最終章〜至福

			「いらっつしゃいませ。S・H・B・Cへようこそ。」

			明るい声で接客する忍と咲がいた。

			「すみませんがこれをお願いします。」

			一人の女性が私達の前に朋香と書かれた一枚のお札が差し
			出された。お札を持つお客様は会社のもう一つの人材派遣、
			正確には社内で" 式神 "と称され商品を希望してるのだ。

			「かしこまりました、ご案内いたします。こちらへどうぞ。」

			私が先頭に立ちお客様を零お姉様の部屋へと導く。

			「失礼します、小野寺です。式神をお求めのお客様ががい
			らっしゃいましたのでご案内いたしました。」
			「待っていたわ、お入りなさい。」

			すぐに零お姉様のお声が返ってきた。

			「失礼いたします。お客様どうぞこちらへお入りください
			ませ。」
			「一緒でも構わないわ。お前もここに来るがいい、忍。」

			中に入ると縛られた奴隷姿の朋香が零お姉様の股間に顔を
			埋め、ぺちゃぺちゃと音を立てながら舌でご奉仕していた。
			私もすぐに裸になり首輪とアナルに尻尾をつけ四つんばい
			になり、部屋の片隅にある小さな動物を入れる檻の中で控
			えた。

			「お持ちになったお札で商品を確認して下さい、背中に記
			してありますから間違いはありません。ごらんになってい
			かがですか?躾は十分にしてあるでしょう気にいって頂け
			れば幸いですが。」
			「その式神に間違いありませんね。そうですね、思ってた
			以上にこちらにはいい物が揃っているようです、これなら
			私共の条件には十分でしょう。」
			「お褒め頂いて誠に光栄です。当社の式神は全てのご要望
			を満たすだけの十分な躾は施してありますから、契約期間
			の途中で返品された事はまだ一度もないんですよ。それど
			ころか最近は契約の延長を申し出る方も増えて、困った事
			に中には個人的に売買を希望される方も多くいらっしゃい
			ます。勿論、当社は人材派遣ですので式神の販売について
			は丁重にお断りしておりますが。」

			もう一つの人材派遣業。それは個人の能力を契約期間他の
			会社や組織に貸し出し報酬を受け取る。ここでは私達の厳
			しく躾られた身体が商品で、お客様の要望に合わせそれに
			合った商品つまり調教を受けた牝犬達が一定期間貸し出さ
			れるのだ。

			厳しい調教の中、最後まで生き残って無事に会社に戻れた
			女達には最後の仕上げが残っている。一人一人不妊手術を
			受け、クリトリスの包皮も剥がされ、そして会社の商品と
			なるためにその背中には「お札」のタトウが施されそれぞ
			れの名前が刻まれるのだ。

			全てが終わるといつでもどんな命令にも従う様に洗脳され
			た商品"式神"として登録され新しい飼い主の到着を待つ身
			となるのだ。勿論、私の背中にも忍と書かれたお札のタト
			ウが施され、新しい飼い主の到着を待つ1匹の牝犬だ。

			今日のお客様は朋香を選ばれた、いったいどんな御主人様
			の所にいくのだろうか?

			「朋香。お客様へのご挨拶忘れてるみたいじゃない、今だ
			け失礼な態度を許してあげるからさっさとご挨拶なさいな。」

			お姉様は朋香の髪を引っ張り彼女の前に蹴り出した、縛ら
			れたままの朋香はまるで芋虫の様に這いずり彼女の前で挨
			拶をした。

			「ご主人様。ご挨拶が遅れ申し訳ありませんでお許し下さ
			い、牝犬の朋香をどうぞお好きなように扱って下さいませ。
			では、失礼いたします。」

			朋香は彼女のスカートの中に顔を突っ込み器用に口でショ
			ーツを脱がせ、そのまま音を立てて舐め始めた。

			「私は代議士先生の代理人で伺った者ですから、わざわざ
			こんな事なさらなくても。ウッッ、でもこの子なかなかお
			上手ね。」
			「代理人とおっしゃってもお客様に変わりありません、お
			時間がおありでしたら出荷前にお使いになってもわたくし
			どもは一向に構いませんが。」
			「あぁぁ、あん。せ、先生がパーティー用にとお使いにな
			る、よ予定なのですから、だから、わ、私が、あっ、先に、
			つ、使うだなんて。あ、そこ。」
			「ご遠慮なさらずにテストという事になさったら如何です
			か?それにもうお身体は疼き始めてるようですね、別室は
			ご用意してありますのでどうぞごゆっくりお楽しみくださ
			い。後ほど契約を取り交わしてもよろしいかと存じます、
			契約書も既に出来上がっておりますので急ぐ事もありませ
			んから。」
			「では、別室をお借りしようかしら。あはぁぁ、そこ、そ
			こよ。いいもっと強く舐めなさい。」
			「少々お待ち下さい。牝犬が1匹まだここにいます、余分
			な時間は少しでも躾に回したいので。忍、そこから出てき
			なさい。」

			私はすぐに檻から出て、尻尾を振りながらお姉様の前に進
			み靴を舐めた。

			「お前も一人では寂しいでしょ。縄を与えるから静かにし
			てなさい。」
			「ありがとうございます、縄を頂いて忍は静かにお待ちし
			ています。」

			すぐに全身にきつく縄を掛けられ私は床に転がされた。

			「何時間かそのままでも死ぬ様な強さじゃないから。あら?
			なによこれは。」

			私の股間が身体を囚われる縄の感触で既に濡れていたのを
			お姉様は見逃さず、その動けない身体をお姉様の足が踏み
			つける。

			「すみません。縄を掛けられて濡らしてしまいました、お
			許しください。」
			「お客様の前でなんていやらしい。そんなに感じたかった
			ら、バイブを入れたままで放置してやる。BGMの替わり
			にこの部屋で鳴いているがいい、淫乱牝犬め。」

			バイブを私に入れたままにして、朋香はお姉様に引きずら
			れながらお客様と隣りの部屋に消えて行き、一人取り残さ
			れた私は部屋の中でバイブの振動に悶えながら帰りを待っ
			ていた。

			「ああぁ、痛い、縄が締まってきて身体が辛い。お姉様は
			アナルにしかバイブをくれなかった、これじゃ物足りない
			です。もっと、もっと、もっと下さい。」

			数時間後、朋香を残したままで隣りの部屋から2人が出て
			来た。

			「おお、お帰り、あ、なさいませ。」
			「あら。その状態でまだ起きてたのね、かなり締まってき
			てるはずだから、もう気絶してると思ったのに、だいぶ耐
			えられる様になったじゃない。うん感心、感心。」
			「この娘はどんな式神ですか?見たところなかなか良さそ
			うですが。」
			「基本的にはレズビアン用の式神なんです。男性相手での
			反応が今一つはっきりしません、おそらく男性ユーザーに
			お貸ししても返品される可能性が高いですね。躾について
			は特に痛みを喜び、アナル責めについては当社の式神の中
			でもかなりの適応性を持ってます。カーペットをご覧にな
			ってみたらすぐに判りますよ、アナルバイブと荒縄で何度
			達したものやら、べっとりと流れ落ちた汁がカーペットに
			大きな染みを残しているじゃないですか。」
			「確か知人がそのような条件の式神を先日探していたと記
			憶していますが。まだ出荷予定が無ければ今度こちらに伺
			うように連絡しておきましょうか?」
			「お願いできますか?朋香同様まだ出荷した事がないので
			多少の粗相についてご理解いただけるのでしたら商品内容
			を見て頂きたいですね。」

			" 商品内容を見る "それは希望するユーザーの目前で再度
			の調教を受ける事であり、その出来によって商品価値が付
			くのだ。

			「まずは朋香の契約を完全に済ませてから、忍の件をお話
			しいたしましょうか。邪魔だよ忍、隣りの部屋でしばらく
			逢えない朋香と遊んでなさい。」

			縄を解かれた私はきしむ身体で隣りの部屋に行った。ムッ
			とする女の匂いが満ちた部屋の中、私の存在も気が付かな
			いのかベットの上で甘い声を漏らしながら一人バイブオナ
			ニーに耽ける朋香が目に入って来た。

			「朋香。しばらく逢えないから私がしてあげるよ、バイブ
			抜くからね。」
			「バイブが良いのよ。このままでいかせて、お尻の穴を舐
			めて欲しいんだ。」
			「いいよ、うつ伏せでお尻向けなよ舌をアナルに埋めてあ
			げる。」

			アナルの中に延ばした舌先には苦い感覚が襲った。

			「あっ忍。さっきお浣腸されてまだ液が少し残ってるみた
			いなの。」
			「朋香のウンチなら私は平気だよ、このまま刺激してて我
			慢できなきゃかけても良いからね。」

			すぐにアナルへの愛撫を続けた私に、朋香からは喘ぎ声の
			返事が届いた。

			「ウ、ア、アッ、アッ、アッ」

			バイブの刺激も加えられ朋香のアナルに入れた私の舌がキ
			ュッと締め付けてきた、そろそろイクのだろう。

			「ヒッ。ア、イク。アアアアー。」

			舌先を抜くと薄い茶色の液体がアナルからピユッと吹き出
			し顔を汚した。

			「イッたみたいね、ならその辺で止めてお前は早く顔を洗
			ってきなさい。これから朋香は出荷するから、お友達を見
			送ってあげるんだよ。」

			振りかえるとお姉様とお客様が笑いながら私達の痴態を見
			下ろしていた。

			数時間後、地下駐車場に一台のコンテナ車が到着した。積
			み込まれた白木の棺には"朋香"と書かれたお札が貼り付け
			てある。

			「忍、蓋を開けてごらん。朋香は先方に着くまでの間薬で
			眠ってるだけだから何にも心配する事はないのよ。」

			恐る恐る蓋を開けると、花に包まれ奇麗に化粧を施され死
			に装束をまとって眠る朋香がいた。

			「重ねて申し上げますが、式神を壊すような事がありまし
			たら、それなりの責任を取って頂きますのでお忘れなく。」
			「勿論、十分に注意して取り扱いますよ。けして安いとは
			言えない金額ですので、こちらとて無駄な出費は避けたい
			ですから。」
			「契約期間中はどうぞお好きなように扱って下さい。では、
			またお会いしましょう。」

			朋香を乗せた車が去った後、お姉様が呟いた。

			「お前達は古くから続く我が安部一族に尽くす為に生まれ
			た現代の式神だよ。先祖が陰陽道の式神を駆使して政治や
			その時代を影で支配していたように、この時代ではお前達
			生きた式神が我が一族に莫大な富と永遠の繁栄をもたらす
			んだ。」
			「式神ですか?でも良いです、お姉様に尽くせるならどん
			な事でもいたします。」
			「いつかはお前もここから送り出してあげるから、それま
			では私が可愛がってあげる。」

			首輪を引かれお姉様に連れられた私に優しい声をかけてく
			れた、その数日後に私は式神となる事を知らぬまま。そし
			て親友の朋香とも二度と逢う事無く。

			華やかなスポットライトを浴び激しいリズムが鳴り響くス
			テージの上で、それをもかき消すような悲鳴と鞭の音が響
			き渡る。ライブの主役は昨日も、そして今日も大声で泣き
			叫びのたうち回る全裸の私なのだ。主役の私に投げかけら
			れるのは拍手ではなく罵声と冷たい笑い声と鞭の痛み、し
			かしそれらは複雑に交じり合い身体の中で強烈な快感とな
			り昇華されていく。

			ここは有名な芸能プロダクションとだけお姉様が出荷前に
			教えてくれた。子飼いタレント達のセックス・スキャンダ
			ルを予防するためにと、私は芸能関係者に派遣されたのだ、
			TVで見た顔が幾人も私を取り囲み欲求のはけ口に私を責
			め苛み、血を滲ませた傷だらけの身体はなおも刺激を求め
			自然と身悶える。

			私に課せられた契約内容は言葉では至って簡単なものだっ
			た" セックス・ドール "つまりは期間が満了するまで自我
			を認められない玩具であり続けるのがその仕事なのだ。

			人気の男性アイドルグループSには昼夜を問わず玩具を扱
			うが如く順番に、または一度に集団で乾くことを知らない
			私のあそこをレイプした。

			それとは別に女を知らない若い坊や達Jにとって、私は格
			好の材料であり女を犯し虐げる為の練習につかうセックス
			ドールとして貴重な存在だった。

			所属するすべての若いタレント達の精液を飲み、坊や達の
			前で女の身体全てをさらけ出し、トイレでも移動のバスの
			中でも、楽屋や練習中のステージ上にですら裸で連れ回さ
			れては、飽きる事の無い若い身体達が覚えたてのセックス
			でひたすら犯し続けるのだった。

			特に男を求めるストレスの反動なのだろうか、セックスに
			飢えた身体を持て余す若い8人の女性歌手グループMから
			の異常な責めは想像を絶し、同性をいたぶる事に喜びを感
			じる妖しい瞳達に囲まれ、縛られ吊るされては拷問のよう
			なあらゆる地獄の責めと非人間的な屈辱を幾度と無く全身
			に浴びた。

			悲しい事に完成されたマゾの血が流れる私の身体はそれを
			進んで受け入れ、人間便器となった生活にすら股間を濡ら
			し続けながら恥ずかしく発情し悶え狂った。

			また、時には二人きりで新人女性歌手との甘美なビアンプ
			レーに酔いしれながら一時だけの安らぎを得ても、所詮こ
			の世界に居る限りやがてその女もサディストの血に目覚め、
			責める人間へと変貌し私をふたたび快楽と苦痛の世界に蹴
			り落すのだ。

			たった一人鉄格子の檻に繋がれて眠りに就く時だけが与え
			られた唯一の平穏な時間で、私はお姉様の笑顔を思いなが
			らも、長い長い牝奴隷の、いや、生きた式神としての時を
			過した。

			初めての式神としての契約期間が終わり会社に戻された私
			は、すぐにお姉様に呼ばれ牝犬の姿で部屋に入った。

			「元気で無事に帰れたじゃない。とりあえずはご苦労様っ
			て言っておくわ、でもこれからが大事な事なのよ。」

			お姉様は式神である私の身体を一通り検査し異常が無い事
			を自分の眼で確かめた後、誉めてもらえるかと思っていた
			が意外にも冷たい言葉を投げかけてきた。

			「身体の小さな傷は薬を塗って早めに治しておくんだ、文
			字通り傷物は商品価値にも影響するから我々には困るんだ
			よ。それと契約が完了したらその内容の一部始終は全て忘
			れるんだ、これは自分自身の為にも最も大事な事だからね。
			何故だと思う?希に覚えていて手間暇かけて仕込んでやっ
			た私達に言いがかりをつける壊れた式神が出る時があるの
			さ、そうなると後処理がちょっと大変でね。お前の前にい
			た式神も壊れてしまったんだよ。生意気に自我を持って主
			である私に噛み付いたんだ、朋香から聞いているだろ自殺
			した女の事くらいはさ。」

			私は無言で頷きお姉様の眼を見詰めた。

			「我々の財力とコネクションがある限り何でも思いどうり
			出来る、使えない式神の処理方法は自殺にも事故死にする
			事にもね。最近は特に目を掛けて可愛がってた式神も壊れ
			てしまった、そいつはお前だって知っている女だよ。残念
			だけど初めて出荷して帰ってくると身分を忘れ時々壊れる
			式神が出るようだ、幸いお前は今のところ大丈夫だとは思
			うけどしばらくは様子を見なきゃ信用できないね。」

			お姉様が二日前の新聞を手渡した、開くとその片隅には交
			通事故死を伝える小さなニュースが載っていた。

			『昨夜未明、高速道で蛇行していた車が壁に激突し運転し
			ていた女性一名が死亡した。運転していたのはS市の無職
			青木朋香さん(22)で飲酒運転の疑いがあり、激突のシ
			ョックで車は炎上し火傷によるショック死が直接の死因と
			思われ。この事故で一時・・』

			私は信じられない位に冷静に記事を読み終えた、親友の事
			故死、いや親友を殺された事に対してなんの感情ももてな
			い。それどころかこれで私だけがお姉様を独占できる事で
			口元には笑みさえ浮かべてる。

			「あはは、ホントに馬鹿な女だ。壊れるのが悪いんだよ、
			死んで当然じゃない。」

			思いがけない言葉が飛び出し、それを聞いたお姉さまは笑
			い出した。

			「あははは、合格だよ。これからは私の側で色々とこの仕
			事も教えてあげるし、時々気が向いたら可愛がってやって
			もいいわよ。」
			「何でもします、何でも命令して下さい。命に代えてもお
			姉様一族に尽くしますから、死ぬ時はせめてお姉様の手で
			私を。見て。」

			私は机に置いてあった細いペーパーナイフを手にすると、
			驚くお姉さまの目前で自ら左の乳房を横にして突き刺した、
			痛みと伴に血が流れる。

			「見て下さい、これがお姉様に対して誰にも負けない私の
			忠誠心なのです。式神である限り裏切ることなど絶対にあ
			りません、流れる血と傷に誓って。」

			裸になったお姉様はナイフを抜き取り流れ出る血をその熱
			い唇ですすり、指に付けた血で私の名を自分の乳房に描い
			た。忍と。

			「甘くて美味しい魅惑的な血ね、これは一滴残らず私だけ
			の物。私が全部吸い尽くしてあげるわ、お前が朽ち果てる
			までね。こっちへおいで。」

			「バタン」点々と血の後をカーペットに残し別室のドアの
			閉じられる、中からは悲鳴が漏れるがほどなく静寂を取り
			戻し、かすかな笑い声だけが漏れるのだった。

エピローグ

			"ピチャピチャピチャ"跪き椅子に腰掛けた私の股間を夢中
			で舐め続ける若い女が一人。マスクで顔を覆い隠し、舌だ
			けでもう何時間こうしているのだろうか?その女の全身に
			まとわり付く荒縄は、まるで蜘蛛の巣に囚われ自由を失っ
			た哀れな獲物の様に見え、縄による圧迫でだろう時折舐め
			ながらも苦しげな鳴咽を漏らす。

			「駄目駄目、もういい。何度教えても覚えが悪い最低の牝
			犬。一体同じ事を何時間したらあたしを満足させられるん
			だ。」
			「ごめんなさい。でもこんな格好では苦しいの、これでも
			精一杯頑張っているんです。」
			「口答えするな牝犬は命令を聞くだけで良いんだ。生意気
			な態度を私の前でとるな。」

			腹を蹴り飛ばされた若い女は汚物を吐き出し、その痛みが
			治まった頃私の匂いを頼りににじり寄り泣きながら私のブ
			ーツを舐めた。

			「許して下さい。痛い事しないで下さい、何でも命令は聞
			きますから。許して。」
			「真面目に良い子でいるなら何も酷い事なんかしないさ、
			私はイジメているんじゃないんだ全てはお前の為を思って
			こうしてわざわざ躾ているのを忘れないで。お前が私の為
			に一通りの事をその身体で覚えたなら今よりここはきっと
			楽しくなるし、望むなら優しく可愛がってやるからさ。み
			んな同じなんだ。私だって初めてこの部屋に来た時、回り
			は全員狂ってると思った、だけどそれは間違いだった。お
			前が今まで暮らしていた世界こそ偽りなんだ、安心しなよ
			ここは私やお前の住むべき世界だから。もう一度舐めるん
			だ、舌で奉仕し満足させれたら今日のお勉強は終わりにし
			て餌をあげるから。」

			女は苦しみながらも再び卑猥な音を立てながら奉仕を始め
			た。

			お姉様のオフィス前で私は一匹の牝犬の姿に戻り軽くドア
			をノックした。

			「失礼します、お姉様。牝犬の忍です。」
			「あら、今日はもう終わったの?お疲れ様。あの子の教育
			は予定どうり進んでる?」
			「ちょっと遅れ気味ですけど、私達が絶対者であることは
			身体が覚えてますよ。飴と鞭を上手く使い分ければ十分に
			商品化出来ると思います。お姉様が私になさってくれたみ
			たいに。」
			「あはは、上出来よ。あの頃はただただ泣き喚いて逃げ回
			っていた女が、今では牝犬に鞭を振るう女になっていつの
			まにか立派に調教出来る位の実力ついたじゃない。そして
			私の片腕にまで成長してくれたお気に入りの専用奴隷さん、
			その胸のタトウを見る度に狂うくらい責めたくなっちゃう
			わ。」
			「お褒め下さってありがとうございます。お姉様にはいつ
			でもお好きな時に私を責て頂きたいです、この身体は私の
			物ではなくお姉さまの所有物で単にお借りしてるのですか
			ら。」

			あれからいったい何年たったのだろう?左乳房の傷痕には、
			お姉さまの手で胴体が千切れて血を流しながらも口を開き
			乳房に噛み付こうとしている蛇の頭のタトウが彫り込まれ
			ているのだ。

			壊れた朋香が処分された事で私も調教の真似事を手伝うう
			ちに、自然と同性を責める快感に魅せられていった。勿論、
			素人が簡単に出来る事ではなくその練習材料としてお姉様
			は咲とここに新しく囚われた二人の女をくださった、勿論
			どうなろうと構わないとおっしゃって。

			激しい調教の結果、お姉さまの手であれほど十分な調教を
			受けていたはずの咲も含め三人の女達の精神を、私は完全
			に破壊し廃人にしてしまった。しかしその犠牲の上でSと
			Mの顔を持つ今の私が完成された事で、お姉様は喜び三人
			を廃人にしたことについて咎められる事なく、むしろお褒
			めの言葉まで頂いたのだった。

			ある時は式神として被虐の世界で快楽を貪り、契約期間が
			終われば自ら式神となりそうな女を捜し、牝犬に仕込んで
			いくレズビアンサディストに生まれ変わった忍。現在はお
			姉様の専用奴隷であり商品とされる事は無く、ひたすら牝
			犬の調教だけを担当して何匹もの優秀な牝犬をお姉様の元
			に差し出し一族の富を確実に増やしていったのだ。

			そのご褒美としてお姉様からの責めを全身で受け、歓喜の
			涙を流す一匹の奴隷に戻れる大切な時を過ごす生活。これ
			こそが私が求めていた恐怖と安らぎ、苦しみと快楽が混ざ
			り合う混沌とした至高の次元、そしていつの日かお姉様の
			手で最後の時を迎える事を祈りながら鞭を振るいそして鞭
			を受ける。

			今日も明日も、この命が尽きる日まで。


                     			                        END


                                              


                                              


【あとがき】

			私の処女作「PERSONA〜仮面の私」如何でしたか?
			作文等文字を書く事が最もニガテだった私が、いきなり1
			00ページを超える小説を書き上げるなんて最近まで夢に
			も思いませんでした。

			実生活でもビアンである私が、過去実際に経験した事の一
			部はこの中にも描いているつもりですが、大半は「してみ
			たい」「されたい」等のフィクションであることはお判り
			頂けたと思います。

			最後になりましたが文章の面白さを私に教えてくれたTさ
			ん、処女作のタイトルをプレゼントしてくれたCくん、サ
			ブタイトルを付けてくれたSさんには心からお礼申し上げ
			ます。

								2000年1月 紫

                                    			   苦情はこちらに 
                                     

                        
                          			      shinoqueen@mail.goo.ne.jp 


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