その56

 

 

 

 

「そうだな… 他に女がいなくて、由紀江… さんだけが相手ならば、まあ、

 1時間は掛からないだろうな。でも、なんでいきなり、そんな事を聞くんだ

 い? 爺さん? 」

少年の言葉には嘘は無いから、由紀江は身の置きどころが無く思えて、ただ俯

いて黙り込む。

「儂が5分で、同じ事をやってのけるって言えば、お前はどう思う? なあ、

 小僧? 」

「あはははは… そりゃ、無理だぜ、いくらなんでも5分じゃな」

ほんの数回の咀嚼で甘エビを呑み込んでしまった少年は、老人の話を法螺と決

めつけて笑い声を上げた。だが、翁の横に佇む美人女監督が、為吉の台詞に反

発しないのを見ると、俄然、好奇心が掻き立てられた。

「なあ、本当なのかよ? 由紀江… さん? 」

年下の愛人の呼び掛けに、ちらりと上目使いで隆俊を見上げた由紀江は、頬を

羞恥で紅く染めたまま、小さくコクリと頷くではないか! 

「なんなら、その目で確かめてみるか? どうだ、小僧? 」

もはや好奇心の塊と化していた若者は、老人の提案に一も二も無く頷いて同意

を示した。

 

 

食べかけの鮨もそのままに3人は由起子の寝室へと場所を移す。長い廊下を歩

いている間にも、由紀江が夢うつつな表情を見せるから、少年はただならぬ気

配を感じ取り、これから行われる行為に期待を膨らませている。すでに慣れ親

しんでいた女AV監督の寝室に入ると、それまで若干腰がまがっていた様に思

われた老人が、シャキッと成ったから面白い。ここは黙って様子を見ようと、

少年は壁際に置いてある椅子まで下がり、ドッカと腰を下ろした。

「ほら、さっさと邪魔なモノは脱いでしまえ」

老人の声に促されて、由紀江はチラっと愛人の少年に艶っぽい流し目をくれて

から、ゆっくりとクリーム色のシャツを脱いで行く。葵との撮影が終わったら

、今度は自分の順番だと考えていた由紀江だったから、下着は隆俊を挑発する

様に、黒の上下を身に付けていた。まだ現役AV女優時代を彷佛とさせるグラ

マラスなプロポーションを惜しむ事も無く披露する由紀江ではあるが、流石に

老人とは久しぶりだから、豊かな胸元と下の飾り毛はかろうじて両手で隠して

いる。

「相変わらず、綺麗なものじゃ。お前の引退は5年は早かったのう」

年下の愛人だけでは無く、彼女に縄の味を憶えさせた老人に見つめられて、由

紀江はいたたまれずに、思わず目を伏せて俯いた。性に関しては奔放な女監督

の恥じらう仕種を初めて見た隆俊は、驚いて目を丸くしている。

(なんだよ、由紀江? こんな爺に見られただけで、顔どころか首筋まで真っ

 赤にしやがって… いったい、何なんだ? )

数いる愛人の中でも、もっともセックスに関してはオープンであり自由な考え

方をしていたはずの由紀江の恥じらう姿に、少年は驚きを隠せない。しかも、

命じられたわけでも無いのに、彼女はそのまま老人の前に歩み寄ると、くるり

と振り返り跪く。

どうなる事かと息を呑み見つめる少年の前で、由紀江は夢見る様な顔をしたま

まで、背中に両手を回してしまう。すると、美貌のAV監督の行為がさも当然

とばかりに軽く頷いた老人は、持参した大きめの黒いバックから、麻の荒縄を

取り出したでは無いか!

(しっ… 縛るのか? これって、もしかしてSM? )

つい最近までは童貞だった少年は、漫画で見た事のあるアブノーマルなプレイ

が目の前で行われる事にショックを受けた。同時に、あれほど男と女の繰り広

げる行為においては獣性を見せる隆俊なのに、刺激的な光景の前にした今は、

好奇心が満ち溢れたただの餓鬼と化している。上下に交叉した手首を最初に荒

縄で決めた老人は首が絞まらぬ様に縄を躯の前に回すと、まるで豊かな乳房の

膨らみを絞り上げる様に淫媚に拘束して行く。

「あふぅぅぅぅ… 」

両方の乳房が歪にゆがむ中で、由紀江は感に耐えぬと言った様子で甘い吐息を

漏らしている。その仕種を見れば、彼女がけして縄掛けを嫌っているようには

見えない。

それどころか細められた目の中の瞳は、これからの行為を思い潤んでさえいる

のだ。それにしても、老人の手際の良さは大したものである。その水際立った

手腕は、SMに関してはまったくのド素人である隆俊も、賛嘆の目を向けてや

まない。

(凄えや、まるで縄がひとりでに由紀江に巻き付いて行くみたいだぜ)

干涸びて土色の老人の指がスルスルと美女の躯の上を滑ると、ほんのりと汗の

浮いた肌に荒縄が食い込んでいるのだ。しかも、急所を決める都度、由紀江が

切な気な吐息を漏らして、なんとも色っぽく身を捩る。刺す様な若い愛人の視

線を感じながら、由紀江は過去にまだ売れっ子のAV嬢だった頃の事を鮮明に

思い出していた。

企画モノで初めてSM作品に出演した時に、縄の技術指導で撮影に参加してい

たのが、その当時は超一流の縄師として知られていた留吉だった。余りに巧み

な縄さばきと、女の泣きどころを適確に掴み責めるテクニックに幻惑されて、

そのAVの撮影が終わった後でも、しばらく彼女は老縄師の奴隷女としての生

活を楽しんでいた。

だからこそ縄掛けされた途端に、過去の記憶が蘇り、マゾの血がいきなり沸騰

して抑えられない。隆俊に見られているにも関わらず、ひとりでに腰がうねく

ってしまうのを、もうとめることなど不可能だ。巧みな老人の手腕は素晴らし

く、1分とは経たぬ間に、由起子の白く美しい肢体には縄化粧が施されてしま

った。

「どうだ? 久しぶりの縄の味は? 」

「あふぅ… きついけれど、とても良い気持ちです、御主人様」

その言葉に嘘が無いことは、瞳を潤ませて首筋までも真っ赤に染めた由紀江の

様子を見れば明らかだ。これまで幾度と無く肌を合わせて来た年上の愛人の見

せる被虐奴隷としての恍惚の顔は、由紀江の違った一面を強く少年に印象付け

ている。

「おいおい、可愛い愛人の前で、もうこんなに濡らしているじゃないか? 本

 当にお前は淫乱な女だよ」

本来であれば、ここからゆっくり、そしてじっくりと責め苛むのが常道ではあ

るが、少年の関心を得る為に5分と時間を区切った以上、為吉は焦らし責めは

諦めて、一気に奴隷女を追い上げて行く。道に外れている事は百も承知の上で

、老人はいきなり縛り上げた美女の股間に手を差し伸べた。

「あッ… あふぅぅぅぅ… 」

久しぶりに自由を奪われて虐められる悦びの中で、直接秘裂に対する責めを受

けた美貌の女監督は、もう年下の愛人の目を気にする事も出来ずに、甘えた声

を漏らして身悶える。しかし、老人は蜜壷に差し入れた中指を動かす様子を見

せない。最初は小さな刺激でも躯を震わせていた由紀江だが、やがて焦れてし

まい何度も身じろぎする始末だ。

「あふぅ… 御主人さま… お願いですぅぅ… もっと、グリグリとしてくだ

 さい。あぁぁぁ… 焦らしたら、嫌ですぅぅ… 」

 

 

 

 

 


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