キサナの冒険 6


11

 

 季節は春すぎ。

 すでに、外気も暖かくなり始めている上、もともとこの地方は温暖な気候で知られる土地柄だ。

 それでも、さすがに裸で屋外で眠れば、風邪をひくぐらいは覚悟しなければならなかっただろう。

 キサナが、心地よい目覚めを迎えることができたのはむしろ怪しむべきことだった。

「・・・・?」

 キサナは毛布が自分にかけられていることに気がついて驚いた。

 それも、これは昨日・・・・ミリアと二人でいたときに使っていた「自分の」毛布だ。

 一瞬、今までのことは全て夢だったのではないかと、疑いたくなり・・・・。

 身体を起こそうとして、失敗して。現実を思い知らされた。

 腕は、失われたままだ。

 肩口から先に・・・・本来、それだけで人々の羨望をあつめるような、しなやかな両腕は、そこにない。

 それに、毛布の下の肢体は裸のままだった。

 事情がつかめず、キサナは苦労してあたりを見まわした。

 仰向けにねころんだままだったので、首を回すのにも一苦労だった。

(・・・・まぶしい)

 朝日が昇っているのが目に入った。

 魔物との淫劇は結局夜明けの寸前まで続いていたような気がする。と、なれば意外にすぐ気がついたのか・・・・。

(それとも、一日寝てたのかな・・・・)

 後者の方がありえそうだった。

 見下ろすと、身体中になすりつけられた精液もふき取られている。

 ・・・・脚の痺れは残っている。

 膝を曲げることができない。立ちあがるのは無理らしい。

 でも、それ以外は・・・・できる限り、きれいにしてくれたようだ。

 ずいぶん、親切な人が助けてくれた・・・・のだろうか。

 

(・・・・? 誰もいない・・・・)

 キサナは、腹筋を使ってどうにか起きあがった。

 腕がないだけでこんなに不便なのか、というほど苦労する。

 ようやく置きあがったら、今度ははだけた胸を隠すすべがないことに気がついた。

 毛布は腰まで落ちてしまい、それを身にまとうことも出来ない。

 仕方なく、口で毛布の端をくわえて肩に引っ掛けた。

(気にすること・・・・ないかな。どうせ、こんなに汚れちゃったし・・・・)

(・・・・・ううん、そうじゃない)

 首をふった。

 たとえ、自分の身がどんなに汚されても、恥じらいや屈辱を感じなくなるような自分になるのは嫌だった。

 そういえば・・・・。

 ふと、キサナは思い出した。あの、燃えるような極端な性衝動が、今は襲ってきていない。

 蛇の毒が抜けたのかどうかはわからないが・・・・ともかく、今は効果が発揮されていない。

 普通に、考えることが出来る。

 あらためて胸をなでおろした。

 

(とにかく、辺りの様子を確認しなきゃ・・・・)

 ようやく胸を隠して・・・・後ろから見たらお尻丸だしの状態だったけど、準備がととのったところで。

 後ろから声がかけられた。

「・・・・キサナ君?」

「あっ、は、はいっ!?」

 思わず勢いよく振り向いて、せっかく肩にかけた毛布がはらりと落ちて・・・・また、胸がさらされる。

 それを必死に隠そうとして、狼狽する。

 ・・・・ともかく、そんな・・・・昨日のことを忘れさせるような、そういうやりとりができる相手だった。

 ずいぶん長い間、二人で見詰め合って・・・・それから、ようやく男の方が口を開いた。

 力強さと、若さに似合わぬ威厳を兼ね備えた男性。

 レイプされている間も、キサナの心の中にいて支えてくれた恋心の対象。

「・・・・気がついたみたいだね?」

「はい・・・・ウィッド様」

 ・・・・助けてくれたとしたら、この人しかいない。

 そういう思いは、どこかにあった。

 それでも、会えたことが嬉しくて。ウィッドが傍らまで歩いくるのを待つのももどかしくその胸に飛びついた。

 抱きつきたいのに、その腕は失われている・・・・。

 ウィッドがすっと受け止めなかったら、そのまま倒れこんでしまいそうなほどの勢いで、キサナは飛び込んだ。

 毛布が落ちて、丸裸になって・・・・その姿のまま、ウィッドの胸に抱かれた。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 何があったのか、とか。連れのミリアはどうした、とか。

 聞きたいことはいくらでもあっただろう。なのに、ウィッドは何もいわず、じっとキサナを抱き続けてくれた。

 その胸の・・・・腕の温かさに。

 キサナは、体重を全て預けたまま泣き出した。

 

 それから。

 自分用に服を直してくれるウィッドの傍らで、キサナはゆっくり事情を話した。

 泣きながら・・・・ときおり、嗚咽して言葉につまりながらも、全部・・・・全てを話した。

 ウィッドは、話をうながさず、口もはさまず、ただ、じっとその話に聞きいって・・・・。

 全て終わってから一言、

「がんばったな」

 といってくれた。

 キサナはウィッドの肩を借りて、わんわんと泣いた。

 子供のように、じっと・・・・ただ、泣きつづけた。

 ・・・・幼少のころより将来を嘱望され、周りから期待されつづけ、自身が早熟だったために自律が早かったキサナにとって。

 こんなに、人に甘えたのは久しぶりだった。

 甘えなれていないせいもあって、まるで涙が止まらず、泣き疲れるまで泣きつづけた。

 

 食事は、ウィッドが食べさせてくれた。

 やられてみると、結構面倒くさい作業であることは容易に察することができたけど・・・・それでも、ウィッドはたんたんとスプーンを運んでくれた。

 

 直した服を着せるのも、ウィッドがやってくれた。

 

 身体にふれる衣服の感覚が、すごく懐かしいものに感じた。

  

 なにもかも、ウィッドがやってくれた。

 キサナは、感謝すると共にどうしようもない気恥ずかしさを覚えて赤面した。

  

 お昼を終えて。いったんノーゼリアの町まで戻ろうか、という彼の言葉を受けて移動がはじまった。

 キサナは、脚がまだ痺れていて、歩けない。普通に立つだけでふらふらとよろけてしまう状態だ。

 ウィッドはキサナをおぶおうとして・・・・腕のない女性を背負うことが難しいと気がつくと、そのまま両手でキサナを抱き上げてくれた。

(あ、ウィッド様・・・・)

 憧れの人。

 その言葉が、キサナの頭の中に浮かんでは消えた。

 有り余る才能を持って生まれてしまっただけに、キサナはウィッドに会うまで、自分より「優れた」人間にあったことがなかった。

 剣の腕でもなんでも、成長の過程においては「敵わない」と思ったことがない。

 それだけに、怪物退治に洞窟に潜って、共に戦って・・・・。

 ようやく、自分が目標に出来る人がいたと驚いたものである。

 初めて、あこがれる対象を手にいれたと言ってもいい。

 それだけに、キサナの胸は高鳴っていた。

 その、憧れの人に抱かれている。

 キサナの胸は高鳴り、顔が赤く染まった。

「馬に、乗ってくればよかったな」

「いえ・・・・」

 ウィッドは、領主としては内政に参加していないらしい。自分の部下にまかせきりで、時折式典に顔を出す程度だという。

 それで領主がつとまっているのは、ありあまる名声と、代わって選ばれた内政官の功績だ。

 そして、ウィッド自身は暇があると周辺を旅して回っているらしい。

 魔物退治をするでもなく、ただぶらりと・・・・自分の領内を旅して回っているそうだ。

 キサナは、その、ウィッドの旅の出発直後に見つけられたらしい。

 あまりの幸運に、キサナは神に感謝した。その前の、悪夢のような不運はさておいて・・・・。

 

 キサナは、ウィッドの腕のぬくもりに守られて旅を続けた。

 ウィッドの腕はあたたかく、自分を慈しんでくれていることがはっきりと伝わってきた。

 キサナは嬉しくて、できるならウィッドの首筋に抱きつきたいと思い・・・・。

 結局、それもかなわず、身をよじってウィッドに自分の身体を押し付けた。

 服を間にはさんで、じわっとぬくもりが広がる。

(ウィッド・・・さまぁ・・・)

 涙が出そうになった。

 泣き尽くしたと思うほど涙を流し、涙腺が枯れるほどあれほど泣いたというのに・・・・。

 キサナの目は、そのあたたかさに、うれしさに、涙をにじませた。

 気持ちいい。このまま、眠ってしまいたい。

 ウィッド様に、全てを預けて、じっとしていたい・・・・。

 ぼうっと、そんなことを考えていた。

 ウィッドは、そんな様子のキサナを見ながら、ゆっくりと切り出した。

「腕だけど・・・・」

「・・・は、はい」

「接ぐことはできると思う。僕の城の治癒魔術師なら、たぶん。でも、満足に動かすことは出来ないと思うよ」

「え・・・・?」

 腕が、接げる?

 キサナの顔が喜びに満ちた。

「かなり不自由はあると思うけど・・・・」

「は、はい・・・・! あ、でも・・・・えっと」

「切られた腕なら、僕が回収してある。血止めして、包んで、背嚢に入っているよ」

「あ・・・・す、すみません・・・・」

「・・・・治っても、もう旅に出たりしないでほしいな。僕の城で、ゆっくり暮らせばいい」

「・・・・いいんですか?」

「いいとも。もう、君は勇者として十分に働いたさ」

 至れりつくせり、だった。

 キサナは、ふと自分に期待してくれる人々の期待に、もう応えられないことに気づいて・・・・少し悲しくなった。

 でも、それ以上に。

 もう無理をしなくていいといってくれたその言葉が嬉しくて・・・・。

 そんなことを言ってくれた人は、これまでいなかった。

 期待を、重荷に感じることはあまりなかったキサナにも、その言葉は、新鮮で・・・・とてもやさしく響いた。

 キサナは、思いきりウィッドの胸に顔をうずめた。

 暖かい、優しい人。

 キサナは、ウィッドの城でおくる自分の未来に思いをはせた。

 腕のリハビリに励むのも、もう旅に出れないのも・・・・この人のそばでやるなら、いっそ嬉しい・・・・。

 そうだ、また、腕がうごかせるようになったら、この人のために、何か・・・。

(それに、まだ、あたしは・・・・)

 結婚だって、できる。

 身体は汚されてしまったけど。

 それでも、この人なら。きっと、自分を受け入れてくれる。

 そうに、違いない。

 キサナは、幸せな未来を思い描いて眠った。

 

 

12

 

(あ、あれ・・・・?)

 ウィッドに抱かれての旅が始まって。・・・・これまでにないほど安心できる旅の、二日目の夜だった。

 ノーゼリア領の村が見えるまであと少し、という辺りでの夜営中の出来事である。

 村まではわずかな道のりだったが、さすがに人一人抱きかかえての行軍はつらい。

 早々に夜営を決め込むことにしたその地点で・・・・。

(ど、どうしよう・・・・?)

 キサナは困っていた。

 未だに脚はしゃんとしない。バディオスの魔力はかなり強力だったようで、足はまだ痺れたままだ。

 膝に力が入らず、立ちあがろうとすると無様に転ぶ形になってしまう、そんなときなのに。

 キサナのお腹がなっていた。

(あ、あ・・・・)

 膀胱にも圧迫感がある。

 そういえば、あの魔の夜以来、一度も・・・・排泄をしていない。

 しかも、あの夜、キサナの尻穴は何度もオークに貫かれた。

 括約筋は、どうしても緩くなっている。

 ぐるぐるとお腹がなった。

 尻穴に、内部から伝わる圧迫感がある。下腹部に、奇妙なほどの大きさの熱さがあった。

 猶予は、ほとんどない。

 いまにもお腹のうめきが体外に放出されそうな予感が背筋に走った。

「うぃ、ウィッド様ぁ!」

 必要以上に大きな声が出てしまって、ウィッドが驚いてやってきた。

 ・・・・ウンチがしたい。

 その欲求は、すでに耐えがたいほどに大きくなっている。

 それなのに、顔が赤らみ、どうしてもそのことが伝えられない。

 幸い、察しのいいウィッドはすぐにそれに気づいた・・・・ものの。

 それからは、キサナにとっての地獄だった。

 

(あ、あああああ・・・・!)

 手で、顔をおおいたくなる状況だった。

 キサナは、幼児がおしっこをするときに親にかかえあげられるような、そんなポーズを取っていた。

 ほのかな・・・・あわい恋心を抱いた相手に、後ろから抱きあげられ・・・・脚を開かされているのだ。

 膝の下に手を回され、脚はMの形に開かれている。

 正面から見れば、秘部は丸見え・・・・後ろからキサナを抱きかかえるウィッドにしても、少し視線をおろせば見えてしまう姿勢だった。

 ・・・・恥ずかしい。

 あまりの恥ずかしさに、顔を正面に向けることもできない。

 たとえ、魔物に身体を汚された身であっても、好きな人に排泄を見られるなんて、とても耐えられない。

(うう・・・・!)

 ならいっそ、さっさとすませたい。それなのに・・・・ウィッドの視線が、どうしても気になる。

 見られている。

 そう思うと、全然進まない。

 すでに全裸をさらした身であっても、これだけは・・・・という思いが邪魔をする。

(ああ・・・・う・・・・)

 ウィッド様は、あの人は、こんな自分をどう思うだろう?

 迷惑がっている様子はまったく見うけられないけど・・・・。自分のはしたなさが、キサナは悔しかった。

(あ、あ、あ・・・・!)

 ウィッドに抱えられてから、ずいぶんと時がたって。

 ようやくキサナの尻穴が開き始めた。知らず知らずのうちに必死に我慢していたためか、出るときの勢いはすごかった。

 ぷり。

 ぶり、ぶり。しゃあああああああ。

 排泄の音は、キサナが耳まで赤くなるほど大きかった。

 括約筋を広げられ、緩んだ尻穴から、ずるずると汚物がひり出される。

 おしっこも・・・・勢いよく出た。

 一度はじまると、足にもお尻にも力が入らず・・・・とめられない。

 ぐぐぐぐぐぐぐっ。

 しゃああああああ。

 キサナが、恥じ入って顔を上げられなくなるくらい、その地獄の時間は続いて・・・・。

 しかも。

「・・・・終わった?」

「・・・・は、はい・・・・」

 汚れた尻穴をふくことさえ、キサナには一人ではできなかった。

 ウィッドが、キサナを地面に横たえて、まるで赤ん坊のオムツを交換するようなポーズでお尻の掃除をはじめたとき、キサナは全身を真っ赤にそめて恥ずかしがった。

 男の前で、あおむけに寝転がり、両足を・・・・Mの形に大きく開いて。

 それはまるで、男に「おねだり」をしているポーズのようで・・・・。

 そんなポーズをとりながら、苦渋に耐えるキサナの目に、ふと。ウィッドの、股間が映った。

(た、勃ってる・・・・!? ウィッド様・・・・!)

 考えてみれば、当たり前のことだ。

 うら若い美しい少女が、下半身を裸にして、目の前にいるのだ。

 しかも、その・・・・まるだしの秘部にほど近い尻を、手絹でなでている。

 ワレメも、白い肌も・・・・小さなすぼまりも、全て視界に入っている。興奮しないはずがない。

(や、やだ・・・・!)

 それに気がついたとたん、キサナの身体に、火がついた。

 ウィッドの、脚を押さえ、尻の間に布をおしつける動作が、急にいやらしく思えてきた。

 衝動が襲ってくる。精神の、中枢をゆさぶるような波が全身を走り、皮膚が刺激を求めて鋭敏化する。

 乳首がたち、脳から性的な欲求が次々と発信される・・・・。

(ん、く・・・・!)

 あの夜の、蛇毒に侵されたときの狂騒が帰ってきたかのようだった。

 だが、このときのキサナは・・・・ウィッドの手の動きに呼応して、その、荒荒しい性欲の波に飲み込まれた。

 あの魔の夜は、必死に耐えた。だが、この日は・・・・流された。

 欲望にさからわず、素直に・・・その感覚に、身をまかせた。

(あ、ああ・・・・!)

(そこ、もっとなでて・・・・! 前も、前もいじって・・・・!)

 声がもれないようにするのが精一杯だった。

 キサナの腰が、あやしく前後した。

 あそこの奥が、じんじんと熱くなっている。

 乳房が、また興奮してきた。手が失われてなかったら、また両手で胸をもみしだいていただろう。

(ああ、だめ・・・・・!)

 胸に、刺激がほしい。

 乳首をつまんでほしい。

 背中もなでてほしい。

 キスしてほしい。

 ワレメを。こすってほしい・・・・。

 次々に欲求が頭の中をかけめぐった。

 ウィッドの手が離れても・・・・熱はとまらない。手も脚も動かないのに、身体だけがもじもじとうごめいている。

 まだ下着もスカートもはかず・・・・さらけだしたままの秘部まで、妖しく、ひくひくと動き出した。

「・・・・キサナ君・・・・?」

「・・ウィッドさまぁ・・・・・!」

 声も、鼻にかかった甘い声になってしまった。

 脚は・・・・・脚も、開きっぱなしだ。愛液が、とうとうワレメにあふれだし、池を作った。

 肩をゆりうごかして、上半身の衣服をはだけさす。

(ああ・・・・ダメ・・・・)

 お尻が、Sの字をかくように動いた。

 乳首がはっきり勃ちあがり、ひくひくとゆれた。

 キサナは、もはや激しい衝動を押さえようとしなかった。

「して・・・・・して下さい。お願いですぅ・・・・。ウィッド様ぁ・・・・」

 早くもあそこのうずきは最高潮に達していた。いやらしくねだる自分のあさましさは、もう目に入らない。

 腰がなまめかしく動く。腕がないのがかえってエロティックな感情をそそった。

 ウィッドは、ごくりとつばを飲み込んだ。

 

 ウィッドは、性方面ではさほどな達人ではない。

 もちろん、キサナほど遅れてはいないにしろ、20代後半という年齢で女性にもてるわりに、彼は女性の扱いが下手だった。

 あまりこういうことには慣れていないといってもいい。

 それでも・・・・さすがに目の前の情景には突き動かされた。

 キサナの美しい裸体は強烈に自身の性欲を刺激していたところだったから、ウィッドはキサナの求めに、一も二もなく応じた。

 覆い被さるようにキサナの上にまたがり、あらあらしくその上着を脱がす。

 現れた乳房に手をあて、激しくもみしだく。

「んぅ・・・・もっと・・・・!」

 キサナが恥じらいもなくさらなる愛撫を求めた。

 蛇の毒が残っていたのか、それとも悪夢の中の自分と意識を重ねてしまったのか・・・・。

 それまでの様子からは考えられないほど、キサナは奔放に・・・・性の衝動を受け入れていた。

 あるいは、昨夜の悪夢は本当にキサナの「期待」を表していたものだったのかもしれない。

 

 キサナはウィッドのひとつひとつの動きにいちいち反応し、声をあらげてさらなる刺激を求めていた。

「・・・・あそこもぉ・・・・いじって・・・・・」

 満足に身体の動かせないキサナは、ウィッドの刺激に感じてはまた新たな「おねだり」を繰り返した。

 ウィッドも、いちいちそれに応じる形で腕を動かす。

 胸をはげしくおしつぶし・・・・乳首をひねりあげるようにつまみ・・・・その乳首に口をつけ、思いきり吸い・・・・ついで、その乳首に思いきり歯を立て・・・・いちいち、キサナは身をよじり、快感にもだえた。

 全身が性感帯になったかのようにキサナは感じ、快楽をむさぼった。

 ぺろぺろとウィッドの舌がキサナの身体をなめまわし、とうとうそれが口をとらえ、激しいディープ・キスに変化した。

 キサナは幸せそうに鼻をならし、その身体をできるかぎりウィッドに押し付け、むせびなく。

 ウィッドが両胸を同時にもみ、秘部に顔をつっこんで泉の液体をすすりはじめると、キサナのあえぎはよりいっそう激しくなった。

「うん、ううんっ!! もっと、もっと深くぅ! お尻も、お尻もぉ・・・・せつないのぉ!」

 先ほど排泄をすませたばかりの、まだ暖かい尻穴に指が入れられる。

 しゅっ、しゅっと指が出し入れされると、キサナは背中をぐぐっとそらして快感にむせびないた。

(あふうん・・・・気持ちいいよお!)

 口からはよだれがあふれ、いつものきりっとしたキサナの顔立ちはすでに消し飛んでしまっっていた。

 秘部からもとめどなく愛液があふれ、ウィッドはそれを何度も舌でぬぐって飲み干した。

 ・・・・・キサナは全身で快楽を味わい、それを楽しんだ。

 すでに意識ははじけとび、まともな思考が動いているとは思えないキサナの様相であった。

「ああ・・・・」

 ウィッドがたまりかねたようにズボンを下ろした。

 肉棒はぎんぎんに勃起している。キサナは、うっとりとそれをながめる。

「欲しいよぉ・・・・」

 肉棒への恐怖感はどこへ消えたのか。

 キサナは、肉棒をとり出したウィッドを押し倒すようにして、ウィッドに、馬乗りになった。

 キサナのワレメが、肉棒をもとめて激しくうごめく。

 秘部と肉棒がぶつかって逃げるたび、キサナのあそこはそれを追いかけて動いた。

「ああん、はいんないよぉ。入れて、入れてッ!」

 馬乗りになったまま、キサナがねだる。

 中腰になり、ウィッドの肉棒に狙いを定めての言葉である。

 さすがに手を使わずに肉棒をインサートするのは難しかったらしい。

 ・・・・中腰。

 いつのまにか、キサナの脚のしびれはなくなっていたらしい。

 脚から腰にかけてのラインがうねり、妖しくうごめき、ウィッドの欲望をさそっている。

「・・・・・・」

「ん! いいっ!!」

 ウィッドの手が肉棒に添えられ、とうとうゆっくりとキサナの秘部に入りこんでいった。

 キサナは腰をはげしくくねらせた。

 自慢のヒップが、勢いよく上下にゆさぶられる。

 ぐいぐいと肉棒をしめつけながら、キサナのワレメはウィッドの肉棒を飲みこみ、はきだしを繰り返した。

 あまりの激しい動きに、ウィッドはたちまち精液を吐き出してしまう。

「んん・・・・すごぉい・・・・」

 膣内に打ちつけられ、じわじわと広がる暖かさにキサナはうっとりと目をうるませた。

 ・・・・それでも、キサナの欲望はとどまらない。

 射精の後でずるっと抜け落ちた肉棒を愛しそうに見つめ、身をよじらせる。

(もう一回・・・・)

 元気を失った肉棒に自分のワレメをおしつけ、きゅっきゅっと上下に動かした。

 精液と愛液でぬるぬるになったワレメにこすられて、ウィッドの肉棒がたちまち元気を取り戻す。

 キサナがなんとか入れられないかと腰を上下するうちに、偶然、すうっと膣奥に肉棒が進入していった。

「あ・・・・やったぁ・・・・」

 膣に侵入した肉棒に、はっきりと歓喜の笑みをうかべ、それをやさしく迎え入れる。

 キサナの膣がきゅ、きゅっと肉棒をしめつけ、その歓迎の意を表した。

 すでにキサナの腰は激しく上下にゆさぶられている。つい先日まで処女だったとは思えぬほど、肉感的で・・・テクニックに優れた腰つきだった。

「うぅん・・・・お尻も犯して・・・・」

 膣での二回目の性交が終わると、キサナは尻を振って尻での結合を望んだ。

 それが終わると口で肉棒をくわえ、ぺろぺろとそれを可愛がる。

 ウィッドが精液を放つたび、キサナは淫らな艶笑をうかべ、新たなプレイを望んだ。

 身体の奥から湧きあがるような淫欲はとどまるところをしらず、何度もしおれた肉棒にむしゃぶりついた。

 ウィッドが七度精を放ち、さすがに疲れてキサナの胸で眠ってしまっても・・・・。

 キサナは、なお、自慰をしたい欲求に苦しめられていた。

 キサナ自身、幾度も絶頂を迎えていたというのに。

(おチンチン・・・・1つじゃ、足りない・・・・)

 男の精を絞り尽くしての、それがキサナの感想だった。 


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