ノット・ピュア・ストーリー:中

 妹たちとの楽しい会話、おいしい料理、カラオケやビンゴゲームといった余興も行われ、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

 そろそろこの楽しい晩も終わりになるかと思っていたそのとき、咲耶が立ち上がった。

「……みんな、そろそろとっておきのプレゼントタイムにしましょうか。……いい、みんな?」

 その瞬間、場の空気が明らかに変わった。おしゃべりをやめて咲耶に注目し、みんな首を縦に振った。

「え? プレゼントって、さっきの時計じゃなかったの?」

 ひとり状況がわからない兄は、困惑したように咲耶を見た。

「ええ、あれももちろん私たちからのプレゼントよ。でも、今日ホントに渡したかったとっておきのプレゼントは、これからよ。みんなの大事な物をお兄様に受け取ってもらうの」

「え? そんなの、もらえないよ。みんなが大切にしてる物なんだろう?」

「いいのよ、お兄様。みんなで話し合って決めたことなんだから。みんな、お兄様にもらって欲しいのよ」

「……そうかい? そんなに言うんだったら、何をくれるのかは知らないけど、大事に預からせてもらうよ」

「えっ……? ……ふふっ、お兄様ったら……」

 兄の言葉に、なぜか咲耶は少し笑った。

「……もう、ニブイんだから。いいわ。じゃあ、少し準備があるから、ちょっとだけお兄様は部屋の外に待っていてくださらない? 5分くらいですぐに呼ぶから」

「ああ、それじゃあ僕はちょっと出てるよ」

 どういうことなのか、よく理解していなかったが、兄は言われるまま一旦部屋の外へ出た。

 廊下ですることもなく待って、約束の5分が過ぎたがまだ何も言ってはこなかった。テーブルを動かしてでもいるのか、ガタガタという音がかすかに中から聞こえてくる。

 そして、結局中から声がかけられたときには倍の10分がたとうとしていた。

「ごめんなさい、お兄様。ちょっと待たせちゃったわね。もういいわよ。入ってきて」

 向こうからはドアを開けず、声だけがドア越しに聞こえた。

(多分、僕を呼びに出たときにドアの隙間から中が覗くと驚きが半減すると思ったのかな?)

ガチャッ

「…………えっ?」

 ドアを開けて一歩中に入ろうとしたまま、信じられない光景に思考が凍結した。

 ボタンを外してはだけた部分から肌を見せている妹。

 服を脱いで下着だけしか身に着けていない妹。

 そして、一糸纏わぬ生まれたままの姿となっている妹。

 妹たちの誰一人として、服をさっきまでのようにちゃんと着てはいなかった。

 硬直している兄の前に、シルクの下着だけを身に着けた咲耶が出てくる。

「お兄様、これがとっておきのプレゼントよ。私たちのは・じ・め・て ちゃんとみんなの分を受け取ってね、お兄様

 そう告げると、そのまま兄にしなだれかかっていった。

むにゅっ

 柔らかい胸が押し付けられる感触に、兄は硬直が解けて慌てて咲耶から離れようとした。

「そ、そんなことできるわけないじゃないかっ! 僕は兄でみんなは妹なんだぞ!」

 顔中を真っ赤に染めると、妹たちのあられもない姿を直視できないのか、少し外れたところに視線を向けながら言う。

「お兄様……私たちのことキライなの?」

「そっ……そんなことじゃない! そりゃあ、僕もみんなのことは好きだけど……」

「だったらいいじゃない。私たちはみんなお兄様のことが大好きなんだから。兄妹だなんてことは些細なことよ。みんな、初めては好きな人に捧げたいものよ」

 離れようとする兄に、再び咲耶は近づいていく。

「そ、そんなこと言っても……」

 咲耶が一歩前に出ると、兄も一歩後ろに下がる。

「……やっぱり兄妹はまずいよ。妹相手にそんな気にはなかなかなれないよ」

「…………大丈夫……心配はいらないよ……」

 不意に兄の背後から声がした。

「ち、千影!? いつの間に……むぐっ!」

 驚いて思わず振り向いた兄は、その瞬間にその口を千影の唇で塞がれた。

 全裸にマント1枚だけを羽織った千影は、両手で兄の頬をそっと押さえると、兄の唇を割って舌を差し入れてきた。

どろっ……

 舌と一緒に、なにかどろどろした甘い液体が兄の口中に送り込まれる。

(……呑んで……)

 頭の中に千影の声が響き、その言葉のままに兄はなぜかその液体を素直に飲み下してしまった。

 少し残ったその液体を、千影は自らの唾液で薄めて再度兄の口中に送る。兄はそれも素直に喉に入れた。

 最後に歯茎の裏の辺りを軽くくすぐるように舐めたあと、舌は兄の口から戻り、唇も離された。2つの唇の間につうっと細い糸の橋が一瞬かかり、すぐに切れて床に落ちた。

「……っ、な、何を……」

 やや遅れて、ようやく兄は声を上げた。

「ふふ……安心して……変な物ではないよ……自分に素直になれる薬と……ふふふ……」

 答える千影の瞳には、すでに情欲の潤みが生じ始めていた。

「えっ……!」

 兄は、自分の身体が何か熱くなり始めていることに気づいた。

(これって……)

「さあ……兄くん……一人だけいつまでも服を着ているというのは……少しずるいよ……」

 千影の手が兄の服のボタンへと伸びる。

 兄は慌ててその手を振り払おうとして……なぜかできなかった。

 妹の手で服を脱がしてもらうことに、なぜか奇妙な快感を感じ始めていた。

「あ、アタシも手伝うー! アニキの服、脱がせてあげるよ」

 ショーツ1枚の鈴凛が駆け寄ってくると、彼女も兄の服を脱がすのを手伝い始めた。

「じゃあ、私も……」

「え、ちょ、ちょっと……」

 困惑する兄をおもしろがるような表情を見せながら、咲耶も参加する。すぐに兄はトランクス一枚だけの姿となってしまった。奇妙な興奮があるせいか、暖房が強くなったのか、よくわからなかったが不思議と寒さはあまり感じない。

「最後はコレ、っと……」

 しゃがみこんでトランクスのゴムに手をかけた鈴凛は、頬を染めながらクスッと笑った。

「もう……アニキったら、もうこんなになってるんじゃん……」

 そこははっきりそうとわかるほど、すでに男性自身が自己主張を行っていて、トランクスを下ろすことが困難なほどだった。

「わ、そ、そこはダメだ! それくらいは自分で脱ぐよ」

 最後の一枚までずり下ろそうとする鈴凛に、慌てて兄は制止の声をかけた。

「あら、お兄様。やっとやる気になってくれたのね。嬉しいわ」

 咲耶は兄のその言葉が意味したことを理解し、本当に嬉しそうに言った。

「あっ……」

 指摘されて兄の身体がまた赤く染まる。さっき千影に呑まされた薬のせいなのか、いつの間にか抵抗する意識がなくなって、その気になっている自分に改めて気づいたのだ。

「それじゃあ、始めましょ。もう順番は話し合って決めてあるの。最初は可憐ちゃん。次が私で、3番目は鞠絵ちゃんよ。ホントは絶対私が一番最初って思ってたんだけど、可憐ちゃんに負けちゃったの」

 咲耶がその気になった兄に、これからの予定を教える。だが、3番目が鞠絵、と聞いて、兄は心配になった。

「鞠絵、って……身体は大丈夫なのか?」

 姿を探すと、下着姿にはなったものの、恥ずかしさと寒くないようにとで毛布を被っていたが、しっかりと首を縦に振った。

「だーいじょうぶ! 鞠絵ちゃんは今日の体調を見てってことだったんだけど、今日はすっごく元気なんだって。それに、アタシがあまり衝撃がないように、順番までちゃんと身体をほぐしとくからさ。実は、ちゃんとそのために今日作って、ここに持って来てるの」

 じゃーん、と鈴凛がどこに持っていたのかピンク色のローターらしきものを兄に見せた。

「え?」

 その言葉に驚いたのは、兄だけでなく鞠絵もだった。どうやら、鈴凛が身体をほぐしておくという話は鞠絵自身は聞いていなかったらしい。

「ほ、本気なんですか?」

「だーいじょうぶだって。ちゃんと気持ちよくなるから。もちろん、大事なものを破っちゃわないようにするしね!」

 そう言って、鈴凛はなにやら楽しそうに鞠絵を押し倒していった。

「ちょ、ちょっと……み、みんな見てます! やめてください……」

 みんないきなり始めるとは思っていなかったらしく、呆気にとられるようにみんなそっちを見ていた。

「……えーっと、まあ、あっちは鈴凛ちゃんに任せておいて。お兄様も始めていいわよ」

 困ったような顔をしながらも、気をとりなおすように咲耶が言った。

「あ、うん……」

 千影の薬で開放的になっているとはいえ、いざ本当にやるとなると、まだ少しためらいがあった。

 元々床は絨毯が敷いてあったが、テーブルを部屋の隅の方に押しやって、代わりにシーツを掛けたソファーベッドがティッシュの箱と一緒に置かれてあった。その前で、何一つ身に纏ってはいない可憐が、胸とあそこを手で隠すようにしながら兄を待っていた。

「お兄ちゃん、優しくしてください……」

 潤んだ瞳でそう言われると、やはりやめようとか、そんな気はどこかへ消し飛んでしまった。

「う、うん……」

 兄自身もまるで経験がないため、うまくできるかどうかはわからなかったが、できるだけ痛くしないようにやってみようと考えながら、そっと顔を近づけていった。

「んっ……」

 まずは、軽く唇を重ねる。近づいてみると、やはり緊張や恥ずかしさ、未知の体験に対する怖さがあるのか、少し震えて身体が固くなっていたが、兄とのキスで可憐の身体の震えは止まっていた。

 他の妹たちは、見ないようにしている者、興味深げに見ている者、別の方向を向いていても、ついつい気になって時々盗み見るように見てしまうものなど、様々だったが、口を出したり邪魔をしたりしようとかいう様子はなかった。

「身体、触れてもいいかな……?」

 そんな他の妹たちのことを忘れたように、兄は囁くように言う。

 こくん、と顔をさらに真っ赤にして可憐がうなずくと、2人の身体をソファーベッドの上に横たえ、そっと胸の膨らみの上に手が当てられた。

「あっ……」

 撫でるような優しい動きだったが、初めての可憐にはそういった強すぎない動きの方がよかったのか、小さな声が口からこぼれた。

(えーっと、どうすればいいんだろう……)

 胸を愛撫する手を右から左に換え、右手はそろそろと可憐の身体を下へとなぞっていく。おへその横を通って、薄い茂みに指が触れる。さらに手を下ろしていくと、大事な部分に到達した。

くちっ……

 さらに慎重に指を進めようとしたそのとき、指にかすかに湿った感触がついてきた。

(えっ? これって……)

 つっと指先が曲がり、上部にあった小さな突起に触れた。

「ああっ!」

 可憐の口から初めて大きな声があがった。同時に、潤滑液がその量を増す。

「あ、ごめん!」

 反射的に兄は謝ってしまった。

(今当たったのが、クリトリスってやつだな。気をつけないと)

 胸の愛撫同様、繊細すぎるほど繊細に下半身の愛撫を始めた。胸の方では乳房の先端に固い突起が盛り上がってきてはいたが、初めてのことに兄ももうこれ以上我慢はできなかった。

「か、可憐……いいかな……」

 まだ脱いでいなかったトランクスを突き破らんばかりの勢いで、兄の股間のものは充血していた。

「……うん」

 可憐がうなずくと、兄は一旦可憐の身体から離れてトランクスを下ろした。焦っているのと一物がひっかかるのとで少し時間がかかってしまったが、ようやく全裸となった兄が、再び可憐に覆い被さっていく。

(こう、かな……? あれ? えーっと……)

 いよいよ挿入しようとするのだが、なかなか兄はうまく入れることができない。可憐の下腹部を何度も滑っていく。

(あれ? くそっ! じゃあ、こう……?)

 それだけでも、だんだん兄の快感は高まっていく。入れる前にイッてしまわないようにと焦れば焦るほど、うまくはいかない。

 十何度目かの挑戦で、

ズッ

 ようやく一物は可憐の中に入っていった。

(よ、よし、やっと入った!)

 しかし、焦るあまりに可憐に気をつかうことができなくなってしまっていた。

「い、痛い! お兄ちゃん、痛いの!」

 可憐が処女膜を突き破って自分の中に入ってくる痛みに、悲鳴を上げる。

どくっ、どくっ……

 奥まで入った瞬間、兄の一物は限界を迎え、白濁液を可憐の中に吐き出した。

「あっ……!」

 射精の快感を終え、兄はようやく我に返った。

 慌てて可憐の中から引き抜くと、開いた穴から、破瓜の血と精液とが混じったピンク色の液体が溢れ出してきた。

「ご、ごめん! 可憐!」

「……いいの。お兄ちゃんだって初めてだったんでしょ? 初めて同士だったんだから、しかたないよ」

「で、でも膣内で出しちゃったし……」

「大丈夫だよ。今日は安全日だから」

 ようやく身体を起こしたが、さっきまでよりかえって恥ずかしそうだった。

「でも、ちょっとあっちを向いてて、お兄ちゃん。見られてると恥ずかしいから」

「あ、ああ。ごめん」

 兄が背を向けると、可憐は横に置いてあったティッシュを取って、中から溢れ出すものを拭き取り始めた。とぎどき沁みるのか、顔をしかめていたが、しばらくしてとりあえず今溢れ出てきているものは全て拭き取ることができた。

 兄もティッシュを使って自分のものを拭いていたが、精液だけではなく赤いものが混じっていることに、本当にやってしまったことを実感していた。

「それじゃあ、咲耶ちゃん。交代だね」

 後始末が終わると、下半身に違和感を感じながらも可憐はそう言ってベッドを下りた。

「さあ、お兄様。今度は私の番よ」

 代わって咲耶がベッドの上に上がってくる。

「えっ……咲耶? ホントにみんなとするの?」

 驚いたように兄は下着姿の咲耶を見る。

「当たり前じゃない。可憐ちゃんだけなんてズルイわ。ホントはお兄様は私だけのものにしたいんだから。せめて、みんな平等に愛してくれないと」

「いや、でも今出しちゃったばかりだし……そんな続けてはできないよ」

「大丈夫よ、お兄様。私に任せて」

 そう言って咲耶は兄の下腹部に屈み込んだ。

 顔を寄せると、後始末を終えてだらりと萎えた兄の一物にそっと口づける。

「さ、咲耶!? 何を……」

 驚く兄は、最後まで言葉を紡ぐことができなかった。

 咲耶の口が大きく開かれ、一物を口の中に含んでしまったのだ。

 快感に一瞬息が詰まり、言葉が途切れる。

 ただ口に含むだけでなく、口の中で舌が蠢き、一物の先端や幹にその腹を這わせていく。

 あまりの快感で、急速にその一物は元気を取り戻していった。

「さ、咲耶……汚いよ、そんなところを舐めたら……」

 快感で苦しそうにしながらなんとか声を漏らす。

 実際、ついさっき可憐の中に入れて、一度射精したばかりのものだ。一応ティッシュで後始末はしたが、ちゃんと洗ったわけでなし、臭いなんかはほとんど残っているはずだった。

 だが、咲耶は一物を口に含んだまま首を左右に振って否定する。

 初めてとは思えないような的確な刺激で一物が元通りの力を取り戻すと、ようやく咲耶は一物を口から吐き出した。ぴんと屹立した一物は、咲耶の唾液でぬらぬらと濡れ光っていた。

「お兄様のものだもの。汚くなんかないわ。いつかお兄様に喜んでもらおうと思って、前から雑誌とかを見たりして練習してたんだから」

 当然のようにそう言うと、咲耶はブラのホックを外し、肩紐を抜いて胸を露わにする。少し腰を浮かせて、ショーツも足首から抜き取ると、全裸になった。

「さあ、お兄様、来て。いつかお兄様とこんなことをって、私はずっと夢見ていたの。早くお兄様と一つにしてちょうだい」

「え、でも……そんないきなり……」

「大丈夫よ。お兄様のを口の中に入れていただけで、もう私の身体はすっかり熱くなっちゃってるから。でも、エッチな女の子だなんて思わないでね。相手がお兄様だからなんだから」

 そう言ってわずかに足を開くと、たしかに咲耶が言ったとおり、そこは充分に潤っていた。

「じゃ、いくよ、咲耶……」

「ん……」

 兄はゆっくり咲耶の上に身体を重ね、同時に唇も重ねた。咲耶はうっとりと目を閉じ、お兄様とのキスに身を任せる。

 今度は、さっきの失敗を学習して、2度滑ってしまったが、3度目にちゃんと咲耶の膣口を捉えることができた。

「……んっ……!」

 破瓜の痛みに、咲耶は眉を歪める。

「大丈夫か、咲耶……?」

 可憐のときは夢中だったが、今度は気づかう余裕があった。

「平気……この痛みは、私とお兄様が繋がってる証だもの。嬉しいくらいよ」

 兄と見つめ合うような位置で、咲耶はそう答えて見せたが、目の端には涙が光っていた。

 慎重に腰を進めていって、一物が全て咲耶の中に消えると、そこで一度動きを止めた。

 2回目ということもあって、さっきのように挿入の刺激だけで達してしまったりはしない。

 が、咲耶の痛みを少し落ち着ける意味でも兄は腰を動かすのを躊躇っていた。

「……いいわよ、お兄様。私のために待っててくれたんでしょう? もう動いても多分、平気よ」

 しばらくして、咲耶の方からそう言葉をかけた。

「……じゃあ、ゆっくり動くから」

 そう言って、兄はゆっくりと一物を引き出していく。その動きで、やはり咲耶は痛みに顔をしかめた。

「……本当に、大丈夫?」

 咲耶がうなずきを返したため、再び腰を進めていくが、やはりまだ痛みは残っているのが、咲耶の表情でわかった。

「キスして、お兄様。そうしたら、痛みも忘れられると思うから」

 心配そうに見下ろし、なかなか腰を動かせない兄に、咲耶はそう言って自分から唇を重ねていった。

「ん……んん……」

 咲耶を気づかうばかりにこうしていたところで、かえっていつまでも終わらせられずに痛みを続けることにようやく兄は気づき、唇を重ねながら腰を動かし始めた。

 ゆっくりと挿し入れ、奥まで行けばまたゆっくりと引き出してくる。この繰り返しだが、徐々にその速度が上がっていった。

「んっ……んんぅ……」

 咲耶の口から漏れる声を、全て兄は自分の唇で受け止めていた。

 だが、兄自身も2度目の限界が近くなり、ようやく唇を離す。

「んっ、ふぅ……さ、咲耶……もうイきそうだ……!」

 絶頂の瞬間、さっきのように膣内で出してしまわないよう、兄は一物を引き抜こうとした。

 しかし、咲耶は手足を伸ばして兄に絡ませると、離さないよう押さえつけた。

どくっ、どくっ……

 そのため、兄は一物を咲耶の膣内から抜き出すことができず、再び膣出しをしてしまった。

「さ、咲耶……」

 兄は絶句したが、咲耶はにっこりと微笑んだ。

「初めては、やっぱりちゃんと中で出して欲しかったの。それに、もしできちゃってもお兄様の子だもの。後悔はしないわ」

 もう一度咲耶の方からキスをして、咲耶はようやく兄から離れた。

 一物を抜くと、ピンクがかった大量の精液が溢れ出してくる。

 咲耶はそんなことには構わず、出したばかりの兄の一物を再び口に含んだ。

「んっ……んんっ……」

 精液と自分の破瓜の血とが混ざり合ってべっとりと付いた一物を、口の中で舐め清めていく。汚れを全て落とし、一物がもう一度できるだけの固さを取り戻すと、咲耶の唇は一物から離れていった。

「……じゃあ、名残惜しいけど交代ね、お兄様。時間があれば、後でもう1回しましょ」

 次は3人目、鞠絵の番だった。

「あ、アニキー! 鞠絵ちゃんの番でしょ? もうとっくに準備はできてるよ。その次はアタシだから、3人でしよっか?」

 鈴凛がそう言って手招きをしていた。

 絨毯敷きの床の上に、さらに鞠絵が被っていた毛布も敷いているため、床の上とはいっても固くも冷たくもなかった。

「さ、アニキ。早くしよ!」

 そう言ってはしゃぐ鈴凛の横で、一糸纏わぬ鞠絵がぐったりとしているのが、兄の目に飛び込んできた。

「ま、鞠絵!? 大丈夫なのか?」

 慌てて抱き起こすと、身体全体が熱く火照って、目が潤んでいた。

「兄上様……?」

「ごめーん、アニキ。ちょっと感じさせすぎちゃってさぁ。でも、今ならほとんど痛みも感じないと思うよ」

 あはは、と笑いながらも両手を合わせて鈴凛は頭を下げた。

「……たしかに、そうかもしれないけどさ……」

 兄は本当にこれでいいのかという感じだったが、兄の腕に抱かれている鞠絵が、

「兄上様……早く入れて……」

 そう呟いてきた。

(……いったい、鈴凛はどんなことをしたんだ? あの鞠絵がこんなになるなんて)

「はい、アニキ、コンドーム。鞠絵ちゃんもアタシも、今日安全日ってわけじゃないから、ちゃんと付けてからしてね」

 そう言って、鈴凛が小さな袋に入ったコンドームを手渡した。

「あっ、勘違いしないでよ。友達がくれただけだから」

 兄が何かを言う前に、先んじて鈴凛の方からそう注意した。

 兄はそれを聞きながら、封を切って、一物にコンドームを被せた。

「それじゃあ、入れるよ、鞠絵」

 鞠絵の身体を抱えて、兄はそう言葉をかけたが、鞠絵はわかっているのかいないのか、快感にとろんとした目のままこくりとうなずいた。

ズッ……

 3人目ともなると、スムーズに挿入は成功した。

 心配した破瓜の衝撃も、本当に快感で痛みを感じていないのか、ほとんど鞠絵の表情は変わらなかった。鮮血が鞠絵の太ももを伝っているから、膜を破ったことは間違いなかったのだが。

「うっ……」

 鈴凛の働きでしっかりと濡れていた鞠絵の中は、前の2人とはまた違う感じがした。

 内側のひだが一物を柔らかく包み込み、一物から快感を引き出していく。

 もう3回目だというのに、あまり長い時間はもちそうになかった。

「アニキぃ……鞠絵ちゃんだけじゃなくて、アタシのことも忘れないでよ」

不満そうに横で鈴凛が唇を尖らせる。

「あ、ああ……そうだったね……」

 兄は鞠絵の中から一旦抜き出すと、鞠絵の愛液で濡れた一物を鈴凛のあそこに押し当てた。

 鞠絵ほどではなかったが、鈴凛のそこも鞠絵との前戯で充分に潤っていた。

「……っ、痛っ……」

 こちらは、挿入の瞬間、痛みに小さく顔を歪めた。

「痛い? 大丈夫か?」

 心配そうに兄が声をかけると、すぐに鈴凛は笑みを浮かべた。多少引きつった笑みではあったが。

「平気。アニキのが入ってきたとき、ピリッてしただけだから。アニキのしたいように動いたらいいよ」

 口ではそう言っていても、実際はもっと痛みもあるだろうことは、兄にも察することはできた。

 鈴凛にあまり負担をかけないようにゆっくりと何度か出し入れをした後、一度鈴凛の中から完全に抜いてしまう。

「アニキ? アタシの中、気持ちよくなかったの?」

 不安そうに鈴凛が見上げる。兄は首を横に振った。

「鞠絵ともまだ中途半端だからね。2人交互にするよ」

 そう言って、再び鞠絵の方に一物を入れていった。数回ずつ1人の中で出し入れしては、一度引き抜いてもう片方の中に入れて出し入れする、ということを兄は何度も繰り返した。

 鞠絵はほとんど痛みを感じておらず、突かれるたびに小さく快感の声を上げる。

 鈴凛はまだ痛みが残っていたが、そのために突かれるたび、きゅっきゅと兄の一物を膣内で強く締めつけた。

「アニキ、気持ちいい?」

何回目かの鈴凛の番で、鈴凛がそう尋ねた。

「ああ、気持ちいいよ」

 兄は正直に返答した。

「じゃあ、もっと気持ちよくしたげる」

 鈴凛の手が兄の後ろへ伸びる。その手には鞠絵の準備をするのに使われたローターがあった。

ずぷっ

 兄の後ろの穴に、ローターの先端が潜り込んだ。

「な、何を……!」

 兄の声が上擦る。次の瞬間、ローターのスイッチが入り、ブ――ンと細かい振動を始め、快感が爆発した。

どくっ、どくんっ……

 一物が鈴凛の中に入れられたまま何度も蠕動し、コンドームの中に3回目とは思えないほどの精液を吐き出した。

「り、鈴凛……早く抜いてくれ……」

 ローターが兄の肛門から抜かれるのと、鈴凛の膣内から兄の一物が抜き出されるのはほぼ同時だった。

 一物はすでに萎え、兄は3回の射精でぐったりと疲れたようだった。

「ふふっ……兄くん、お疲れ様……次は私の番だよ……」

 千影がいつの間にか兄のすぐ横に立っていた。

「千影……悪いけれど、勘弁してよ。もう今日はこれ以上できないよ」

 コンドームを外して後始末はもう終えていたが、だらりと垂れ下がった一物の先端から、先ほどの残滓がかすかに滲み出していた。

「ふふ……そんなことはないよ、兄くん……もう薬が効いている……はずだからね……」

 千影の言葉に反応したかのように、突然むくむくと一物は力を取り戻し始めた。

「な、何で……?」

 兄は自分の身体が信じられない思いだった。

「さっき兄くんが呑んだのは……自分に素直になる薬と……精力を倍加させる薬も入っていたからね……」

 愛しそうに千影は再び臨戦体勢をとった兄の一物を捧げ持った。

「私は……ずっと待ってたんだ…………こうして……兄くんと契る日をね……」

 ひんやりとした手がかすかに上下し、兄に心地よい快感を与える。

「兄くんは……動かなくてもいいよ……疲れてるんだろう……?」

 そう言って、千影は兄の身体を絨毯の上に横たわらせた。

 右手で兄の一物をしっかりと支えると、千影は腰を浮かせて、その上に跨る。

ずむっ……

 千影が腰を落とすと、一物が千影の中に吸い込まれるように入っていった。

「んっ……!」

 処女膜が途中で一度抵抗を示したが、千影の体重でそれも突き破られる。

 根元まで完全に千影の膣内に収まると、結合部から破瓜の鮮血が流れ出した。

 千影は兄のものが自分の膣内に入ったのを確かめるかのように結合部に手を伸ばすと、2本の指でその血をすくい取った。

 赤く染まった指を自分の顔の前に持ってくると、そのうちの一本を口に含んだ。全て舐めとって血を落とすと、もう一本を今度は横たわる兄の口へと運ぶ。小さく開いたその中へと挿し入れて、付いていた血を舌へ擦りつけた。兄の口中に血の味が広がる。千影が兄の口から指を引き出したときには、血は全て落とされていた。

「ふふ……兄くん…………これで……私たちは一緒だよ……永遠にね……」

 満足げに千影はそう言うと、その2本の指を揃えて再び自分の口に含んだ。2本の指に付着していた2人の唾液が、千影の口の中で混じり合っていった。

「んっ……んんっ……」

 そうしながら、千影は自分で腰を上下させる。

 まだ痛みが残っているのは眉の形にはっきり表れていたが、千影の動きに躊躇いはなかった。

「ううっ、千影っ……」

 快感に翻弄されて、兄の口から声が漏れる。

 千影の中には、まるで魂ごと吸い込まれてしまいそうな深い快感があった。

 始めはやや不足していた潤滑液も、千影が腰を上下させていくうちに愛液の分泌量が増してきて、腰を振るたびにくちゅくちゅと水音が聞こえるまでになっていた。

 膣壁自体もまるでそこが別の意思を持った生き物であるかのように動き、兄の快感を搾り出していく。

 ついさっきまで今日はこれ以上無理だと思っていた一物が、もう達しようとしていた。

「千影っ、もう、……もうダメだ。イっちゃうよっ……!」

 千影はそれを聞くと一瞬笑みを浮かべ、腰の動きをより激しくした。

 その刺激で、兄の一物は一気に快感の頂点に達した。

びゅっ、びゅるっ……

 一物の先端から迸る精液が、千影の膣内を激しく叩いた。

くちゅっ……

 兄の射精が終わると、脱力したかのように千影は腰を落とした。達したばかりの一物が千影の奥深くまで突き刺さり、結合部からは押し出された白濁液が溢れ出した。

 再び千影の手がそこへ伸び、溢れ出した精液をすくい取る。

「こんなに……たくさん…………ふふっ……嬉しいよ、兄くん……」

 繋がったままの状態で千影は微笑むと、手に付いた精液をぺろりと舌ですくい取った。

 ぺろぺろと手に付いたものを全て舐め取ると、千影は上体を倒して兄に顔を近づけていく。

「んっ……」

 唇が合わされ、上下の歯を割って舌が兄の口に入り込む。どろりと、兄自身が出したものが濃厚に混じった大量の唾液が、その舌を通って流し込まれた。

 仰向けで唇を塞がれた兄にはそれを吐き出すことはできず、流し込まれるままに呑み込んだ。

ごくり

 喉が嚥下によって動くのを確認してから、千影の唇は離れた。身体も起こし、ようやくぬるりと精液に塗れた兄の一物が千影の膣内から抜ける。

 栓となるものがなくなった千影の中からは、ぼとぼとと大量の精液が絨毯の上に溢れ落ちた。

「じゃあ……兄くん……また…………」

 千影が離れると、兄はティッシュを探して何度目かの一物の後始末をした。

 付着したものをとりあえず全て拭き取り、兄は大きな息を吐いた。

「ふぅ……これで5人……? まだ半分も来てないじゃないか。……身体、もつかなぁ……」

 千影に呑まされた薬のおかげで、一物だけは元気だろうが、兄自体の体力がかなり消耗していた。


つづく

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