私は21歳以上です。



     カリスマ・海外編
          その2  『ベンとジミー』

                        作:テンちゃん
                                 

 ポンコツの車のボンネットに座っていたジミーは数分後
、今まで以上にグラサンがずれ、ポカンと口を開けること
になろうとは思ってもみなかった。

 「、、、、ベン、、、、ナンドモユーガ、シリョウニヨ
ルトカノジョタチハ、、、」

 「、、、、オ〜!、、ワカッタヨ!、、ジミー!、、、
、、イイカラタマニハオレニマカセロヨネ〜!、、、オノ
レラモジットシテレバイタクシナイネ〜!、、、OK?」

 この緊張感のなか、完全に入り混じった日本語にプゥッ
!と吹き出すユウナ。
 まず始めにジリジリとナミに向かっていくベン。

 「、、、ン〜、、、ビュ〜ティフルナカオネ〜!、、、
、、カオハ、、、、キズダメネ、、、!!!」

 ドスンッというヘビー級のパンチがナミの腹に刺さる。
そして背負う、、、、そして背負う、、、アレ?
 ナンデ?、、、ベンは思う。確かに手答えはあった。
 普通のオンナなら気絶してもいい、、、アレ?
 
 「、、、に?、、、、、ね?、、、聞いてる?、、、、
、今のなに?、、、やめなさいって言ったのに、、、アナ
タにもう一度チャンスをあげるわ、、、、ほら、、ここよ
、、、ちゃんとねら、、、」

 そう言う前にベンは『喧嘩屋』としての本能だろうか。
その太い腕から渾身の力でナミの下腹部をめがけパンチを
だす。
 
 ドスンッッ!!

 「、、、、??????????」

 ベンは自分の顔からアブラ汗がにじむのを感じた。
 午後の表通りからは、クラクションや人々の雑踏が別世
界のように耳に響く。
 ひとすじの風がヒュ〜ッと路地裏に流れ込む。

 「、、、なに、、、いまの?、、、、ぜんぜんダメね、
、、、さて、、、どうされたい?、、、ガイジンさんとは
やったことないけど、、、、フフッ、、おもしろそうね、
、、、リナ、、、、時間ないんだったら行っててイイわよ
、、、バーゲンなんでしょ、、、、」

 始めに<目>が合った時から勝利は確信していた。<飛び
モノ>を使われると思い多少ヒヤヒヤしたがソコが男の甘
さである。
 しかし、、、しかし、、、この瞬間がたまらなくイイ。
 この男の焦り、おののき、驚愕した顔。
 夢でも見ているのではと、後ろを振り返りジミーと確認
しあう泳いだ目。
 日本人のソレとはまた違う<恐怖の仕方>にナミのアソコ
はクチュッと濡れてくる。
 ジーンズにチビTという、ヘソ出しルックのナミにリナ
が言う。

 「、、、つーか、もう終わり!、、間に合わないのっ!
、、、でもキッチリ償ってもらうからね!、、、ね?、、
、そこの白人さん!、、、、なんってたっけ、、、ジミー
だっけ?、、、、よくよく見りゃナイスガイじゃない、、
、、こっちの方が楽しめそう!、、、」
  
 ベンは始めポカンとしていたが、黒人特有のニッとした
笑顔を一瞬見せ、自分の背丈ほどあろうそばの<ゴミ箱>に
飛びついた。

 が、しかしナミはベンのタンクトップをグイッと掴み引
き戻す。
 移動方向とは逆のすさまじい力が首にかかり後ろにつん
のめるベン。

 ナンダ、、、、ナンダッテンダ、、、、?、、、イマ、
コノオレヲヒキタオシタチカラ、、、ナ、ナンダ?、、、
、コノオンナガヤッタノカ?、、、??、、、、、、、、
、、、ジーザスッ!!

 「、、、ダメよ、、、あんなアブナイおもちゃ、、、、
どうやらそっちの彼は持ってないみたいね、、、、そこで
見物してなさい、、、、『ボス』の話も聞きたいし、、、
、リナがあとで可愛いがってあげるわ、、、、ねぇ?リナ
、、、」

 白人はどうしてこうズル賢いのだろう。劣性に立たされ
たと思いきや、路地裏の奥に猛烈にダッシュしていく。

 「、、、、オ〜イ!、、、そっちはね〜『行き止まり』
だよ〜!、、、、ねぇってばぁ!!、、、」

 ユウナが口に手を添えジミーの背後から大声で言う。
 事実、30mほど向こうにまレンガの壁しかなく、また逃
げ込めそうな戸口などはなかった。
 
 「、、、、ったく、、、プロならもっと地図とかみない
わけ?、、、なんでユウナの方が知ってんのよ、、、ホッ
ントなさけないわね〜?、、、逃げてやんの!、、」

 いちばん表通りがわにいるリナが、クレープのクリーム
が付いた指をナメながら吐き捨てるように言う。
 
 倒れ込んでいるベンはさきほどの感触を思い出す。あの
腹筋などあってないような白い腹に確かに、、、、、

 「、、、、どうしたの?、、、、映画みたいになんか言
わないの、、、、?、、、それとも言えないのかしら?、
、、、フフ、、いいわ、、、どのみちクラッシュになるん
だから教えてあげる、、、、アナタ、実際には強いわよ、
、、、その体を見ればわかるわ、、、でもね、、、、、そ
の力の1%くらいしか出てないの、、、、、いや、出せない
のね、、、、わかる?、、、ん?、、、返事は?、、」

 ナミの人格がサディスティックに片寄りはじめる。

 「、、、、ナ、ナンデ、、、、ウソ、、、、ア、アイム
、、、、」

 ベンは頭に血がのぼったらしく英語で早口で何かを言っ
ている。

 「、、、、イイわ、、、その困ったお顔、、、、フフッ
、、、ほら、、、立って、、、、なにから掛けようかしら
、、、、」

 なかば戦闘意欲をなくしたベンを立たせ『コブラ』を掛
けようとするナミだったが、ベンの『肉厚』のせいか思う
ように決まらない。
 だが、次第に技は形成されはじめ、やがてナミの手足が
かんぜんに黒い肉に絡みつく。
 三姉妹のうちでは比較的長身だからできたのか。
 
 「、、、、ん〜、、、イイわ、、、やっぱりガイジンっ
て、、、ハァ、、、ほら、、、、いたいの、、?、、、、
苦しいの、、?、、、、ハァ、、ハァ、、、お顔ちゃんと
見せなさい、、、そう!、、、ハァハァ、、、どう?、、
ね、、、キリキリいってるわね、、、、アナタの骨、、、
、、ね、?、、ハァ、、聞こえる、、?、、、」

 ミッチリと髪の毛も入らないほど完全に決まった『コブ
ラ』でユリユリと腰を動かし、考えつくあらゆる淫語をベ
ンに聞かせるナミ。

 「、、、、ンハァッ!、、濡れてきちゃったみたい、、
、、、ね、、?、、、ハァハァ、、ッン!、、、このまま
イッていい、、?、、ハァ、、、アタシがイク前にクラッ
シュしちゃダメよ、、、、」

 「、、、、ねぇ、、、ユウナもやりた〜い!、、、ね?
、、、いいでしょ?、、、あれっ?、、、あれれ〜っ?、
、、、うわっ!、、、こんな大きくして〜!、、ねぇ、、
、ほら!、、リナねえ、、見てっ!」

 バレエダンスの女性か。抱きかかえられるような体勢で
ナミのコブラに耐えるベン。
 さらにナミの腰が落ちる。

 「、、、、、ヘ、、ヘル〜プッ!、、ギッッ!、、、、
、ァアガァアア!!、、、ア、アアイム、ソーリィ!!、
、、、ソォリィ!!」

 「、、、あいにくね、、、アタシ英語ぜんぜんダメなの
、、、、リナ、、、なんて言ってるの、、、?、」

 「、、、、もっとやってくださいだとさ、、、」

 「、、、、ノーッ!!、、、ノォー!!、NOぉ!」

 技を解こうと全身に力を入れるが、キツク締まり絡まっ
たナミの肉体はソレを許さない。

 「、、、ハァハァ、、小学校低学年ね、、、、なにって
、、アナタのちからンッア!、、、それぐらいの筋力しか
使えないの、、、、、今のアナタはね、、、ハァ、」

 男を責めることがよほどの快楽を味あわせるのだろう。
 ナミは技を掛けたまま時折小さく全身を震わす。

 ベンはいくらかでも楽になるのではと地面に向かいナミ
ごと倒す。

 「、、、無駄、、よ、、、グランドコブラって言ってね
、、、、ッハァ、、、も、もっと苦しいわ、、よ、、、、
ほら、!、、、、ん、、、ホラ!、、ホラ!、、どう?、
、、ホラッ!、、、ホラッ、、ホラッ!、ホラッ!、、、
、、キ、キモ、、チいいっていいなさいっ!、、もっと締
め、、ンクッア、、、締めてくだ、、っさいって!、、、
、、どうな、、の?、エッ!?、、聞こえない!、、、、
、、ハァ、、どんなカンジなのっ!?、」

 「、、ウク゜゜ッッッッップッスゥ!!、、、ヴプゥゥ
ッッ!!、、、ッガック゜゜プッュュ!!」

 ベンの口もとには細かい泡が付着し、失神寸前の彼はや
や上方でなおも腰を使うナミの顔を見やる。
 
 美しい顔だ。理想の日本人。ハーフのような整った顔は
ジミーの資料によると母方の血らしい、、、、
 それが今や交尾をしているメスのように荒い吐息を、、
、、自分の苦しむ顔を『観察』しながら、、、、、、、、
、自分のも爆発しそうだ、、、、俺はこんな「気」ないと
思ってたのに、、、、シィット!!、コンチクショウメ、
、、ナンテコッタ、、、イシキガトオノイテキヤガッタ、
、、、

 眼球だけで路地裏を追う彼の目に、一番奥、古タイヤの
影からコチラを見ているジミーが映った。

 ジーザス!!、、、、アンナヤツトクムンジャナカッタ
、、、サノバビッッチィ!!


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