雌犬の姿を借りて


4 首輪

 ずっと、ずっと走り続け・・・・気がついたついたとき、私は、村の広場のような場所にきていました。
 ここは、大通りから少し離れていることもあって、普段は利用されていない空き地のようになっていて、町全体での集まりなどがあるときに使われる場所でした。
 町から町へと移動するサーカス・・・・大道芸の一座などがキャンプを張ったり、あるいは町で盛んな秋の月見祭りの際などに使われる空き地です。

 私は、肩で息をしながら、その場にへたれこみました。
 呼吸を整えていると、身体の節々が痛んできます。
 走っているときは忘れていた、関節の痛みがじわじわと身体を侵食していくようでした。
 額から汗が流れ落ち、地面に落ちました。
 私は、犬が追ってきていないことを確認してから泣きました。

 ・・・・もう、考えることも嫌になって、ただ、泣き続けました。
 いったい、なぜ、こんなにもひどい目にあわなければならないのでしょう?

 ・・・犬の暮らし。
 ・・・犬の食事。
 ・・・そして、犬に犯されかけて。

 これからどうすればいいのかも分からずに、私はただ泣き濡れているのでした。
 ・・・・だんだんと、日も落ちてきました。


*****


 空き地には、どうやらこの町の浮浪者たちがいるようでした。
 普段は町で物乞いなどをしている彼らも、おそらくはムーンブルグからの難民に押し出される形になっていたのでしょう。
 ここ数日はこちらで暮らしているらしい雰囲気が感じられました。
 生気のない彼らは、犬・・・・いえ、私がやってきたことなど、気にも留めない様子です。
 私は、少しだけ安心して、眠るときのことを考えていました。

 幻覚の魔法をかけられて以来、寒さはあまり感じてはいません。おそらく、毛皮のような・・・・そういうもので、寒さからは守られているようになっているのでしょう。
 裸のままで寝ても、風邪を引く心配はない、とはいえたでしょう。
 でも、屋外で・・・・裸のまま寝るというのは、あまりにもみじめでした。
 それで・・・・泣きつかれた私は、なにか・・・・なにか、毛布のようなものでもないかと、辺りを探し回っていたのです。

 ・・・・ふいに、お腹がなりました。ぐるぐるという、嫌な音です。

「痛・・・・・」

 わき腹のあたりが針でさされたように痛みます。
 さきほど食べたものがよくなかったのでしょうか?
 私は・・・・城が魔物に襲われて以来、「出して」いないことを思いだしました。
 ・・・それを思い出しただけで、顔が青ざめてしまうのが分かりました。

 ・・・・するしかないんだ、と、そう思いました。
 こんな、屋外で、誰に見られているかもわからない場所で、恥ずべき排泄をしなければならないと・・・・。
 それを避ける方法がないことは、もう存分に思い知らされていました。

「あ、う、う・・・」

 おなかの痛みが、周期的に襲いかかってきます。
 「きゅん」と下腹部が痛み、下半身にもぞもぞするような気配がありました。
 私は、せめて、もっと・・・・隠れられるような場所はないかと辺りを見回しました。
 いくらなんでも、こんな開けた場所では・・・・と、そう思ったのです。

(ど、どこか・・・・)

 疲れきった身体を無理矢理動かすようにして歩き始めます。
 路地でも、こんな場所でするよりはまだ・・・・そんなことを考えながら、うろうろとその辺りを探し回りました。
 ・・・・と。

 ふいに、うなり声を聞いたような気がして、私は視線をめぐらせました。

「え・・・・・?」

 一匹の犬が、この広場に通じる路地から姿をあらわすところでした。
 私は、思わずびくりと震え、後ずさりをしました。
 身体には、もう、犬への恐怖というか・・・・怖れというか・・・・そういうものが、染み付いてしまっていました。
 犬の姿を見ただけで、さっきの悪夢が思い出されてしまいます。
 「まさか・・・」と思いながらも、身体はじりじりと逃げ始めていました。

「逃げちゃ、だめですよ」
「ひっ・・・・・・!?」

 ・・・・しばらく聞こえなかった、魔物の声が辺りに響きました。
 このとき、私はそのことに気がつきませんでしたが・・・・魔物の声は「辺りに」響いたのです。
 それまでは、私の頭の中にだけ、響いていたはずなのに・・・・。

 私がそのことに気がついたのは、彼が・・・・魔物が、白いローブを纏ったその姿を現してからでした。
 長身の影が、私の上に落ちてくるのに気がついて私は顔を上げ・・・魔物の姿を捉えました。

「・・・・・!?」
「お久しぶりです。王女様」
「あ、あなた・・・・!?」

 魔物の声は、どこか反響してするような不思議な響きを持っていました。
 ・・・たしかに、お城で、私に呪いをかけた・・・・彼の声です。
 私の胸の中に、このときわずかな疑問が浮かびましたが・・・・まだ、それを、声に出していうことはできませんでした。

「上手くできなかったようですので、お手伝いに参上しました。
 あちらは、姫様のお相手に特別に用意した犬でございます」

 指差すその先には、先ほどの・・・・もう、広場に入って私のすぐそばまで来ている・・・犬がいました。
 こちらを見て、荒い息をはき続ける犬・・・・本能的に、私は恐怖を覚えました。

「い、いや・・・・」
「さあ、姫様。私の前で、しっかりと犬とつがってみせてください」
「ふ・・・・ふざけないで・・・・! 犬となんか・・・・」

 思わず激昂した私を、にやりと笑った魔物がたしなめるように言います。

「できるわけがない、と?」
「・・・・・」
「先ほど、犬を相手に腰を振っていた姫君とも思えぬお言葉だ」
(こ、腰を振ってなんか・・・・!)

 怒りで、言葉が出ませんでした。
 これ以上、この魔物の言いなりになるものか・・・・!
 そういう思いで、胸がいっぱいになりました。
 たとえ、裸をさらされたって・・・・・それだって、犬とさせられるよりはマシです。
 私は、毅然として・・・・見上げるようにしなければならないのを悔しく思いながら・・・・彼を、にらみつけました。

「おやおや。ずいぶん、立派な顔つきになりましたね。
 でも、四つんばいのままでは、威厳も何もありませんよ
 ・・・まったく、飼い主の言うことも聞かないとは、悪い犬だ」

 揶揄の声も無視して、私は、じっとにらみ続けます。
 もう、絶対にいいなりになんかならない・・・・そう、心に決めてしまえば、後は難しいことでもありません。
 魔物は、そんな私を辱める言葉を次々と続けました。
 粗末な食事のために尻を振る売女だとか、裸で町を闊歩する変態だとか・・・・そういう言葉が、耳を通り抜けていきました。
 さすがに、犬にマウントされている最中に・・・・あそこを濡らしてしまったことを指摘されたときは動揺しました。
 でも、それも、意思の力で押し殺せる程度のものでしかありません。

 そうして・・・・ようやく、魔物も声を失ったようでした。

「・・・・ふうむ」

 魔物が、感心したような声を上げます。
 しばらくあごに手をあてながら、魔物はなにやら思案を続けているようでした。

「なるほど、勇者の血のなせる業ですかな。立派なものだ。
 ・・・・そうですね。ムリヤリ犬をけしかけてもいいのですが・・・・。
 それでは面白くなさそうですな。
 もう少し、姫君には、犬としての立場を知っていただきましょう」
「・・・・・・?」

 魔物の手が、すっと持ち上げられ、私に向けられました。
 とっさに、私は反応できませんでした。
 まさか、直裁的な攻撃手段に訴えてくるとは思わなかったのです。
 そして、魔物の魔法を受けて、私の意識は薄れていきました。

 ラリホー・・・・有名な、眠りの魔法です。

 一刻にも満たない、短い時間の眠り・・・しかし、私は、魔物の魔力の前に屈することしかできませんでした。
 そして・・・・目覚めたときには、私の身体は、魔方陣の中に縛り付けられていたのです。

「・・・・!?」

 それは、魔物が作った簡易的な魔方陣のようでした。
 その傍らで、魔物はなおも呪文の詠唱を続けています。
 私の身に、何か・・・・さらなる魔法を重ねようとしているのに違いありませんでした。
 魔方陣と、長い詠唱を必要とするほどの・・・・さらなる、呪いの呪文を・・・・。

「くっ・・・・」

 脱出しようと暴れる私をあざわらうように、あっさりと・・・・本当に、あっさりと魔物の呪文が完成しました。
 阻止しようとか、そういうことをすることさえできないぐらい、魔物の手際は優れていたのでしょう。
 魔方陣が白く輝き・・・・不気味な、ピンク色の光が私を貫きました。

 ・・・・とたんに、頭の中が、靄のかかったようになりました。

 視界がぼやけ、自分がどこにいるのか・・・・何をしているのか・・・・だんだんと分からなくなっていくようでした。
 身体の周りから、「現実」が失われていくような感覚・・・。
 そして、身体の奥底からわいてくる、ある「欲求」・・・・。

「え・・・・・あっ、あ、あひいいいいいい!」

 体が、急激な変化についていけずに狂うような・・・そんな感覚が一瞬走りました。

 身体が、圧倒的な「熱」に包まれます。
 体中の神経が励起し、そそり立つような感覚・・・・。
 アソコが、ぱっくりと口を開いたような気がしました。
 もし、見る人がいたら・・・・私の大切なところが開閉を繰り返し、白い液体をとめどなく分泌するのを、隠すことはできなかったに違いありません。
 私は、膝をがくがくさせながら、その場に崩れ落ちました。

 ・・・・手を伸ばしても、犬の不器用な指先では、自分を慰めることも出来ません。

 いったい、何がどうなったのか・・・・それさえ分からず、ただ、身体の中から沸いて出る熱に耐えかね・・・。

「ひぐ・・・・ひい・・・・」

 頭がくらくらするような感触がありました。
 視界はぼやけ、うつろに歪んでいくのをどうしても止められません。
 胸と、あそこが、せつなく騒ぎ立てます。
 身体を、なにかにこすりつけたいような衝動が、私を支配し始めようとしています。
 だらしなく開いた口からよだれがたれるのさえ防げないまま、私はあえぎ声を漏らしました。

「な、なにを・・・・」

 その問いを口にするのでさえ、体中の力と、意志をふりしぼらなければなりませんでした。
 魔物は、にやついた笑みをうかべたまま、あごをしゃくって犬の方を指しました。
 ・・・・つられて、私の視線も息をあらげたままの犬へと向けられて・・・・。

「あ・・・・くぅ・・・・」

 ・・・・私の視線は、吸い込まれるように犬の局部をとらえてしまったのです。

 生々しい色で、大きくなったままむき出しになっているそれを見て・・・・もう、そこから目を離せないような有様です。
 ついで、身体が疼くような感覚が広がっていきました。
 犬の「それ」は・・・・ひどく、魅力的に見えました。
 きっと、前に私にのしかかった犬より、大きく、たくましいものだったに違いありません。
 イメージが・・・・「それ」が、私のなかに入ってくる妄想が、だんだんと広がっていきます。

 「それ」の熱ささえ、うっすらと身体を伝わっていくようでした。
 私は、石化したように身体を動かせなくなり、じいっと犬のペニスに見入っていたのです・・・・。

 くちゅ・・・・。

「ひ、あ、あっ!」

 魔物が、いつのまにか背後に忍び寄っていました。
 指先が、私の大切なところをなぞるように触れていったのです。私は、飛び上がるようにして振り返りました。

「ずいぶんと粘り気が強いようで」

 魔物が、ふりかざすようにして指先についた愛液を私に見せ付けます。
 ・・・・知らず知らずのうちに、私の大切なところは、分泌液を吐き出し始めていたのです。
 顔が青ざめます。「恥ずかしいところを見られてしまった」という意識がまた戻ってきて・・・・瞬間、さっきまで身体を支配していた熱が一気に引いていくようでした。

「犬のペニスを見て濡らしているようでは、もはや人間とはいえませんな」
「う・・・・」
「さて、聡明な姫様には、なぜ自分がそうなったのか、もうお分かりではありませんか?
 まあ、ひょっとしたら、もともと姫君は淫乱であった・・・という可能性もないではないでしょうが」
「・・・・・」

 私は、悔しくて唇をかみました。
 これが、魔物の卑劣な術でなくてなんだというのでしょう?

「さっきの、呪い・・・・ね」
「その通り。儀式にのっとって唱えれば、人を獣のように発情させることなどわけもない。
 それに加えて、今の姫君は犬同然の有様。魔法もラクにかかりました」
「・・・・・!」

 ・・・最悪の想像が、あたまをよぎりました。
 今は・・・おそらく、この魔物がやったことでしょうが・・・・身体は、平静な状態を保っています。
 ですが、もし、ひとたびあの
「熱」
にとらわれてしまったら・・・おそらく、私はもう、犬の身体を拒否することはできないでしょう。
 そうなれば、この男の前で犬と・・・・つがうことがもはや避けられないのです。
 あまつさえ、あんな状態で犬のモノを受け入れたら・・・・私の身体は・・・・。

 あえぎ、狂い咲く自分の姿を想像して、私は震えました。
 そんな私をあざ笑うように、魔物の、人を小馬鹿にしたような言葉が続きました。

「さて、姫君。当方の予定では、この後姫君には、この犬を伴侶として向かえていただくつもりであります。
 仲人は不詳、私めが努めさせていただきますが・・・・
 さてさて、ここでひとつ、姫君に選択していただきたいことがございます」
「・・・・・・」
「さきほどの呪いを発動すれば、姫様も喜んでひとつになっていただける、それは当方も承知しております。
 しかし、魔法で心をしばるというのは、いかにも無粋なやり方。
 できますれば、姫君には、自分の意思で、夫を迎えていただきたい」
「・・・わ、私に・・・・犬を、夫に選べと・・・!?」
「まあ、結婚云々は冗談としても・・・・犬として、主人・・・・つまり、私ですね。
 その言葉に服従すると誓っていただければよろしいですよ。
 それを誓うか、それとも、あの呪いを身に受け、犬と交わるか・・・・。
 好きな方をご選択いただきたいわけです」

 ・・・最悪な選択でした。
 この・・・・この言葉以外に、この事実をどう表現しろというのでしょう?
 魔物の言葉に従うことを誓えば・・・・結局、彼の指示のもと、犬と交わることは避けられないでしょう。
 そして、呪いを受ければ・・・・私は、自ら望んで犬相手にお尻を振ってしまうに違いありません。
 どうすれば・・・・と、私は、目に涙をためて、苦しみました。
 犬となんか、犬となんか・・・・! そういう思いで、胸がいっぱいになります。
 それでも・・・・どちらかを選ばなければ、許してはもらえないのです・・・・。

 自ら望んで、犬の相手を務める・・・・。私には、そんなことはとてもできませんでした。
 体を、いっそ呪いにゆだねてしまえば楽になれる・・・・そういう、甘美な誘惑もありました。
 しかし、私は・・・・結局、人の前で自分が、あさましい姿を見せるということがガマンならなかったのです。

 ・・・・長い時間をかけて決断をした私に、魔物がひとつの首輪を差し出しました。

 受け取ろうとして手を伸ばし、はたかれて・・・・改めて、首を伸ばし・・・・私の首には、革製の、犬の首輪がまきつけられました。
 首輪に鎖がつながれます。もう一方は、魔物が広場に立っていた木杭にまきつけました。

 ・・・・こうして、私は・・・・体の自由を、さらに奪われることになったのです。
 私を・・・私の身体を待っている犬は、あきもせずに荒い息を私に吐きつけていました。

「さあ、結婚式を始めましょう」

 ・・・・魔物の、絶望的な声が響きました。
 彼の手が翻されます。待ちかねていた合図を受けて、犬がじわじわと私の方へ近寄ってきました。
 私は、悲鳴を上げて体を引きました。
 ですが、首輪で縛られた身です。すぐに、犬が目の前までやってきました。
 後ろを向いたらすぐにのしかかられそうな気がして、後ろを振り向くこともできません。
 私は、後ずさりをしながら震えました。

「ひ・・・・!」

「ふふ・・・・ほら、逃げないと、犬に犯されてしまいますよ。
 姫様の、大切な大切な純潔が、奪われてしまいますよ・・・・」

「・・・・!」

 犬の動きは、すばやいものでした。
 欲望にかられたその大きな肢体が、はねあがるように私に飛びついてきます。
 「噛まれる!」
 とっさにそう思って、腕をあげると・・・・犬の前足が、私の肩をつかまえました。
 ちょうど、前足で私の体をおさえこもうとするようなポーズです。
 私は、必死に暴れて犬を振り払おうとしました。

「ひっ・・・・! いや、いやぁ・・・・!」

 体を隠すことも忘れ、腕を振り回すようにして犬を拒否します。
 ですが・・・犬の動きは、すばやく、力強いものでした。
 性欲にとらわれ、ひとつのことしか頭にない犬の動きは、直線的で・・・・それだけに、私には避けようのないものだったのです。
 ついには、かぶりつくようにして攻めかかってきた犬をかわせず、私は組み敷かれるように犬の下に置かれました。

「あ・・・・! あ、あ・・・!」

 間の悪いことに、逃げ回っている中で、首輪から伸びた鎖はからまり、伸びきっていました。
 犬から逃れようと前に進もうとすると、鎖にびんと引っ張られ、引き戻されてしまいます。
 ・・・逃げられない・・・・!

 視線をめぐらすと、犬のそそり立つ地肌の色が目に付きました。
 肉の色、そのもの・・・・それが、私の秘部をめざして動き出すのが見えます。
 犬は、器用に体をめぐらせて、動けなくなった私にマウントしました。
 両手が、私の背中にかかります。
 ぐぐっと体重をかけられ、私は押し倒されるように地面に倒れました。
 ・・・ちょうど、お尻だけを後ろに突き出したような格好です・・・・。

「嫌・・・・! た、助けて・・・・!」

 ・・・私の体には、まだ、さっきの呪いの・・・・熱が残っていました。
 あそこがしっとりとなってしまうのも、防ぎようがありません。
 犬が、容赦なく私に体を近づけてきました。
 とまどいも、ためらいも、一切ない・・・動物特有の激しさが、私を後ろから攻め立てようとしています。
 そそり立ったペニスが、私の大切なところを襲いました。

「ひああっ!」

 くちゃり、という粘膜をこする音が耳の中にひびきました。
 先ほどと同じ・・・・入り口を犬のペニスがこする形です。
 私の足の間を通して、ピンクの物体が突き出されてきました。
 それは、まっすぐに私の大切なところめがけて突き出されてきました・・・・。

「う、ああああっ!」

 人と犬という、構造の違いさえなければ・・・・私はその瞬間に純潔を失っていたに違いありません。
 かろうじて反り返ったペニスは、私の入り口をたたいたにすぎませんでした。
 犬は、その状態に満足がならないのか、そのまま腰を振りたくってペニスを激しく前後させます。
 獣の肌が私の体に触れ、こすりつけられました。
 お尻の辺りがきゅんと熱くなり、私は、ぼうっとしてそこを見つめていました・・・・。

「あ・・・・!」

 犬のものが、すうっと・・・あの部分をこすりました。
 とたん、私の体の中に電撃が走ります。
 背筋がびくっと反応し、視界が一瞬ぼやけました。
 思わずもれてしまった声を、魔物がにやつきながら聞いています。
 私は、必死で自制心を取り戻し、せめて‥‥せめて毅然とした態度をくずさないようにと、体に力を入れました。

 ・・・犬は、まるでそんな私の心を溶かそうとするように、熱く、燃え滾るペニスを押し付けてきました。
 激しく私の入り口をこするそれは、少し角度をずらせばもう中に入ってきそうです。
 犬のペニスがそこをこするたび、私は、「入ってきたら・・・」と震えました。
 頭の中で、犬のものが入ってきたときの想像が広がります。
 いったい、中に入るというのは、どういう感じなのでしょうか?
 気味の悪いものなのか・・・・それとも、今のように・・・・。

「・・・・っ!」

 私は、あわてて歯をくいしばりました。
 いつの間にか、あまりに激しい犬の動きに、体がゆるんでいたのです。
 犬のペニスが入り口をこするたびに、体中に甘美な電流が流れます。
 「あの部分」をこすったときなど、声がもれそうなほどの快感が走るのです。
 入れられたら、こんな快感が・・・・もっと手に入るかもしれない?
 いつしか、私はそんな幻想にとらわれていたのでした。
 自分が考えていたことを打ち消すように頭を振り、どうにか威厳を保とうとします。

「欲しいんでしょう?」
「・・・・いいえ」
「ふむ。でも、彼は入れたいみたいですけどね。
 入れてあげたらいいじゃないですか」
「・・・・」
「ほら、指をそえて。ぎゅっと押し込んであげればいいんです。
 それで、すごく気持ちよくなれますよ」

 魔物が、上から見下ろしながら、言葉を投げかけてきます。
 ですが、むしろその言葉は私の反感を育てました。
 負けてなるものかという意思が生まれ、しっかりと相手を見据え、拒否の姿勢を見せました。

「なら、私が入れてあげましょう」


 ・・・・え? と、疑問に思う間もありませんでした。
 魔物の体がすうっ・・・・と動いて、次の瞬間。
 私の体は、とうとう貫かれてしまったのです。

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