はじめから読む

吉田聡美 (10月12日(火)22時25分28秒)
アニト様>2番の作詞していただいて、すっごく光栄です!
「鉄マン」にしようかなと思ったんですが、
実はサトミの鉄腕は重要な役割を果たすんで、
「鉄マン」も備えているけど敢えて「鉄腕」にしました。
どんな鉄腕かは、次回第六話「七つの威力」で判明させるつもりです。
桃原美希子様>聡美、この頃、携帯で空想デートの確認をすることが多くて
しばらく、皆様の作品をきちんと読んで無かったんです、ごめんなさい。
で、今日、PCでチェックしてたら、出てるじゃないですか、サトミ。
実は、時計じゃないけど妻が持ってるお出かけ用のイヤリングを
内緒で使っててジュエリーがはずれちゃったんです。
内緒で修理に出してるんですが、
気付かれたらどうしようかと思うと、はらはら物です。
☆★☆★☆鉄腕サトミ3☆★☆★☆
第四話「ロボット」
翌日、朝ご飯を食べて九時頃になってから
お茶の木博士の研究所に向かいました。
昨日は博士の涙に誘われて、思わず正義のために頑張るなんて言ったけど、
実際の所何すればいいんだろう。
取り敢えずは、娘さんに媚薬を飲ませた人間を捜し出すことなんだろうけど、
手がかりが何もないんじゃねえ。
そんなこと考えながら、性欲研究所のドアを開けると、いつもの如く
「へえへえ、お越しやす。」と博士の声。
「博士、曲がりなりにも博士号取得してるんだからちょっと考えましょうよ
・・・って博士、何してんの?」
あ、なんやお客さんかいな。ちょうど良かった。
今、あんたの部品作ってたとこですねん。
他のお客さんと違って、お客さんやったんで良かったわ。
「部品って何のこと?あ、そういえば博士、なんか忘れてると思ったら、
博士にまだ自己紹介してませんでしたね。」
「自己紹介?もう聞きましたがな。
女装に興味持ち始めたんでっしゃろ。ほんでSMにも関心がおまんにゃろ?」
「いや、そうじゃなく名前とか・・・」
「名前なんかなんでもよろしいで。
他のお客さんと混乱するんやったら女装の大将なんてのどうです?」
「そんなのいやです!(きっぱり!)僕の名前は吉田聡!大学生でーす。」
「あ、吉田はんどすか。けど聡さんちゅうのは、おかしいなあ。
あんさん、女なんやさかい、女らしい・・・そう、聡美はんでいきまひょ。」
「博士ったら、女装のことは徐々にってことだったじゃないですか。」
「それは、聡美ちゃんが普通のお客さんの頃の話や。
今日からは、あんさん、正義のために戦う研究所員なんやから、
すぐにでも女装してもらいまっせぇ!
はい、会員証。千円ごとに1ポイントでっさかい。」
「これって、ビデオ屋の時のカードとは別なんですか?」
「あ、間違えた!こっちや。はい、研究所員バッヂ。」
「あれ?このバッヂのデザイン、どっかで見たなあ・・・
星マークに羽根みたいなのが付いてて、流れ星の感じ。」
「聡美ちゃん、これ見てピンとこんかいなあ?ほれ、科学特捜隊やがな。」
「科学特捜隊って?なんか漫画っぽい響きだなあ。」
「漫画やない!ウルトラマンや。」
「あ、そうだ!怪獣退治する人!」
「そうそう、そのバッヂや。
しかも、ただのバッヂとちゃいまっせぇ。科学の最先端グッズやぁ!」
「ええ!どんな仕掛けがあるんですか?」
「びっくりしなはんなや、このアンテナを伸ばして裏のボタンを押すと
日本国中どこからでも、うちの本部と無線連絡が出来るんや。
いわゆる、国内完全網羅トランシーバーゆうやつやね。」
「えっ?それってどんな山奥でもいけるの?」
「うーん、たまに入らん場所もあるけど、
その時は圏外ですってゆうてくれるし・・・地下なんかは入りにくいね。
詳しくは最寄りのDOC●MOショップで聞いてね。」
「聞いてねっ・・・て、それってただの携帯電話じゃないですか!」
「いや、ちょっとちゃいまっせ、通話料金かからんしね。
何よりも違うのは、この研究所にしかかけられへんとこかな。」
「博士・・・ダメだ、こりゃって感じですね。」
「まあ、そういわんといてぇな。
無線電話に関しては、現実が空想を遥かに上回ってしまったゆうことですわ。
けどね、これから聡美ちやんに施す改造手術は科学の粋を集めたゆう感じやね。」
「ふーん・・・って、ち、ちょっと待ってよぉ!
そ、それって何を改造するんですっ!」
「い、いや、あの・・・改造ゆうんか、要するにやな、
聡美ちゃんをロボット化することによってパワーアップをやなあ・・・」
「ロ、ロボット!!!」
危うく気絶するところでした。
「あのねぇ博士!僕、まだ女装ですら思案してるのに!
ロボットってねえ、僕をアシモ君みたいな機械人間にしちゃおうなんて!
この悪魔!変態!人殺し!」
「ちょ、ちょっと待ってんか、まあ、そない怒らんと!
あんまり怒ったら、さらに顔がふくれまっせ。」
「さ、さらにぃっ!どうせ元からふくらんだ顔ですよ!もう、頭くるなあ!」
「いや、ごめん、そんな意味でゆうたんとちゃうんよ。
まあ、そんな意味も含めてやけど・・・
まあまあまあ、怒らんと聞いて頂戴ってば。
あのねえ聡美ちゃん、あんたロボットについて何か誤解しとるんとちゃう?
そもそもロボットって何か知ってんの?」
「もう、馬鹿にして!ロボットぐらい知ってます!」
「ほな、どんなもん?」
「だからぁ、こういう・・・ウイーン、ガチャンッ、ウイーン、ガチャン
って感じのぉ・・・ええっと、機械でぇ・・・」
「ほれ、やっぱし把握しとらんにゃがな、ほな、わてが訊ねまっせ。
ドラエモンって何?」
「あはは、それって漫画じゃないですか、未来の猫型ロボットでしょ。」
「そやねえ。ほな、鉄腕アトムは?」
「ねえ博士、一つ聞こうと思ってたんだけど・・・
お茶の木繁って本名なんですか?
どうも、お茶の水博士のぱくりって感じなんですけど。」
「あ、失敬な!これ見てみい!免許証もちゃんとお茶の木繁やで!
けどな、お茶の水博士とは関係多いにありまっせ。」
「ほおら、やっぱり!名前パロってんだ!」
「ちゃうっちゅうてんのに!しゃあないなあ。これ見てみい。」
博士、財布の中から一枚の写真を取りだして見せてくれた。
「あ、これ博士が学生時代の写真ね。若い頃からスケベな感じだったんですね。」
「ほっとけ!」
あれ?この隣にいる禿頭の人、どっかで見たような・・・
「あ!これって、まさか、お茶の水博士!?」
「そやがな、わての師匠やがな。」
「ええ!あのアトムを作ったお茶の水博士!」
「あほやな、アトム作ったんは、お茶の水博士の隣に写ってる人。天馬博士や。
それと、わての隣にいる眼鏡の兄ちゃん、こいつはよう出来たでえ。
敷島くんゆうてな、こいつのお父さんの敷島博士っちゅうのが、
あの鉄人28号作らはったんや。
息子の敷島君は今、アメリカで鉄人69号を作っとるっちゅう話やったなあ。
敷島・天馬・お茶の水、このお三方とわてらの3年先輩で
後に光子力研究所の初代所長にならはった兜博士、
この4人が日本ロボット工学の草分けやなあ。」
「へえ、博士ってえらいんだ。あ、外国人の学生さんもいるの?」
「ああ、こいつなあ、わての同級生のボヤッキー君や。
こいつは札付きでなあ、どうしようもない奴やったけどねえ。
なあんか、憎めんのよ、ま、わてとは一番仲が良かったねえ。」
・・・やっぱり、博士はその系統なんだ。
「あ、そや。話を本題に戻そう。
今、ゆうたドラエモンとアトム、この二つのロボットに共通していえるのは、
人や動物に極めて類似した体型に作ってあることやね。
今、仮にこの手のロボットを人間(human)に似てるということで、
ヒューマノイドと呼ぼか。
聡美ちゃん、敷島博士が作った鉄人28号知ってるな。」
「ええ。」
「あれも、でっかいけど人間の形に似せてあるさかい
タイプとしてはヒューマノイドになるやろ。
ところがやね、アトムやドラちゃんと違うのは
鉄人28号は、自分の考えで動いてるんやなしに金田っちゅうボンが操縦しとるんや。
要するに、ヒューマノイドの中には人工知能(artificial intelligence)を
持ってるもんと持ってないもんとに分かれるわけや。
ほんでやなあ、兜先輩が作った不朽の名作として
マジンガーZゆうのがあるんやけど知ってる?」
「あ、パイルダーオン!っていうのでしょ?」
「そうそう、あれとか、
聡美ちゃんらの世代がよう知ってるガンダムなんてゆうのも、
自分の意志では動かない人工知能を有さないタイプやろ。
ところが、ここでまた、鉄人との違いが出てくる。
つまり、鉄人は、遠隔操作によって動かすわけや。
しかし、ガンダムなんかは、人が乗り込むわけやから、
まさに彼らの呼び名の通り、スーツみたいなもんで、
鉄の塊を兜先輩の息子さんが着てるっちゅうことになるわけや。
だから、非人工知能型には遠隔操作タイプと
モビルスーツタイプがあるということになるわけや。
ところで、今まで挙げた人や動物に似せた形のロボットは
二足歩行や人工知能等といった高度な技術が要求されるし、
何よりもコストがかかるわけや。
それが原因でヒューマノイド型ロボットの開発は、
なかなか進展しなかった訳なんよ。」
「それで仕方なくアダルトビデオショップしてるって訳?」
「いやいや、これはあくまでも趣味やがな。
ヒューマノイド型は進展せんけど、
ここ3、40年の間にロボット工学は目覚ましい発展をみせてるんやで。
よう聞くやろ、産業ロボットゆう名前。」
「あ、車の組み立てとか。」
「そうそう、いわゆるオートメーションシステムゆう奴やね。
まあ、ひらたく言えばヒューマノイドのパーツを切り売りしとるようなもんやね。
こいつは、またややこしい問題があって
どこまでをロボットと呼んでええのか?
単なる機械、マシンとの区別をどうするかっちゅう問題が出てくる訳や。
極端にいえば工事現場のユンボやクレーンかてロボットゆうことになるわな。」
「そんなこと言いだしたら、自動車でもロボットになっちゃうじゃないですか。」
「うん、そやね。最近では、何らかのセンサー、
つまり人工的に人間の眼や耳、皮膚感覚といった
所謂、五感としての役割を果たす装置の付いてる機械に限定してるみたいやけど。
まあ、今ゆうたように一概にロボットゆうても
きちんとした定義が未だに確定してないような状況やねん。」
「・・・でも、いづれにせよ、僕のことを
鉄の塊にしようと考えてるんでしょ!このハゲオヤジ!」
「まあ、そう怒りなはんな。
レディーが、僕やとかオヤジやなんて言いなさるな!
私、聡美よって感じでいきなはれ。
あのね、聡美ちゃん、わての考えてるロボットの定義は
比較的ロボットの原型に近いもんやねん。」
ロボットの原型って・・・何?

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第五話「サイボーグ」
「博士、まさか予算ケチってゼンマイ式なんていうんじゃないでしょうね。
僕・・・じゃなかった、私、それならプルバック式がいいなあ。
チョロQみたいなの・・・」
「あのなあ、誰がプルバックさすんじゃ!
その意味と違うがな。ロボットの語源に近いゆうことや。
ロボットの語源、知ってるか?」
「知ってるはずないでしょ!」
「お、開き直ったな、そもそもロボットという語の発端は
チェコスロバキアの小説家カレル・チャペックゆう人が書いた戯曲の中に、
「ロボタ」(ROBOTA)ゆう名前が登場した所から始まっとるんよ。」
「で、そのロボタってどういう意味なんですか?」
「チェコの言葉で「労働」とか「労働者」を示す、
それも正しく言えば「奴隷」としての労働者。」
「まあ、ひどい!人間の奴隷ってことなの!」
「そう、それも大事なことは、
ここに出てくるロボタは機械的な存在ではないんや。」
「機械的存在じゃないって、じゃあ、人間なの?」
「そうや、それも人間が作った人間や。
つまり、そやなあフランケンシュタインみたいな感じやなあ。」
「うーん、人造人間って感じかぁ、あ、解った!
頭脳明晰な部下を増やすために、優秀な聡美のクローンを・・・」
「聡美ちゃんも、次いってみようって感じやで。
そやなくてやね、解りやすくいえば島村ジョーやがな。」
「誰です、その人?吉本新喜劇のカンカンヘッドのおじさん?」
「そら、島木ジョージや。ちゃうがな、ほれほれ!
イワン、ジェット、ジェロニモ、フランソワ・・・
ほれ、1・2・3・4・5・6・7・8・009!」
「あ!サイボーグ009かぁ!」
「正解!わての目指すロボットとは・・・サイボーグやがな!」
「ああ、そうかぁ、サイボーグだったのぉ・・・って!
二度目の気絶する前にはっきり言っときます!
このぉ!殺人鬼!悪者!あんたはショッカーか!もう、怒った!」
ばしっばしっ!
「あいたた、か、堪忍してえな!ちょっと、待った!
誤解だぁ!話せば解る!落ち着けぇ!」
「な、何が話せば解るよ!」
「いや、だからサイボーグの意味も
聡美ちゃんが思ってるようなものと違うんやってば!
まあまあまあまあまあ、取りあえず黙って話を聴いてってば!
そもそもサイボーグっちゅうのはね、サイバネティクスオーガニズム
(cybernetics organism)のcybとorgを取って作られた名前やねん。
サイバネティクスゆうのは、ややこしいんやけど簡単に言うと
「通信」(つまり人間の脳でいう「意思の伝達」)と、
「制御」(これは脳で言うと「抑制」やね)、
そして「統計力学」(つまり人間でいうと「記憶・判断」)
を用いて人工的な頭脳を作ろうという理論やね。」
「ええ?聡美、訳わかんないっ!」
「お!聡美ちゃん、段々女の子らしくなってきたよ。
いいねえ、解りにくけりゃ、サイバネティクスは人工頭脳学的と理解して下さいな。
で、そのオーガニズムなんやから、
つまり人工頭脳学的に作られた有機体というか生命みたいなもんやね。」
「ううん、それでもわかんない!」
「まあ、わからんでもええよ!わてもようしらんねん。
けど、具体的にどんなもんかっちゅうと解りやすいよ。
聡美ちゃんは、サイボーグゆうたらどんなもんをイメージしとる?」
「うーん、やっぱ009でしょ。
ものすごく速く走れたり長ーい間、水の中に潜れたりとか。」
「うん、そやな。要するに生身の人間がいて、
その人間に何らかの装置を用いて特殊な能力を身に付けさせたものが
サイボーグゆうことやな。」
「あ、そうそう。そんな感じ。」
「これは何も特殊な能力に限ったことやないんやで。
例えば、ある人が戦争で両腕を無くした上に、
弾が心臓に命中して機能停止した、いわゆる、死亡や。
ところが脳はまだ生きとる。
そこで、ある科学者が彼の体に人工心臓を移植し、
彼の思い通りに動作可能な義手を取り付けた。
そのことによって、彼の心肺機能復活、手も元通り、
けど別に特殊な能力は備わってへん。こんなん、どう思う?」
「それ、立派なサイボーグじゃないですか。」
「そやろ、ということはサイボーグとは
人間に何かしらの装置を付けたもの程度に考えてもろたらええねん。
そやから、人工肛門とかペースメーカーなんかもサイボーグの一種やね。
そやから聡美ちゃん、恐がらんでええのよ。」
「だってぇ、そんな装置体に取り付けたら、もう元に戻れなくなっちゃうし・・・」
「お嫁に行けなくなっちゃうかもよ。」
「いゃーん!聡美、お嫁に行けなくなっちゃうのぉっ!」
「お、ええなあ聡美ちゃん!自分のこと、聡美やっちゅう自覚が出来てきたな、
いゃーん!なんて可愛いらしなってきたがなぁ!」
「もう、博士の意地悪!聡美、そんな手術なんて絶対嫌ですからねっ!」
「あ、聡美ちゃん、手術がいやで抵抗してるんかいな。
それなら心配いらんで。実はな、わてもサイボーグやねん!」
っていいながら、博士、口を大きく開けて手を突っ込もうとするんです。
ま、まさか、顔の皮がベロンと剥けてターミネーターみたいな機械が!!
聡美、恐くなって顔覆っちゃいました。
「何、恐がってんの?ほれ、これ見て。」
恐る恐る指の隙間から覗くと、、、
「あはは、博士、入れ歯なんだ!」
「これも立派なサイボーグやで。」
「サイボーグって・・・機械でもなんでもないじゃん。」
「誰が機械やないとあかんっちゅうた?何らかの装置ゆうたんやで。
入れ歯もコンタクトも立派なサイボーグとして認められとるんよ、
まあ、この程度やから安心してぇな。」
博士と喋ってると、極度の緊張感と驚異的な落差のズッコケムードで
頭がくらくらしちゃいます!
結局、またもやそそのかされて・・・
聡美、サイボーグになることに・・・
本当に大丈夫かしら?(あら?聡美、もう完全に女性言葉よ、いゃあん!)

続きます。




アニト (10月12日(火)23時48分17秒)
吉田聡美さん、こん○○は。
なるほど、ならば「鉄腕」の方がふさわしいですね。
《鉄マン》は隠し武器としていざというときのために。
それにしてもこの物語は・・・どわっはっはっはっはっはっは。
まるで漫才のような軽妙なやりとりがまことにおかしく、
それでいてロボットやサイボーグについての造詣が深く、
作者聡美さんの《七つの威力》に驚くやら感心するやらです。




吉田聡美 (10月15日(金)00時20分50秒)
アニト様>「鉄腕」の登場は次回になりました。
なかなか、エッチシーンが出てこなくてイライラしてるんですけど、
今書いてるような話も好きなんで結構楽しんでます。
桃原美希子様>わあい、楽しみですぅ!うーんとエッチに書いてね!
お芝居、素敵!聡美、芝居らしい台詞って大好きなんです。
宝塚の台詞みたいな「アポロンよ、そなたの愛した人間はあの者か?」
って感じ、たまりません。
☆★☆★☆鉄腕サトミ4☆★☆★☆
第六話「七つの威力(アトム篇)」
「博士、ひつこいようですけど本当に痛くないんでしょうねえ。」
「痛いことあるかいな、さっきからゆうてるやろメガネかけるようなもんやって。
あ、けど手軽に装着出来るさかいゆうて舐めたらあかんでぇーっ!
まあ、いわば♪七つぅの力ぁだっ!鉄腕サトーミー♪ってとこかぁ!」
「何よ、その歌?」
「しらんの?鉄腕アトム。」
「え、アトム!じゃあ聡美、空飛んじゃうのぉっ!」
「まあ、確かにアトムが持ってる七つの威力の中には含まれとるな。」
「七つの威力って?」
「天馬博士が発明なされた七種類の特殊能力のこっちゃ。」
「どんな能力なの?」
「ええ、先ず聡美ちゃんがゆうた空を飛べるっちゅうのがあるね。」
「だからぁ、聡美も、空とべちゃうんですか?
しかもアトムってジェット噴射でしょ?」
「あのな、実は空気のない宇宙でジェット推進は無理なんよ。
アトム、宇宙に行ったりもしてるやろ。
だからアトム君は、実際にはロケット噴射で飛んでるわけやね。
でも、世間ではジェット推進言われてるし、歌にもなっとる。
きっと、ロケットというと乗り物の名前という印象が強すぎるさかいに、
報道関係とかが科学を無視して
ジェットっちゅう響きのええ音の方を採用してしもたんやろなあ。
まあ、ジェット推進にせよロケット噴射にせよ、
あれは金属ロボットなりゃこそ出来る業で
生身の人間があんなんしたら焼け焦げてまうわ。
ただし009のジェットみたいに両脚切断したら
不可能ではないけどなあ・・・あかんやろ?」
「あかん、あかん!あ、けどあれなら大丈夫じゃん、
竹コプター!あれならノビタも使ってたし。」
「あ、ああ、そやねえ、ま、そういうことで・・・ほれから次の力はぁ・・・」
「ちょっとちょっとぉ、博士、誤魔化さないでよ!
博士、ドラエモン知ってるみたいな口調だったじゃない!」
「ま、まあ、細かいこと気にするなよぉ、所詮、空想デートの話なんやから。」
「く、空想・・・って?」
「あ、いやいや・・・ともかくやなぁ、
竹コプターは、現在のエネルギー理論では不可能なんやて。
どうしても手軽に空飛ぶんやったらハングライダーか
白影さんみたいに凧の揚力のええやつ作ったげるがな。」
「ま、別に無理して空飛べなくてもいいですけど。どうせ聡美、高所恐怖症だし。」
「それ先言わんかい!ホンマにぃ!」
「ねえ、他はどんなのがあるんです?」
「えーと、どんな計算でも一秒で出来るゆうのがあるなあ。」
「すっごいー!聡美、数学苦手だから助かるなあ。」
「あのー、計算だけやったら電卓でかなり出来るで。
それより問題はアルゴリズムやがな。」
「アルゴ・・・?」
「アルゴリズム、要するに文章題を読んで計算式を作る作業やな。
計算式を作れなんだら電卓があっても一緒やろ。」
「だからそれも出来るんじゃないの?」
「それするんなら、言語機能や思考回路とも関連させないかんので
聡美ちゃんの脳を人工頭脳と換えないかんようになるで。ええか?」
「ダメ!絶対ダメ!次は?」
「目から光が出てサーチライトになる。」
「それも目玉交換する訳?」
「それがいややったらサーチライト持って歩いたらええねん。」
「それもそうね、じゃ次!」
「世界六十ヵ国の言葉を喋れる能力!はい、これ。」
「何これ?」
「電子辞書やがな。英語・仏語・独語・中国・ハングル・
スペイン・ポルトガル・スワヒリ・ヒンディー・モンゴル・
ギリシャ等々三十ヵ国語の辞書が入ってる優れ物やで。
逆引き広辞苑も付いてるんよ。」
「ええっ、辞書だけあってもしゃべれなぁい!」
「ほな人工頭脳や!」
「それはイヤ!」
「ううん、ほなこれ!」
「何これ?」
「ノバのチケット!」
「いっぱい聞けてぇ、いっぱいしゃべれぇるぅ!はい、次!」
「人間の千倍の聴覚、これはあると却って邪魔やと思うで。
例えば、わてがここで一発かます。
普段なら「くっさあっ」ですむのが「くっさあっ」×1000やで。」
「きゃあ、やめてぇっ!次ぃっ!」
「10万馬力のパワー。」
「すっごい!」
「けど、そない、いらんやろ?ちなみに新幹線で、まあせいぜい1万馬力や。
それで、あの巨大な鉄の塊引っぱって時速270kmとかゆうとるんやで。
そないパワーあったら、微妙な調整しにくいでえ。いるか?そんなパワー!」
「ううん、そんなに入らないかな?
でも、疲れてダウンしそうな時に
もりもりってパワー復活できるような能力があればなあ・・・」
「心配せんでも、人間いざという時にはパワーでるんよ。
聡美ちゃんならいけるって!聡美!ファイトーーーーっ!」
「一発!・・・って、リポD貰ってもなあ・・・」
「人工頭脳を・・・」
「あああんっ!もう!わかりました!次!」
「あ、これはもう用意してあるんやけど耳がよく聞こえるっちゅう機能やね。
アトム君は人間の1000倍ゆうてたけど
そないにいらんと思うし頃合いのとこで準備させてもらいまっさ。」
「なんか、不安だな。でも、聡美の第一の威力ってとこね。
あと一つはどんな威力なんですか?」
「相手が善人か悪人か見分けられるゆう力や。」
「お、いいですねえ、それ。」
「けどなあ・・・正直ゆうてわてはこの機能に関しては天馬博士に反対やねん。」
「なんで?素晴らしい機能じゃないですか?」
「確かにすごい、ただし100%ミスがなければな。
なあ、聡美ちゃん、人間ゆうのはアホな動物や。
常に悪いことをしたらあかんと心で思ってても悪いことしてしまう。
けど、悪いことしてる時にでも、
すごく善い考えを起こすゆうこともあるんとちゃうかなあ。
だいたい、悪人ゆうのは、何や?
悪いことしたことある人か?
悪いことを常にする人?
どんな時も常に悪い人ているやろか?
悪い考えを持ってる人?もしそうならわては悪い人や。
聡美ちゃんは悪い気持ちは持ったことないか?
魚釣りしてる人は悪人やないで。
けど、人間が大漁やゆうて喜んでる時に
海の底では何千もの葬式しとるんやと歌ってる詩人がいはるねん。
戦争で大勢の人を殺すことは、恐ろしい罪や!
しかし、それは戦争という行為の問題であって
自分の国を守るため、いやもっと現実的やろな、
妻や子を守るために戦地に赴いた人間は果たして悪人なんやろか?
心の中にすむ悪であっても肯定することは許されん!
しかし、心の中の悪を完全に否定してしまったら
人間なんて成り立たん!神やないんやから。
善悪いうのは他人が安易に決めるんやなくて、
自分自身が気付いて改めようとする自浄力が働いた時に
「悪に気付くこと」、「善を目指すこと」
という大切な意味が出てくるもんとちゃうやろか?
天馬博士の気持ちはよう分かるし、
アトム君にとってはなくてはならぬ大切な威力であったはずや。
何故なら、彼は完全に人間が作ったものである限り、
彼を創造した人間が善悪の範疇を与えてあげなければ
悪を悪とも思わず、行ってしまうやろからね。
敷島博士の鉄人なんかやと、より解りやすいわ。
リモコン持ってる人間が何の目的で使うかによって、
鉄人28号の人格が善悪いずれかを決定するんやからね。
けど、科学で見極める善悪なんて所詮は統計学的に判断するか、
脳波や体温なんかを分析して推定するしかないやろ。
だから、判断にミスが生じる可能性は絶対になくならん。
けど、人間の判断は100%が可能や。
何故なら、データがどうあれ「信じる」という心があるからや!
わては、聡美ちゃんが娘のビデオ見て泣いてくれたというデータだけで、
あんたを100%信じてるんや!」
博士、また涙こぼしてる。また、娘さんのこと思い出してるのね。
博士の涙、絶対忘れない!聡美も、博士の涙信じるよ!
絶対にこの人を信じる!・・・(正直いうとちょっとだけ不安だけど)

続きます。




アニト (10月15日(金)23時31分56秒)
吉田聡美さん、こん○○は。
わたしは主に挨拶文の中からキーワードを見つけてレスをつけていますので
ノリノリで書かれているこの物語のように
挨拶文の方ももうちょっとがんばっていただけるとうれしいのです。
「鉄腕サトミ2」のときは漫画のこと、替え歌ありと
わたしもノリノリでレスを書くことができました。
こんなにおもしろい物語を書ける聡美さんですから
女装についてでもそうでなくても、思うこと体験したことなどなど
無理のない範囲であと数行増やしてもらえるだろうと期待しています。
それにしても「鉄腕サトミ」はおもしろい!。


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