ロードス島異聞録 ８
１５
「うう････んっ！ いいっ････」
ニースがもだえた。
腰をひねり、膣内に侵入してきた肉棒を歓迎する。
久しぶりの熱。久しぶりの肉棒。
ニースの顔が歓喜の笑顔でつつまれた。
腰がぶんぶんと上下に動かされる。ニースの腰の振幅は激しかった。
肉棒が抜けそうになるぐらいまで一気にもちあがったと思うと、続けて根元までそれをくわえこむ。
身体がバラバラになりそうなぐらい激しく、身体が上下にブレた。
「あ････！ ああ････！」
ニースのおっぱいが上下にゆれる。柔肉が大きく振れ、ニースの胸の肉にぶつかっていた。
胸がぱん、ぱんと大きな音をたてた。乳首が、上下に、激しい軌跡を描いていた。
大きく張り出たお腹も似たようなものだ。
ニースは、両手で重たいお腹をかかえながら、快楽を得るために一生懸命身体を上下させていた。
臨月の妊婦である。身体は動かすだけでもつらいだろうに、彼女は一心不乱に性欲を満たすことに集中していた。
彼女に与えられた空白の時間は、あまりにも厳しすぎたのだ。
「もっと････もっと････！」
待ちわびた肉棒を迎え入れ、ニースのワレメは爆発するように反応していた。
愛液が、まるで射精でもされたように彼女のワレメから流れ出している。
太ももも、お尻の穴も、真っ白な本気汁でいっぱいだった。
ニースの両手は、お腹を抱えたまま離れない。
これまで、胸にも秘部にも手を伸ばせなかった後遺症のようなものだ。彼女が安心して手を置ける場所は自分のお腹の上以外なかったといってもいい。
その手が、ニースの尻穴めざして動き出す。
「お尻････お尻が････さびしいです････！ あ、ああああ！」
尻穴を目前にして、ニースの手の動きが止まる。まだ『制約』の力は失われてはいない。
オナニーを禁じる魔力は、未だ彼女を縛っていた。
「ああ、ああ････！」
痛みに身体をふるわせながら、ニースの腰の動きは止まらない。
黒の導師の肉棒を絞り上げ、その側面で自分のクリトリスをしごきたてる。
「お尻にも････どうか････お情けを････」
ニースは哀願した。自分でできないなら、他人に頼むしかない。
黒の導師が、不敵に笑いを浮かべた。
「後ろにいれてやってもよいが、そうしたら、前がさみしかろう？
前はどうする････」
「あ、あ････！
お尻に入れて････！ 前も、前もぬかないで････！」
「無理をいうな」
くくく、と笑いがこぼれる。
バグナードとて、余裕があるわけではない。
ニースの秘部は、久々の肉棒に対してがっつくようにしめつけを繰り返している。
体力にゆとりがあるわけでもない彼にとって、魅力的なニースの身体をむさぼるだけで重労働なのだ。
････この上ないほど甘美な労働ではあった、が。
「ならば、前にはこれでもいれておくがいい」
「あ、は、はい････」
「では、いったん抜くぞ」
ちゅぽん。
黒の導師の肉棒が、ニースのワレメから離れる。
粘液が糸を引いて切れた。
「あ、あ････・」
「よし、こっちだ」
バグナードはニースに脚を開かせ、自分の上にまたがってしゃがむようにさせた。
自分は寝転び、ニースが騎乗位のスタイルで尻に肉棒を受け入れる形である。
だいたい、腹の突き出た妊婦を犯すのに、正上位からではやりにくくてしょうがない。
腹部が二人の間にはさまれることになり、男は十分に動けない。
だったらいっそ、その胸の動きを堪能できる騎乗位の方が望ましいのだ。
「あ、ああ････」
「ようし、腰を落とせ」
「はい・････」
肉棒が離れた数瞬、ニースは捨てられた子犬のように寂しげな顔をしてバグナードを見つめていた。
主人の許しをえて、餌にむしゃぶりつく犬。
そんな様子で、ニースは肉棒を尻に受け入れた。
張り型で入口を広げられたアヌスも、ここ数日の放置で元の締め付けを取り戻している。
侵入を阻もうとする括約筋の働きを、ニースは力づくで押しのけた。
「あううううううううん！」
両手でバグナードの肉棒をつかみ、そこに自分の尻穴をあわせる。
あとは、全身の力をこめて身体を下ろすだけだった。
じゅぶじゅぶじゅぶじゅぶ！
････入口を抜けたら、あとは一瞬だった。
あっという間にニースのアナルは肉棒を根元まで呑みこむ。
「は･･･入った････入りましたぁ････」
「う･･･うむ････」
あまりのしめつけに、バグナードの息が一瞬つまる。
ねじきってしまいそうなほどの締め付けだ。だというのに、ニースは構わずその身体を動かそうとする。
あわててバグナードはその動きを止めた。
「ま、まて････前の穴がさみしいだろう」
言い訳だ。これ以上彼女に激しく動かれては、自分がもたない。
「あ、うう････」
「ほれ、ワレメがもうぐちゃぐちゃだ。
そっちに、その手の中のものをいれろ。
身体を動かすのは、あとでいい」
「は････い････」
「おっと･･・自慰の禁止は、今をもって解除してやろう。
さあ、やつらに見せてやれ････」
ニースの父、北の賢者の異名を持つスレインがいたのは軍の夜営地、天幕の中である。
カノンの中心地であるルード城そば。
フレイム軍が、ルードへの攻城戦をしかけるために作った陣地である。
水晶球の中の娘の痴態を歯噛みしてみていたスレインの、その部屋の入口がさっと開かれる。
「スレイン師！」
「なんです、そうぞうしい」
平静を装いながら、さっと背中に水晶球を隠す。
こんな娘の姿は、他の者にはとうてい見せられない。
「大変です、配下の魔術師たちの持つ水晶球が、全て妖しげな像を････！」
「な･･･！？」
････そう。
フレイム軍の所有する全ての水晶球に、ニースの痴態が映し出されていた。
かつて、聖女と謡われた少女が････胸と腹を肥大化させ、男に肉棒をねだる様が。
水晶球を通してフレイムの魔術師たち全員の目のとどくところになったのである。
「な、なんということを････！」
スレインは、歯噛みして水晶に見入った。
阻止するすべを求め、脳がすばやく回転し始める。
････その間にも、水晶の中の像は動きつづけていた。
さて、水晶球は、画像を送受信する扉として活用される。
あちらの水晶に映し出された画像が、こちらにも像として結ばれるのだ。
････今、水晶球の左右には、ニースの手の平が映し出されていた。
水晶球は、ニースの手に支えられているのだ。
ニースは、バグナードの指示どおり、自分の手の中の････秘部にいれるには、いささか大きすぎるそれを、ワレメに向かって導いていった。
水晶の画像では、ニースの秘部がだんだんとアップされていく形だ。
かすかにおいしげった陰毛が、薄い産毛が画像の中心に焦点を結んでいく。
ついには、水晶全体に少女の秘部が映し出された。
愛液を分泌し、はっきりとそのスリットをあらわにし、ひくひくとうごめく、その秘部が････！
「あ、あ････！」
水晶球からは、ワレメの中の、小さな皺さえ見えるようだった。
ニースの手の中の水晶は･･・少々小さめのサイズとはいえ、ニースのワレメに比せばとても小さいといえるものでもない。
だが、ニースは期待に顔を喜ばせてそれを自分の秘部に押し付けていた。
これが入れば、どんなに気持ちいいだろう？ そういう思いが頭を支配している。
時折、尻の肉棒を楽しむように腰をねじり、ねじるながら････水晶球が徐々に徐々にワレメに近づいていく。
「くああ････っ！」
いくらなんでも狭すぎる。単純に押すだけでは、水晶球はただワレメに押しつけられるだけだった。
ニースの指が、すっとワレメに移動した。
落ちそうになった水晶球は、上半身を起こして手を伸ばしたバグナードが押さえる。
ニースの指が、ワレメの両側にかけられた。
中に指をつっこみ、両側にぐ、ぐっと引っ張る。
限界まで割広げられていたように見えたワレメが、まだ広がった。
「いれて････くだ･･･さい････」
ぎゅ、ぎゅっ。
ニースの指は、ワレメをもうぎりぎりのところまで押し広げていた。
引き絞られた秘肉は赤く充血しており、刺激をくわえればぴんとはじけてしまいそうだ。
そこに、水晶が飲みこまれていく。
中に満ちた愛液をおしのけ、まるで透明の卵が母の中に帰っていくように････。
水晶球はニースの中に入っていった。
「う、うわああ････」
水晶球からは、もう目が離せなかった。
研究に明け暮れ、童貞をなくす暇もなかった魔術師である。
水晶球の中に広がる、女性の内面。
グロテスクな、だが、あまりにすさまじい光景････。
「す、すげえ････！」
肉棒が取り出された。たまらず、オナニーが始まる。
「おい、なにやってんだ？」
「あ、おい････すごいぜ、見てみろ」
入ってきた、僚軍の兵士にその魔術師は答えた。
「あひ････ん････クぅ････！ うはぁあああああん！」
水晶球の、一番太い部分が通過した！
ちゅるんと、後はすいこまれるように全体が飲みこまれた。
ワレメから、水晶球の一部だけが姿をのぞかせている。
あまりに大きく、膣内を圧迫する冷たい衝撃に、ニースは身体を震わせて歓んだ。
「イクっ！ イクっ！ もう、イッちゃう････！」
秘肉の上から指先で水晶球をなぞりあげる。
あそこの皮膚は水晶球におしあげられ、ぷくっと不思議なかたちに盛り上がっていた。
まるで、下腹部に第三の目ができたようだった。
身体の奥底から来る白い本流が水晶球をつつむ。
（メ････メガミさま････気持ちイイ････です････）
ここ数日の、監禁生活をささえてくれた神に。この快楽を与えてくれた神に感謝の祈りを捧げる。
ニースの乳首は、あまりの快楽に母乳を噴出していた。
ぶぴゅっ、ぶぴゅっと下品な音が広がり、床と二人の身体をべたついた液がよごす。
「あ、あああ、あああああ････！」
身体がどんどん高まっていく。
ニースは、快楽を全身で受け止めるべく身体の動きを再開させる。
バグナードの肉棒が、尻の中で爆ぜた。
ニースは、自分のクリトリスをちぎれるほど強くつまみ、ねじりあげた。
片手でおっぱいを絞る。
母乳の噴出は、もう止まらない。
「イク････！ イキます！」
絶頂だ。
ニースの膣は奇妙な蠕動を繰り返し、その光景が逐一水晶球を通じて伝えられる。
ニースは、自分の身体が達したのを感じながら、じっと、その快感を受け止めていた。
身体の動きは止まらない。
すでに萎え始めたバグナードの肉棒を、未だ膣に入りっぱなしの水晶球を、締めつづけるように腰が動き付けていた。
いつまでも、いつまでも････。
ニースの腰の動きは、止まらなかった。
････こうして、二人の、人間として最後のセックスは終わりを告げた。
水晶球には、その後、ニースの出産シーンが映し出された。
ワレメから、まず水晶球自身が産み落とされ、地面にコロコロと音を残して転がる。
ついで、それにつられたように、出産が始まった。
それははたして、新たな命を外に生み出すというものであったのだろうか？
生命の杖の魔力を受けたニースの身体は、陣痛とか、そういった････・生命の働きのプロセスを、すべて飛ばして････
ただ、排泄をするように子供を産み落とした。
「母････か」
バグナードがつぶやく。
自分は、この娘の膣の中から再誕するようなものだ。
数時間後、自分は儀式を終え、新たな････人間を越えた生命体として生まれ変わるのだ。
その母親というべき存在に目を下ろした。
腹はもう、へこんでいる。
大きすぎる乳から母乳をしたたらせ、荒い息をはずませ････・それでもまだ、彼女は生きていた。
バグナードは、しばらくニースを見つめて後、その部屋を後にした。
････彼にとっては、これからが本番であった。否、本番のはずであったのだ。