前章「MRF−6:女装者−第5話『エクスプローラ』」を読む

沙希 (5月13日(月)00時14分01秒)
アニト様こんばんは。皆様こんばんは。
お久しぶりでございます。
最近、制服系の女装は控えめにして、
ゴスロリ系の女装にハマッてしまいました。
全身フリフリ&腕輪や鎖だらけの格好で映画館へ行ったら
「舞台挨拶に来たポルノ女優さん」と間違えられてしまいました。
嬉しいんだか悲しいんだか分かりません。
アニト様
女装者の新しい話を、また投稿させていただきます。
第6話用のイラストを1枚描いたのですが
またメールでお送りしても宜しいでしょうか。
久仁子様
新しいお話「憧れ」読ませていただいております。
とても現実味のあるお話と描写でスリリングです。
少しずつ少しずつ、日常の道からそれて
倒錯の世界へ迷い込んでしまう様子が、
自分の過去とフィードバックしてしまいます。
続きを楽しみにしています。
権太様
私の母は性格がおおらかな(?)B型。
実は、私がこっそりパンティを干していたり
クローゼットの中はセーラー服やワンピースでいっぱい……
そんな事はすでにお見通しなのかもしれません。
一度、タンスの中の女性用浴衣と帯を見られたことがありましたが
「おまえ、浴衣の着方なんて分かるの?」
なんて言われたりもしましたし……
ところで、○イのパイソンは24連射。あなどれません。
銃声を6発聞いて安心して攻め込むと痛い目にあう感じです。

MRF−6:女装者− 第6話「ジェノバの教典」 −1st.

深い青のカーテンに閉ざされた、薄暗く広い部屋。
司令と呼ばれる男を筆頭に、威厳のある男たち数人が、私を取り囲む。
「たしか君は……3年ほど前に一度GIMELを脱退しているじゃないか。」
「今頃もう一度ここへ戻ってくるのは、なにか理由があっての事かね。」
「そもそも脱退した理由も曖昧だよ……私は反対です。こんな小娘を再び…」
「詳しい調査の結果、スパイでない事は確かです。暫く様子を見るくらい…」
威厳のある男たちに囲まれ、あれこれ質問を浴びせられる。
私生活まで深く追求され、人格をまるで無視したよな質問も繰り返される。
まるで大勢の男達が、私をを陵辱しているような雰囲気さえある。
いや、この人格を無視した面接は、実際に陵辱行為そのものだ。
「服を脱ぎたまえ。全部だ。」
少しも躊躇することなく、私は服を脱ぎ始める。
タイトスカートを足下へスルリと落とし、ブラウスを小さく脱ぐ。
ブラを外し、黒のパンストとその下の白いショーツを一緒に下ろす。
脱いだ衣服を整頓することもせず、背筋を伸ばし、真っ直ぐ前を向いた。
まるでこの身体は、自分の物ではなく、他者の物であるかのように。
「やはり女装者か。服を脱げば男のままだな。」
「SAKIとの適合判定は過去に行っていますが、不適合でした。」
「期待しちゃおらんよ。そもそも適合していたら脱退させておらんだろう。」
「だがこの女、使えるかもしれん。MRFとして、しばらく置いてみては。」
暗い部屋に浮かび上がる、私の裸体。
それを遠慮することもなく、値踏みするかのように視姦する男達……
彼らは、GIMEL。
『箱の中に入っていては、その箱がどんなカタチか知ることは出来ない。』
幸い私は、一度、箱の外に出ることが出来た。
3年間、普通のOL職をこなす傍ら、私なりに調べてみた。
ここ、『GIMEL』という箱のカタチを。
*  *  *  *  *  *
20世紀末、終末思想を掲げる新興宗教が蔓延した。
旧約聖書や様々な預言書に記された「世界の終局」を説き、
若者を中心に世界中の人間がパニックに陥った。
悪質な宗教に心を奪われる者。未来に希望を見いだせず社会不振に陥る者。
さらには、自らの手でその未来を閉ざす者……
テロ・宗教紛争・集団自殺。さらに誘発される不安。
「終末思想」は、その危機が過ぎ去った後でも、社会に大きな爪痕を残した。
事態を重くみた政府はGIMEL(ギメル)と呼ばれる医療研究機関を設立。
心の救済を目的とした全く新しい診療医療技術を生み出した。
DNAの解析。ヒトの心のスキャン。脳の模造……
そして、AIコンピュータ『ALISS』により自動選定される
医療方針に従った治療は、めざましい結果をもたらし、
多くの心疾患患者を回復に導いた。
私も患者の一人だった。
幼い頃から家族に虐げられて育った私は、社会適応能力に欠けていたが、
そんな歪んだ私の心も、GIMELの新医療技術によって回復した。
そういう意味では、私はGIMELに感謝しなければならない。
しかし、私を含めた多くの成功例の影に隠れ、失敗もあった。
GIMEL管轄のメディカルセンターの片隅。
厳重に電子ロックがかけられた一室。
まるで隠すかのように、『失敗例』は、まとめてそこへ隔離されていた。
そしてその中の一人……『失敗例』……それが彼女だった。
当時、すでに病気も回復し、MRF−3に配属されていた私は、
パートナーの日下部優子と共に、『失敗例』の監視を命ぜられた。
ただの精神病患者に、なぜこれだけの厳重な警戒をしなければならないのか。
私たちは疑問に思ったが、それを質問することは許されなかった。
そして私たちの一瞬の隙を突いて『失敗例・河合穂香』は脱走。
そのままメディカルセンターの屋上から飛び降り自殺を図った。
*  *  *  *  *  *
「脱退する以前は、MRF−3に配属されていたようだね。」
「当時は、現役の『日下部優子』と共に配属されていた筈です。」
「ウワサによると、えらく個人的な感情によって脱退を決意したとか……」
「問題ですな!MRFのエージェントが、個人的な感情に惑わされるとは。」
「やはり『日下部優子』とは、組ませるべきではありませんな。」
「すると、少なくとも……迎え入れるのですか?この者を。」
どうやら、決断が出たようだ。
足下に散らばった服を、身につけることを許され、そして命じられた。
「如月水城。本日をもって、上記の者をMRF−3に再任する。以上。」
「水城くん。早速君には働いて貰うよ。」
「詳しくはメールで指示する。自室で待機するように。」
まるで拷問のような面接が終わった。
司令室を後にし、MRF専用の居住区へと向かう。
懐かしい……私は再び……GIMELへ戻ってきたのだ。
なぜなのか、自分でも説明がつけられない。
以前の自分とは、あきらかに違うのに。
この場所が、どれだけ『罪』に満ちているか、私は知っている筈なのに。
それなのに、再び戻ってきたのは……
「あっ!水城さんだっ!!」
「あら水城。もう面接は終わったの?」
「昔と同じMRF−3よ。いきなりあなた達二人よりも格上で悪いけど。」
「3級待機!?水城さん、すごーい!カッコイーッ!」
「いきなり3級待機じゃ、気が抜けないわね。ブランクあるのに。」
「おかげさまで、誰かさんにコキ使われてましたから。心配無用よ。」
「そ…そうね……こないだの一件は本当に助かったわ、水城。」
「こないだの一件って……なに?優子。」
「な、なんでもない……こっちの話……」
「水城さん。これから一緒に飲みませんか?主任の部屋で歓迎会しますよ。」
「……悪いけど、今日は遠慮しておくわ。さっそく仕事があるみたいだし。」
「……3級待機は大変ね……でも、お給料も倍よ、きっと。」
「倍!?やっぱりすごーい!水城さん!」
あきらかに、以前の自分と違うから……戻ってきたのかしらね。

つづく




アニト (5月14日(火)00時46分40秒)
沙希さん、こん○○は。
《ゴスロリ系》が《全身フリフリ》なのは想像できるのですが、
《鎖》の部分で空想が広がってしまいます。
いったいどんな出演作を持つ《ポルノ女優さん》なのでしょう?。
《第6話用のイラスト》楽しみに待っています。
物語のどこに挿入するのかお書き添えくださいね。
良い言葉です。↓↓↓
>『箱の中に入っていては、その箱がどんなカタチか知ることは出来ない。』




沙希 (5月16日(木)23時59分33秒)
アニト様こんばんは。皆様こんばんは。
また書き込ませていただきます。
アニト様。
腕やふとももの部分に鎖がジャラジャラとくっついている衣装。
アニト様の想像にお任せする感じです。
衣装の趣味が変わると、つい新しい衣装を買い込んでしまうので
収納場所にも困りますし、なにより財政難に陥ります。
男の子の服も買わなくてはいけないし、女の子としてもオシャレしたいし
パートタイム女装娘は結構大変です。
それと、今度イラストをメールで送ります。宜しくお願いいたします。
美希子様。
こんにちは。沙希です。
「ふたりの秘密」完結おめでとうございます。
てっきり、伊理島くんの部屋の押入れに、
女性服などが隠されているのかと思いましたが
女装趣味なのは沢川さんの方だったんですね。
でもこれをきっかけに伊理島くんも目覚めてしまうかもしれませんね。
もっと伏線を張っておけば良かったと書かれていますが、
伊理島くんの過去の記憶などが
随所に散りばめられていている感じで気になります。
MRF−6:女装者− 第6話「ジェノバの教典」 −2nd.
「お給料、倍ってスゴイよねー。優子も昔、そんなにもらってたのー?」
「ほとんど全部、車の支払いにまわっちゃったけどね。」
「だいたい、ハタチの女の子がF50に乗ってる事が、おかしーよね。」
「穂香も車くらい買いなさいよ。あ、その前に免許も取らなきゃダメか。」
「ボク、ウメッシュおかわり。……あ、主任ってば、全然呑んでない!」
「水割り、お作りしますわ。穂香。氷を持ってきて。」
「はーい!」
……ほぼ毎晩のように、優子くんと穂香くんは私の部屋にやってくる。
そして私と3人で、こうして晩酌をするのが日課になっている。
私ももう長い間、ここGIMELで主任を任されているが、
彼女たちのように、家族同様に接してくる子たちは初めてだ。
「そういえば……優子くんも、もう20才か。」
「ティーンズは卒業です。もう私もオトナのオンナ。」
「早いものだ……年をとると、時間が経つのが早くていけない。」
「やだわ、主任ったら。お爺さんみたいな言い方して。」
……優子くんがここへきて、もう5年近くか……
すると、あの事故から3年が経つのか。
事故から3年も経つのに、まだこの子達は、何も知らされていない。
もうそろそろ……せめて優子くんだけにでも、話す時期が来たのだろうか。
私には、いつかそれを告げなければならない責任がある。
「優子、氷、なーい!」
「それじゃぁ、私の部屋の冷蔵庫から持ってきて。袋入りのがある筈よ。」
「りょーかーい!ちょっと待っててねー!」
軽そうな身体を飛び跳ねさせながら、穂香くんが部屋を出ていく。
彼女たちMRFの居住区は、ここから少し離れているが、
歩いてほんの3分程度。建物続きで移動ができる。
本来ならば、この子達のように毎晩ここへ訊ねてくる方が
自然な事なのかもしれない。私たちは、もう家族同様なのだから……
……家族……私はそうありたいと思っている。
しかしこの子達はそれを許してくれるだろうか。

3年前。西暦2002年、5月。あの忌まわしい事故が起きた。
そしてその直後、GIMEL管轄の病院から
飛び降り自殺をした一人の重体患者が運ばれてきた。
『河合広海』。当時まだ若干14才だった穂香くんだった。
臨界に限りなく近い損傷を受けていた穂香くんの身体は、
グラン・ブルーを使用しても、その回復に半年以上もかかってしまった。
そして身体の傷は癒えても、ココロの傷が癒えるにはさらなる時間を要した。
言葉すらまともに発することが出来ない状態の穂香くんを、
付きっ切りでケアしたのが優子くんだった。
自ら6級待機への降格を希望して時間を作り、献身的な介護を続け、
その思いは穂香くんにも届き、ココロの傷は癒されていった……
どんなに科学や医療技術が進歩しても、人の心はヒトにしか癒せないのだ。
それが私の……ここ、GIMELで唯一学んだことだ。
『上』の連中が企てている計画に……私は、どうしても賛同できない。

「あの……主任……」
すっかり酔ってしまったと思っていた優子くんが、突然真面目に向き直った。
「……申し訳ありませんでした……例の、一件……」
「ああ、穂香くんの身辺調査の件かね。あれはもう良い。君は正しかった。」
「正しかったのでしょうか、本当に。」
「私は最良だったと思っている。君にとっては、辛い仕事だったろうに。」
「穂香のお母さんに直接会っても、なにも好転しないことは解っていたのに。
私、自分の感情に流されて、取り返しの付かないことをしてまいそうで……」
「優子くんの気持ちは私も知っている。
その気持ちが、時に優子くんの判断を狂わせるかもしれない。
……しかし、それでも良いのではないかね?
優子くんはもう少し、わがままになってもいいと思うのだが。」
「わがまま……ですか……」
「穂香くんは十分回復している。もう君が母親役を演じる必要は無いよ。」
「そ…そうでしょうか……」
顔を紅くして、照れ隠しに、日本酒の入ったグラスを口に運ぶ。
最近の優子くんは、本当に奇麗になった。
定期的なホルモン注射を続け、身体全体が丸みを帯び、
胸も美しい膨らみを見せている。
クッキリとした二重をトロンとさせて、少し気怠そうな彼女。
似ている……彼女の母親『日下部 碧(みどり)』に。
「ただいまー!氷、持ってきたよーん!」
「ご苦労。じゃぁ主任。水割りをお作りしますわ。」
「あっ!優子は日本酒なんて呑んでる!おいしいの?」
「高知のお酒『酔鯨』よ。味見してみる?」
「遠慮しとくー。日本酒なんて、年寄りくさーい感じ。」
「バカ言わないでよ。日本酒のどこが年寄りくさいのよ!」
「優子もハタチだし、お肌の曲がり角も近いし、すぐに年寄りになる感じ!」
「言ったわね!!穂香だって、私と3つしか違わないくせにっ!!」
こうして楽しそうにじゃれ合う二人の姿を見ていると、
ほんの僅かでも、我々の罪が浄化される気がする。
……いや、それでも我々の犯した罪は、拭いきれるものではないのだが……
だからこそ私は、この二人の成長を最後まで見届けなければならない。
そして……過酷な真実を告げるのも、私の役目。
もう、その時が来たのかもしれない。

つづく




アニト (5月17日(金)23時42分29秒)
沙希さん、こん○○は。
>アニト様の想像にお任せする感じです。
そうとなれば遠慮なく空想を広げてしまいましょう。
この《腕輪》と称するものはこんなところに金具がついているのですね。
《鎖》にもいくつかの留め輪のようなフックのようなものが。
ならばこの部分とこちらを結合させて、
それをこうしてカチャリと嵌めて、手は肘掛に括りつけ、脚はこうして。
素敵なゴスロリオブジェが完成しました。
さぁさ映画館にお集まりの皆様方、
見るもよし触るもよし、思う存分お楽しみください。




沙希 (5月24日(金)18時40分44秒)
アニト様こんばんは。皆様こんばんは。
今日も書き込みをさせていただきます。
アニト様
拙いイラストで絵心なんて無いです。
お話の進行も遅いですし。
毎日掲示板を管理したりレスを書いたりするアニト様は
本当に大変だなぁと思います。
美希子様
新しいお話ですね。
お母さんの視点でお話を進めるなんてめずらしいです。
まるで自分が母親に観察されているようでドキッとします。
だんだん女の子化していく仮定を、
本人の視点ではなく周囲の視点から描くのも面白そうですね。
今後の展開を期待しています。
ちなみに私は「女装娘」>「じょそーこ」と発音しています。
「除草粉」ではありません。
MRF−6:女装者− 第6話「ジェノバの教典」 −3rd.
「もう、穂香ってば……こんなにフラフラになるまで呑むんじゃないの。」
「のませたのは優子でしょー。ボクをこんなに酔わせてどーするつもりー?」
「どうもしないわよ。まったく。弱いくせにいっぱい呑みたがるんだから。」
「うふふふふ!きーもちいー感じーっ!!」
こんなに酔ってちゃ危ないわね。ひとまず私の部屋に連れていくか。
穂香の肩を抱き、支えながら、居住区までの廊下を歩く。
途中、MRF−2、MRF−3……と、
上級待機するMRF達の居住区も通り過ぎる。
そしてMRF−3:「如月 水城(きさらぎ みずき)」の表札を見つけた。
水城……私の元相棒。
同じMRF−6でなかったのはちょっと残念なような、
少しホッとしたような……複雑な心境だわ。
「あ、水城さんの部屋だ!……水城って、名字じゃなくて名前だったんだ!」
「アンタ、今頃気づいたの?………まぁ確かに、名字みたいな名前だわね。」
「みずきさん、忙しいのかなー。歓迎会したいのにねー。」
「……そうね。水城が望めば……だけど。」
昔、水城は、私のことを好きでいてくれた。
でも穂香が好きだった私は、水城の気持ちに答えることは出来なかった。
きっと水城は今でも、穂香に対する嫉妬心を拭いきれないでいるのでは?
……それは私の思い上がりかしらね。
水城だって、とっくに気持ちの整理が出来ているからこそ、
再びGIMELへ戻ってきたのだろう。
私だけが、心に「わだかまり」を残しているのかもしれないわね。
二十歳になっても、まだ子供だわ。私。
MRF−6:「日下部優子」の表札のついたドアの前で止まる。
……穂香の部屋は隣だ。でも……どうしよう。
「穂香。今日は私の部屋に泊まる?夜中に気分が悪くなったら困るでしょ。」
「うん、そーする。優子の部屋にお泊まりーっ!」
穂香を抱きかかえたまま部屋に入り、とりあえずベッドの上に座らせる。
部屋の電気をつけようと思ったが、思い直して、暗くしたまま
穂香の好きなイルカのプロジェクターをつけることにした。
部屋が蒼い光に包まれ、イルカの群が四方を泳ぎ回る。
「イルカー!こんにちはーっ!こっちこっちー!うふふふふ!」
「穂香。酔ったまま寝ると二日酔いになるからね。知らないわよ。」
「だいじょーぶ。それより優子、はやくこっちに来てー。」
顔を紅くしたままベッドに仰向けになり、天井を泳ぎ回るイルカを眺める穂香。
その姿は、ほんとうに子供のまんまだ。
17才という年齢より遙かに幼く見える。
もしかすると穂香は……
3年という時間を、完全に失っているのかもしれない。
すると穂香はまだ、わずか14才の少女なのだろうか。
「ねぇ穂香。私のこと、好き?」
「だいすきー。ボク、優子のこと、愛してるよー!」
「空港では、ずいぶん大胆なことをしてくれたわね。公衆の面前で……」
「ごめんね優子。あのときは、どーしても優子にキスしたかった感じー。」
「あのときだけ?……今は?」
「ん……今もキスしたい感じ……来て、優子。」
穂香に誘われるまま、私はベッドに近づく。
いいえ。誘ったのは私ね。
仰向けになった穂香の上体だけを抱き起こし、あごを上に向かせる。
酔った穂香はニコニコしたまま目を閉じる。
緊張感がまるで無いけれど、まぁいいわ。
唇を、重ねる。
頬、耳、そしてサラサラな髪をかき上げるように手を滑らせながら、
唇の先に、ゆっくりと穂香を感じ取る。
こんなに長い時間のキスは初めてね。
穂香の口が、だんだんと柔らかくなるのを感じながら、
ゆっくりと舌を滑り込ませる。
「ん…………ふ…ぅ……」
唇はまだ重ねたままで、手を穂香のスカートの中に入れてみる。
「ん……だめ!……優子……だめな感じ。」
「あらどうして?元気になってるじゃない。」
「ボク、そこだけは……男の子のまんまだから……だめっ!」
「いいわよ、それでも。ほら、じっとして。」
スカートをめくると、眩しいくらいの白い下着。
その上からでも、ピンと上を向いているのが分かる。
女の子用の小さなパンティでは、ちょっと苦しそう。
恥ずかしがる穂香をなだめながらパンティをめくると、少し、顔を覗かせる。
ゆっくりと包皮を下にずらし、ピンク色の核の部分を露呈させると、
ぶるっと身体をふるわせ、ため息をもらす。
「ちゃんと奇麗にしてるわね、穂香。」
「でも恥ずかしい。まだ子供のままだから。」
先端から、ツーっと透明な雫があふれ落ちる。
お子様な穂香には、ちょっと刺激が強すぎるみたいね。
濡れた部分をティッシュで抑えるように拭いて、包皮をもどしてあげる。
「……ねぇ穂香。エッチしようか。」
「うん。ボク、優子とエッチしたい。」
「じゃぁ、待ってて。シャワーを浴びてくるから。眠っちゃダメよ。」
再び穂香を仰向けに寝かせ、タオルと替えの下着を持って脱衣所へ入る。
服を脱ぎ、備え付けの姿見に自分の裸体を映し、大きく息を吸う。
(穂香くんは十分回復している。もう君が母親役を演じる必要は無いよ。)
主任の言葉が、頭をよぎった。
……穂香とエッチかぁ。ここまで長かったような、あっけなかったような。
(よっしゃっ!ファイトォ!優子っ!!)
照れているのが自分でも分かり、可笑しかった。

つづく




アニト (5月25日(土)00時00分49秒)
沙希さん、こん○○は。
自分の想いを伝える表現手段を多く持つ人をわたしは尊敬するのですよ。
言葉 絵 映像 歌 楽器 ・・・・ 肉体 素直な心。
沙希さんは少なくとも2つ、わたしには真似のできない世界を持っています。
絵と女装。
その両方を発表する場として『空想デート』を選んでくれたのですから、
管理もレスもやりがいがあるというものです。




沙希 (6月1日(土)23時12分14秒)
アニト様こんばんは。皆様こんばんは
また書き込みをさせていただきます。
私の大好きなマンガ「あたしんち」がアニメ化されて困っています。
我が芹沢家のプライバシーを無視してTV放映されているようです。
作者の「えらけいこ」さん。なぜそんなにも私の家の事情に詳しい??
家族全員そっくり。特に母親がそっくり。というより、同じ。
お願い!やめて!これ以上芹沢家の恥をさらさないで!……な感じです。
久仁子様
「憧れ」が連続で読めるのがとても嬉しいです。
ベンチコートで見えないとはいえ、
初めての女装外出が、自宅から直接……なんて
すごく勇気がいることだと思います。
これから先、どこでコートを脱ぐのかが楽しみです。
MRF−6:女装者− 第6話「ジェノバの教典」 −4th.
「せめて一言でも……警察に連絡しておいて頂ければ……!!」
そう言って、穂香のお母さんは泣き崩れた。
穂香の母親に接触するということは、任務には無い予定外の行動だった。
なぜ任務の内容に背いたか。
GIMELの「お偉いさん達」に厳しく問わる事は覚悟していたのだが、
主任が私をかばってくれ、これといった「おとがめ」もなく済んだ。
でも私はというと……やっぱり後悔している。会わなければ良かった。
愛する者の安否を心配すること。しかも3年という長期に渡って。
それがどれだけ苦しいことか、私も身をもって経験している。
私だって、グラン・ブルーの中で生死をさまよっている穂香を
半年近くも見守り続けていたのだから。
……いいえ、それだけではないわ。
母と私を残して家を出た父を、私はずいぶん長いこと捜し続けた。
ここGIMELへ辿り着くまで、ずっと孤独と戦ってきた。
そんな経験があるから、私は少しでも早く穂香の両親を安心させるために……
……でも、私の考えは甘かった。
穂香を両親の元へ帰す覚悟も出来ていないのだから。
そんなの、自分の中の罪悪感を少しでも和らげるための自己欺瞞だったのよ。

どうやら穂香の両親は、穂香が自殺未遂をしたことは知らないようだった。
3年前。穂香の両親、河合夫妻は、
心が病んでいた穂香をGIMELの精神科へ入院させた。
そして『河合穂香は病院を脱走、行方不明……』
河合夫妻は、GIMEL側からはそう聞かされているらしい。
もちろん穂香が自殺を図った事実など、今はまだ話す必要はない。
そんな事を今話したら、余計な心配をさせるだけ。
ただでさえ河合夫妻は、安易に穂香を精神科へ入院させてしまったことが、
親としての責任を放棄したのと同じ事だと、後悔しているようなのだから。
けれど……
事実を隠ぺいするようなGIMELの態度が気になるわ。

シャワーの蛇口をひねり、身体に付いた石鹸の泡を流し落とすと
小さな渦を作りながら足下の排水溝に吸い込まれていく。
普段よりも念入りに洗った身体をバスタオルで拭き、
ふたたび脱衣所の姿見で自分を確認する。
……さて。どんな格好で外へ出ようか。
こういう時って、やっぱりバスタオル1枚で外へ出るのかしら。
それとも下着姿かしら。下着の上にバスタオル……それは変よね。
いっそのこと丸裸で「ジャーン!」なんて効果音入りで出ていこうかしら。
……馬鹿。やっぱり下着だけでなく、部屋着も持ってくるべきだった……
ふと考えてみると、自分にはこういう経験が未だ一度も無い。
身体の外見は完全に女だから、やっぱり……初めては痛いのだろうか。
やだわ。私とした事が。土壇場になってから不安になってる。私らしくない!
相手は穂香よ。何を緊張してるのよ。普段通りで良いのよ!
オーソドックスに、バスタオル一枚で外へ出ることに決めた。
脱衣所を出て部屋へ入ると、真っ暗。
イルカのプロジェクターは再生が終了していたようだ。
……なんか、嫌な予感がするわ。
映画やドラマで、こういう状況でありがちなのは……
やきもきする私を後目に、穂香は酔って寝ちゃってるのよ。
まさにそのパターンだわ。
半分あきらめつつベッドに近づいてみると、
タオルケットを頭まですっぽり被る、いつものスタイルで寝ている穂香。
そーっとタオルケットをめくってみると……
案の定、口を半分開けたまま爆睡していた。
「あんたって娘は……あんたって娘は……っ!!もう、頭きたっ!!」
穂香が起きないようタオルケットだけをめくり、スカートもまくり上げる。
ベッド備え付けのスポットライトの向きを調節して下半身を照らすと、
暗闇の中に穂香の真っ白な脚とパンティが浮かび上がる。
「私をなめないでよね、穂香。」
パンティを太股まで降ろすと、
遠慮がちに小さくなったおちんちんが顔を出す。
ちっちゃいわねぇ、穂香。きっと3cmも無いわよ。
皮も被っててプックリしてて、相変わらずヘアーも少ししかない。
洗面所からクリームと剃刀を持ち出し、作業開始。
ヘアーにクリームを塗りつけ、ソリソリと。
少ししかないヘアーを、綺麗に全部無くしてしまった。
「できた。これでもう赤ちゃんと見分けが付かないわ。」
そり落としたヘアーと、残ったクリームをティッシュで拭き取り、
パンティーを穿かせて、元通り。
(……はぁ、なんかバカみたいだわ、私も寝よう。)
穂香をベッドの端に転がしても、いっこうに起きる気配はない。
穂香の寝顔を見ながら自分も横になる。
(私……焦ってたのね。フフフ。バカだわ、ホントに。)
いつまでも、こうして穂香と一緒に生活できれば良い。
けれど、長くは続く筈はない。
破綻は、そう遠くない未来に訪れる気がした。

つづく




アニト (6月2日(日)23時59分06秒)
沙希さん、こん○○は。
わっはっは、もしかしたら《作者の「えらけいこ」さん》は
GIMELに所属していて、
何らかの理由で沙希さんの家庭を監視しているのかもしれません。
しかし《任務には無い予定外の行動》でマンガにしてしまったとか?。
いずれにしても1度「あたしんち」を見てみることにしましょう。
そこにゴスロリ姿で映画館へ行く《じょそーこ》さんを思い描けば・・・。
しかしそのマンガにエッチなシーンはないでしょうな、やはり。

MRF−6:女装者− 第6話「ジェノバの教典」 −5th.へ

メニューへ戻る

動画 アダルト動画 ライブチャット