はじめから読む

権太 (10月6日(日)00時45分54秒)
◆アニト様へ◆
ども、いつもいつも、お久しぶりの権太です。
今回は半年ぶりに「最も崇高なるビジネス」ですが、
唯奈さんではなく、ごん太少年がメインの特別編です。
「管理人さん物語」以来、
三人称のごん太君は実に素直に演技をしてくれていたのですけど、
一人称にしたとたんに抵抗されてしまいました。
けして意図してるのではないのに、どうしてもこうなってしまうんですよ。
それにつけてもタンポポはじゃまですね。
◆美歩さんへ◆
ども、こちらも、お久しぶりでした。
ついにアニト様とデート実現ですか。
いやー、アニト様がうらやましい。
これは是非ともアニト様からの視点のも読んでみたいけど
趣旨違いだから無理か、残念!!
◆純子さんへ◆
ども、お久しぶり。戦力外の権太です。
沖縄の中学生の話はテレビで聞きました。
まあ、羨ましいという感じも理解はできますけど、
学校は休みがちだったということなので、中学生にして、
お水の世界にしか自分の居場所がなかったのではないかと思うと、
せつない感じもします。
鹿島純君とイメージを重ねてみたりもしましたけど、
あからさまなイジメってよりは、
なんとなく別モノみたいな扱い方をされていたんじゃないかと…。
◆美希子さんへ◆
ども、お久しぶりです。
権太のサボっている間に三作目ですか。
ますます差をつけられてるって感じです。
スモモ先生は良かったです。
こんなお店ならば探してみようかと思ったりしてしまいそう。
こんな元彼女さんがいたなんて羨まし過ぎです。
きっと洋服はわざと置いてってくれたのに違いありません。
それと今回はベットでの女の子座りの部分をパクらせていただきました。
◆久仁子さんへ◆
2ヶ月遅れの超遅レスになりますけど、
下着屋さんでの初めてのお買い物良かったです。
>「いろいろとありがとうございました。助かりました。」
>「いいえ、どういたしまして、ありがとうございました。」
この会話部分が何ともほのぼのしてイイ!
で、人目につきにくい奥のコーナーに連れて行かれたってことは、
そこにあるHな下着を買うときのドキドキ感って
純女の人でもそうかわんないじゃないでしょうか。
◆沙希さんへ◆
「ちょびっツ」のテレビ放映、終わってしまいましたね。
あの話、パソコンを女装娘に変えれば、そのまんまじゃないかと。
世間的には女装=変な趣味ということでくくられているわけですけど、
ほんとうに、それだけなのか、
沖縄の中学生の話もそうですけど自分が自分のままではいられない、
そこんとこが、ものすごく疑問に感じます。
◆柏木彩さんへ◆
どうも、お久です。
今回もごん太少年による彩ちゃん救出作戦の第三弾です。
最後の部分は、もう少しエッチいものにする予定で、
その為に一人称で書き出したのですが、
それが災いし、ごん太君に頑強に抵抗され、
残念ながらあのような形になってしまいました。
もしよろしかったらこの部分を膨らまして微に入り細に入った描写で、
書いていただけると嬉しいです。
でもまあ、なんだかんだと言っても、
ごん太少年も猫ちゃんであるわけでして、猫ちゃん同士って難しいかな。
「最も崇高なるビジネス(3)〜 権太が消えた夏 〜」
暑かった夏の終わり、
誰もいなくなった海、
波が寄せて引く、
その冷たさに素足をさらわれ、
渚を一人行く権太、、、、、

むむむっ? いまは夏だったか??
それに、ここはどこ、どこの海????
なぜこんなところに????

あれ、
砂浜に黒光りする巨大な御神体のようなものが
天に向かって高くそそり立っている、
御神体、えーと、つまり巨大なバイブみたいなもの、
なんでこんなところに???

海と巨大な男性シンボル、
まるでフロイトの夢オチを絵に描いたような・・・、

あっ、そうか、これは夢なんだ、
じゃあ目を覚まさなきゃね、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
目を覚ます、
そこには可愛いらしい女の子が心配そうに僕の顔をのぞきこんでいた。
紺色のセーラー服を着ていて僕と同じくらいの年頃かなぁ。
冬服ってことは、やっぱ全然、夏じゃないのか。
「ごん太くん大丈夫」
あれ? 僕の名前を知っているんだ。
うちの学校の子ならばブレザーだし、
他の学校の娘となんかつきあったことがない。
いったい誰だろう。
中学か小学生の頃に一緒だった子かな。
「どう目が覚めたの」
この子とは別なハスキーな大人の女性の声がした。
女の子はコクンとうなずく。
どうやら僕は走行中の車の後部座席で
女の子に膝枕してもらって寝ていたみたい。
ハスキーな声はドライバーズシートからだった。
「君は?」
とりあえず女の子の方に聞いてみる。
女の子は言いにくそうに小声で答えた。
「わたし、彩、柏木彩」
「彩ちゃん?」
知らない子なんだけど、ずっと前から知っているような不思議な感じだ。
僕は記憶の糸をたぐり寄せる。
そう、今日、僕は学校をズル休みした。
なんでだっけ、、、。
そうだ、行方不明になった親友の柏木君を
探偵の唯奈さんにお願いして探してもらおうとしたんだ。
柏木君、柏木あやと君、・・柏木彩ちゃん
、、、、あれ?
「ひょっとして、あやと君。」
女の子は顔を赤らめ恥ずかしそうに頷いた。
「ごん太君とおんなじ、わたしも女の子になったの。」

なにを言ってるんだ。
僕は男に決まっているぞ。
あれ?
足元がスースーして冷えると思ったら何故かズボンを履いていない。
ひょっとしてパンツ丸出しの恥ずかしい格好かと思い
焦って下半身を見返すと腰の辺りは布で覆われていた。
一安心、でも、この布片、プリーツスカートだよ。
何故かスカートを履いていたのだ。
それはかなり短くて、僕の学校のタータンチェックの制服スカートだった。
「ごん太ちゃん、とっても可愛いよ、、、うらやましい、、」
「な、な、なに言ってんだよ!」
僕はあわてて女の子、いや、柏木君の膝の上からピョッと飛び起きる。
「これは柏木君を助けるため、しかたなく唯奈さんに言われて無理やりに、
あっ、そうだ、唯奈さん、唯奈さんはどうしたの!」
柏木君は首を左右に振る。
「じゃあ、いったい?!」
「この人がわたし達のことを買ってくれたの。」
「えっ、」
二人の沈黙に車を運転をしていた女の人が口をはさむ。
「そうよ、私があなた達を買ったの。
二人して変態すけべオヤジに人気があるから、
競り値がどんどん上がって、けっこう高い買い物についたわ。」
この人、しゃべり方は優しそうなのだけど、どこか威圧感がある。
とりあえずは逆らわない方がよさそう。
車は街中を走り抜け
ごくありふれた造りのマンションらしき建物の地下駐車場に入ると、
エレベーターの昇降口の側に止まった。
「悪いようにはしないから大人しく着いてきてね。」
そう言いながら女の人が車を降りると、
柏木君は僕の手を引っ張るようにしてその後に従った。
背筋をピンと伸ばし颯爽と歩く女の人は、
ペーパーデニム&クロスのジーンズをラフな感じで着こなしているのだが、
その後ろポケットの不自然な膨らみは小型拳銃のようだ。
やはり普通の人ではなさそう。
ここは人目のない地下駐車場だ、
今逃げ出すのならば後ろから撃たれてしまうかもしれない。
エレベーターに乗り込むと女の人は階数ボタンではなく
電話口の横にあるテンキーに数字を打ち込む。
ドアが閉まり、階数表示がどこかの階を示すのではなく、
その全てが点滅するとスーと身が軽くなるような感じがし、
さらに地下へと降りていくようであった。
どのくらいまで降りていったのかはわからないのだが、
さっきとは逆に下からの圧迫感が加わり、
また一瞬だけ軽くなったと感じるとガックンとエレベーターは止まった。
しかしそれでも目的の階に達したのではないらしく、
ガクッガクッと連続的な音と振動がしばらく続いた後に、
こんどは横に移動しているかのようなGが掛かりはじめた。
なんなんだ、このエレベ−ターは?
地下駐車場の下にさらに地階があるマンションというだけでも不自然なのに
横に動くエレベーターなんてものが世の中にあるのだろうか。
いったいこれからどうなるのか。
この不安感は柏木君も同じみたいで僕の手をギュッと握りしめる。
「二人とも仲が良いんだ、さっきからずっと手を握りっぱなしなのね。」
女の人のからかいに僕たち二人には返す言葉がない。
後で考え直してみると、どのような状況であれ、
高校生の男子二人が手を繋ぎ合うというのはかなりおかしいことなのだ。
でも、この時には、そんな事は気づきさえしなかったし、
そもそも柏木君が男の子だという意識も消えていた。
僕は、なんとしてでも、
この状況から柏木君を助け出さねばとだけ思っていたのだ。
「そんなに緊張してなくてもいいのよ、
こんなに可愛いお姫様達に酷いことなんか絶対にしないから。」
この言葉に柏木君の僕の手を握る力が一瞬僅かに緩む。
だが、だまされるものかと、今度は僕が柏木君の手を強く握り返した。
エレベータの横への移動が終わるのか、
また横に投げ出されるかのようなGが加わり始めると
不安定な姿勢になった柏木君が僕の腕にしがみつくような体勢になった。
僕はそんな柏木君の肩をギュッと抱きしめる。
長年の親友の肩がこれ程までに、
華奢で頼りなげだということを初めて知った。
女の人は、そんな僕たちを微笑ましそうに見ていたのだが、
ガックンというエレベーターが止まるショックで僅かだけ姿勢を崩すと、
今度は本当に目的の階に到着したようでドアが開いた。
エレベーターから出ると薄暗い横に真っ直ぐに長い通路であった。
絨毯こそ毛足の長い良さそうなものが敷き詰められているものの、
それ以外に、これといった装飾もなく、
通路の両端ははるか遠くで見渡せない。
その代わりに機械の稼働音のような不気味な重低音が
どこからともなく響き渡っている。
「ここは元は旧帝国陸軍が本土決戦用に掘った秘密の地下要塞なの。
言わば歴史から忘れられた空間ってところかしら。
どう、私たちにピッタリな場所だと思わない。」
同意を求められても答えようがない。
この異様な空間に柏木君は体を震わせ、
僕は柏木君の肩をさらに強く抱きしめる。
三人は長い廊下を歩き続け、やっと一つのドアがある場所までたどり着いた。
女の人が指紋認証らしきタッチパネルに手を当てると
ピッという音がしてドアがスッーと横に開いた。
「アッ、」
僕と柏木君は同時に軽い驚きの声をたてる。
牢獄のような寒々としたところを想像していたのだが、
そこは予想に反し明るく暖かい配色の部屋であった。
ワンルームらしいが広さとしては20畳ほどで
室内はピンクと白を基調に統一されている。
まあ簡単に言ってしまうと
リカちゃんハウスをそのまま実物大にしてしまったような感じと言ってしまえば、
描写の手間も省けるし、わかりやすいであろう。
しかも家具や装飾は斬新なデザインでありながら高級感がただよう品ばかりで
遊園地にあるような実物大ドールハウスのような安っぽさはみじんもない。
「ごん太ちゃん、この部屋、ものすごく可愛いよ。」
今の今まで肩を振るわせていた柏木君が目を爛々と輝かせている。
まったく女ってやつは、どうしてこんな時に、
こういうリアクションがとれるのだろうか。
と、思ったが、柏木君は男の子だ。
「この部屋いいね、私もこんな部屋に一度でいいからすんでみたい。」
柏木君は僕の手を引っ張りながら嬉々として部屋のアチコチを散策して回る。
「気に入ってもらえたかしら。
じゃあ私はこれから少しだけ用事があるから、
あと2時間くらいは、ここで待ってもらうことになるわ。
その間は二人だけで、ゆっくりと休んでいてね。」
そう言うと女の人は部屋を出ていき自動ドアが閉まる。
僕はあわてて柏木君の手を振りほどきドアに駆けつけた。
案の定ドアは内側からは開けられず監禁されてしまっているのだ。
しょうがないので、壁、床、天井、バスルーム、絵画の裏、鏡の裏と、
他に出入り口がないかと探し回る。
映画だと、こういう場合には人の通れる換気口なんかが必ずあって、
主人公はそこから脱出するものだけど、現実は厳しくて
巧みに装飾に隠されたエアコンの通風口らしきものは発見したが、
とうてい人が出入りできるような大きさではない。
柏木君はというと
ペタリとお尻をついた女の子座りでベットの感触をたのしんでいる。
もう、すっかり、なりきっているのだ。
にしても、よくま、あんな座りかたが出来るもんだ。
そう言えばウチのお姉ちゃんはアグラはかくけど
女の子座りをしているのを一度も見たことがない。
ああいう座りかたってアニメ以外に実際にあるもんだなと新鮮な驚きを感じた。
「ねえ、ごん太君、このベット、ものすごく気持ちいいよ、
ごん太君もこっちに来なよ。」
なんと緊張感がないヤツと思うが
部屋の捜索にも限界を感じてきたし、
今後のことを話し合う必要もあるので応じることにした。
しかし僕には柏木君のような女の子座りは出来そうもないし、
ウチのお姉ちゃんのようにミニスカでアグラをかくのにも抵抗があったので
とりあえず柏木君の前で正座した。
あれ?
この感じ、
部屋が大きいか小さいか、綺麗か汚いか、
大人三人くらいは一緒に寝れそうなフカフカベットかギスギスの安物ベットか、
そういう違いはあるけど、
昼間の唯奈さんとの時と状況がそっくりだ。
こんな時に不謹慎なのだが
唯奈さんにされたことを思い出し心臓が高鳴り始める。
「ねえ、ごん太ちゃん、」
柏木君はいきなり僕の太股、それも内側あたりを触ってきた。
「ごん太ちゃんって、ほんとの女の子みたい。ここプニプニして気持ちいいよ。」
「何言ってんだよ、ハハ」
僕は力無く笑うしかなかった。

とある部屋では、
男一人に女二人が100インチの壁掛け型ハイビジョンモニターを見ていた。
画面には互いに見つめ合う少女の姿が映し出されている。
一人は柏木彩こと柏木あやと、もう一人はごん太少年であった。
少女の装いをした少年達は
どちらからともなく引き寄せられるように口唇を合わせる。
最初はぎこちなく断続的に、
そして、そのぎこちなさは慣れに転じ、
互いに徐々にではあるが舌をからめだし、
しだいに濃厚なディープキスへと移っていった。
互いの手が、互いの体を服の上から愛おしげに、
かつ、もどかしげにまさぐりあうのであった。

〜 次回完結編へと続く




アニト (10月7日(月)23時29分22秒)
権太さん、こん○○は。
丁寧な挨拶文と巧みな物語、あいかわらず読み甲斐がありますねー。
権太さんは「書ける人」ですから
エッチな物語でなくても、『空想デート』用でなくてもかまいませんから、
「書く」ことを続けてください。
人称形式はテーマやストーリーと密接な関係にあります。
どうして《抵抗されて》しまったのか考えてみてください。
そこに今後のごん太君の活躍、作者権太さんの活路が見えることでしょう。
目指せ年内《完結編》。
>それにつけてもタンポポはじゃまですね。
わははは、では次は別の花か図柄で。
>これは是非ともアニト様からの視点のも読んでみたいけど
ある条件が満たされれば「アニトの野外調教編」を書くことを約束しますよ。




権太 (10月18日(金)21時24分21秒)
◆アニト様へ◆
>目指せ年内《完結編》
いえいえ期待を裏切る権太でして、
目処にしていた一週間は無理でしたけど12日目で完結編がアップしました。
頭の中のプロトだと、もう少し色々とあって、
ラストもかなりシリアスで重苦しいものになる予定だったんですけど、
残念ながら出来はいつもの通りです。
今回の目玉としては登場キャラでして、
その辺を楽しんでいただければ嬉しいです。
それと唐突な質問で申し訳ありませんが、
アニト様が斜め横からテレビを見ている時ってやっぱ横座りですよね。
◆純子さんへ◆
初めまして、
おもに「亜里砂の大冒険」という話を書いている権太と言います。
権太のような場違いな奴でもアニト様には大変お世話になっている訳ですから
純子さんなら全然OKだと思いますよ。
でも物語を読んでて思ったのですけど、TGとTVって、
「記号」以上の本質的違い(メンタルな部分で)があるのでしょうか?
まあマッチョな髭親父がスカートを履いて、
そういうのが女装だというならば、それとは違うぞとは思うんですけど、
そういうわけでもありませんし、
はたしてフルタイムかパートタイムかの違い以上のものがあるのかどうか・・・。
◆美希子さんへ◆
電話の件はオマケの方を読んでいただくとして、
女の子座りの件なのですが、
我が家では女の子座りと言うと横座りを指し、
普通に言われるところの女の子座りはペタンコ座りと言っていました。
(これって地域限定なのか我が家限定なのかは判りません。)
で、ふと気がついたのですけど、
権太がテレビを見ている時の姿勢って横座りなのですよ。
あぐらだと正面を見る姿勢しかとれませんから、
斜めからテレビを見るポジションにいると自然にあぐらが崩れて
横座りになっていたみたいです。
これって全然ふつうですよね。
◆ロマンス純子さんへ◆
亭主の浮気を察知したカミさんが浮気現場に踏み込むと、
そこには美しく着飾った純子さんとアニト様が、、、。
う〜、シャレではすみそうにもない修羅場。
で、そういうのがバレちゃった人が、
「これは趣味でストレス解消に最適!」なんて具合に開き直ったところが
TVとTGの分水嶺になったとか。
でも男って大なり小なり女装が好きですから、
だとするとやはり、どこかに線引きが可能なのかなぁ。
あれ? そういえば純子さんの初外出と初Hは読んでますけど、
初女装の話ってありましたっけ???
◆久仁子さんへ◆
管理人の恩田と優しい琢磨、実に好対照ですね。
はたして恩田が琢磨の引き立て役で終わるのか否か。
それにしても「憧れ」というタイトルが控えめ過ぎに見えてしまうところが、
いつもながらの久仁子さんのすごいところです。
ところで最近知ったのですけど、
普通のルーズソックスでも、
古くなったのをレッグウォーマーみたいに切って、
同じ種類のルーズと重ね履きすると、
スーパールーズみたいに、ながーくできるみたいですよ。
「最も崇高なるビジネス(4)」
その時、私の頭にヒンヤリとした硬い異物が突きつけられた。
この野糞のような香水は・・・あの中年ババアだ。
「あんたのことはさ、ある人から連絡があってね、最初から判ってたのさ、
悪いんだけど、あの娘の落札金は、まるまる全額あたし達が頂くからね。」
両脇をさっきの男二人に押さえられて私は外に連れ出される。
その様子を見ていたごん太少年は
顔面蒼白になり崩れるようステージに倒れた。
「キャッ! ごん太君!!」
甲高い叫びが壇上から聞こえた。
それは柏木あやと君が親友の登場に気がついた瞬間であった。
同時にツプという痛みが二の腕に走る。
中年ババアが注射針を突き立てているのだ。
視界がグニャリと大きく歪み二の足で立つこともできなくなる。
両脇の大男に支えられたまま私は意識を失った。

目を覚ますと見慣れたベッドの上に寝ている。
ここは見間違うはずもないアリサお姉さまの寝室だ。
今までのことは甘美な責め苦の果てのうたかたの夢なのか。
釈然とせぬまま痛みの残る二の腕を見ると
ポツンと赤い注射痕がそこにはあった。
あれは確かに現実だ。
ガチャ
ドアが開きそこには綾音の姿があった。
「お目覚め」
ハスキーな声には冷笑が隠されている。
確かに今の私は嘲笑されてしかるべき存在だ。
東京湾の底に居るべきところが何故かこの居心地の良いベッドの上だ。
「これ、お薬だけど大丈夫。」
綾音は錠剤と水差しとコップののったトレーをナイトテーブルに置く。
私は薬を水なしで一気に飲み込む。
「じゃあね」
とだけ言うと綾音は部屋から出ていく。
彼女から何も聞き出せないことはわかりきっている。
ここは待つしかない。
そうだ、アリサお姉さまと出会ってからずっと、
お姉さまを待ち続けるだけの女になっていたのかもしれない。
いや違う、
少年の願いを叶えようと思った時に振り子は反対側に振れていた。
そしてまた振り子が元の位置に戻っているということか。

どれくらい時が経ったのだろうか、
またドアが開かれアリサお姉さまが来る。
その険しい顔はゾクっとするほど美しい。
「あなたは自分が何をしでかしたのかわかっているんでしょ。」
私は目を伏せ項垂れるしかない。
「あら、まだ全然わかってないようね。」
僅かにお姉さまの体が左右に振れた瞬間、
ビッシと鋭い痛みが頬を走る。
「アッ」
ビンタとは思えない衝撃が私をベッドにたたき伏せる。
「すみません」
私は横たわり力無く言うのがやっとだ。
「とんでもないことをしでかして、あなたの勝手な行動が
私たちをどれだけ窮地に追いやることになるのか判ってるの。」
私には返す言葉がない。
「あなたの情報屋がリークしてくれたから事前に対処できたけど、
もし、あのまま突っ走ってたら、どうなってたことやら。」
「事前にって、あいつらに私たちの事を通報したのは?」
「そう、私よ、そうでもしなかったら今頃あなたは東京湾の底で
コンクリートの素敵なブーツを履かされていたことでしょうね。」
「じゃあ、ごん太君と柏木君は、、、」
「あの二人はジーンズの後ろポケットにベレッタを仕込んだ、
いかがわしい女に買われていったわ。」
「ひどい、なんてことを!」
私はアリサお姉さまに掴み掛かったが軽くかわされ、
逆に後ろ手に捻りあげられた。
「まったく呆れるわ、ほんとに何も判ってないんだ。
もし、あなたが、あんな無茶さえしなければ、
少なくともごん太君が売られる事だけはなかったんじゃないの。
これはあなたが選んだ行動の結果なのよ。」
捻りあげる力が強まり腕が折られそうな激痛が走る。
だが私はそれを認めるわけにはいかない。
「どうしたのよ、
ひょっとしたら私が通報さえしなければ二人とも救出できたなんて
甘ちゃんなこと考えているのかしら。
このまま腕をへし折って体に覚え込まさなければ駄目みたいね。」
その通りであった、返す言葉もない。
私は目をつぶり腕が折られる痛みに備えた。
その時、穏やかなバリトンが部屋に響きわたる。
「アリサ局長、唯奈君は悪くないよ、許してやってくれないかな。」
アリサお姉さまの全身がビクッと反応し、
私は腕の苦痛から解放された。
声の主は革張りの肘掛け椅子にゆったりと座っている。
いつからこの部屋に居たのだろうか。
私はともかくアリサお姉さまにさえ気配を悟られないでいたとは・・・。
「ア、アニト様」
それは私が初めて聞くアリサお姉さまの上擦った声であった。
「私も唯奈君の立場だったら、たぶん同じ事をしていただろうね。
いや、同じ事をしてきたと言うべきかな。
どうか私に免じて唯奈君を許してやってくれ。」
「はい、アニト様がそう仰るならば、そのようにいたします。」
アリサお姉さまは、まるで機械人形であるかのように答えた。
「いや、そう畏まられても困るな、君の判断もまた正しかった。
奴らの組織と正面から事をなしても得るものは何もない。
唯奈君、このことは君にも判ってもらいたいのだ。
たとえ思いが一つだったとしても背負っているものが違えば、
行動もまた自ずと違ってくるのだよ。
私もね、昔は君以上に無茶をしてきた。
だが結果は惨憺たるもので、
自分が助けるべき人達を傷つけるだけの繰り返しだった。
だから私は考え方をあらためることにしたんだ。
今は不正を正すのではなく不正を正す為に力を蓄えるべきだとね。
だが不正を知らずして日々を過ごしているだけならば不可抗力にすぎないが、
不正を知りつつ目をつぶるなら言わば共犯者だ。
これを思うと心が痛む。
結局は私の不甲斐なさがいけないのだよ。
本当に責められなければならないのは私なのだ。」
「滅相もありません、アニト様がおられなければ、
私たちはここに居ることさえ出来ません。」
アリサお姉さまの目元は初恋の人を見つめる少女のように潤んでいる。
だが私には率直に応えることが出来ない。
「これを見たまえ。」
アニト様が手元のリモコンを操作すると、
壁に掛けられた100インチのハイビジョンモニターが映像を映しだす。
画面には互いに見つめ合う少女の姿が映し出されている。
一人は柏木彩こと柏木あやと、もう一人はごん太少年であった。
「確かに今の我々には二人を無条件に解放させる事は出来ない。
だがね、アリサ局長は二人をオークションで競り落としてくれたのだよ。」
そのアリサお姉さまは、こう言葉を付け加えた。
「そう、ジーンズの後ろポケットにベレッタを仕込んだ、
綾音っていう、いかがわしい女が二人を買ったの。」
```````````````````````````````````````````````````````````
今、私はルート246を郊外へとアリサお姉さまのベントレーで走る。
後部座席には二人の仲の良いお姫様、
柏木あやと君とごん太少年が手を繋ぎ肩を寄せ合っている。
あやと君は紺のセーラー服、
ごん太少年はブレザーにエンジのリボンタイと
タータンチェックのスカートという
彼らの学校の女子制服を着こんだままだ。
「ねえ、ホントにその格好のまま家に帰るの。
やっぱ私のマンションに戻って着替えてからにした方がいいんじゃないかしら。」
「いいんです、僕、、、あっ、そうじゃなくて、わたし、、、
本当の自分をお父さんやお母さんにも判ってもらいたいんです。
できれば明日からはこの服で学校にも行こうかとも思ってるんです。」
柏木君は決意を込めて、そう答えた。
「でもそれって大変よ」
「判ってます、でも、いつまでも自分から逃げてちゃいけないんだって、
今度のことで判ったんです。」
「じゃあ、ごん太ちゃんもそうするの?」
「あっ、僕は全然、そういうんじゃないし、
唯奈さんのとこに寄り道すると帰りが遅くなるし、
2階の僕の部屋まで判らないように帰れば大丈夫だし、、、」
「大丈夫って隣の部屋にいるお姉さんには気づかれてしまうんじゃないの。」
「お姉ちゃんになら、たぶん、、たぶん大丈夫、、、、」
ごん太少年は消えゆくような声で答えた。
「そう、じゃあ明日、学校帰りに私のところに来て、その服返してね。
それ全部、私のお気に入りなんだ。
もし下着とかに変なシミがついていたらお仕置きだからね。」
「えっ、そ、そんなぁ、、、」
ごん太少年は鼻に掛かった甘えた声で、そう答えるのであった。

(DEAD END)




□□□□□ ゴン子ちゃんが電話をしたならば □□□□□

わー、なんだか大変なことになってしまったぞ。
だいたいだな権太は下着女装なんかしないぞ。
いやまずい、
いつものように勝手なワガママを言ってしまったら設定が変わって、
せっかくのチャンスを逃がしてしまう。
確かに、あの手のおネエさんに弱いってのは事実だし、
これはもう電話するっきゃないな。
それでと、
電話は携帯からするか、それともお店の近くの公衆電話からするのか、
これも設定が変わりそうでうかつには出来ないぞ。
まあ、いいや、とにかく電話だけはする。
いや、こういう情感のない独白自体がマズイんだな。
ここは、もうちょっとそれらしく書かないといかんぞ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜、、、、
やっぱ何も書けん、
そうだよな〜、だいたい、そんなに上手く書けるくらいならば、
最初から自分でエッチなものを書いているだろうし、
やっぱしょうがないよなぁ。

ええい、ここは全て美希子さんに丸投げ!
まな板のマグロ状態、
どうぞ、お好きなように煮るなり焼くなりしてください。

かくしてごん太は電話をするのであった。
☆ 期待一杯 ☆


(\\\映画のようなミステリー/// に続く)




アニト (10月20日(日)00時22分35秒)
権太さん、こん○○は。
「最も崇高なるビジネス」完結おめでとうございます。
救世主登場で大団円といったところでしょうか。
権太さんの文章は巧い、全体として上手にまとまっていて
多くの個所で「この表現はいいっ!」と唸るものがあります。
が、ここであえて辛口の感想を書きますと、
リアル感、というよりもっと肉迫した「生々しさ」が
描ききれていないように思います。
「これからがおもしろくなりそう」というところで
早々と読者に《丸投げ!》してしまっているように感じるのです。
もちろんそういう作風もありでいいのですが、
文章力のある権太さんだけに惜い!と思わざるをえません。
空想だと割りきるのであれば、とんでもない残酷さ、
語り継がれるほどの悲恋、度を越えたコメディ、なども
権太さんならば書けることでしょう。
《期待を裏切る権太》さんにこれからも期待大です。

と重い提言になってしまったためオマケとして
質問の答えとともにわたしの生活の一端をお教えしましょう。
>アニト様が斜め横からテレビを見ている時って
>やっぱ横座りですよね。
わたしの部屋には3つの「座る場所」があります。
1つが今こうしてPCに向っている木製の机(の椅子)。
書き物をするときのほとんどをこの机で行ない、
このときテレビのスイッチをオンにしていることはありません。
2つ目が2人掛けのソファ。
これは読書用で、普通に座るか寝そべって本を読みます。
そしてテレビの正面にある座椅子。
ここでは足は投げ出しているかあぐらをかいているかのどちらかです。
というわけで、どの場合でも「横座りはしない」というのが答えです。
ちなみに「ペタンコ座り」はできません。
女性がそんな柔軟な座り方ができるのは
産道確保のため男性より骨盤が開いているから、という説を
ソファに寝転がって本で読んだか、
あぐらをかいて見ていたテレビ番組で知ったか、
PCの前での勝手な想像をしたのかもしれませんが。
(「開いている」はもしかしたら「自由に動く」だったかも?)


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