キサナの冒険 4


 

 いったい、一晩で何本の肉棒をくわえこんだことだろう。

 キサナの膣内でオークの精液がはじけ、肉棒が抜かれても、またすぐに別の肉棒が差し込まれた。

 休む暇は与えられなかった。

 次々と肉棒がキサナを襲う。

 膣ばかりではない。口も、尻も、順番待ちをしているようにオークが入れ替わり立ち代りに犯しぬいた。

 快楽など、与えてなるものかといわんばかりに痛めつけた。相手のことなど微塵も考えない、暴力の嵐。

 キサナに痛みと苦しみを与えるためにレイプしている、といわんばかりのふるまいだった。

 はじめは時折顔をあげては黒ローブやオークをにらみつけていたキサナも、時がたつにつれ体力をうしない、ただ犯されるだけの人形のようになっていた。

「許して・・・・許してぇ・・・・」

 キサナの口から、哀願の声さえ漏れるようになった。魔物に許しを乞う勇者を、黒ローブは声をあげて笑い飛ばした。

 すでに、ワレメにさしこまれた肉棒の数は10を越え、20を越え・・・・秘肉は犯され過ぎてめくれあがり、そこからのぞく内側は真っ赤にはれあがっていた。

 キサナはぐったりとして地面に横たわっていた。

 すでになんの動きもみせず、ただ、オークの肉棒が近づくと身をすくませ、なんとか逃れようとするばかり。

 処女喪失と、それに続く最悪の輪姦体験が、キサナを幼児のように怯えさせていた。

(怖い・・・・いや・・・なんで、なんで・・・・こんな、こんなことに・・・・)

 残っているのは、肉棒への嫌悪感だけ。この無限地獄から逃れたい。

 キサナにあるのはただ、それだけの思いだった。

(頃合か・・・・性交への恐怖は十分刷り込んだ)

 黒ローブ・・・・バディオスはほくそ笑み、魔法を唱え始めた。

 使い魔となる獣を召還する魔法である。・・・・もちろん、ただの獣ではない。

 

 バディオスは視線をめぐらせた。

 傍らでは、キサナの連れ・・・・ミリアが全裸で倒れていた。もちろん彼女もオークの凌辱を受け、地面に倒れふしていたのである。

 バディオスはあおむけになっているミリアの耳もとまで移動した。

「おい、娘」

「・・・・あ、は、はい・・・・」

「まだ、キサナを助けたいか?」

「・・・・は、はい・・・・」

「・・・・お願いです。私は・・・・私は・・・・どうなっても構いませんから、あの子は・・・・」

「・・・・ふん」

 バディオスは鼻で笑った。

 最初、二人を捕らえたとき、先に気がついたのはミリアの方だった。

 ミリアは、辺りをとりかこむ魔物を見て驚いた。

 キサナも自分も、名うての剣士ではある。

 だが、二人とも、けして体力のあるほうではない。

 そのうえ、魔物の数は想像を絶するほどの数だった。

 50か、100か。

 ぱっとみて、数え切れないほどの大軍だ。ミリアにはこの包囲を突破できる自信は、到底なかった。

 なら、どうするか?

 この窮地にあって、意外なほど頭は働いた。必死に考え、そして、ミリアのだした結論はこれだった。

 彼女は言った。

「自分はどうなってもいいから、キサナは逃がしてほしい」

 と。

 

 ミリアにとって、キサナは希望の星だった。

 世界の平和とか、そんなことはどうでもいい。

 ただ、ミリアの・・・・ミリア自身が理想とする生き方をしている少女が、キサナだったのだ。

 だから、旅先で出会ったこの少女と共に旅をし、時にからかい、時に旅をし・・・・見守ってきたのだ。

 すれた半生を送った自分に代わり、理想の道を歩んでほしい・・・・。

 それが、ミリアの願いだった。

 だから、とても敵わない数の魔物に囲まれ、彼女は哀願した。

 キサナに、望みはたくせる。

 彼女なら、自分の分も生きてくれる。

 今はまだ未熟でも、きっとこの子なら、将来なにかすごいことをやってくれる。

 この荒れ果てた世界を平和に導くことだって・・・・。

 そう期待し、自分の身をささげたのだ。

 魔物の目を自分に向けるためにも、全力で奉仕した。

 魔物が約束を守るかどうかはわからない。でも、自分が・・・・敵の注目をひきつけ、隙をつくれば。

 あるいは、キサナ一人なら逃げられるかもしれない。

 そこまで考えての決意だった。

 ・・・・だが。

 キサナは逃亡しなかった。

 そして、あえなくバディオスに敗れ・・・・共に凌辱を受けるハメになったのだ。

 

「・・・・夜明けまで、あと2時間といったところか」

 バディオスは時間を確認した。

 さすがに、夜明けまでこの凌辱劇を続けるわけにはいかない。これだけの軍勢を動かしていることが人間にしられれば、向こうも軍を動かしてくるだろう。

 そうなれば、魔の領域から離れたこの地点での戦は自軍に不利だった。

「娘」

「・・・・は、はい」

 バディオスの口調に、キサナを攻め嬲っていたいたときの「軽さ」はまったく見うけられない。

 その迫力に、ミリアはやや気圧されていた。

「キサナを、せめろ」

「・・・・そ、そんな」

「我々は、夜明けには撤退する。キサナをおまえがせめ、イカせることができれば、キサナはここへ置いていくことにしよう。

 嫌だというなら、キサナはわれわれのすみかまで連れて帰る。

 おそらく、一生、慰み者となる運命だろう。・・・・どちらでも、好きにしろ」

「・・・・・・」

「悩むことなどあるのか?」

 ミリアの脳裏に、キサナの姿が浮かんだ。

 もちろん、ミリアにレズのケなどない。でも、キサナなら。

 自分の分身とも言える、あの子なら・・・・。

 それで、あの子が生き残れるなら・・・・。

「・・・・わ、わかりました・・・・」

「よし」

 

 淫劇の、第二幕のはじまりだった。

 ミリアは、疲れ果てた身体をなんとか起こし、地面に横たわるキサナのところまで歩いた。

 オークの輪姦は中断されている。バディオスの命令だろう。

 だが、それでもキサナは動くこともままならず、身を横たえている。

「・・・・キサナ・・・・」

「み、ミリア・・・・?」

 まだ、かろうじて返事をするだけの余力はあったらしい。

 喉がからからに渇いているらしく、かすれるような声がミリアを迎えた。精液が喉にからまり、声がゆがんでいた。

 全裸で見つめ合う二人の少女。

 白濁にまみれ、力を失った体とはいえ、それでもキサナは美しかった。

 ほっそりとしているのに、どこか力強さを感じさせる肢体。

 不安げに、自分を見上げるまなざし。

 魔物に汚され、打ち震える身体。

 ・・・・ミリアには、全てがいとおしく感じられた。

 肢体はきたならしく汚れ、身体には地面にこすられた怪我も多い。

「可愛そうに・・・・・」

 ミリアは、キサナの横にひざまずいた。

 キサナが身をおこそうとして、失敗する。

 ミリアとは、犯された回数が違うのだ。キサナの身体には、もう体力などカケラも残っていない。

 あらためて、ミリアは決心した。

 こんな状態のキサナを助け出せるとしたら、もう自分しかいない。

 自分が・・・・魔物のいいなりになって、彼女を助けてもらうしかない。

 そう、ミリアは決意した。どんなことになっても、キサナを助けよう。

(・・・・キサナ・・・・)

 キサナの両足はだらしなく広げられたままだ。長時間のレイプが彼女の脚から力を奪っていた。

 股を閉じることさえできず、秘部から逆流する精液を地面にそのまま垂れ流している。

 ミリアは、横たわるキサナの全身を見まわし・・・・小さいくせにきっと天をにらんでいる乳房に視線をとめた。

 自分の胸と比べると、いかにも貧弱で、頼りなげに見える乳房だ。

(でも、それが可愛い・・・・)

 ミリアの手がそっと、乳房をつつんだ。

 2度、3度とゆっくりなでさすり、お互いの体温を伝え合う・・・・。

「あ・・・・ミリア・・・・」

「キサナ・・・・いいの。じっとしてて」

 ミリアは、自分の身体をキサナの身体に重ねた。

 オークの残した精液がべたつく。

 ミリアはそんなことは気にもとめずにキサナを愛した。

「ん・・・・」

 口づけが交わされる。キサナの身体から緊張がぬけ、柔らかくミリアの身体を迎え入れる。

 乳房に伸びた手は、徐々につつみこむように乳房をもみしだいていく・・・・。

「ア・・・・ア・・・・」

 キサナは、身体中がふわりと浮き上がるような感触を覚えた。

 それまでの、荒々しい魔物たちのレイプでは決して得られなかった・・・・快感が、しっとりと伝わってくる。

 自分を、愛してくれている。

 その思いが、まっさきにキサナの心をつつんだ。

 

 日ごろなら感じるだろう・・・・「女性同士」などというタブーは、今のキサナには考えるすべもない。

 

 ミリアの手が、キサナの秘部に伸びた。

 ミリアの愛撫はゆっくりで、丁寧で、今までのオークの凌辱とはなにもかも違っていた。

 レイプの嵐の中で、キサナはほとんど興奮も、快感も覚えることなく・・・・ただ、痛みだけに耐えていた。

 それが、ミリアの手にかかったとたん、全てが許されたような、ほっとする感触に包まれ・・・・。

 そして、今まで・・・・痛みによって押さえつけられていた性的な快感が、一気に押し寄せてきた。

「ン・・・・!」

 濡れていた。

 もちろん、逆流してきたオークの精液にくらべれば、それはわずかな量にすぎなかっただろう。

 でも、ミリアはキサナと肌を触れ合わせて愛し、キサナの感じている様子から、それがはっきりわかった。

 キサナは全身で自分を受け入れている。だから、その中の・・・・愛液の存在がはっきりわかった。

 

 秘裂をなでようとしたミリアの手がふと止まる。

 そこは、痛々しいほど真っ赤にはれていた。このままさわっても、痛みを感じさせるだけだろう。

 ミリアの指先はすっと移動し、少し上・・・・キサナの秘芯をつん、とつついた。

「あ・・・・!? ア・・・・」

 驚きの声をあげたキサナの力が、次の瞬間すっと抜ける。

 キサナは、もう、全てをミリアにまかせるといった風に目を閉じた。

 その愛らしさに、ミリアは再び口付けを迫る・・・・。

「ん・・・・ふう」

 ミリアの口から舌がのび、涙に汚れたキサナの顔をぺろぺろとなめた。

 オークの出した精液も残り、お世辞にもおいしいものではなかったが・・・・その、かすかな涙の味が、ミリアを喜ばせた。

 キサナのほほを上から下までなめまわす。

 気持ちよさそうにキサナは目をつむり、ミリアのなすがままになっていた。

 

 ミリアの愛撫は長かった。じっくりと、ひとつひとつ快楽のポイントをおさえていくように動いていった。

 愛撫の手がキサナの身体のあちこちにうごき、ちょうど全身をなでつくしたころには、キサナの乳首ははっきりと隆起していた。小さ目の乳房にあって、乳首だけがその存在をきっと誇示するかのように屹立している。

 白い素肌の中で、ピンク色の乳首はどうしても目をひいた。

 ミリアは、愛しそうにその乳首をくわえ、舌でその先をくすぐった。

「んん・・・・」

 キサナがあやしく身もだえした。

 身体のあちこちが上気し、肌はピンク色にそまっていた。

 傍目にもはっきりわかるほど、キサナは興奮し、高まっていた。

 クリトリスもぴん、とその顔を突き出していた。ミリアの指をもとめ、そっとキサナの腰が動き始めた。

 もじもじと、ねだるように腰が上下する。

 キサナの顔は、この日はじめての悦楽の色にほころんでいた。

「・・・あうン・・・・」

(ああ・・・・キサナぁ・・・・)

 ミリアの指がクリトリスを丁寧にこすりたてた。

 昨日まで処女だったキサナからすればあるいは激しすぎる攻めだったが・・・・むろん、それまでのオークのとは比べものにならないほど高い快楽がキサナに与えられた。

 オークの攻めが性急すぎるものだっただけに、ミリアのしっとりとしたせめにキサナは反応した。

 スリットははっきり開き、秘芯への刺激に身体をとろけさすような安堵感と快楽を覚え・・・・・。

 

「ん・・・・ミリあぁ、もっと・・・・」

 声でせがみながら、身体全体でミリアを求めようとうごめく。

 ミリアは、それに応え、乳房を、クリトリスを、じょじょに高めていく。

 キサナの反応が、ミリアには嬉しかった。

(・・・・ああ、こんなところでなかったら!)

 魔物に囲まれた、こんな場所でなかったら。どんなに幸せだっただろう。

 こんな、こんなところでなかったら・・・・!

 

 ミリアの唇が、完全に勃起したキサナの乳首を加え、嘗め回した。

 右手で、もう片方の乳首を可愛がり、左手はキサナのクリトリスをいじる・・・・。

 ミリアが動くたび、キサナの快感はどんどん高まり、腰の動きもじょじょになまめかしく、激しくなっていき・・・・。

「あ、あ、ああ・・・・」

 快感のレベルが高まりつづける。階段を上がるように、キサナの興奮は立ち止まらず、たかまっていく。

 頭の中がじょじょにホワイトアウトしていく。身体の感覚が薄膜がかかったように失われていく。

 そのくせ、秘部の感覚だけは鋭く、快楽を逃すまいと身をよじっている・・・・。

 ミリアは、スッと身体を入れ替えてキサナの秘部に口をつけた。

 身体はキサナとたがいちがいになり、重なっている。皮膚を密着させてのシックスナインの体形だった。

「行くよ、キサナ・・・・」

 もう我慢できない、とばかりにミリアも勢いよくキサナの秘部に舌を走らせた。

 激しくベロが出し入れされ、キサナの敏感な部分を攻めたてる。

「ん・・・・んん・・・・もう・・・・!」

 もうすぐ、一線を越える。

 快感に身体が打ち震え、あと少しで自分が達するのがはっきりとわかった。

 あのラインを、あのラインを超えたら、自分は・・・・。

 そういう思いがキサナの中を駆け巡った。

 キサナの両手がミリアの背中に回される。

 ぎゅっとキサナの身体がミリアに押し付けられた。

 イク寸前。

 それが、もうはっきりとわかった。

 全身をそらし、秘部を激しく突き上げ・・・・。

 その時だった。

「む、むふっ!?」

 突き出された肉棒に、あわててミリアがsita 舌をひっこめる。

 顔をあげると、一匹のオークが肉棒をキサナにつきこんでいた。

 それまで、やさしく、ベロで可愛がられていた秘裂が・・・・肉棒に一気に押し広げられる。

 オークの肉棒は勢いよく入り口から奥まで貫いた。

 ・・・・その衝撃はすごかった。

 やさしく攻められていた秘部に、突然はげしすぎる一撃がやってきたのだ。

 キサナは・・・・イク寸前だったキサナは、そのままその衝撃で達した。

「あ、あああああああ!! イク! ああん! ミリアあああああ!」

 絶叫。

 すでに、突き立てられたものがどんなものか。そんなことを考える余裕のないところまでキサナは高まっていたのだ。

 絶頂を迎え、秘部からさらなる快感を得ようと腰が動こうとし・・・・そこで、ようやく覚醒した。

 あれほど嫌がっていた肉棒が、自分の秘部に突き立てられている。

 腐ったナスでもつきこまれたような嫌悪感がキサナの身体を走り、悪寒に身が震え出す。

「い、いやああああああああ!!!」

 今度は、悲鳴だった。

 キサナはもはや、精神の奥深くまで肉棒への恐怖心をすりこまれていた。

 そして、その・・・・魔物の肉棒でイッてしまったことは、キサナの心にさらなる傷を加える結果となった。

 脚をばたつかせて肉棒からのがれ、両手で秘部に手をあてる。

「あ、あ、ああああ・・・・・!」

 キサナの秘部はひどく不気味に、ゆがんでいた。

 

 

 キサナは顔を両手でおさえ、ショックに耐えていた。

 身体はふるふるとふるえている。ミリアも、呆然と目の前の・・・・肉棒が埋めこまれたキサナのワレメをのぞきこんでいた。

 結果的に、とはいえ。

 魔物の肉棒でイカされた。魔物などに、イカされてしまった。

 あんなモノで、感じてしまった・・・・!

「う、う、う・・・・!」

 肩ががくがくと震えた。

 今までの凌辱よりも、それ以上にキサナは敗北感を与えられた気持ちだった。

 そして。

 そのために、もう、キサナはあたりの様子に注意をはらう気力など残っていなかったのだ。

 オークは、肉棒をすでに引き抜き、キサナにそれを見せ付けるように下卑た笑顔を浮かべていた。

 

(・・・え・・・!?)

 左の乳首に、刺すような痛みがある。

 衝撃にぼんやりした頭で・・・・ようやく顔から手を離した。

 視線をめぐらし・・・・そこに。乳首に噛み付く蛇の姿を見た。

(へ・・・・蛇・・・・!?)

 びくりと身体をすくませ、ミリアをつきとばすようにハネ起きる。

 ミリアの愛撫がゆっくりしたものだったせいか、なんとか動ける程度には体力が戻っていた。

 左の、感じたゆえに充血した乳首に、一匹の蛇が噛み付いている。

「い、嫌っ!!」

 とっさに、蛇の首を左手でつかみ引き離そうとする。

 だが、蛇の牙はそそりたった乳首をしっかりとつかみ、離そうとしない。

 却って自分の乳首を引っ張るようになってしまい、キサナはうめいた。

(な、なに、ナンなの!?この蛇・・・・!)

 蛇は、キサナの胸からぶらさがるようにしてびちびちとはねていた。

 痛覚よりもショックで一気に精神が覚醒する。

 乳首から蛇を離そうと蛇の頭を両手で押さえ、口をこじ開けようとする。

「・・・・あ・・・・」

(え・・・・な、なに・・・・!?)

 ふいに。

 ふいに、力が抜けた。

 蛇の首を握りしめていた手がゆっくりと力を失い、手を開いてしまう。

 先ほど、蛇に驚いて起こした上半身が、すっ・・・・と地面に横たわっていく。

(・・・・毒・・・・!?)

 左の、蛇にかまれた方の乳房が熱をもっている。

 魔物にイカされたショックから一時ひいていたはずの”熱”が、また戻ってきていた。

 乳首が硬くなり、乳房全体がつんと天をつきはじめる。

 肌が全体的に紅潮し、あそこの奥にむらむらとしたなんともいえないものが満ち始める。

(・・・・え、え・・・・!?)

 胸が熱い。

 じわじわと、焼け付くような熱気が、乳首から、乳房へ広がっていく。

 肩の辺りに痙攣がはしった。

 絶えられない。

 キサナは、左手で自分の胸をかきむしるようにもんだ。

「あ・・・・・!」

 とたん、甘美な快感が全身にはしった。

 キサナは目をとじ、思わずその快感をしっかりと味わってしまう。

 左手は、もはやキサナの意思とは関係なく動き始めた。

 ぎゅっ、ぎゅっと、ポンプを押すようにキサナの乳房がうごめく。

 力まかせの自慰だった。

 でも、今のキサナには、それが背筋を凍らせるほどの快感として伝わった。

「ん・・・・!」

 熱が、右の乳房に伝播する。

 キサナは、構わず空いた右腕で自分の胸を慰めた。

 快感を求める波が、全身をかけめぐる。

 唇が、ものたりない。

 肩を、抱いてほしい。

 肌も皮膚も、ぬくもりをもとめて動き出す。

(ア・・・・ア・・・・!)

 いたたまれなさに、全身がなまめかしく動いた。

 熱が、とうとうお腹をくだり、秘部にまで到達する。

 キサナが激しくもみしだく乳房の、その上にある乳首は痛々しいほどピンと立っていた。

 押しつぶしてほしいといわんばかりに盛り上がり、人を誘っている。

 キサナは、乳首の付け根に指を這わせ、どうにかその欲求を満たした。

 そして。

 クリトリスも、乳首と同じだった。

 ワレメからはみ出すように顔を飛び出し、全身でその存在をアピールするほど・・・・クリトリスが、勃起していた。

(さ、さわりたい・・・・!)

 いつのまにか、キサナの両足は大きく開かれている。

 ミリアとレズ・プレイを行っていたときは、彼女に主導されていたこともあって、きゅっととじられていたのに。

 ワレメごと、大きく脚を広げ、辺りに集まった魔物たちの視線に己の秘部をさらしている。

(ああ、どうして・・・・!)

 ついに耐え切れなくなって、キサナの右手が秘部に伸びた。

 クリトリスが、待ちかねたようにふるえだす・・・・。

「おっと」

「!」

 バディオスが、そのキサナの右手を押さえた。

 手首をつかみ、離さない。

 思わずキサナは左手を秘部に伸ばしかけ、反対側にいたオークに左手も押さえられてしまう。

 両手を押さえつけられ、キサナは全身をなまめかしくゆさぶった。

 乳首も、クリトリスも、刺激をもとめてふるふると震えている。

「ほしいんでしたら、お相手しますよ?」

「い、嫌っ!!」

 オークたちが、あいかわらず肉棒をさらけだしたまま迫っていた。

 キサナは、激しく拒絶した。身体はうずいて仕方がないが、それでも、肉棒や・・・・オークとのセックスに対する恐怖感はそれを上回るものがあった。

 初体験の激痛も、悪夢のような輪姦も、全てキサナの性観念をいためつけ、セックス恐怖症といえる状態に追いこんでいたのだ。

「おや、我慢できるんですかあ? あそこは大洪水ですよ」

「くっ・・・・!」

 バディオスの言うとおりだった。

 キサナの泉からは後から後から液体が湧き出し、逆流してきた精液とともに太ももまでぐっしょりとぬらしている。

 いじりたい。

 刺激がほしい。

(でも、あの・・・・あの、おぞましいチンポはいや!!)

 キサナは目を伏せ、顔をそむけた。

 バディオスは、自分を言葉で攻めているのだ。

 そんなものに屈してはいけない・・・・。

 すでに、人間としての誇りさえ踏みにじられたような状態だけど、それでも・・・・。

「ううん、たいしたものですねえ。さすが、勇者キサナちゃん。この蛇の淫毒は普通、耐えられるものではないんですけどねえ」

(・・・・や、やっぱり、毒・・・・!)

 バディオスが召還した魔物だったのだろう。蛇の姿をした化け物は、いつのまにかキサナの乳首から消えていた。

 キサナの身体に、熱い衝動だけを残して・・・・・!

「だいたい、もうオークのチンポで気をやっちゃった仲じゃないですか。ほら、彼も期待して待っていますよ」

「うう・・・・!」

 首を振る。必死に拒否するキサナの姿を見て、バディオスは嬉しそうに笑った。

 股間のうずきがさらに激しくなった。

 思わず股をとじ、足の付け根をこすりあわすようにしてしまう。

 それだけなのに・・・・それだけで、秘部から伝わってくる快楽は絶大なものだった。

 押さえつけられた手が、ぶるぶると震える。

 あそこに、手を伸ばしたい・・・・!

 その欲望のために、キサナの手は暴れた。押さえつけるバディオスの手をぐいぐいと揺さぶった。

「おやおや。せっかくだし、我慢してくださいよ。なんなら、お手伝いしましょうか?」

「ぐ・・・・!」

「そうですねえ。じゃあ、この手を離してもオナニーしないように・・・・」

 バディオスは、満面の笑みを浮かべてキサナに言った。

「手は、切り落としちゃいましょう」

「・・・・!」

「ねえ、いりませんもんね。こんないやらしい手なんて」

 キサナの顔が、青ざめた。

 火照った肌が、一気にさめていく。

 あそこから送られてくる信号だけは依然そのままでキサナを苦しめたが・・・・熱気が、身体から急速に失われた。


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