私は21歳以上です。



      魅惑のパソゲー 
 その1
                        作:テンちゃん  
     
  「ピンポ〜ン、、、ピンポ〜ン、、、」

 朝からけたたましく鳴るチャイム。アパートで一人暮ら
しの健児は布団を頭からかぶると再び目を閉じた、、、

 届いた郵便物の梱包を解く、、、、、差し出し人不明。
やや抵抗がある。昼過ぎにモゾモゾと起きて、いざバイト
に行こうと玄関のドアを開けた。
 ドン、、、なにかがつっかかっている。ソレがこのダン
ボール箱だった。
 自分の名前と自分の住所。間違いなくダレかから自分宛
てに送られたもの。問題ない。
 健児はゆっくりと紐をほどいていった。

 パソコン、、、、中から出てきたのはパソコンだった。
それだけではない。同封されているゲームソフトもある。
学園もののシュミレーションゲーム。健児も話だけは聞い
たことがあったのだが、こうして手にしてみると少し気恥
ずかしい。
 それにしても一体誰が、、、、、、、?

 バイト先に休むと連絡を入れ、さっそく接続作業に入る
健児。これがやっかいだ、、、説明書をよく見て、、??
 説明書がない。というか、このパソコンには外部につな
ぐ為の、、、、、、なにもない。
 新しいのか古いのか判断しがたい形。ディスクトップ型
なのは解ったがソノ全てが異常なほど丸みを帯びている。
 CDくらいの大きさだと思ってたゲームソフトも、ケー
スを開けてみると中に入っていたのは五百円硬貨のような
ものだった。
 、、、、、、、、、これをどこに、、、??

 そう思って挿入口を探してみたがソレらしい箇所がない
。大体、このパソコンはナニを『動力』として稼働すると
いうのか。ただの箱。健児にはソレが妙にいぶかしげに思
えた。
 と、ちょうど画面に向けていた手からソフトが離れた。
、、、、、離れた?

 宙を浮いている!!!、、、信じられないことにソフト
が宙を浮いていた。いや、円盤のようにクルクルと高速で
回転しながらフワフワとキーボード上を漂っていると言う
べきか!

 「プツッ!!、、、、」

 数回画面に激しいノイズが走り、尻ごみする健児。

 いや、、、、画面ではない。ソレは健児のすぐ隣で起こ
っていた。部屋全体の空間がイビツにひしゃげたようにな
っている。
 カゲロウのように奥に見えるタンスが歪んだかと思うと
突然、、、そう、突然女の子が姿を現した。

 「はじめまして、、、紗奈です、、、あなたの、、」

 レ、、レナ?、、、この子が言ったのか?この立体ポロ
グラフィが、、、?
 『アニメチック』に描かれているので瞳は大きく、口は
小さい。緑がかった髪で当然肌はツルンとしている。
 生身の『人間』がいくら努力しようともこうはなるまい
。『立体』になることで『アニメキャラ』ゆえ、変になる
と思っていた健児だったが予想とは違った。アニメだから
できるこの美貌。
 しかしその『映像』は実際そこに存在するような彼女の
つく息づかいや体温も感じられた。

 「わたし、、、向こうの世界からやってきたの、、」

 当初は『立体映像』自体、ほのかな明滅をくり返してい
たが時が経つにつれ輪郭が明瞭になってくる。
 どうせ『勝手』に喋っているのだろうと思い、彼女にフ
ッと手を伸ばしてみる。
 
 通り過ぎなければならない。差し出した手はレナと名乗
るセーラー服の彼女を通り過ぎなければオカシイ。ポログ
ラフィとはそういうもののハズ。そうでなければ『質量保
存の法則』に背くことになる。
 、、、、ピタ。

 触れている、、、、、完全に触れることができている!
セーラー服の生地の感触とその下にある若い肉体の感触。
 ゲームキャラであるレナに触れている。なんてことだ!

 「、、、、ね?わたしはココにホントにいるの、、」

 キラキラと光るブラウンの瞳がスゥ〜ッと健児をとらえ
る。あろうことか『毛穴』ひとつない透き通るような両手
で彼の手を優しく握るレナ。

 「え?、、エッ!?、、、キ、キミはゲームのキャラだ
よね、、、?、、、な、なんで、、、」

 驚きを隠せない健児に『パソゲー』独特のキラびやかな
セーラー服を着た彼女がにじり寄ってくる。

 「フフ、、ケンジ君、、、、、、ワタシのお友達を紹介
するワ、、、美咲、、純菜、、出てきて、、」

 フゥ〜ン、、、フゥ〜ン、、、

 空気が音をたて乱れたかと思うと二人の少女がレナの背
後に現れた。

 「ミサキだよ!、、へぇ〜、、結構イケメンじゃん!」

 「レナァ!、、、もっと早く呼べよなぁ!、、あっ、、
このチョコも〜らいっと!、、、」

 美咲と呼ばれた少女はブルマを着用し、日常見かけない
『ピンク色』のショートカットでピチピチとした弾けるよ
うなフトモモをあらわに内股で座っている。
 純菜は多少スレているのか『不良』を前面に出してはい
るものの、ソノ均整のとれた八等身はパソゲーファンには
たまらないだろう。
 はじめに登場した沙菜はどちらかと言えば『ヒロイン』
役にうってつけの性格と容姿に見える。

 「やっぱ味がするってイイよなっ!、、向こうじゃロク
なもん食ってなかったかんねぇ!」

 テーブルにあったチョコを、純菜があるのかないのか分
からないような小さなクチに運ぶ。

 食っている、、、!!、、どこから見てもアニメタッチ
の少女が、、、物体をクチに入れている!!
 混乱しパニック寸前の健児にミサキが正面から、『人間
』ではあり得ない大きい潤んだ瞳で見据える。
 『平面』ではなしえなかった、股からパックリ割れたブ
ルマ姿を見ているとレナが言う。

 「なぁに?、、美咲のアソコ見てるの?、、フフフ、、
ケンジ君って意外にエッチなんだネ、、、」

 突然、となりの純菜がジャレ合うようにヘッドロックを
かけてくる。

 「コノォ〜!、、、けんじぃ!、、ホラ、、もっとよく
見なっ!、、、『人間』と違ってスッンゴイでしょ〜?、
フトモモなんか真っ白でスベスベで!」

 はじめは清楚な『ヒロイン』だと思っていたレナの性格
も段々とちがう様相を呈してきている。

 「ミサキ、、もっとケンジ君に見せてあげなさい、、、
ほら、、ケンジ君も動いちゃダメでしょ、、、ジュンナ、
そっち抑えててくれる?、、」

 パカッと開いた美咲の股間に、頭と腕を抑えられた健児
の頭部がバフンッとうずまった。

 「!!、、んっ、、、ム、、ムググぅ、、!!!」

 明らかに柔らかく弾力のある肉体と、ブルマ姿の少女か
ら発散される若い臭気に改めて驚く彼。
 ンはぁ!、、アニメ独特の声、、、<声優>がいるとした
ら三人三様みごとに合致している。
 
 「ン、、、、ンゥ、、、クゥン、、、ん、、、」

 漏れでる美咲の甘い息。息苦しさに頭をグリグリと振る
が純菜と沙菜は解放してくれない。
 健児の耳に純菜の声が聞こえる。

 「ね?ね?、レナッ!、、、、そこの梱包用のロープ取
ってよっ!、、キャハハァ!、これで縛っちゃおうよっ?
、、ねっ?」

 「ジュンナ、、あなたも好きよネ、、『向こう』にいる
キャラそのまんまじゃない、、」

 ロープで後ろ手に縛られた健児は彼女達に衣類を脱がさ
れる。純菜が上に乗っかると下にいる彼に言った。

 「ねぇ〜!、ケンジってどーゆーオンナの子好きなの?
、、髪の色とかも変えられるしぃ!、、」

 そう言った純菜は、セミロングでツヤのある髪の毛を手
でスクようにした。
 その瞬間、今まで薄茶だった『髪の色』がムラサキ、ス
カイブルー、鮮やかな桃色、などに次々に変化していくで
はないか!!
 ポカンとあいた口でそれを見上げる健児。

 「ケンジ君、、沙菜のことも見て、、セーラー服だって
、、ホラ、、」

 レナを見ると『紺色』の落ち着いた制服からパッ、パッ
、パッ、パッ、パッと、襟口や胸もとについたリボン、服
を構成するワズカな線模様が『色と色の組み合わせ』によ
り幾通りものデザインを作っている!!
 
 「なんで〜!?、アタシだけブルマなんてヤダよ〜!」

 隣で美咲がボヤいたが、ブルマーだけは何色に変化しよ
うともあまり意味をなさなかった。 
 健児の狭い部屋はまるで『アニメ専門学校』のよう。だ
が、髪の色や瞳の色、セーラー服の色が変わると全くの別
人のようにも見える。

 「はんのうア〜リィ!、、、フゥ〜ン、こんな『色』好
きなんだぁ!、、、ケンジィ!!、、ハハッ!」

 純菜はそう言うと二人に合図を送り健児に覆いかぶさっ
てきた、、、、、、、、、、

             アニメファンの方 次へつづく

 『缶詰』からお読み頂けければ、より一層おもしろいで
す。   作者


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