ロードス島異聞録 4


 

 

  

 空白の数瞬、ニースとギャラックは見つめ合った。

 ニースは体内に男が侵入したことを忘れたかのように呆然と無骨な戦士の顔を見上げる。

 ギャラックは、相手の目覚めに異常なほどの驚きをしめし、組み敷いた相手の瞳を受け止める。

 ニースの視線は咎めているものではない。ただ、あまりのことに事態が理解できていなかったのだ。

 目に入る、光景の意味がわからない。

 胸板厚い男が、自分に覆い被さっている。股間から、信じられないほどの痛みが伝わってくる。

 かろうじて判ったのは、これだけだ。

 頭に疑問符ばかりが並ぶ。思考能力は頭を離れ、どこかにいってしまったかのようだ。

 

 ・・・・沈黙と空白の時間は、次の瞬間に破られた。

 先に動いたのはギャラックだ。肉棒をつきたてたまま、素早く床に落ちたニースの下着をつかむ。

 素早い動きだった。さすがは歴戦の勇士と賞賛される男だ。

 ニースがようやく悲鳴をあげようとするが、それより早く彼女の身体に覆い被さった。

 相手の背中をどんと地面に押しつける形になった。

 ニースの開いた口が音を作り出すより早く、そこに彼女の下着をたたきつけ、押し込んだ。

 乱暴に指を動かし、下着をニースの口内に詰め込む。

「む、むぐっ!!」

 ニースはうめいて、ようやく逃げようと動き出す。悲鳴をあげる暇さえ与えぬギャラックの動きに恐怖を覚え、手足を必死にバタつかせる。

 ちゅにゅっ、と音がして肉棒が抜けた。同時に、愛液がどっとあふれてこぼれ落ちる。

(・・・い、いやあ!)

 自分の身体からなにか別のものがあふれだす奇妙な感覚だった。

 背筋に悪寒を感じながら、ニースはそれでもなんとか逃げ出そうともがく。

 ギャラックの下にしかれた自分の身体を翻し、四つんばいの状態のまま前へ逃げる。

 両手両脚ではうようにして、ニースは必死に前にのがれようとした。

 ギャラックの身体がするどく動いた。

 ・・・・筋肉のかたまりのような男が、どうしてこんなに早く動けるのかと思うほどの俊敏性と瞬発力だ。

 ギャラックの手がニースの口にとどいた。零れ落ちそうになる下着を押さえつけ、再びしっかり押し込む。

「逃げるなよ、お嬢ちゃん」

 もう一方の手がニースの肩を押さえる。強い握力でニースの身体を引き寄せる。それだけで、ニースは逃げられなくなった。

 じたばたとあがく。もがく。だが、身体を離すことすらできない。

 相手の腹を蹴ろうと足を伸ばしても、かるくいなされた。

 男の手をふりほどこうとむちゃくちゃに暴れる。それでも、かるがると押さえ込まれた。

 戦士としての技量が違いすぎるのだ。

 とうとうニースはギャラックに後ろから押さえつけられる形で、逃げるすべを失った。

「むっ、ぐ、ぐぐう!!」

 片手で口をふさいだまま、ギャラックの肉棒が再び侵入してくる。

 せまい、ニースの下の口にまたも乱暴な拡張が加えられた。

 体位は正上位からバックに変わっていた。

 膝を地面につき、お尻を突き出したような自分の格好にニースの顔が赤く染まる。

 濡れてほぐされた膣肉はその肉棒をあっさりと受け入れた。

 すうっと肉棒が侵入して来る様子はあまりにもあっけなく、そのあっけなさが、なおさらニースの恐怖心をあおった。

(ひ、ひ・・・・!!)

 悲鳴は口の中でくぐもった。下着の味がニースを痛めつける。

 喉が渇く。まともに舌が動かせない。

 それでもニースは首をまわし、目線を後ろに向けて自分を凌辱する悪魔の姿を確かめた。

(・・・・ど、どうして・・・・!)

 ニースには、ギャラックの豹変の意味がわからない。

 昨日まで、まるでそんなそぶりを見せていなかった彼が、なぜこうも変わってしまったのか。

 まったく分からない。昨日の問答を思い起こしても、こんな事態になるハズがない、と理性が否定する。

 だが、現実には彼の肉棒はすでに自分の奥底まで刺しこまれているのだ!

「むごっ・・・う、う・・・!!」

 なんとか逃れたい。ニースは膣口をすぼめ、身体をよじって肉棒から逃れようとした。

 だがそれは、腰をふり、ギャラックの肉棒をしめつける結果にしかならない。

 むしろニースの反応に喜ぶような仕草を見せながら、ギャラックが言う。

「へ、へへ・・・・暴れるなよ」

 ギャラックは片手でニースの口をおさえたまま、彼女の腰からベルトを引きぬいた。

 ニースの口のまわりにそのベルトをあて、ぐるりと後頭部まで回す。ちょうど耳の後ろあたりでベルトが閉じれらる音がした。

 口の中におしこめられた下着を、ベルトでフックしたのだ。

 もちろん、これでニースはしゃべることもできない。

(あ、ああ・・・・!)

 ニースは愕然とした。口を封じられ、声がだせなければ魔法は使えない。助けを求めることもできない。

 ギャラックの「本気」が伝わってきた。ニースの身体はあらためて、震えだした。

 服からこぼれた乳房を風がなでていった。・・・・急に、心細さが襲ってきた。

 

(震えているやがる・・・・へへ、可愛いぜ)

 ギャラックは嗜虐的な欲望を満足させて舌なめずりした。

 ルーンマスターに対するときは、はじめに声を封じる。それが戦いの基本だ。声が出せなければ、魔法は使えない。

(へへ・・・・)

(これで、こいつはただの小娘だ)

 ギャラックは眼下に広がる光景に満足していた。

 あの聖女が、自分に向けて尻を突き出している。そして、自分の肉棒がその身体を支配するように、身体の中に侵入している。

 ニースの体内でギャラックの肉棒が震えた。

 「聖女を犯している」という、その感動が伝わってきたのだ。

 昨日思い描いた図が、目の前に広がっている。それは、まるで子供のころからの夢のようにギャラックには感じられていた。

 達成感があった。気分が高揚していた。

 じっくりと、肉棒を通じてニースの胎内の様子を感じ取る。

(・・・・最高の気分だ)

 肉棒を優しくつつみこむ肉の感触。この中に精を放ったら、どんなに気持ちがいいだろう。

 ギャラックの肉棒は、ニースの体内でぶるぶると震えていた。

 ニースの秘部の感触は最高だった。男を迎え入れる部分として、まさに一級品のあそこだ。

 挿入する妨げにならないほど内側の肉は柔らかいのに、ひとたびさし込んでしまうとそれを容易に逃がさないようにぎゅっと押し包んでくる。

 膣圧もいい。きつく、それでいて動かすのに支障のないほどのしめつけだ。今は、カリ首の少し下あたりにきゅっとすぼんだような感触があたっている。

 動かせば、この快感はどんどん広がっていくだろう。

 そのすごさに、ギャラックの顔に思わず下品な笑みが浮かんだ。

 まだたいして動かしてもいないのに、この気持ち良さ。

 本気で味わうことになれば、いったいどれほどのものだと言うのだろう?

「楽しませてもらうぜ・・・・。あんたもせいぜい・・・・楽しむといい」

 声に、もう落ちつきはない。弾む息の途中途中にはさむようにして声が出た。

 ギャラックはニースの胎内で欲望の塊をおどらせはじめた。

「んん・・・! むぐ、む・・・・」

 

(ああ・・・! あ、あ・・・!)

 しゃべれない口をもごもごと動かしながらニースはアソコをえぐられ、泣いた。

 ぱん!ぱん!ぱん!

 ギャラックの腰が、ニースの尻に当たって高い音を立てている。

 痛さも熱さも、昨日のものとは比べ物にならなかった。

 今日の凌辱に比べれば、まるで昨日のは・・・・間に一枚布でもはさんだようなものだ。

 熱が。痛みが。直接体内を走り抜ける。

 そして、その直後にもうひとつ別のものが走り始める。

(あ、あ、あああああああ!! 熱い、だめっ!!)

 甘美な感覚が、痺れるように身体を溶かす。

 ニースの両腕は、四つんばいの形で自分の身体を支えているとはいえ、自由な状態だ。

 手を伸ばせば、猿轡になったベルトと下着を外すこともできただろう。

 だが、身体に流れる快楽がそれをゆるさない。

 そして、昨日以来ニースには「快楽には耐えなければならない」という精神的な刷り込みが出来ていた。

 バグナードとの争いの中で出来てしまった、反射的なクセである。

 身体をじっと固くして、秘部から伝わる淫惑な歪みに耐える。

 まるで・・・その凌辱が、耐えていれば過ぎ去っていく嵐であるとでもいうように、じっと自分の動きを封じてしまったのだ。

 ギャラックは、もちろんそれでやめるはずがない。

(感じてやがる、この小娘・・・・感じてやがる・・・!)

 ニースがじっと動かない様子を快感におぼれていると受け取り、なおいっそうの興奮を彼女の膣に叩きつける。

 荒々しい性交だった。

 ニースのことなど何も思いやらず、ただただ力まかせに自分の腰を、肉棒をたたきつける。

 狭いニースの膣いっぱいに肉棒が満たされた。

 たん、たん、たん。

 かすかな音が、体内をとおってニースの耳に響いた。内から響くその音はニースの身体をさらに震えさせた。

 膣の奥底まで、ギャラックの肉棒が到達した音である。

(ひ、ひぐ・・・・!!)

 ギャラックはニースの足をかかえこむように抱き、自分の身体に押し付けている。おかげで、一回一回のつきこみがいちいちニースの一番深いところまで到達し、その奥壁を叩いているのだ。

 ニースは自分の身体がすみずみまで凌辱された感覚を覚え、絶望に身体をふるわせた。

(や、いやぁ・・・・!)

 秘部から伝わる衝撃は、ニースの頭を激しく揺さぶった。

 身体を流れる衝撃は痛みだけではない。はやくも身体に教え込まれた淫らな波がどんどんとその量をふやしていた。

 痛みはある。だが、淫らな快感はその痛みさえまとめて押し流すほど勢いであった。

 膣の奥から愛液が溢れ出す。

 まるで肉棒で掘り返えされたように、どぷどぷと愛液が穴の外にこぼれ出した。

 ニースの秘部はしとどに濡れていた。

 ギャラックはニースの身体をしっかり抱きよせ、秘部をより深く、強く味わおうとする。

 あまりに深いつきこみに、ニースはぐ、ぐ・・・と咽び泣いた。

 

 ニースの心は悲鳴を上げつづけていた。

 早熟な肉体は刺激を快楽として受け入れるすべを知っていた。だが、性的に幼い精神はそれを許容しない。

 心は、あまりの事態に「どうして」と問いつづけているのに、身体が目覚めてしまう。

 処女喪失の痛みもそこそこに、走り始めた快感をおさえようと耐えるばかりだ。

 ぎゅっとつぶった瞳からはいつしか涙が漏れ始め、喉からはんっ、んっといううめき声がもれはじめた。

(ギャラックさん・・・・どうして・・・・こんな・・・・!)

 つらかった。快楽の合間合間に、「仲間に犯されている」という事実が襲ってきてニースの心を攻めたてていた。

 自分が何をしたのだろう? なぜ、こんな事態になってしまったのだろう?

 何度も何度も、同じ質問を繰り返す。

 激しい衝撃に耐えながら、自分の身体がまるで別のものに変わってしまうような感覚を覚え、震える。

 

 ・・・・心の中のもう一人の自分が、顔を出そうとしてるとしている

 

 邪神カーディスの使徒であったという、亡者の女王ナニール。その魂は、長いときを経てニースの小さな身体に宿った。

 その魂が、あまりに激しい刺激に目覚めようとしているかのようだった。

(だめ・・・・だめ・・・・!)

 一方的で理不尽な凌辱を受けながら、ニースは必死に自分の心の中で戦っていた。

 快楽に屈すれば、マーファの教えにそむくことになる。

 凌辱の痛みに心をとらわれ、怒りや淫惑な欲求にとらわれれば、ナニールの魂の目覚めにつながりかねない。

 若い、感じやすすぎる肉体を激しくせめられているのに、快楽をそのまま受け取ることさえ許されはしない。

 いっそ、快感におぼれてしまうことができればどんなに楽だっただろう。

 ニースは、愛液をしたたらせながら、その精神を飲まれぬようただ一人で戦っていたのだ。

 ナニールの魂が覚醒すれば、邪神の復活はより容易に成される。そうなれば、この世界は・・・・。

(耐えなきゃ、耐えないと・・・・!)

 ・・・・だが、ニースの都合など、ギャラックには分からない。

 ニースが身を固くしていることも、ただ凌辱を受け入れているとしか映らない。

 ギャラックの腕がニースの胸に伸びた。抱きしめるようにニースの胸をもみしだき、膣の奥底を押し上げるように肉棒を上下させる。

(あ・・・う・・・う・・・・!)

 不意に、ギャラックの抽送がやんだ。

 膣内の、一番深いところで肉棒が止まる。

 ニースの身体はびくりと震え、肉棒のかすかな変化に怯え、背筋を寒くした。

 ・・・・叫ぼうとして声を出せず、「それ」から逃れようとして失敗し。

 とうとう、ニースの胎内に精液がぶちまけられた。

(あ・・・・あ・・・・いやあああああ!!)

 熱いものが膣壁にびゅっ、びゅっと叩きつけられていた。

 身体の中で、薄気味の悪い蠕動が続く。中で精液がどんどん広がっていく感覚が続いた。

 ・・・決定的な凌辱を受け、ニースは泣き叫んだ。

 美しい顔が涙に歪み、ふさがれた口があらんかぎり広げられる。

(ひ・・・ひ・・・・ひ・・・・・!)

 ニースは子供のように泣きじゃくっていた。

 ・・・・子供のように。

 彼女は、12歳の少女として、ふさわしいかたちで、泣いていた。

 

  

 

 

 はあはあと荒い息をつきながら、ギャラックは眼下の光景を見下ろした。

 ニースは、地面にうつぶせに倒れたままだ。秘部からどくどくと精液をあふれさせている。

 脚はだらしなく開かれたままだ。

 体の筋肉に力が入らないのだろう。ぐったりと、気絶しているように地に体をつけている。

「へ、へ・・・・へへへ・・・・」

 ギャラックは、いいようのないほどの興奮を感じていた。聖女を犯しぬいたという事実がギャラックの征服欲を満足させ、その気分を昂揚させている。

 あられもない姿をなげだすニースを見下ろすのはなんとも気分がよかった。

 傭兵に混じり戦いだけを続けてきた自分が感じたことのない満足感が湧きあがってくる。

(いいザマだ・・・・)

 ニースは、どんなに飾らず自然にしていてもフレイムの重鎮の娘であった。

 どうあっても自分のような者の手に落ちる女性ではありえない。

 その女が、無様に精液をたれながし、地面に横たわっている・・・・。

 

 涙の雫が頬から落ちるのを感じ、ニースはううとため息をついた。

 猿轡はまだ外されていない。

(痛い・・・・・)

 秘部からは未だに鋭い痛みが伝わってきている。ちりちりとかみそりで切ったあとのような痛みだ。

 身体中あちこちに疲労があり、体を動かすことも容易ではない。

 それでも・・・・それでも、ニースは、凌辱が終わったと信じ、ほっとして体を横たえていた。

(あの感覚・・・・いったい・・・・)

 凌辱されている間、彼女は、なにかが「目覚め」そうになるのを感じていた。

 それは、例えば淫虐な欲望だとか、そういったものとはまったく違う、自分の心を完全に塗り替えてしまうような何かだ。

 それが目覚めたら、「ニース」という存在そのものが引き裂かれてしまうような何か。

 もう少し凌辱が続いていたら、もしかして、それが・・・・・。

 自分とは別の、もう1つの魂が、体内に眠っている。

 そのことがはっきりと知覚できた。その魂が呼び覚まされ、体内をうごめくような様子がわかった。

 目覚めれば、どうなるのか・・・・。今の自分の意思はどこへいってしまうのか?

 女神への信仰と意志で封じられている、邪悪な自分の一部。

 それが、自分を支配しようと動き出しているのだ。

 ニースはおぞましさに震えた。胸を両腕に抱き、心細そうにその身を震わせた。

(あの凌辱が、もう少し続いていたら・・・・!)

 

 桜色に上気した肌が、震えている。

(思った通りだ・・・・・)

 ニースが震えている。初めての体験がショックだったのだろう。

 自分の身体を抱きしめ、恐怖の感覚を反芻するように身震いしている。

(よし、これで・・・・)

 目的は達成したようなものだ。処女を失った心の傷は大きいだろう。

 よもやこの先旅を続けようなどとは言うまい。

 笑ってしまいそうだ。ことは簡単にすんだ。

 この聖女も、所詮は人の子だったのだ。

(へへ、アソコがひくひくしてやがるぜ・・・・)

 引きぬかれた肉棒をせつなく求めるようだった。精液を入口から吐き出し、かすかに赤くはれた肉ヒダが動いている。

 べちゃべちゃのアソコは、男をさそう香りをふりまいていた。

 ギャラックは、自分の肉棒に目をやった。

 一度精を放った直後だというのに、まだ天をつくように屹立したままだ。あれだけ気持ちよく出したあとだというのに。

(・・・・ついでだ)

 ギャラックの目はニースのもりあがった尻を凝視していた。

 早熟な胸にはおとるものの、立派に熟れた尻たぶにギャラックはたまらない魅力を感じていた。

 前の穴のしまりは抜群だった。後ろはどうだろう?

 好奇心と嗜虐の心がギャラックを支配した。

 

(・・・・後ろも、頂いておこう)

 そう考えたとたん、肉棒がさらに硬くなった。

 ニースの体の虜となったかのように、ギャラックの体が動き出した。

 

「・・・・う、う・・・・!?」

 尻に手があてられる。さわさわとやさしくなでられたあと、尻肉が割り広げられた。

 肉が押しのけられるように動いて、小さなすぼまりが顔を出す。

「・・・・あ、あ・・・・?」

 ニースは、もちろんアナルでの男の交合のことなどしらない。ギャラックの行動は理解できない。

 また、犯されるのだろか? 恐怖は体に走った。

 だが、ギャラックの次の行動はニースの予想をあまりに越えていた。

「!!」

(ひ・・・き、汚いっ!)

 ギャラックも顔は、ニースの尻肉の間に押しこまれるようにしていた。

 ベロが激しく前後する。菊孔が刺激される、未知の感覚にニースの背筋が震え上がった。

 ニースは、信じられない思いでギャラックの顔を見、なんとかそれから逃れようとした。

「おいおい、暴れんなよ。濡らさねえで入れたら裂けちまうぜ」

 びくり。

 ニースの体の動きが止まった。

(ど、どういう・・・・こと?)

 ギャラックは、構わずベロで肛門を嘗め回す。はじめは唾液を穴のまわりにまぶすようになめていたのが、そのうち菊孔をほじくりかえすようにベロをつきたて始めた。

 くすぐったさと恥じらい、それにかすかに伝わってくる快感が入り混じって、ニースはどうしようもない顔をした。

 頭の中は混乱している。聡明な彼女でも、後ろで交わるという行為は想像がつかなかった。

 どうして、お尻を・・・・?

 疑問符とむずがゆさでニースの頭がしびれだす。

 ベロが、よりいっそう深くさしこまれた。

(あ、いやあ・・・・!)

 お尻の穴を広げられるような感覚。おぞましい刺激に、ニースはびくんびくんと身体を跳ねさせる。

 ギャラックは満足げにニースの反応をみやり、肉棒に手をかけた。

 最善から屹立したままの肉棒は、もういまにもはじけそうなほどそそりたっていた。

 ギャラックの手が、ニースの体をだきかかえ、持ち上げる。

 うつぶせになったままのニースの肢体をちょうど自分の肉棒の上に来るまでもちあげた。

 愛液と精液で濡れた肉の塊が、真下からニースを狙っていた。

(え、え・・・・?)

 位置があわない。足をぱっくりと開かれて持ち上げられているのに、見下ろしてもギャラックの肉棒が見えない。

 はっと視線を巡らせて、ニースはようやく相手の狙いを察することができた。

(お尻・・・・? 嘘でしょ・・・・!?)

 ギャラックの肉棒が入口をこづいた。・・・・大きさがあわない。

 さすがにすんなりとそれを受け入れるには、ニースの体は小さすぎた。

 ニースは前に挿入されたときのことを思い出した。あんなにきつかったあれが・・・・お尻の穴に?

(入るわけ・・・・ないよ・・・・?)

「・・・・ちっ」

 ギャラックが舌打ちして、いったんニースの体を自分の膝の上に下ろした。

 ニースの菊口は乾ききり、寒さに硬く入口を閉じていた。

 膝の上に抱いた少女のアナルに、指先をあてる。

 ぐっ、ぐっ、ぐっ。

 乱暴に押しこんだ。力任せのつっこみを受け、ニースのアナルがギャラックの指を飲みこんでいく・・・・!

(あ、あ、ひっ・・・・!?)

 一本。二本。

 指が中を蹂躙し始める。ずんずんとつきたて、ぐっと押し広げ、内側を撫で回す。

 身体の中をのぞかれるような衝撃だった。

 ギャラックは指に唾液をまぶしながらどんどんニースの体の奥底に侵入していく。

 指がアナルから離れるたび、ちゅぽんちゅぽんと音が響き、ニースは羞恥に顔を赤らめた。

 絶え間ない、前後運動。

 ウンチをずっとしつづけているような、不思議な感覚。

 指が入口をまさぐるとむずむずする波がニースの身体に走った。指が抜けようとすると、せつない解放感が身体をつつむ。

 未知の感覚だ。

(う、うわあ・・・・!)

 気持ちいい。なんでこんなに、いいのだろう?

 いつのまにか、ニースはギャラックの指にあわせて腰を動かし始めていた。

 もう、ギャラックの指から逃れようという動きではない。

(ひ・・・! いや、どう・・・・なっちゃうの・・・!)

 ギャラックの指が内壁をこりこりとかく。

 ニースは、粘膜から響く衝撃に声にならない叫びをあげた。

 ・・・・もう、限界だ。

 お腹の中からなにかがせまってくる感覚がかすかにあった。

 お尻が、欲しがっている・・・・!

「よっ・・・・と」

 声をだしてニースの手を運ぶ。ニースの両手が、白いお尻の肉を片方づつつかんだ。

 お尻を押さえるニースの手を、ギャラックはぐいぐいと押し広げて見せる。

 ・・・・・自分の手で、お尻を広げる格好だ。

 己のアヌスを、自分で公開する。正気な女性ならけしてとれぬポーズだった。

 ニースは動けない。ギャラックの手が離れても、自分でお尻を広げるポーズのまま、虚ろな目をして地に伏していた。

 

 もう一度、肉棒が菊口にせまる。

 入口が、ちゅっと音をたてて押されていく。肉棒の先端が、少しだけ穴の中に入った。

(あとは、力づくで・・・・!)

 めりめりめり。

「!!」

 ニースは、自分の体ががくんと揺れるのを感じた。

 瞳の裏で激しい爆発が起きる。

 視界が封じられ、目も、鼻も、顔中の穴という穴を押し広げて苦痛に耐える。

(な、な、な・・・!!)

 身体に釘でも打ち込まれているような衝撃だった。

 指で徹底的にほぐされたはずのアヌスは、それでもまだ全然狭かったのだ。

 腸壁を中から押し出されるような純粋な痛み。

 直前の舌や指での愛撫は意外な快感からは信じられない・・・・恐怖をもたらすほどの苦痛。その落差にニースは驚き、痛みに咽び泣き、悶絶した。

(痛い痛い痛い・・・・・!)

 前に比べても激しすぎる激痛。

 ニースは涙をとめどなくあふれさせていた。

 

 ずん、ずん、ずん。

 リズミカルなタイミングで腰を奥に押しやりながら、ギャラックは恍惚の笑みを浮かべていた。

(これで、これで・・・・全部、俺のものだ・・・・)

 ニースは、健気にも両手でギャラックの体を押し、尻につきこまれた肉棒を抜こうとやっきになっていた。

 前に比べて、よほど痛いのだろう。よく見れば顔はかすかに青くなっていた。

「よっ!」

 ニースの努力をあざわらうように肉棒がつきたてられる。

 アナルの奥深くをえぐられ、ニースが激痛に泣く。

「ぐ・・・ぐ・・・うう・・・」

 声が聞きたいな。

 ギャラックはそう思い、上体だけ起こしてベルトを抜き取った。

 口から下着を取りだしてやる。

 呼吸が楽になったおかげか、ニースの顔に大分生気が戻ってきた。

「えふっ、えっ、えっ・・・」

 咳き込み、えずく。喉が苦しいのだろう、さかんに口をあけたままハアハアと息を荒げていた。

「どうだい、お嬢ちゃん、感想は?」

「あ、あ・・・・」

「しゃべれないか?」

「・・・な、なぜ、こんなことを・・・・?」

 ギャラックの手がニースの胸にあてられる。

 あいかわらず尻穴を犯したまま、胸肉がもみしだかれた。

「そんなことを聞いているんじゃねえんだよ。気持ちいいか?」

「い、痛い・・・・です」

「そうか。なら、気持ちよくなるまでやってやろう」

 さらに肉棒がつきこまれる。

 ギャラックの長大なモノは、もう7割近くまでニースのアナルに飲み込まれていた。

 時折体を振るわせるだけで、ニースは悲鳴をあげ、その小さな体をいっぱいに広げて苦痛を表す。

 

 快感を感じるどころではない。

 ニースの意識はもう、薄皮一枚だけをのこした状態だった。もう、はっきりものを考えることも出来ない。

 うなされるように、ただ、同じ言葉を繰り返すだけだ。

「ああ・・・う・・・な、なんで・・・・なんで・・・」

 肉棒が突きこまれるたび、メイスで頭を叩かれたような衝撃が走る。

 心が打ち砕かれるように、考えられることが減っていく。

「・・・どうして・・・・こんな、ことを・・・・」

 泣きながら問いつづける。

「てめえが生意気だからだよ」

「あ、あ・・・」

「男に勝てるとでも思っているようだからな。少し、思い知らせてやったんだ。

 俺にも勝てねえ奴が、黒の導師なんぞに勝てるかってんだ。

 おまえなんざ、チンポつっこまれてあんあんよがっているだけの女なんだ」

「そ、そんな・・・」

「そら、どうだ? いいだろう」

「ひ、ひ・・・・!!」

 ギャラックの肉棒が奥底までつきこまれる。体が上下に揺さぶられ始めた。

 振幅自体は前を犯されたときに比べれば小さい。だが、直腸とお腹にかかる衝撃はそれ以上だった。

「あ、ああああああ!」

 お腹がぐるぐると鳴っている。ニースは、それを痛烈に感じた。

 腸をシェイクされ、中のものが飛び出さんばかりに暴れている。

「抜いて! 抜いてください! で、でてしまいます」

「何がだ? お嬢ちゃん」

「・・・・っ」

「なに?」

「ひっ、う、ウンチです・・・・!」

「おやおや、それは一大事」

 ニースの切羽詰った声にも、ギャラックはまるでとぼけた様子だ。

 悲鳴を上げつづけるニースに構わず、ギャラックはさらに動きを早めた。

「いや、いや、いやああ・・・・!!」

 ついに尻の中に精液が出され、ずるりと肉棒が抜け落ちる。

 とたん、ニースの尻穴は爆発した。

 ぐちゅ、ぐちゅぶちゅと音をたて、垂れ流すように次々と尻穴から排便を繰り返す。

「あ、あ・・・・・!!」

 ニースは泣いた。ツンと鼻をつく香りがただよってくる。

 身体に力が入らない。手足が、きちんと動いてくれない。

 ニースは、そのまま地面に倒れこんだ。

 頭もぼうっとして、まともに動いてくれない。

 

 男の、ギャラックの・・・・勝手な言いぐさだけが耳に残っていた。

 生意気だ、と。そんな理由で。

 自分勝手で一方的な理屈で、自分はレイプされた。

 あまりに衝撃的なその事実が、重りのように心にのしかかっていた。

 レイプされたあげくに、ウンチまでもらしてしまって・・・・。

 ・・・・もう、なにも考えたくなかった。

 疲れ果て、体のすみずみまで痛めつけられて、ニースは意識を失った。 

 

 夢。

 混濁し、ブラックアウトする意識は、ニースに夢を見せていた。

 白い霧と、男の影。・・・・昨日まで見ていた、あの夢。

 その、夢の中で。

 ・・・・ニースは、なにかを受け入れた。


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