運命の修正

<4>

「お、お兄様っ!?」

 後ろから突然聞こえてきた兄の声に咲耶は驚き、慌てて振り返った。すると、いつの間に来たのか、それとも咲耶が自分の身体の疼きをこらえることに懸命でやって来るのに全然気づかなかったのか、咲耶のすぐ後ろ、手を伸ばせば届くほどの位置に兄が立っていた。

「………………っ!」

 兄の顔を見上げた途端、咲耶の身体はさらに熱くなった。そればかりか、その目を見つめただけで、咲耶の身体は小さな絶頂にまで襲われた。身体が崩れ落ちることはなかったが、足はがたがたと小刻みに震えている。

 咲耶のそんな様子に、兄――淫魔は昨夜たっぷりと自らの体液を咲耶の中に注ぎ込んだ成果が十分に表れていることを確認し、胸中でほくそ笑んだ。しかし、そんなそぶりは露ほども見せず、何も気づいてはいないように、

「偶然だね、こんなところで会うなんて。僕は普段この公園は通らないんだけど」

 と、兄を装って口を開く。しかし、咲耶の身体は淫魔を前にしたことでさらに敏感さを増し、兄と信じる淫魔の言葉すらそれを聞く耳が快感へと変換して咲耶の全身に伝えてしまっていた。だが、咲耶としては兄の前で痴態を晒すようなことはできず、必死にそれを隠そうとする。もはや今の咲耶にとって、兄の前にいることは快感地獄に等しかった。

「でも、ここで会えてよかったよ。昨日あんなことがあったのに、今日は学校で全然咲耶に会えなかったからね」

 身体の奥から湧き上がる快感を必死に抑えようとする咲耶に、淫魔は昨夜の行為を思い出させるようなことを口にする。さらに、半歩咲耶に近づくと、咲耶が何かする間もなく、その身体を両腕でしっかりと抱きしめた。

「もう一度、咲耶とこうしたかったんだ」

 そして、潤んだようになっている咲耶の瞳を見つめると、その下の唇を重ねた。

「んむっ……」

 唇が重なるとすぐにそれを割って舌が挿し入れられ、それと同時に大量の唾液もまた流し込まれる。朝起きたときからずっと興奮状態にあった咲耶は、それに抗うことができなかった。兄に抱きしめられ、唇を塞がれるだけで頭の中が白く染まり、目の前の兄に愛されること以外を考えられなくなっていた。

(ああ……お兄様……っ!)

 兄の舌と一緒に送り込まれた兄の唾液を、咲耶は送られるまま嚥下すると、不思議にそれは甘く感じられ、咲耶の心身はますます快感に蕩けていく。兄以外の周囲が見えなくなっていた咲耶は、兄に抱き寄せられて唇を重ねながら、腰の辺りに当たる熱いものに気づいた。制服のズボンを押し上げて勃起したモノが、咲耶が兄に抱きしめられることでスカートの上から押し付けられるような格好になって感じられたのだ。

(ヤダ、お兄様ってば……)

 しかし、咲耶は兄から身体を離そうとはしなかった。逆に、兄にもっと身を寄せるようにして服越しに当たるモノの熱をより感じようとしていた。多少恥ずかしくはあったが、兄が自分と同じように感じてくれているという認識は、それよりずっと大きな嬉しさを感じられた。

「んっ……」

 抱きしめたまま長い間、淫魔は咲耶の唇を塞いで口中を舌で愛撫していたが、咲耶が腰に当たっていた一物に自分から身体を押し付けてきているのを感じると、次に進むためにようやく唇を離した。

 だが、咲耶は離れていく兄の唇を名残惜しむように潤んだ瞳で間近にある兄の顔を見つめていた。その視線を受けて、淫魔は再び胸中で笑む。そして、咲耶に合わせるように息を荒くしながら告げる。

「こっちに……」

 咲耶の手を引くと、咲耶が十分その背を預けることのできる大きな木の幹の前へと誘う。そして、そこで本格的な愛撫を再開した。

「あっ……んんっ…………!」

 左右に結んだ咲耶の髪が乱れ揺れ、口からは断続的に喘ぎが溢れ出す。兄の左手はシャツの上から形が変わるほど激しく胸を激しく揉みしだき、右手はスカートの裾から中に潜り込み、下着の上から淫裂とその上にある敏感な突起をまさぐる。愛液が漏れてこないように学校のトイレで生理用のショーツに穿き替えていたはずだったが、それでもなお吸いきれなかった愛液が兄の指を濡らし、太ももを伝っていた。

「あっ……ああっ……!」

 愛撫を受け始めてすぐに、咲耶は兄の手で絶頂へと押し上げられた。足ががくがくと震え、立っていることが困難になって木に背を預けてずるずると崩れ落ちそうになったが、愛撫する手が抱え起こすようにして咲耶が座り込むことを許さない。

「はぁっ! あんっ……!」

 さらに続けられた愛撫で何度かイかされたが、淫魔の毒に冒された咲耶の身体は、その上の快感を求めていた。

ずるっ……

 唐突に、咲耶が崩れるのを阻んでいた兄の愛撫の手が離れ、背中が木の幹を滑るようにして咲耶はその根元に座り込んだ。その目前に剥き出しになった一物が突きつけられる。

 初めて明るい場所で間近に見る兄の一物は、大きくエラを張って想像以上の迫力だった。縦に割れた先端の小さな穴から雫を溢れさせながら眼前に迫るその姿に、咲耶の目は釘付けにされた。

ぐっ……

 しかし、観察の時間はなく、一物をあらわにした兄の手で咲耶は再び引き起こされ、今までもたれていた幹を両腕で抱きかかえるようにして下半身を突き出す格好を取らされる。この体勢では兄の一物はおろか、兄の顔すら咲耶は見ることができなくなってしまった。だが、見えずとも兄が何をしようとしているかは十分に知ることができた。

ぬちゅっ……

 兄の手がスカートの中に潜り込み、秘裂から溢れ出した愛液を限界まで吸った生理用ショーツに手をかけて、糸を引かせながら膝辺りまで下ろしていった。

 さらに、ぺろっと大きくスカートを捲り上げて白いお尻を丸見えの状態にして、両手で咲耶の腰を抱えた。

ずぷっ

「はあああああぁぁぁんっ!」

 そのまま身体を突き出すと、手で支えて照準を合わせるまでもなく、兄の一物は咲耶の膣深くに突き込まれた。

 その衝撃に、咲耶はここが公園であることも忘れて大きな叫びを上げる。もっとも、咲耶はもうずっと前からそんなことなど頭の中にないようではあったが。

じゅぷっ、じゅぷっ……

 一気に奥まで突き入れた兄は、すぐに愛液に溢れるそこを掻き回していく。激しい動きに、周辺に水音が響いて愛液の飛沫が下草に飛び散った。咲耶のそこはまだ2度目とは思えないほど滑らかにそれを受け止め、全く痛みを感じることなく一人では味わうことのできなかった快感を全身に伝えていた。

「あっ……! はぅっ……はんっ……!」

 一物に奥深くを擦られるたびに咲耶の口からは快感の喘ぎが溢れ出る。肩幅ほどに広がった足はその付け根から伝わる甘美な感覚によって力が入らなくなり、かくかくと膝が笑っていた。木の幹を抱きかかえていた両腕の方になんとか力を込めて、倒れこみそうになるのを支える。しかし、

がくっ

 それもいつまでも続かず、ついに支えきれなくなった咲耶は膝を折って下草につけてしまった。

「あっ……」

 後ろにいた兄もそのせいでバランスを崩し、倒れた咲耶の上から覆い被さる形となった。だが、さすがにその時に咲耶の中に入っていた一物は抜けてしまった。

(うそ……)

 一物が抜けてしまった途端、咲耶は空虚な感覚に襲われる。熱く火照り、愛液を溢れさせた身体が異性を求めて疼く。

「お兄様……お願い、続けて……!」

 咲耶はその疼きをこらえきれず、その場にうずくまるような体勢のまま、下半身を突き上げて兄にねだった。

ずぶぶ……

 獣の姿勢での懇願に、兄は応えて抜けてしまった一物を再び咲耶の中に突き入れる。

「あああぁっ!」

 地面に這いつくばったまま、咲耶は喉を反らして歓喜の声を上げた。

「ああ、お兄様っ! お兄様っ……!」

 繰り返し兄を呼びながら、咲耶は自らの快感が高まっていくのを感じる。一度中断したことで熱の塊のようになってあそこで疼いていたものが、再び激しい抽挿を受けることで風船に空気を送り込むように大きく膨らんで弾けようとしていた。

「イくぞ、咲耶……!」

 兄がそう告げて、勢いよく腰を突き出すと一物を奥深くまで突き入れる。膣の最深部で、一物がぶわっと膨らむのが感じられたような気がした次の瞬間、

びゅるっ、びゅるっ、びゅくっ……

 大量の白濁液が膣壁に浴びせられる。

「ああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!」

 その最後の一突きと、それに続く射精された液の熱さに、咲耶はこれまでにない高さの絶頂へと押し上げられて、そのまま意識が飛んでしまった。全ての精液を咲耶の膣内に吐き出した淫魔は、その意識を失くした咲耶から一物を抜き出す。だが、大量の精液が注ぎ込まれたにもかかわらず、栓がなくなった咲耶のあそこから白濁液が溢れ出すことはなかった。淫魔はそれを当然として、男女の体液に塗れた自らの一物を軽く拭ってズボンの中にしまい込んだ。


「はぁっ……はぁっ……」

 そこから少し離れた場所で、興奮に息を荒くする数人の人影があった。彼らは、兄妹の情交の一部始終を目の当たりにしていた。咲耶からは見えない位置にいたためにまるできづくことはなかったが、淫魔は彼らの存在を知りつつあえて知らぬふりをしていた。

 

「…………んっ…………」

 淫魔が自らの後始末を終えて間もなく、咲耶の目が開いた。激しい絶頂に達したせいで身体が重かったが、朝からずっと燻っていた股間の疼きはその絶頂により綺麗に消えていた。まだ絶頂の余韻で身体は少し火照っていたが、それは時間が経てばちゃんと冷めていく種類のものだった。

「……………………っ」

 同時に、頭も正常に働き始め、先ほどまでの自らの痴態、そしてここが公園であったことを思い出して顔を真っ赤に染めた。

(どうしよう…………あんな恥ずかしいことしちゃって、もし誰かに見られてたら。ううん、それよりも大事なのは、お兄様にいやらしい女の子だって呆れられてたら、もう私生きていけない!)

 最悪の事態の予想に怯えつつも、咲耶はそれを確かめるためにおそるおそる兄の方を見上げた。

「お兄様…………?」

 見ると、兄は自分だけすでに服を整えてこの場を離れようとしているように見えた。そんな態度に不安が増大した咲耶は、消えそうな声で兄を呼んだ。

 それを受けて兄は振り向くと、咲耶を見下ろして口を開く。

「ごめんよ、咲耶。もっと一緒にいれたらいいんだけど、今日は用事があるんだ。もう行かないと」

 そう言って、兄は歩き出してしまう。

「待って、お兄様! それなら途中まで私も一緒に……」

 咲耶はそう言って呼び止めたが、

「いや、まだ咲耶はここで休んでいたらいいよ。……その、さっきのはずいぶん激しかったからね」

 と答えて、結局兄は一人で先に行ってしまった。咲耶はそれでも兄を追おうと思ったが、やはりまだ身体が重く、とても追いかけることはできなかった。

 一方、淫魔は咲耶の位置から見えなくなったところで兄を演じるのをやめて、口元に邪悪な笑みを浮かべた。

(これでいい。仕上げはあいつらが勝手にやってくれる……)

 自分の役目が終わったことを確信した淫魔はそのまま報告のため千影の元へと向かった。



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