私は21歳以上です。



    私立姫ノ美学園 

                        作:テンちゃん  
    その10

  トイレなんかどうしてんの?、、よく中学時代の友達に
聞かれる。確かに女子校だが教員は半数が男性だ。だから
ソコを公認のもと使わせてもらってる。
 それにしても、、、前の時間、、、、数学の時の留菜の
オコった顔。普段優しいだけに始末が悪い。どうしよう。
 、、ふぅ、、、スッキリした、、、、、、ング!!

 背後から!、、全く無防備な体勢。強烈な匂いに薄れて
いく意識のなか見覚えのあるハンカチが目の前をチラつく
、、あ、茜か!、、、ク、、クロロホる、、、

 、、、、、、、バスケ部の部室?、、、、、、ボンヤリ
としながらもカゴに入った大量のボールにすぐココがどこ
か解った。壁に張られた黒人選手のポスターが所々破れて
いる。
 目の前には心配そうな留菜の姿、、る、留菜さん!?

 「ゴメンね、、茜と雪代に手伝ってもらったの、、、、
心配しないで、、あたし1人だし、、まだみんな授業中よ
、、俊彦具合悪くなって、私送るって先生に言っておいた
から、、、でも、、これで一緒にいられるね、、、」

 この状況で心配しない方がおかしい。でも、鼻につく薬
品の匂いが残っていて具合が悪いのは当たっている。
 それにしてもこの『優しい結び方』は、、、ずいぶん前
にこんな結び方をした子がいた、、、、
 彼女の言うとおり1人で誰にも気づかれず自分を運んで
くるのは極めて難しい。でも見たところ部室には他に誰も
いない。

 「さっきはゴメンね、、、、、、ルナ、、どうかしてた
かも、、、チュ、、パ、、こんなに好きなの、、、に」

 「ち、、ちょっ、、チュ、ッ、、!、ま、まって」

 そうか、、、留菜はバスケ部だった。監督用だろうか。
大きめのイスにくくられた僕に純白のセーラー服の彼女が
濃厚なキスをしてくる。かすかに動く頭や足を振り抵抗す
る僕。その振動でか、旧校舎だからか、カゴの溢れかかっ
たボールがテンテンッと落ちる。

 「なん、、で?、、優美や音菜はよくて、、ルナはダメ
なの?、、キライ、、、なの?」

 「イ、イヤ、、そうゆうことじゃなくて、、っていうか
いつもの留菜さん、こんなんじゃナイじゃん!」

 大きな潤みがかった瞳は明らかに『座って』おり、催眠
術にでもかかったような顔で僕を見る。今にも泣き出しそ
うな目を見てると、あまりキツい言葉が出てこなかった。
 イスにくくられたロープ、、この結び方、、、、頭の中
で『モンタージュ』が切り替わるが依然一致しない。結び
方も色々あるのか個人の『性格』が出る。
 
 「ルナのこと、、、もっと、、見てほしいの、、、」

 しなだれてくる彼女に僕は身をよじるが、猫が人の足元
に擦り寄ってくるようにシンナリとしたやわ肌がセーラー
服越しに伝わってくる。甘い声とキャシャな子供っぽい肉
体が着ている純白の制服は、汚れひとつなく毎日洗ってい
るのだろう。かすかに洗剤の匂いがした。

 「もっともっと、、、チューしょ、、、、チュぱ!」

 コケティッシュな笑みを浮かべ、一度やわらかい唇を離
すとまたすぐに重ねられ、その度にヒワイな音が部室にこ
だまする。彼女の小さい鼻からはスゥスゥと僕のホホに甘
ったるい吐息となってあたった。

 「ン、、むぅ、、、、チュ、、パ、、、や、やめて、」

 ゆっくり離れた彼女の唇と僕の唇のあいだに糸がひく。
僕を見たまま短めのスカートををめくると、それほど生え
揃ってない陰毛の影にあるピンクの花ビラを見てとれた。

 「、、今日ねぇ、、ノーパンなの、、トシヒコとエッチ
するかもしれないから、って、、変だと思ってた、、、?
ルナのここ、、どうなってる?、ちゃんと、、、見て」

 うん。変だと思ってた。数学の時間ピンときたもの。僕
の予感はあまりハズレない。
 
 「な、、、そんなの見せちゃダメだって、留菜さん!」

 もみじのような小さな手から伸びた中指で弾力のあるビ
ラビラをイジらし気になぞると、ただでさえ童顔な表情が
泣き崩れるようにトロける。
 その指を僕の唇にゆっくり這わせたかと思うと、口中に
優しく入れてきた。

 「、、、、どう?、、ルナの、、おいしい、、?夏美や
音菜のより、、おいしい、、よね?、、チュ」

 なんでこんな童顔で男を責めるのが好きなんだろう。夏
美や優美達の『不良系』とは違うゾクゾクしたものが腹の
奥から込み上げてくる。
 彼女の甘酸っぱい味が舌を駆けめぐると、再び薄い唇が
重ねられ、ピン!とチャック越しに起ったモノをコネコネ
となでられた。

 「トシヒコの、、あつい、、熱くって、、カワイイ、、
ナメナメしたらイッちゃう?、、、すぐ入れたい?、、、
留菜と、、一緒になりたぁい?」

 これをなんと言うのか。一人ヨガリという。赤ちゃんに
語りかけるような静かな口調は耳元から全身に毒液のよう
に脳内全体を麻痺させていく。幼女のような切ない表情で
浴びせられる『責め言葉』に反論する自分の声がソがれて
いくのがわかる。
 
 「や、やめ、、てョ、、そんなトコ、、さわらナイで、
やだ、、ょ、、、クッ、、んん!、、」

 「キャ、、カワイイ、、さっきはゴメンね、、、ルナが
悪かったんだょネ、、俊彦がゆるしてくれるまでいっぱい
いっぱいシテあげるから、、ね」

 もう助からない。直感でわかる。しかしホントに彼女1
人なのだろうか。夏美達はナイにしても茜が絡んでいる以
上、他グループは否定できない。
 キンッ、キンッとクラスの女子、笑顔のモンタージュ写
真が相変わらず脳内で高速で検索している。口と鼻は合っ
た!目と髪型が一致せず他クラスの資料も動員される。
 この結び方は優しいようで無理に力を加えるとキリッ!
と締まるような感じだ、、、誰だっけ、、、

 「じゃ、、ルナのココに、、、入れちゃうょ、、、」
 
 「ンァ、、そ、そんな、入れられたら、、、、、、すぐ
イッちゃうよ、、、ダメ、、留菜さん、、だめ!」
 
 「美術室で、、見てたョ、、優美みたいにランボぉにし
ないから、、、夏美とかってヒドイよね、、いっつもトめ
なきャ、、、って思うんだけど、、、ルナ、あの子達チョ
ット怖くって、、、ゴメンね、、、、ゆるしてネ、、、」

 やってる事は変わりない。むしろ抵抗するキッカケを奪
われているようでタチが悪い。彼女は僕が何か発っするの
を冒頭でとめ、自分を責めるような反省文を連発する。
 キリリとした美形の女の子と違い、留菜の優しい悟すよ
うな言葉使いと表情に体から急速に力が抜けていく。
 なんの脈絡もなく正面の壁時計が目に入る。彼女の言う
とおり授業中のまっただ中。

 「きゃン、、ぅぁ、、は、はィった、、トシヒコの、、
ルナのなかに、、ンぁ、いっしょに、、、なれた、、ネ」

 この声を聞いてはならない。この童顔とマッチしたアエ
ギ声。仮装大賞か。コレにより僕の『限界グラフ』がピピ
ピピ!と上がっていき『赤色』に突入する。
 その時!、、不意に部室のドアがゆっくり開けられた。

 「、、、雪代も、、、おねがい、、ね?、おねがい、」

 やはり!、、、モンタージュがカシャ!と軽快な音をた
てて符号する。この独特のソフトな結び方、、、雪代だ!
 にしても、彼女はこの前の件で怒ってるはず、、美術室
でもソッポを向かれ、その後、会話らしい会話をしていな
い。僕の方から意図的に避けていたんだ。 
 
 「ち、チョットぉ、、雪代、、!?、、だめだょジャマ
しちゃぁ、、、手伝うだけって、、、」

 どうやら留菜も知らなかったらしい。僕の上で結合した
ままの不安定な体勢でクルリと後ろを向くと、唇をトガら
せて雪代に言う。
 雪代は押し黙ったままだが、その目はお願いするように
はジィ〜と『大親友』留菜に向けられている。
 な、、なんなんだ、、?、、、この状況は?、、、

 「わ、、、わたし、、も、、、好き、、なの、、、」

 雪代が蚊の鳴くような小さな声でポツリと言った瞬間、
留菜のアソコがどうしてなのかキュゥ!と締まった。
 なんだか嫌な空気が辺りを支配している。留菜は後ろを
向いているのでどんな表情なのか分からなかったが、見て
はイケない気がする。

 「なぁに?、、ブカツ誘ったの断られたって、あんだけ
私にグチこぼしてたじゃん?、、、」

 急に別人みたいな、気ダルそうな声を出す留菜。マッシ
ュルームのような茶髪に邪魔されて尚、顔は見えない。
 いや、、、、、、見たくない。雪代は動揺をはぐらかす
ように留菜と僕を交互にチラチラと見ている。
 何をスルのも一緒で僕から見た限りでは一番の仲良しの
2人。言い争ってるのは初めて見た。
 
 「彼のこと好きっ、、て、、言ったよね、、留菜に」
 
 「、、、だめ、、、いくら雪代でも、、、ヤダよ!!」

 留菜が最後尾、珍しく大きく張りのある声を出す。なん
だ、こんな『普通』の声出るのか、、、、
 ね?、、、トシヒコ、、と、こちらにクルッと向き直っ
た留菜の表情はいつもとなんら変わりなかったが、大きい
瞳のハシがヒクヒクと波打っていた。

 「私、、結んでアゲたの、、ョ、、、ワスレタ?、、」

 それに答る気がナイのか無言のまま、ゆっくり腰を使い
だす留菜。入り口で立ったままでいる雪代は『みこ』のよ
うな白い着物(制服)を着ている。黒のスカートも驚くほど
長く地面を擦りそうな勢いだ。その為、彼女の露出度は極
端に少なく、僕でさえ『全裸』は目にしたことがない。
 自分のイキリ起ったものと、後方で身じろぎもせず冷や
やかな目で『僕達』を凝視されてる感覚は不思議なものが
あった。と、突然、雪代が意を決したようにスゥ〜と歩い
てきた!長めのスカートなので『動く歩道』のようにコチ
ラに向かってくる。なんだか、、、コワい、、、

 「、、、、、、なによ、、、、、出てって!、、、」

 気配で感じとったのか留菜が僕を見たままヒステリック
な声をあげる。お、、おだやかに、、、はは、、
 『拘束』されているのに仲裁に入るとは自分でもオカシ
な気がした。
 ピタァ!と止まった雪代は凍てつくような、しかしメラ
メラと燃えるような切れ長の目でしばらく留菜を見据えて
いたが、クルッとキビスを返して部室を出ていった。

 「なにョ、、せっかく俊彦と愛しあってるのに、もぅ」

 「あ、、あんなに、、仲よかったのに、、、なんで」

 彼はバカか。大馬鹿か。いや、ただ『経験』がない鈍感
野郎だ。こうでなければ『姫ノ美』でやっていけてない。

 「女ってねぇ、、好きな人のためだったら、、なんでも
スルのョ、、んふ、、、トシヒコに言ってもわかんないよ
ねェ、、チュ、、ぱ、イイんだョ、わかんなくてもぉ、、
留菜のことだけ見てれば、、イイから、、ね」

 関係ないと思ってた、、、留菜や雪代なんかは勝ち負け
関係ないと思ってた、、でも、やっぱり女の子なんだ。
 どこか、、勝ち誇ったような留菜の瞳が、、ソレを如実
に物語っていた、、、、、、、、、、

                    つづく

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