はじめから読む

山崎アカリ(12月14日(木)00時19分32秒)
アニト様、先輩奴隷の皆様、
このページを御覧になっている多くの皆様方、
アカリでございます。m(_ _)m
☆アニト様
わたしはもっぱら自分のために書いているのですが、
それが皆様のイチモツを喜ばせる糧になるのでしたら、
それは作者として望外の喜び、と言わねばなりません。
でも美しくなる努力はもっとしなければいけませんね。
抱きしめて頬擦りしていただくためにも。
>ううっ、こんな掲示板を作ったわたしは天才、それとも変わり者?。
すみません、どちらかと言えば“変わり者”かも・・(^_^;)
でも、わたしは“変な人”が好きなのです。
そして恩人でもあります。
この掲示板がなければわたしは
自分の“本当の事”を書く機会など一生無かったかもしれません。
☆みずき様
>ブッシャーってなっちゃいました。シャワーおしりに当てたら。
そ・それは・・やっぱりちゃんと入れてからしないと・・
ハ!わたしってばなんてことを!
>走り幅跳びで、踏切版を越えて走って行ってしまう選手がいます。
そのまま競技場の外まで走ってっちゃったら、
それはそれなりに・・
あ・いえ・・冗談です、ちゃんと跳びますから。
☆由衣美様
>このふたりのごく普通の出会いと恋と結婚も、読んでみたいですね。
う"・・考えてませんでした・・どうしましょう・・
やっぱり「遅刻遅刻」とか言いながら
パンを咥えて走ってたんでしょうか・・・・ヤッチャオウカナ。
>でもあれって、XX女子の排尿には役に立たないし、
>女装っ娘以外に何の役に立つんでしょう。
単に製縫技術、立体裁断の技術が
タコだっただけではないでしょうか(^_^;)。
それに布地の伸縮性も・・。
あのスタイルは昔の競泳用水着の形そのままを
継承したものと思われますが、
とすれば胸から入った水を抜くためだったのかも知れません。
これはセーラー服も同様ですが、
時に化石としか思えないファッションが
学校という所には残っているものですね。
そして、それを好む人もいるとσ(^^)。
由衣美ちゃんのけなげな奴隷振りには感心しました。
どんなモードでも由衣美ちゃんは
やっぱり可愛い由衣美ちゃんなんですねぇ。
ご奉仕にも色々あると思うのですが、
やっぱり大切なのは“心栄え”です。
手抜きのない由衣美ちゃんのご奉仕は立派だなあと思います。
「失われた時の流れの彼方へ」のBGMは
やっぱりピアノ曲中心です。時々ヴァイオリンも。
中に出てくる曲は必ずかけています。
☆権太様
やりにくいようでしたら
レスをつけるのは控えさせていただきますが・・。
あのですね・・昔むか〜〜しの少女漫画は
ひたすらに可哀想なお話が並んでおりまして、
主人公は大抵片親かみなし児で貧乏で
生き別れのお父さんとかお母さんとひたすらにすれ違いを繰り返し
金持ちのライバルに苛められ
世間からは石を投げられしまいには白血病になって死ぬ。
昔の少女達はこれに燃え(萌?)たのです。
あの、言いたい事分りますでしょうか・・。
☆柏木彩様
しばらくご無沙汰、と思っておりましたら
一晩で二本の書き込み・・
ご無理なさっていなければ良いのですが・・。
・強制的に看護婦にされる若い見習い医師。
素晴らしいアイディアだと思います。
何しろ病院は色々なアイテムに事欠きませんから・・
見方にもよりますけど(^_^;)。
・女装の似合う男の子・・美しいイメージですね。
わたしの読後感だと少し男の子のイメージが残った娘
という感じがするのですが、ちがいます?
☆純子様
次から次へと純一の部屋を訪れる新しい登場人物・・
面白い趣向です。
まるで戯曲みたいですね。
きっといいお芝居になりますよ。
さて、次はどんな人がお部屋に現れるのでしょうか?
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
さて、いよいよ跳躍ですが・・あまり記録は望めそうもありません。
でも良いのです、愛があれば。
空腹が最高の調味料であるように、
愛は最大の歓びのスパイスなのですから。
・・それでは。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
「失われた時の彼方へ」
●第3章-(直樹)・承前 第3話
冷たくて固い床の上にシュミーズ一枚で横たわる。
目を閉じて、手をおなかの上に組む・・
自分の息遣いが大きく聞こえ、
トクン・トクン・・心臓の鼓動までが聞こえる。
まるで本物の女の子が初めて抱かれるときのような・・
でも、本当にそんな気持ちだった。
直樹・美・・お姉さまはわたしに寄り添って横たわり、
優しく愛撫してくれる。
わたしは直美さんの胸に顔を寄せ、その香りを吸い込む。
それは確かにあの、若い男性の草息れのような香り。
でも、目の前にあるのは
ナイロンの、薄いピンク色を帯びた光沢のある生地・・
わたしは目を閉じ、布地の放つ優しく甘い匂いと
青年の体臭の不思議な混合物を楽しんだ。
そしてお姉さまの指に身を任せる。
頭の芯がジンジンして、耳のあたりが熱い。
「アカリ・・あなたをもらうわ・・。ひとつになって、私と・・。」
「はい。お姉さま・・アカリをさしあげます・・。」
直美お姉さまの手がシュミーズの中ををまさぐる。
あの優しい、優しい愛撫。
わたしの緊張で固くなった体にお姉さまの手が触れていく。
胸を、まるでそこに乳房があるかのように撫で、乳首をつまむ。
徐々にシュミーズが捲れあがってきて、
わたしの体にお姉さまの唇が触れた。
そして舌で乳首を転がす。
「ハ・・あァ・・。」
あまえた吐息でそれに応えるわたし。
一指し指がわたしのお臍をキュ、とおさえて
手のひらでおなか全体を撫でまわし、
そして、わたしのペニス・・カチカチに固くなったそれに触れた。
そして皮をめくり上げると、唇でそれを包む。
暖かな吐息が敏感な部分を刺激して、
わたしは思わず自分の指を噛んでいた。
そして手は後へ回り、わたしの入り口にそっと触れる。
「フ・・クゥ・・。」
噛んだ指の間から吐息がもれ、声になる。
なんだか不思議な感じ・・
わたし、こんなに敏感だったっけ?
お姉さまの指がゆっくりゆっくりと
アヌスをマッサージして、揉み解していく。
固く閉じていたあそこがだんだんゆるんで行き、
疼くような快感がそこに宿り始める。
指先が侵入して来た。
入り口に沿って丸く動く指。
それはわたしの入り口を徐々に、徐々に柔らかく、開かせていく。
そして、そっと顔を近づけて、唇で触れた。
「だめ!きたないです。」
「きたなくなんかない・・アカリのだから・・。」
お姉さまの舌が中に侵入してきて、わたしの内部を舐め、愛撫する。
確かに先生に抱かれるようになってから、
できるだけ中も綺麗にしておくようにはしている。
けれど、もう朝から何時間もたってるのに・・。
感動のあまりまた、涙がこぼれ出た。
こんなにまでしてくれる人が他にあるだろうか?
「おいしいわ・・アカリの味よ・・。」
そう言って口を離すとまた、指で丁寧にほぐしていく。
ローションなしで大丈夫なんだろうか・・ちょっと怖い。
「大丈夫、充分マッサージすれば・・。」 
直美お姉さまの指がわたしの内部を巧みに巧みに愛撫する。
「う・クゥ・ぅ!あァハ!」
直美さんの指が内側に曲げられ、
中の一点を抑えた時、電気が走った。
「アゥぅ!ウ・ウぅ・・。」
「あぁ・・ここね・・ここで感じるのね、アカリちゃんは・・。」
ジイン!としびれるような感じが背骨を駆け上がり、
耳の後あたりでキイン!と鳴る。
こんな・・こんな感じ、今まで知らなかった・・
わたしの中にこんな敏感な箇所があるなんて・・。
「ア!クゥ・ウウぅ・・。」
二本目の指が入ってきて
人差し指といっしょにわたしを鳴かせる。
広げたり、押したり、撫ぜたり・・時につまむように。
とても声を出さずに耐えられるものじゃ無かった。
手足がパタパタと勝手に動く。
「あう!あ・クゥう・・!」
「あ!ハぁ!・・アぅ・・あァ!」
わたしは自在に鳴かされ、
お姉さまの指先で指人形のように、奇妙な踊りを踊っていた。
「アヒ!アヒィ!」
自分でも信じられないような卑猥な声が口を付いて出てくる。
刺激されつづけて、突き抜けるような痺れがやがて全身を浸し、
わたしを陶酔状態へといざなう。
そしてまた舌が・・。
丁寧に、丁寧に内部を嬲る。
わたしはもう、どうにかなっちゃったんだろうか。
頭の中が真っ白になり、ただ喘いでいる。
ニチャ・・ニチャ・・
アヌスの周りに何かヌルリ、とした感触が生まれてきた。
そして、スルリ、と三本目の指が侵入してくる。
今までこれが限界だったのに、いとも簡単に・・。
「アハ・アハ・アハァ・・アァ・・。」
今、分かった。
メロメロ、て言うのはこういう状態のことなんだ。
体がもうまったく自由にならない。
中を3本の指で自在に嬲られ、
文字通りわたしは悶え狂い、体をのたうたせている。
『だめ、これ以上されたら・・どうにかなっちゃう・・。』
そう思った時、指がス、と引き抜かれ、舌の愛撫が再び・・。
ピチャ・ぴちゃ・・クチュ・ピチャ・・。
「ヒアアァ・・気持ちいい・・。」
「もうそろそろ、大丈夫ね。」
顔を上げて直美さんは言い、わたしの背後に回った。
「体丸めて、力を抜いて。」
わたしは胸を抱くように丸くなる。
「そう、良い娘・・。」
入り口にペニスがあてがわれた感触があった、そして・・
ズルリ!
意外なほどあっけなく入ってきた。
「入ったわ、アカリちゃん。」
わたしはただ首を振り、うん、うん、と答える。
いつもはキツキツで挿入されてるから、
もう、広げられている感覚ばかりだけれど、
今は中のペニスの形まで分かる。
そして、嬉しい。
犯してもらえるのが、涙の出るほどに。
「アカリ、いい?入ってくる時にいきむのよ、
そして抜かれるときに閉める。やってごらんなさい。」
直美さんが耳元で囁く。
コク・コク・と答える
ゆっくり、ゆっくりと直美さんは腰を使った。
わたしはそれにあわせ、息み、閉める・・。
「ゥア・ゥ・・。アウ・・ゥアぅ・・。」
息む時に広がった中を
ズルズル・・とペニスが擦って侵入してくる。
出すまいと閉めているところを引き抜かれていく。
「う・クゥ・・。」
直美さんが小さくうめき声をもらす。
「いいわ、アカリちゃん、その調子!」
そうやって二度、三度繰り返していくと、
わたし自身の潤滑液がアヌス周りに塗りこまれ、広げられて、
動きはどんどん滑らかに、スムーズになっていく。
閉める・・開く・・閉める・・開く・・。
括約筋を擦り上げるペニスの存在をつよく感じて、
熱く、熱くわたしの体はほてってくる。
「四つん這いになって。」
お姉さまに言われ、体を起こす。
「さっき感じたところがあるでしょう?
あそこを刺激するようにするの・・・あなたも動くのよ、一緒に・・。」
「は・はい・・。」
わたしは四つん這いのまま尻をくねらせ、お姉さまと呼吸を合わせて・・。
あのツボをペニスが擦るたび、ビリ!と感じる。
「ァハァ・・あハ・・ァ・・アぅ・・。」
わたしの中からわたしの潤滑液が流れ出し、
いやらしい音を立てはじめた。
ヌチャ・クチャ・・ニチャ・・くちゃ・・
それに連れてお姉さまの動きもだんだん速くなってくる。
「ァ・ァハッは・ハヒッ・ハ・ァは・ハ・ハヒ・・ハヒ・・アヒ・・アヒィ!」
わたしの口から漏れ出るものすごく淫らな声。
よだれが口の端から流れ出して・・
するとお姉さまが背中に体を密着させて、舐め取ってくれた。
だめだ・・もうだめだ・・からだの自由がきかない・・
間接が全部抜けてしまったみたい・・
思うようにお尻も振れない・・
もう・・なにも・・なにも・・。
体のたがが外れたようにくにゃくにゃと手足が揺れている。
するとお姉さまはわたしを仰向けにした。
そして両足を抱え、足が床につくまでぐうっと持ち上げ、
そして・・激しく、激しく突いた。
ズ!・・ズ!ズリ・・!ズ!
「ァ・アぅ・アヒ・ヒ・ヒぅ・ハ・ヒ・ヒイ・」
両腕で抱えた足を動かして、わたしの中を掻き回す。
アアァ・・気が・・狂いそう・・気が狂う・・
狂う・・狂ってしまう・・うあ・・アアぁ・・アア・・
ゥアアァあァ〜〜〜ァァ〜〜う〜オオウ・・ヒイ・いアアァ〜〜!
わたしは叫びを上げてのたうちまわった。
涙が顔を濡らし喘ぎつづける口からは
だらだらとよだれを流して・・そして・・
その時、頭蓋の中で、何かが爆発したような気がした。
「死ぬ!死んでしまァあァ〜〜〜ああァ〜〜〜〜あァ〜〜〜〜
あが・あひィイ・あおおぉぉ〜〜〜あァォ〜〜〜アアァ〜〜〜〜ゥあ〜〜〜!」
長い、長い獣のような叫びを発して、わたしはイった・・
腹の上にわたしのペニスからすごい勢いで精液が吹き出してくる。
ビュ!ビュる!ビュ!ビュ!ドリュ!びゅル!
お姉さまがぐう!と被いかぶさって来た。
「ク・クゥぅ・ぅゥ・ゥゥウ・・。」
歯を食いしばりうめく・・
と、わたしの内にド!と暖かいものが放出されて来る。
ガクガクと、わたしの体を痙攣が襲う。
それをお姉さまはぎゅ!と抱きしめて受け止めてくれた。
激しい震えが収まるまで・・。
「 う・・う・あ・・う・・う・・ァ・あ・ァ・・・。」
ヒク・ヒク・・と、しばらく痙攣しつづけていた。
そして頭の中はたった一つの単語だけ。
「お姉さま・・お姉さま・・お姉さま・・お姉さま・・・。」
この日、初めてアヌスだけでイった。

続く




アニト(12月15日(金)00時18分02秒)
山崎アカリさん、こんばんは。
わっはっは、自分ではそうそう「変な人」ではないつもりですが、
お褒めの言葉をとてもうれしく思っています。
わたしのためにこれからも美しくなる努力を続けてくださいね。
多くの人は“本当の事”を話したいと願っているのだと思います。
が、それができる場所はなかなか見つかりません。
「IT」などと騒がれていますが、
結局それは手段であって、どちらの端にも「人」がいるのです。
『空想デート』は愛あるITを目指します。




山崎アカリ(12月16日(土)01時00分51秒)
アニト様、先輩奴隷の皆様、
このページを御覧になっている多くの皆様方、
アカリでございます。m(_ _)m
☆アニト様
別棟への転記、ありがとう御座いますm(_ _)m。
こうしてまとまった形でまた多くの方々に読んでいただけるのは、
本当にうれしいことです。
キ−ボードを叩く指にも力が・・
ア・いけない、いけない、力みすぎちゃあ・・。
>わっはっは、自分ではそうそう「変な人」ではないつもりですが、
良い意味で、と取っていただけたようで安心しました。
ちょっと失礼かな、と思っていたものですから。
わたしにはいつも一風代わった人を好きになってしまう傾向があります。
「先生」もそういう方でした。
自分の生き方を貫いている人、とでも申しましょうか。
そしてそういう人に付きまとう孤独の影が・・。
>多くの人は“本当の事”を話したいと願っているのだと思います。
そうです。
そして話してみなければそれを見据える事は出来ません。
自分の“物語”がちゃんとしていなくて、
どうしてリアルな生活をしっかりさせる事ができるでしょう。
ア、ちょっと生意気言ってしまいましたm(_ _)mスミマセン。
☆数値フェチっ娘様
すみません、記録室のほうでレスをいただいていたのですね。
気がつかず、お返事をしていませんでした。
大変失礼いたしましたm(_ _)m モウシワケゴザイマセン。
お待たせしているイラストですが
第4章開始前に一回目の投稿をしようと考えています。
一枚だけですが・・。
幕間狂言の代わり、ですね。
今後は月一ぐらいのペースでできれば・・と考えています。
ご感想よろしくお願いします。
☆柏木彩様
過分なお褒めの言葉をありがとうございます。
お金を出してもなんてとんでもありません。
通信費だけで楽しんでいただければ、それでわたしは本望です。
>「男の子のイメージが残った娘」っていうのが、
>どういう存在だかイメージが掴めないんですけど、
>どんな娘でしょうか?
手や足、首筋などに硬いラインの残った女装っ娘さんが
わたしにはとても綺麗に、魅力的に見えるのです。
萩尾望都描くところの少年が女装した雰囲気、
と言ったらイメージが伝わりやすいかも知れません。
「メッシュ」みたいな・・
少女マンガも好きなのです。
『風と木の詩』にはまったこと、ありませんか?
☆綾乃様
>「奥様はマゾ」・・ですか、そうですね・・って、
>思わず書いてしまいそうになりました。危ない、危ない。
アア!残念。読んで見たかったのに・・。
でも、今は「智の泣きたくなる日」に
全力投球していただいたほうが良ろしいですね。
可哀想な智君。
これからもいっぱい恥ずかしい目に会ってしまいそうな智君。
綾乃さんの描くキャラクターは
みんなホントに純で愛らしくって、魅力的です。
たとえ辛いお話でも、綾乃さんの世界には
いつも、暖かい明るい日差しが降り注いでいるのです。
それは綾乃さんの視線ですよね。
☆みずき様
エヘヘ・・みずきさんに誉めていただきました\(^o^)/。
やはりピアノあってのフォルテだと思うのです。
今回は【sf】-スフォルツァンド!と
書きたいところが一杯ありましたけれど。
そんなに濃かったかナ・・ぅ・・やっぱり濃いですね。
でも直美お姉さまもアカリに気持ちよくなってもらいたいから
一生(一所?)懸命だったのだと思います。愛があるから。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
今回は跳躍の後の整理運動。
やはり激しい運動の後は・・そして第3章が終ります。
・・それでは。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
「失われた時の彼方へ」
●第3章-(直樹)・承前 第4話
お腹の上に飛び散った精液を、お姉さまは口できれいしてくれた。
そしてわたしも、わたしの中で汚れたペニスを
綺麗にお掃除してあげた。
苦い、腸の内容物の味。
そして・・しばらく抱き合っていた。
汗まみれの体をシャワーで流し、
そして、あの、青いドレスを身につける。
あの薄い布で出来た袖は取り外しできるようになっていて、
ノースリーブにしてみた。
その方がより、腕が自由な気がしたから。
お化粧は・・またお姉さまにしてもらっちゃった。
「アカリも自分でできるようにならなくちゃだめよ。」
「はい。練習します。」
そんな言葉が素直に出てくる。
何か、生まれ変わったような・・
自分がすごく素直になってるのを感じる。
そうなりたい、と思っていた自分に。
胸元が結構、広くあいているので、
わたしのヒョロリ、とした首が目立ってしまう。
「これを・・。」
お姉さまがチョーカーをつけてくれた。
髪をきれいにとかしつけ、イヤリングをつける。
完成したアカリは・・もう、今までとはまるで違う。
内も、外も・・。
花嫁は輝いて見えるって言う。それが、これ。
自分でも信じられないぐらい可愛かった。
「アカリちゃん、先に行ってて。」
そう言われていそいそと地下室へ向かう。
音楽室はしんとして、少し冷えていた。
エアコンをつけて暖めておく。
暖房の低いうなりもこの防音室では結構、大きく聞こえる。
ちょっとだけ、この部屋を観察させてもらおう。
高橋征二の仕事部屋・・
音楽をやるもので興味のない者はいない。
書棚にぎっしり詰まったスコア。
古いものから新しいものまで。
色んな研究書、音楽に限らず、思想、哲学から・・
アハハ・・マンガまで。
と、その時目に飛び込んできた背表紙、
「音楽美学序説−高見沢 雅」。
思わず手にとる。
表紙裏に献辞がある・・著者贈呈本だった。
「へえ!先生、征二先生と知り合い?」
よく見てみると結構、先生のからんだ著書があった。
「音楽現象学」 「音と構造」 「徒弟の覚書」・・。
『へえぇ、何だかよくわかんないけど・・偉そう。』
書棚の切れ目まで来ると壁にヴァイオリンがかけてあった。
この前、お姉さまの弾いた・・
ヴァイオリンの事は良く分からないけど、
何か美術品のような雰囲気で、これはさぞかし・・
という感じだけはした。
さぁ!ウォームアップしとかなきゃ!
とピアノの前に・・待ちに待った瞬間、
椅子に座り、蓋を開けて、鍵盤に指を乗せる。
幸福感が全身を暖かく包み、うっとりしながらキィを打ち下ろす。
今夜は優しい曲がいい・・エチュードの3番?
ブンブン!「別れの曲」なんて縁起でもない。
そんじゃってことでシューマン。
「トロイメライ」の甘い旋律・・
今度は目先を変えてドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」
・・調子出てきた・・
そこで「調子の良い鍛冶屋」ありゃ、バロックになっちゃった。
クスクス・・と言う笑い声で我に帰った。
あ、お姉さま。
直美お姉さまが入り口に立っていた。
白いドレスには飾りがほとんどなくて、
裾も足元までス!と下りている。
でも何か柔らかそうな生地で出来ていて、とても動きやすそう。
長い髪をきちっと銀色の髪留めでまとめて、真珠のイアリング。
なんと言うか・・お姉さまもすごく輝いていた。
なんか眩しいぐらい。
そして、胸から上を露出するドレスが、
とても大人っぽく・・・セクシーだった。
「この方が弾きやすいのよ、自由でしょ?」
そう言ってヴァイオリンの方へ歩み寄る。
「アカリちゃん、ああいう曲も弾くのね。初めて聴かせてもらったわ。」
え、あ・・そう言えば・・
こういうの、人前で弾いた事なかったなあ・・
子供のころの発表会以来・・。
「アカリって言えばショパンのエチュードを
バリバリ弾くってイメージだったけど、
そういうの、もっと聞かせて欲しいナ。」
「・・なんか恥ずかしい・・子供っぽくて。」
「そんな事ない。
アカリの素直な気持ちが良く出てるし、とてもこなれてる。
力づくじゃなく・・その感じ、大切よ。」
『そうなのかなあ・・
それって結局、わたしが子供ってことじゃあ・・。』
「子供の心がなければ、そういう曲は弾けないわ、
特にモーツァルトなんか・・技巧を凝らせば凝らすほどだめになる。」
そうかもしれない・・下手な演出をしたらモーツァルトは台無しだ。
本当に音楽って難しい・・。
お姉さまがヴァイオリンを持ってピアノの脇に立つ。
「やっぱり・・あれですか。」
「そう・・私たち二人にとって、特別な意味のある曲だもの。」
『特別な・・秘密の・・。』
二人は顔を赤くして微笑を交わした。
そして、フランクが部屋に流れる。

「こんな遅くまで何をやってたんだ!連絡ぐらい出来んのか!」
家に帰り着いた時はもう、10時を回っていた。
親父に説教を食らう。
なんと言ってもまだ中坊なんだから仕方がない。
それに夢中になりすぎて連絡を怠ったのも事実だ。
でも、連絡したら速攻、帰って来い、と言われたに決まってる。
それは・・夢のような、至福の時間・・
どうしても打ち切ることが出来なかった。
お袋がそばでオロオロしながら見ている。
ずいぶんあちこち電話したらしい。
けど高橋征二の家なんて、僕は今日初めて行ったんだし、
電話番号も控えてない。
「高橋先輩の家に・・。夏のコンサートの打ち合わせで・・。」
ようやくそれだけ言い訳を口にすると、
お袋の顔がパ!と輝いた。
高橋先輩・・高橋征二の息子さんと
自分の子供がお付き合いさせていただく。
それに憧れない扶桑学園の親は居ないだろう。
お袋は僕に才能がある、と思っている。そう、信じ込んでいる。
「息子さんには絶対音感があります。」
僕の通ってた早期教育の教室。
船外機のメーカーが自社のピアノを売りさばくために作ったそれで、
教師はそう言った。
その説明でお袋は舞い上がってしまった。
何十万もするピアノを幼児に買い与え、防音室を作り・・
そして僕をとうとう扶桑学園などと言う
恐ろしいところに入れてしまった。
船外機メーカーのやり方はお見事!と言うほかはない。
そして実直な勤め人の父、
音楽と言えばカラオケのことであるような人は、
お袋に押されて、そのための金をせっせと稼いでくれている。
僕に“才能”なんてあるだろうか・・
いくらかましな音楽家になることが?
『絶対音感』
そんなもの早期教育プログラムで誰にでもつく。
現にオケラの連中の半分ぐらいにはあるだろう。
子供にそういう事をやっておいて、金を使わせる。
なんて素敵な商売なんだ!
おかげで今、僕は純正律や相対音感と所謂「絶対音感」、
平均率のピアノのドレミ、との間の齟齬に苦しめられている。
僕には狂ってる、と聞こえても正しい場合が
音楽にはいくらでもあるんだ。
でも、そんなこと、この人たちに
どうやったら分かってもらえるだろう・・悲しかった。
その時、電話が鳴った。お袋が出る。
「まあ、まあ、いえ、そんなごていねいに・・いえいえ・・。」
電話に応える声が聞こえる。
受話器を置いていそいそと帰ってきたお袋の顔は、
なんとも嬉しそうに輝いていた。
「あなた、高橋さんのところの直樹さんから・・
丁寧なお詫びのお電話で・・
本当に夏のコンサートでお相手をすることになったんですってよ!
大変!明、しっかり練習しなくっちゃ!」
「たかが伴奏だろう?」と親父。
「なに言ってるんです!高橋先生の息子さんと共演なんですよ!
ああ・・私、鼻が高い。」
もう、とても聞いてられなかった。
有名人の息子と共演できる、ひたすらそのことが嬉しい・・
惨めだった・・涙がこぼれそうになった。
するとその僕を見てお袋は、
「ほら、明も反省してるみたいだし・・。」
「あの、僕ちょっと練習したいから・・。」
言って立ち上がる。
親父は憮然としながら、
「今度からちゃんと連絡入れるんだぞ。」
ようやく開放してくれた。
狭い建売住宅の二階に上がる。
二つに仕切られた子供部屋・・
アコーディオンカーテンの向こうは
中一になる妹のユカリの部屋になっていて、
かすかな寝息が伝わってくる。もう、寝ついたようだ。
部屋を通り抜け、となりの部屋・・
そこには3畳ほどの広さのカプセルのようなユニット防音室。
中はすっかり冷えていた。
ファンヒーターをつけてピアノのカバーを開く。
キィを叩いてみる・・
あの、船外機メーカーのピアノ・・。
丈夫なだけが取り柄と言われる楽器の惨めな音が、
小さな部屋の壁を這う。
肛門の疼き、下腹部に感じる重み・・
それは僕、わたしが・・アカリである事の証。
この歓びを手放す事なんか絶対にできない・・けれど・・。
「ごめんよ父さん・・ごめんよ母さん・・。」
鍵盤の上に涙が零れ落ちた。

●第3章-(直樹)・了




アニト(12月16日(土)23時41分05秒)
山崎アカリさん、こんばんは。
「第3章−(直樹)」完結おめでとうございます。
「アカリ」と「僕」、「高橋先輩宅の音楽室」と「狭い建売住宅」
これらの対比がいいですねー。
希望があるから現実を生きられる、生きているから希望を見出せます。
これからはピアノを見るたびに
アカリさんのことを想い起こすことでしょう。
いただいたイラストは公開に向けて準備中です。
物語・音楽・絵、多才なアカリさんに拍手!!!。


「失われた時の彼方へ」第4章-(雅)へ

メニューへ戻る

動画 アダルト動画 ライブチャット