゃったの。お願い、早く来て!!)」

 

 さて、その棗であったが、紫瑠羽の願いも虚しく、プールサイドで美女達に絡み付かれ、とても鈴鹿を探しにいける状態ではなかった。

「や、やめてぇ………」

 藻掻く棗を放すまいと、美女達は左右から太股を絡めて、自分達の秘部を擦り付けた。右側に絡み付くのが、最初に声を掛けてきた金髪美女で、反対にはショートヘアのプラチナブロンドが絡み付く。

 男にとっては夢のような状況であるが、棗にとっては悪夢以外の何物でもなかった。

 太股が何やら生暖かく、棗は何とか逃れようと藻掻くが、藻掻けば藻掻くほどに、美女達の花心を刺激し、事態を悪化させる。

「はぁっ、やっぱり、あんぅっ!!この娘、巧いかも………」

 甘い吐息を漏らしながら、片方の美女が呟く。棗は事態が飲み込めず、太股を抜こうと更に藻掻くが、その動きが微妙な震動を送り、美女は眉根を寄せてその快感に耐えた。

「あんぅ、あんぁ………」

 美女はくねくねと腰を捩り、頬を上気させる。やがて、感極まったのか、金髪美女が棗の唇を奪う。

「や、やはぁ、………ん、んむぅ?!」

 顔を強引に掴み、唇を割り開く金髪の美女。柔らかな舌が侵入し、棗の舌を絡め取り、口内を舐め回す。

 すると、ぷちゅりと言う音がして、金髪美女の秘部から生暖かい愛液が溢れ出した。棗の太股に愛液が流れ、肉襞が絡み付く。

 そして、時を前後して、プラチナ美女も愛液を溢れ出し、棗の太股を濡らす。

「ぷはぁ、……こ、こんな、………女同士でおかしいですぅ」

 美女の口から逃れ、棗がやっとの事で抗議する。しかし、美女達は完全にできあがっており、潤んだ瞳で棗を見据えながら、その耳元で囁いた。

「はぁん………、おかしいことが気持ち良いの。おかしいことだから気持ち良いの………」

「私達、そっちの趣味にも合わせられるようにプログラムされているの。暇な時はこうやって女同士でも楽しむのよ」

「そんなの変ですぅ!!」

 悲鳴を上げる棗。

 そこへ、別の美女が棗の股間に潜り込んできた。

「変なことが気持ち良いの。変だから、変なのぉ……」

 股間に潜り込んできた美女が、棗のショーツの上から亀裂に沿って指を押し付けてきた。

「やぁ、あんっう!?」

 思わず、顔を仰け反らせる棗。

 股間の美女は、くすくすと笑みを漏らすと、更に強い刺激を送り込んでいく。

「にゃお〜ん♪お子さまパンツ、可愛い……」

「は、はぁ、あはぁ……お、おねが……や、やめ」

 ぐりぐりと刺激を受け、棗の淫核は下着の上からでもそれと分かるほどに固くしこり立ち、膨らんでくる。

 やがて、刺激を送っていた細い指が股ぐいの布にかけられ、柔らかな肉の丘がはみ出させる。

「いやぁああっ!?み、見ないでぇッ!!」

 強引に身体を振りほどこうとする棗。しかし、淫核を摘まれ、激しく身体を仰け反らせる。

 産毛ほどの恥毛しかないそこからは、慎ましやかに花弁が顔を覗かせ、濃厚な花蜜がとろりと溢れ出す。

「お姫様、こんにちは♪ちゅっ」

「ひあっ!!」

 敏感な部分に吸い付かれ、悲鳴を上げる棗。

 美女は嬉々として、淫核をちゅうちゅうと吸い上げ、舌先で弄ぶ。ぴくぴくと足の先を突っ張らせ、小刻みに痙攣する棗。

 やがて、生暖かい舌が、棗の中に侵入してきた。

「は、はんぁ……、お、お腹の中に入ってくるよぉ」

 目に涙を溜め、喘ぐ棗。

 柔らかな舌はじっとりと熱を持った少女の肉襞を掻き分け、奥へ奥へと侵入しようとする。鼻の頭で恥毛をくすぐり、淫核をぐにぐにゅと刺激する

 それに合わせるように、棗に絡み付く美女達は、思い思いに少女の身体をいたぶった。

 太股を擦り付け、乳房に吸い付く美女達。

 にちゅにちゅ、ぐちゅぐちゅと猥褻な音がプールサイドに響き渡り、女達の嬌声が溢れ返る。

「あんぅ、あんんっ!」

 汗と愛液が混じり合い、糸を引き、柔らかな肌と肌とかがにちにちと密着する。

「どお?気持ち好いでしょ?」

 股間に顔を埋めていた美女が、顔を上げて問い掛ける。棗はそれには答えず、顔を真っ赤にして咽び泣いた。最早快楽の波に飲み込まれ、人の声など耳に入らないのだ。

「ふふふ、こんなに感じちゃって、とぉっても可愛い♪それじゃあ、そろそろ逝かせてあげるわ(くすくす)」

 美女の一人はそう言うと、指を三本揃えて、棗のぬらつく秘腔にねじ込んだ。

「ひんぁっ!!」

 棗の身体ががくんと仰け反る。しかし、女はかまわずに、棗を掻き回した。

「あ、あ、あ、あぅああ!!や、やめ、やめ、あああっ!!」

 ずちゃずちゃと激しい音をたてて、白い指が何度も何度も出入りする。

「はんぅっ!あん、あっ、ああああっ!!」

 じゅぶじゅぶと愛液が泡立ち、飛沫を飛び散らせる。

「どう?気持ち好いでしょ?気持ち好いでしょ??」

「き、気持ち好いいっ!!気持ち好いですぅうううううっ!!」

 次の瞬間、淫水が棗の股間から激しく吹き出した。

 

「なんだ?どうしたんだ?一体これは何事だっ!?」

 其山きよしが驚きの声をあげる。

 突然、棗が汗をかき始め、身体を上気させて嗚咽を漏らし始めたからだ。くねくねと身を捩り、鼻にかかった甘い息を漏らす。

「こ、これは、何か電脳空間で刺激を受けているのだと思います」

 狼狽えながらも、紫瑠羽はそう答える。

「棗さんの今の状況はモニターできませんから何とも言えませんが、もしかすると別の敵に遭遇しているのかも知れません」

「な、なんだと?それじゃあ、あの瓢箪の他に何かいるというのか?サイバー・ゴーストか?」

 其山は顔を赤くしたり、青くしたりしながら紫瑠羽に質した。

「分かりません。棗さんの居所が分からないので何とも………」

 口ごもりながら答える紫瑠羽。棗までが敵に遭遇したとなると、状況は最早最悪であった。

 次の瞬間、棗が激しく痙攣を起こすと、スカートがまくれ上がった。そして、下着に淫らな染みが広がる。

 頬を上気させ、身悶える少女。柔らかそうな白い太股に、ぷっくりと膨らんだ股間。そして白い下着に淫液が染み広がり、肉色の花弁を透過させる。

「…………」

 その淫らな様子に、其山はごくりと唾を飲み下した。

 其山に少女志向はなかったが、そのあまりにも淫靡な光景に、下半身が痛いほどに隆起する。

 紫瑠羽は視界の端にそれを認めるが、慌てて目を逸らし、気が付かないふりをした。

 一瞬、気まずい沈黙が流れるが、直ぐに静寂は破られた。

 今度は鈴鹿の様子が変わったのだ。

 

「はぁぅう、な、何これ………??」

 鈴鹿は自分の内に湧き起こる奇妙な感覚に戸惑いの声をあげた。じんじんと乳首が痺れ、サマーセーターが擦れただけで痛いくらいに感じるのだ。また、腰から下はうずうずと熱く火照り、今にもお汁を溢れ出しそうになる。

「お、お前は、お、女の子なんだなぁ……」

 瓢箪は相も変わらずでろ〜んとした顔で、訳の分からない事を言う。

「だから、な、何だってのよ……」

 苛立ちと、困惑が入り混じった声を出す鈴鹿。

 その間にも、蔓はしゅるしゅると鈴鹿の細い足首や手首を拘束していく。

「お、お、お、女の子には、女の子の弱点があるんだなぁ。ぼ、僕はそれをちゃんと知っているんだなぁ。僕は、それをちゃんとプログラムされてるんだなぁ………」

 蔓の一つが伸び、セーターの脇から潜り込む。

「や、やぁ、いやぁあ………ん」

 思わず、恥じらいの声を漏らす鈴鹿。黒いタイトスカートから覗く太股を、もじもじと捩り合わせる。

「お、お前は今、とっても変な気分になっているんだなぁ……。僕にはそれが、ちゃんと分かるんだなぁ……。ど、どうしてって、それは今のねばねばが、やらしい気持ちになる薬だからなんだなぁ……」

 蔓が、乳首の先を焦らすように弄り回す。

「やんぅっ!や、やめろぉ、この、変態瓢箪………」

 鈴鹿は何とか蔓から逃れようと藻掻くが、宙吊りにされていてはいかんともし難く、瓢箪ウィルスにいいように弄ばれる。セーターをまくり上げ、ブラジャーを引き下ろす瓢箪。

「いやぁあっ!!」

羞恥に悲鳴を上げる鈴鹿。そこに、紫瑠羽が声を掛ける。

『鈴鹿さん、しっかりして下さい、医学的に媚薬なんて存在しないんです!媚薬を使われたという暗示によって、変な気分になっているだけなんですっ!!』

 紫瑠羽の声も切羽詰まっていた。この状態で媚薬は存在しないといったところで、事態が好転するわけでもない。

「そ、そんな事言ったって………ぁあん!?」

 蔓が絡み付き、白い乳房を絞り出す。着痩せするタイプなのか、鈴鹿の胸は予想以上に大きかった。

「ぼ、僕は知っているんだなぁ。お、女の子はぬるぬるにも弱いんだなぁ」

 そう言うと、ねっとりと糸を引く舌を伸ばし、乳首の先を刺激した。

「ぁああ、や、やめてぇ………。この、変態瓢箪、あんぅっ!?」

 ざらざらとした舌先は、たっぷりと粘液にまみれており、鈴鹿の乳首に微妙な刺激を送り込んでくる。

「今度は、こっちを見せてもらうんだなぁ」

 鈴鹿の乳房を粘液まみれにした後で、瓢箪はついにその蔦をショーツにかけた。横紐の小さなショーツで、布の部分は秘部を覆う小さな三角形しかなかった。その白いショーツも、媚薬と瓢箪の愛撫で既にじっとりと湿っており、濡れて張り付き、陰毛や、その下の複雑な部分まで透けていた。

 勿論、だからと言って脱がされて良い物ではない。鈴鹿は必死の形相で蔦から逃れようと藻掻いた。

「いやぁああっ!それだけはだめぇええっ!!」

 悲鳴を上げる鈴鹿。

 しかし、次の瞬間、瓢箪は蔦を引き絞り、一瞬、割れ目に食い込んだ下着はぷつんと、何ともあっけなく千切られた。

「やぁあ、見ないでぇ………」

 いつもの気丈な顔は既に消え失せ、鈴鹿はぽろぽろと涙をこぼした。

「それじゃあ、そろそろやっつけるんだな……」

 瓢箪のその言葉と共に、舌が安物のポリゴンモデルの様に分解し、再構成される。

「………!?」

 鈴鹿は息を飲んでその様子を見守った。

 再構成された舌先は凶暴な男根のようで、まるで針金のような筋肉繊維で作られていた。

「や、いや、そんなの入んない……」

「だ、大丈夫なんだなぁ……。ぬるぬるしているから、ちゃんと入ると思うんだなぁ」

 瓢箪はそう言うと、花弁に亀頭を押し当てた。

 ぬちゅり、ぐちゅりと、徐々に亀頭を潜り込ませていく。

「あぅ、あぐううう……」

 眉根を寄せ、苦悶の表情を浮かべる鈴鹿。額には玉の汗が滲み、空気を求めて魚のように喘ぐ。

「や、き、きつ………」

 土手を左右に押し広げ、きちきちと侵入する剛直。

「あああぅ、な、なに?これっ!?」

 突然、秘部に別の刺激を受け、鈴鹿は戸惑いの声をあげた。

 現実世界で、其山が鈴鹿の身体に悪戯を仕掛けたのだ。

 

 其山はいつの間にか鈴鹿の股ぐらに身体を割り込ませ、無防備な鈴鹿のスカートをまくり上げていた。無骨な手が、みっちりとした恥丘を撫で回しむにゅむにゅと揉み回す。

 鈴鹿の身体にとって、これは異常な事態であった。

 コネクト・デバイスから送り込まれる電脳空間で受けた刺激と、現実世界で其山によって送られる刺激、これら二つが同時に存在し、頭が混乱する。

『いやぁ、やはめぇ……。あ、頭がおかしくなっちゃうぅうっ!!』

 紫瑠羽のパソコンを介して、鈴鹿の悲鳴が響く。

 しかし、紫瑠羽は呆気にとられ、モニターに見入っており其山の行動には気が付いていない。

 尤も、紫瑠羽が止めに入ったとしても、其山を制することは出来なかっただろう。

 其山は既に我を失っており、乱暴に鈴鹿の下着をむしり取ると、勢い、しゃぶりついた。

「は、はぁ、はぁ、久しぶりの若い女の味だ………」

 鈴鹿の両足を肩に乗せ、無心に頬張る其山。少女の花弁はぷりぷりと張りがあって柔らかく、舌に心地良い。

「ん、んむぅ、ん、んぐ…………」

 まるで飢餓状態であるかのように、其山は必死で舌を動かし、溢れ出る花蜜を貪った。口の回りが涎と蜜液でずるずるになっている。

 やがて、もどかしくなったのか、其山はついに自分のベルトに手を掛けた。

「な、何やってるんですかぁっ!?」

 ようやく其山の様子に気が付いた紫瑠羽が、驚きの声をあげる。

「な、何も糞もあるかぁっ!!か、金なら払う、だから、だから………」

「わ、私達はそう言う仕事で来ているわけではありませんっ!!」

 毅然として告げる紫瑠羽。しかし、小娘ごときが何する物ぞ、其山はまるで意に介さず、でろりと陰茎を取り出し、鈴鹿の秘裂にあてがった。

「だ、駄目ぇええっ!!」

 しかし、咄嗟に紫瑠羽は体当たりをし、其山の身体を何とかひっくり返す。

「うう、な、何をする………」

 グロテスクな陰茎を隠しもせず、其山は起きあがった。

「それはこっちの台詞ですっ!!」

 其山の前に立ちはだかる紫瑠羽。

 しかし、その気の弱さからか、膝ががくがくと震えていた。

 其山はそれを見て取り、心の中でほくそ笑む。

「ふん、なら、お前さんが代わりにしてくれ………。別に嫌でも構わんが、こうなった以上、儂も引き下がらんぞ。お前が何をしようと、何がなんでもやってやる」

 其山はふてぶてしくも開き直りを見せた。

 紫瑠羽は戸惑い、いきり立つ剛直と、眠る鈴鹿の顔を交互に見比べる。

「迷っているようだから踏ん切りを付けてやる。お前さんがどちらも嫌だと言うのなら、この娘のコネクト・デバイスを壊してやる。そうなったら、例えどうであれ、この娘の意識は戻らなくなるぞ。さあ、どうするんだ?」

『こ、この糞じじい、き、聞こえてるぞ、……は、はんぅ』

 鈴鹿がモニターを通して其山をなじるが、電脳空間に捕らわれている身ではどうすることもできない。しかも、鈴鹿は未だに犯され続けているのだ。

「わ、分かりました。私が相手をします………」

 其山の顔が愉悦に歪む。

 

 一方、棗はプールサイドでぐったりしていた。既に美女達は別の楽しみを見つけ、その場を離れていたが、最初に声を掛けてきた金髪美女だけは、棗の傍らに横たわり、棗の様子を見守っていた。

 金髪美女はずっと、指を伸ばして棗の淫核を弄んでいたが、棗に抗う気力は残っていなかった。

「あなたみたいな女の子が、どうしてこんな処に来たの?あなた外から来たんでしょ?」

 棗が回復しつつあることを知り、美女が声を掛ける。

「こ、此処は何処なんです?あ、あの………」

「私はマギー。此処は光菱商事のコンピューターの中よ………」

 マギーと名乗る女性の言葉に、棗は首を傾げた。

「私は棗って言います。此処はやっぱり光菱のコンピューターの中なんですね。でもどうしてこんなリゾート空間が?」

「棗。………うふ、可愛い名前だわ。ここはこの会社のある男が、秘密裏に作った隠しファイルの中なの。普通に入ってきても此処は見つからないようになっているんだけど、あなたは特別のようね。あなた、何者なの?」

 マギーはそう言って棗の顔を覗き込んだ。思わず顔を赤らめる棗。

「私はハンターなんです」

「はんたー?」

 棗の言葉に、マギーは訝しげな表情を見せる。棗がハンターとは、とてもそうは見えなかった。

「こう見えても私、特殊能力の持ち主なんですよ」

 棗はそう言うと、得意げな表情を見せた。

「で、そのハンターが、どうしてこんな処に?」

 マギーの質問に、棗の顔が青ざめる。

「わ、忘れてた!私、鈴鹿さんの所に戻らなくちゃ!」

 慌てて起きあがろうとする棗。しかし、マギーは棗の腕を掴んで放さなかった。

「マ、マギーさん、何です?」

 戸惑いの声をあげる棗。

「私、あなたのことがとっても気に入ったの。だから、此処で一緒に暮らしましょ」

「え?えええっ??」

 驚く棗。しかし、マギーは構わず、その豊かな胸の中に棗を抱きすくめた。

「棗、可愛い、可愛いわ、私の子猫ちゃん………」

 うっとりとして囁くマギー。

「駄目です、駄目です。私、行かなくちゃ。鈴鹿さんが待っていますから」

 マギーの腕の中で、藻掻く棗。しかし、マギーは頑として放さなかった。

「私より、その鈴鹿って娘の方が良いの?悔しい、そんな事なら尚のこと帰さないんだから………」

「な、何言ってるんですかぁ!?早くウィルスをやっつけなくちゃ、此処もマギーさんも消えて無くなっちゃうんですよぉ??」

「良いわ、子猫ちゃんとなら、一緒に消えたって……」

 マギーはそう言うと、棗の首筋に唇を這わせた。

「よ、よくありません。私は嫌ですっ!!マギーさんと一緒にいるのがじゃなくて、マギーさんや、此処にいる皆さんが消えちゃう事がですっ!!だって、折角、知り合えたんですよ?そりゃあ、いろいろいろいろありましたが、でも、だから……」

 棗のその言葉に、マギーは不意に暗い表情を見せた。

「私達はただのデータなのよ?」

「そんなの、全然、全然、ぜ〜んぜんっ、ま〜ったく関係ありませんっ!!」

 

「それじゃあ、早速だが、下着を脱いでもらおうか。スカートをまくり上げてあそこを見せてもらおう。人を呼ばれてはたまらないからな。保険みたいな物だ。恥ずかしい恰好をしていれば、人を呼ぶこともできないだろう?」

 床にあぐらをかいた其山は、紫瑠羽にそう命じた。

 意外に素直に、紫瑠羽はショーツに手を掛けた。赤いリボンのワンポイントが付いた、簡素な白い下着だった。

 太股を重ね、なるべく見られないように足首からショーツを抜き取る。

 しかし、其山は容赦がなかった。わざとらしく咳払いをすると、自分でスカートを持ち上げるよう、命じた。

「おほん、さあ、スカートはどうするんだった?」

 紫瑠羽はその言葉に、唇を噛み締め、震える手でスカートの裾を持ち上げ始めた。

 やがて、白くぷっくりとした、幼い恥丘が露わになる。陰毛の生える兆しはまだ無く、他人の目に触れることのないそこは白く、そして亀裂に沿って赤みを帯びていた。

「さあ、次は儂の顔を跨いでくれ」

「え?」

「え、じゃない。そのまま儂の顔の上に跨れと言っているんだ。濡れてなくて痛い思いをするのはお前だぞ。そうならないよう、儂がじっくり濡らしてやると言っているんだ」

 いくら何でも、そんな破廉恥なことは出来なかったが、其山の視線が一瞬鈴鹿に向けられ、紫瑠羽は観念して其山の顔を跨いだ。

「ほお、柔らかそうなあそこだ。産毛がきらきらしている。お尻の穴も可愛く色付いているわ………。さあ、準備は良いぞ。そのまま腰を落とせ。ほれ、あ〜ん」

 紫瑠羽は其山の言葉に、腰を一気に落としていった。長々と観察されるよりはましである。

 ぷちゅぷちゅ、くちゅくちゅと舌を蠢かし、少女の秘裂をしゃぶる其山。

 やがて、紫瑠羽も嫌悪感が麻痺し、自らを快楽に委ねていった。

 まるで洪水のように愛液を溢れ出させる紫瑠羽。

 其山は頃合いと見て、紫瑠羽の腰を掴み、そそり立つ陰茎で串刺しにしようとした。

「いやぁっ!それだけは、駄目ぇえっ!!」

 悲鳴を上げて逃れようとする紫瑠羽。其山は無理矢理紫瑠羽を貫こうと、手に力を込めたその時、突然、紫瑠羽のパソコンから鬨の声が上がった。

「何だ、一体、何事だっ!!」

 慌ててパソコンに駆け寄る其山。

 次の瞬間、その光景を見て、禿げた中年男は声を失った。

 

 何も無い、無限平面の地平線の彼方、もうもうと土煙を上げて、何かの大群が囚われの鈴鹿に近づいてきた。

 それは、巨大な乳房を惜しげもなく晒した、裸の美女軍団であった。

「な、なんだありゃ?」

 思わず呟く鈴鹿。

 ぶるんぶるんと激しく揺れる大量の乳房が迫り来る。その先頭に立って走るのは、行方不明になっていた棗である。

「やっはー、す・ず・か・さーんっ!今、助けに行きまーすっ!!」

 意気揚々と手を振る棗。眉根を寄せる鈴鹿。

 そして、次の瞬間、ちびの棗は盛大に転び、ぶぎゅると美女軍団にひかれてしまう。

「あんの、おぽんち娘………」

 呻く鈴鹿。

 鈴鹿が呆れた顔をしていると、美女軍団はみるみる近づいてきて、やがてそのままの勢いで瓢箪型ウィルスに殺到した。

「この変態瓢箪ッ!!」

「スケベ野郎っ!!」

「インポッ!!」

「早漏っ!!」

「ろくでなしっ!!」

 およそ考えつく限りの罵声を浴びせ、瓢箪型ウィルスに群がる美女軍団。

「な、何なんだなぁ、お前達は………」

 突然の襲撃に、狼狽える瓢箪ウィルス。二、三人を蔦に絡め取り、陵辱しようとするが、Hで鍛えられた彼女達はまるでびくともしなかった。

「この短小瓢箪っ!そんな攻めで誰が逝くかぁっ!!」

 何人か捕まるが、それでも美女軍団の勢いは衰えなかった。そして、武器を待たない裸の彼女達ではあったが、意外にも瓢箪を圧倒していた。

 何しろ、女には男には無い必殺の武器があった。噛み付く、引っ掻く、髪の毛を引っ張るである。腕力で男に劣る女性達は、自分達に使える肉体の武器は例え何であれ、なりふり構わずに使うのであった。

「や、やめるんだなぁ。痛いんだなぁ………」

 ウィルスに感情や感覚があるのかどうかは分からないが、瓢箪ウィルスは悲鳴を上げた。

 実際の痛みはともかく、ウィルスにはダメージがあるようであった。

『あ、あれは儂の隠しファイルの………。一体どうしてこんな事に』

 通信が繋がっていることに気が付かず、其山は思わず口走る。

 その言葉に鈴鹿は得心する。

「ははぁ、あのおっさん、何か隠していると思ったら、この事だったのね………」

 呟く鈴鹿。

 やがて、鈴鹿の足下に、棗が現れる。背中には足形がいっぱいついており、鈴鹿は思わずぎょっとした。

「棗、あなたの足下に転がっている刀を私にっ!あなたもハンターの端くれなら、少しくらい役に立ちなさいっ!!分かっているの?このお莫迦ッ!!」

「ええ〜ん、そんなにぽんぽん言わなくて良いじゃないですかぁっ!?」

 そう言って、髭切りを鈴鹿に放る棗。

「よしっ!!」

 鈴鹿はソード・デバイスを受け取ると、次の瞬間、蔦を寸断し、瓢箪ウィルスに斬りかかった。

「よ、よくも僕の蔦を切っちゃったんだなぁ……」

 瓢箪は更に蔦を伸ばして鈴鹿を押さえようとするが、しかし、鈴鹿は二の轍を踏まなかった。巧みに蔦を払うと、寸断し、やがて瓢箪の真正面に立つと正眼に構え、一気に両断する。

「でぇえええええええいっ!!」

 裂帛の気合いと共に、真っ二つにされる瓢箪ウィルス。その断面から次第に硬直していき、やがて情報場を書き換えられて石化する。

「さて、お次はあのエロ親父だっ!!」

 きっと虚空を睨み付ける鈴鹿。

 次の瞬間、眠っていた鈴鹿の身体がむっくりと起きあがった。

「このエロ親父ぃっ!!てめぇは死ねえ〜ぃっ!!」

 鉄拳が其山の頬に炸裂し、哀れな中年男は奥歯を数本折られ、実験台の蛙のように気絶する。

 

 数日後、パソコンショップ・ニフルヘイムのビジタールームでは、棗達がお茶を飲みながら談笑していた。

「結局さ、あのエロ親父、他にも会社の金の使い込みとかばれて、会社をクビになったそうね………」

 鈴鹿の言葉を受けて、舞奈が頷く。

「そう、ですわねぇ。でも、何か隠し事があるとは思っておりましたが、まさかアダルトサイトからダウンロードした猥褻データを、会社のコンピューターに保存しているとは思いませんでしたわ」

「そうね、どうやら変なアダルトサイトをキックしたからウィルスに感染したみたいだし、会社に与えた損害は大きいでしょうね」

 鈴鹿の言葉に、今まで黙っていた紫瑠羽が突然口を開いた。

「まあ、当然の報いでしょうね………」

 いつになく辛辣な紫瑠羽の言葉に、鈴鹿達は意外な顔を向ける。

「それはそれとして」棗が口を挟む。「紫瑠羽ちゃん。マギーさん達、どうなったかな?」 不安そうな棗に対して、紫瑠羽はにっこりと微笑んだ。

「大丈夫です。データを消去される前に、こっそりとダウンロードしておきました」

 紫瑠羽の言葉に、棗の愁眉が開かれる。

「うっわーっ!紫瑠羽ちゃん、有り難う!!」

「いえ、あのコンピューターには他に用事もありましたから、ついでですよ。気にしないで下さい」

「ついででも何でも嬉しいっ!!有り難う、紫瑠羽ちゃん!!」

 紫瑠羽の手を掴み、大きくぶんぶんと振り回す棗。そんな棗達の様子を余所に、鈴鹿はいつになく浮かない表情をしていた。

「はあ」溜め息をつく鈴鹿。「どうでも良いけど、今回はただ働きだったんだろ?新しい靴が欲しかったんだけど、暫くお預けね……」

「あら、鈴鹿。ボーナスはちゃんと出ますわよ」

 当然のように切り出す舞奈に、鈴鹿は驚きの顔を向ける。

「だって、今度の依頼は、あのおっさんが自分で勝手に頼んできたんでしょ?そのおっさんが捕まっちゃったんだから、仕事料、もらえないじゃない……」

「いいえ、ちゃんと本人からいただきましたから、心配なさらないで」

 あくまでにこやかな舞奈の顔に反して、鈴鹿の顔は段々と引きつり始める。

「もしかして、紫瑠羽の用事って………」

 鈴鹿の言葉に、舞奈はころころと声を立てて笑った。

「おほほほ……、気になさらないで」

 その言葉に、鈴鹿の顔はどんどんと青ざめていく。

 そこに、紫瑠羽がきっぱりと言い放った。

「当然の報いです」

 

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