私は21歳以上です。



      カリスマ

                        作:テンちゃん  
その10

 第11試合  『秘密』 


 剥き出しのコンクリートに囲まれた<選手控え室>の中、
ナミは妹二人が部屋の片隅にある備え付けのソファーの上
で何やらカードゲームのようなもので遊んでいるのを横目
で見ながら、うっすらと肌に滲んだ汗をタオルで拭い、ミ
ネラルウォーターをわずかに口に含んだ。
 夏とはいえ、この妙にうすら寒く感じるのはやはり壁一
面灰色のコンクリで覆われているせいだろう。
 部屋の外からはロックした鉄の扉越しに数人の<護衛>の
喋り声も聞こえてくる。よって、ココは自宅よりも<安全>
といってもよかった。
 心地良い気ダルさを覚えたナミは、妹達とは反対側にあ
るベンチに腰掛けたまま切れ長の目をゆっくり閉じると、
大きく一回深呼吸をし緊張の糸を緩める。
 次第に妹達のハシャギ声が遠くなっていくのを感じたか
と思うと、辺りが漆黒に包み込まれるまでそう時間はかか
らなかった、、、、、、、

 「、、、、ょ。、、目だ。、、、目だよ。、、、『秘密
』は目にある。」

 、、<博士>はナミに何かをしきりに説明している。それ
をナミは納得していた、、解っていた、、理解していた、
、 なのに博士は恐い顔でしゃがみ、まだ幼いナミの肩を
強く掴み説明している。、、、ちょっと痛い、、、その時
のジィジィは恐かった。覚えている、、、、
 だが、その何百倍も温かかった。確かに<愛>を感じてい
た、、、、そう、、、この匂い、、、、
 好きで好きでしょうがなかった。ずっと一緒に居たかっ
た、、、、、ずっと、、、

 <博士>は20数年前に他界している。だが、夢に出てく
る博士はいつも同じだった。同じ部屋。機械だらけの部屋
、、、そして少し長めの白衣。ヨレヨレの白衣、、、、、
 
 彼女達の実の<母親>は全くといっていいほど<子嫌い>な
人だった。まして腹を痛めた訳でもない。
 ただ『卵子』を提供しただけで、今は生きてはいるのだ
ろうがどこに居るのかさえ解らない。知ったところで会う
気もないのだが以前、フゥランスのモデル紙に出てたと聞
いたことがあった。
 ショックなのは歳が10もしか離れてないということだ
った。つまり、母は10歳位の時卵子を、、、、、、、、
、、、もう意味がわからなかった。
 どちらにしろ『親』と呼べるのは博士しか居なかったナ
ミは彼に全てのことを学び、そして学習した。
 博士もまた『我が子』に出来る限りのことはした。

 「、、、、ネェ、、、、ジィジィ、、ナミねぇ、かわい
いイモート欲しいナァ、、、な〜んて、、、、ムリだよね
ぇ、、、、、」

 「、、、、フォフォ、、そうか、そうか。そしたらナミ
は、おネエちゃんじゃの〜、、、、フォフォ、、」

 夢の場面は紙芝居をゴチャゴチャにしたように勝手気ま
まに飛ぶ。しかも一番思いだしたくない場面へと。

 人形のような愛くるしい潤んだ瞳で見下ろすナミ。博士
を見下ろすナミ。いくつだったろう、、、、7歳位?
 いや、わからない。思い出せない。殺風景な場所は確か
にナミの記憶に刻まれれていた。困惑した顔で博士を見下
ろすナミがいる、、、不思議なことに夢の中では『客観的
』に自分を見る自分がいた、、、、、
 再び<ランダム>に巻き戻したテープは<夢>の続きを再生
する。

 「、、、ナミ、、ゴホッ!、そうじゃ、これからは女の
社会じゃ。、、、間違いない。、トップになれ!、、ゴ、
ゴホッ、時代のトップになるんじゃ!、、今はわからなく
てよい、、、、ナミも知っての通りジィジィの命は長くな
い、、、、ならばナミ!、、、、その手でジィジィを葬っ
てはくれぬか!、ゴゥホ、、すでにその力はあるハズじゃ
!」

 「、、、、、、ナミ、、、、やだよ、、、、、、」

 「強い人間になるんじゃ!、、、体も心も何からも流さ
れることのな、、、、、ッゲ、、ゲホゥ!、、ゴホッ!、
、、は、はやく、、、さぁ!」

 「、、、、、、、やだょ、、、、だよ、、」

 その後の記憶や感覚は何もなかった。ただ、その幼い体
にバワーを注いだ記憶は微かにある。
 どんな技なのか?ぐったりと小さな自分の中で息を引き
取る博士と同時に、全身の毛穴がチリチリとし、彼女は初
めてイッた。
 初潮とかなんとかは解らない。だが、間違いなく『快感
』だったし気絶しそうだった。本当だ。事実なのだ!
 この時、ナミの脳内ペプチドは電撃的にDNAを刺激し
、ノルアドレナリンを大量に分泌したのだ。

 博士を見下ろすナミは、まだ幼い為『死』という概念が
なく、ただボゥ〜と立ちつくしていた、、、、、そう、ジ
ィジィは眠ってるんだ。ナミにキュ〜ッって抱きしめられ
て、そいで気持ちよくなって眠っちゃったんだ。そうだよ
ね?、、、、、、、そうだよ、、、、ね?
 
 画面が鈍い閃光を放った瞬間、博士の顔があった。
 シワの一本一本まで覚えている。でもちょっと痛いなぁ
、、、、、、両肩を強く掴みしゃがむジィジィ。わたしの
ジィジィ。大好きなジィジィ、、、、

 「、、、目だ。、、、、『秘密』は『目』にある、、、
、、わすれるな、、、、ナミよ、、、」

 わかってるんだぁ、、、、、ナミはわかってる。このあ
とニッコリ笑ってくれるんだよね、、、優しい顔でニッコ
リと、、、、、、ねぇ?、、ジィジィ、、、、
 大好きなジィジィ、、、おっきくなったらイッ〜パイ楽
させてあげるんだぁ、、、、ケッコンしたってイイよ!、
、、、だって大好きなんだも〜ん!、、、、ねぇ、、ジィ
ジィ、、、遠くに行っちゃヤダょ、、、 ジィジィ?、、
、、、、ナミ、、、また一人ぼっちヤダよ、、、、ヤダょ
、、一人はイャ、、、、、、、、、、

  ガクッッ!!?、、早鐘を打つ心臓音。目にはうっす
ら涙を浮かべナミは現実に戻された。相変わらずリナとユ
ウナの笑いあう声が耳に入る。カードをイカサマしただの
とモメているようだ。
 一瞬、夢の中の出来事を何もかも気付かれたと動揺した
が、当然気付かれている気配はない。いや、気付かれては
いけなかった。
 ナミは人指しゆびで目尻を拭うとワザとらしく伸びをし
てみせた。

 「、、、、ほぅ〜らアナタ達、、、、少しは休みなさい
よ、、、」

 「、、、だってリナのやつズッこいんだも〜ん!」

 「、、、な〜に言ってんのよ!、、アンタが始めにズル
したでんしょ!、、ねぇ、ナミ姉もしなよ!、、面白いよ
コレ、、ホラッ、アンタの番!」

 スリットから伸びたリナの脚をチラッと見ると、ナミは
妹ながらセクシーな完成された女クサさを感じずにはいら
れなかった。それに気付いたかどうかは疑問だがサッと脚
を組み直すリナ。
 優しい微笑を浮かべたナミはゆっくりと立ち、二人に歩
を進めた、、、、

 博士は言った。『目』に秘密があると。
 実は彼女達のDNAには特殊な『細工』がしてあり(博
士がデータを削除した為、後にも先にもないのだが)相手
の人間と目があった瞬間、相手の『筋力』に破滅的な『何
か』を与える。結果、彼等はおそらく30分の1の実力も
出せぬまま敗退することになる。
 
 そう!そうなのだ!要は彼女達が特別<強い>訳ではない
のである。相手が弱くなるだけなのだから!、、、
 通常、試合前、または試合中、必ずと言っていいほど相
手の『目』を見なければならない。
 目隠しでもしてくれば別だがそんなやつは居ない。大体
このネタはナミしか知らないことなのだ。
 だから練習時3人でやるとほぼ互角の闘いになる。弟子
達はいくら攻撃しても効かないのだ。だが、困ったもので
やはり『穴』はあるものだ。
 例えば不意に『物』を投げられた時。相手とその行動前
に目が合ってれば別だが『不意な攻撃』もありうる。
 あと、『ソレ』に気付かれた時、周囲にバラされる危険
性もある。
 パイプイスなどを持ち上げた時、相手は異様に重く感じ
るハズだ。そこから伸びる疑問は『目』までいかなくとも
当然ナミ達に向けられるだろう。
 したがってそういう者達は今まで完全に葬ってきた。
 妹二人は幼い頃からそうだからか、完ぺきに自分達が単
に強いと思ってるらしい。
 以前、『目のない』相手とのカードをスポンサーにすす
められたが万に一つの可能性も否定できない為、二人はヤ
ル気だったが、ナミの判断であえて辞退したことがある。
 素性がバレ次第『カリスマ』は永遠に姿を消すことにな
るからだ。しかし、この『辞退』こそ怪しまれる恐れがあ
る為『体調不良』などを理由に普通試合も休むこともあっ
た。

 なんにせよ相手と『目』が合った瞬間『カリスマ』の勝
利は100%に近かった。
 また、余談だが『相手』は動物ならなんでも良く、相手
が弱くなる『持続時間』もナミが計算したところ、ほぼ丸
一日だった。
 
 去年、テレビ番組で体長2.5メートルはあろう、ヒグ
マと3人で闘ったことがある。それでも12歳位の男の子
ほどの力しかクマは出せないでいた。鋭利な歯や爪は取ら
れていたので恐ろしくはなかった。
 最終的に確か、あの大きな頭をグルリと囲む様に3人同
時に『アームボンバー』を見舞い、そのまま3つこしらえ
た切り株の上に立つと『宙吊り』の様になったクマは3人
の腕に巻かれたままベロンと大きな舌を出しオチたはずだ

 3人のわずかに浮きでた上腕二等筋はクマの首元に深く
めり込み、ナミはリナ、リナはユウナ、ユウナはナミと互
いの肩に手を掛けると卍を形成した。彼女達は回転するよ
うにクマを揉み上げると恍惚の表情で自慰行為に走った。
 3人がイク寸前にクマは体を硬直させ、2,3度大きく
痙攣する。腕の力が弱まったと同時にまるでぬいぐるみの
ごとくドサァっとずり落ちた、、、、、、

 「!!ドンッ、、ドン!、、、お待たせしましたぁ!」
 
 カードゲームをしている3人が一斉にドアの方を向く。
今年入ったばかりの<弟子>だろうか、彼女達に話しかける
緊張の為、声がうわずってるのがわかる。

 「、、、、まってましたぁ!、、早く持ってきて!」

 カードを無造作に散らしたユウナは興奮の為か、側にあ
ったミネラルウォーターのストローに口をやり喉を潤す。
 
 「、、、さぁてさて、、、今回のは上玉かなぁ、、」

 リナも興味津々といった具合にペロッと舌なめずりをす
るとソファーから腰を上げる。

 「、、、私のいい手だったのに、、、しょうがないわね
、、、」

 カードを手にナミは腰掛けたまま、入ってきた『物体』
に注視した。

 救急車についてるのより若干幅が広い<移動式ベッド>に
は足首、手首、首に黒い皮ベルトで固定された少年が全裸
でくくりつけられている。
 しかも、なんという美しい少年なのだろう。その均整の
とれた顔は中性的で恥ずかしそうにしてる所が更に<一同>
を熱狂させた。

 「、、、ワ〜ン、、かわいい!、、、ねぇ、これ高かっ
たでしょ?、、、ん?、、そうでもないの?、、、へぇ」

 我慢出来ないのか、リナは少年の薄い胸板に指を這わせ
ながら弟子に問うのだが、それにはハニかんで見せただけ
で、ぎこちなく一礼すると重い扉を開けジャージ姿の新人
二人は足早に姿を消した。

 「、、、うわ!、マジ、、、すっご〜い!、、、、、、
、、『1年』ものだって!、、、こんなカワイイのによく
手〜出されなかったネ〜!」

 ちょうど『首輪』のところに刻印されてる文字は出生地
の他、その少年のありとあらゆる情報が記載されていた。
 『1年』ものとは、最近やった『射精』が少なくとも1
年前ということを表している。

 「、、、、フフッ!、、、すんごいジャン!、、、、、
、あっ、ユウナ、、コラ!、、ダメでしょそんなトコ触っ
ちゃ!、、、、イッちゃったらどーすんのよ!!、、、、
、、ホラ!、、ダメだって言ってんでしょ!!」

 初めて買ってもらったオモチャの奪い合いのごとく、口
喧嘩まで発展する二人を制したナミだったが、さっきの『
夢』のせいもあるのか、「、、仲良くしなさい、、」と静
かに言うと再びソファーに身を沈めた。

 「、、、クチュ〜ッ、、、チュパ!、、チュッ、、、、
、、、クチュ、、チュ!、、、」

 母鳥が巣に餌を持ってきたように、二人は互いの<領域>
を守り、少年に愛撫する。
 だが、直接、ピンと反り返ったモノだけは触れないよう
に注意する二人。
 すでにソノ先端からは接着剤を思わせるような透明な液
体が滲み出ていた。

 「、、、クッ!、、ぁん!、ハぁ〜っ、、、んくゥ、、
、、や、やめて下さい!!、、ンゥ!」

 それに答えるでもなく<上半身>担当のリナは、少年のつ
ぼみのような唇に自身の唇を重ね合わせた。
 頭を左右に微かに動かす少年だったが、首を固定された
状態ではなんとかなるものではない。
 リナは抵抗する彼の舌先を強引に開封させ、その生き物
のような舌で少年の口内を一通り徘徊させたかと思うと、
一気に喉の奥底に突っ込んでやった。

 「!!!!、クゥ!!!!!!!、、んグァ!!」

 器官を塞がれた彼はパッと目を開かせ悶絶する。
 リナはソレを楽しむかのように時には鼻を指でつまみ、
時には顔全体を大きなアメでもナメるみたいに舌の全てを
使い、デロン、デロンとナメる。
 
 少年の唇を奪いながら自らの<壷>に指をのばすリナ。
 
 彼女達の『おやつタイム』が始まろうとしていた、、
               

 つづこう!  
  
                     
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