はじめから読む

桃原美希子 (10月12日(木)21時35分10秒)
■アニトさま■
一昨日のテレビ番組「私が私であるために」はご覧になりましたか?
すごく感動して、涙涙…の大洪水でございました。
それで思ったのはやっぱりワタシは女装はできても
女性になりたいという気持ちまでは持てないだろうなぁってことです。
でもそれはそれ。
世の中にはいろんな人がいていろんな生き方や嗜好があり、
密かな楽しみとして女装する男性がいるのも事実です。
ドラマ化されるのは夢のまた夢でしょうけど
文字の世界で女装を楽しみたいと思います。
ハッテンバは調べるほどに怖いところのように感じ、
でも一方で興味も沸きます。
以前「行列のできないハッテンバ」という物語でも書きましたけれど
結局ワタシには声をかけたりかけられたりなんて
とてもできることじゃないような気がします。
−−− ベィビーシッター 4 −−−
女装をする理由は人によっていろいろあると思う。
しかし他を引き離してダントツで1位なのはオナニー目的ではないだろうか。
かくいう僕もその1人で、ムラムラすると女装したくなり、
欲情が体外発散できれば高揚感は急速にしぼんで
急いで男の服に着替えてしまう。
「こんなチャンスはめったにないからさ」
着ているサマーワンピースのあちこちを触りながら耕司が身を乗り出した。
待てまてまてぇ〜 何を言いだす気だ?
「この状況を楽しむというのもひとつの方法じゃないかと思うんだよね」
まままままさか相互オナニー観賞とか触れ合いをするというのじゃあるまいな。
「立ってみたり歩いたりするのってどう?」
たたたたたたってぇ……?
起てたり起たせたりではなく、立ち上がるのか歩くのか、それだけか?
「あっああ、それくらいならいいけど」
「とか、他の服も着てみたりしたくない?」
「初子さんのをか? いいのか?」
「元通りしておけば大丈夫だよ、きっと」
女性の観察眼と記憶力を過小評価しているような気もするけど
家主である耕司がそう言うのならばしいて反対する理由はない。
後で問われて弁解に困ることにならねばいいが。
「でででではそうしよう。まず何をすればいい?」
「僕から歩いてみようか? それで変なところがあったら教えて」
「そう言うのなら……、その前に『わたし』というべきじゃないのか」
「うっうん、じゃ……わたし、歩いてみるね」
耕司は緊張した面持ちで部屋の中を見回し、
歩くコースを目で確かめながらゆっくりと立ち上がった。
しかし1歩目をなかなか踏み出せないでいる。
いつもの耕司ではなく男ではなく、
胸のふくらみがあるせいもあってか弱い女の子に見えないこともない。
「やっぱり一緒に歩かない? 1人じゃ恥ずかしくて」
「よよ、よし」
この場合「いいわ」の方が正解ではなかったのかと思いながら
立ち上がりかけて身体の変化に慌てた。
股間につっかえ棒が生じだしていたのだ。
耕司はブリーフの上にパンストを穿いているけ僕は素肌にパンストなのだ。
幸いにもサマーワンピースのヒラヒラスカートのおかげで
膨らみはそれほど目立たたないもののしかし今ある位置では窮屈だ。
耕司の股間に変化がないのが気になる。
「じゃキッチンまで歩くよ……歩きましょ」
そう言って耕司が背中を見せた隙に股間に手をやって位置修正をした。
一歩遅れて後に続く。
なんだか不思議な感覚にとらわれた。
そんなに簡単に女性気分へ切り替えができるわけはなく、
どんな恰好をしようと自分は自分に変わりないとは思ってはいても
スカート姿の足元に目を落とせば
やっぱりガニ股で歩くのは似合わないと感じるし、
小股の内股で歩く方が女性らしいのではと意識せざるをえない。
できれば目の前にいる女性より女らしく振舞おうなんて競争心も生じる。
がそれは女装した耕司。
と、壁に突き当たって足を止めた耕司が振り返った。
「どうだった?」
「ど、どうって……なんかヘンな感じ」
「……やっぱり?」
「耕…コウミ、1人で歩いてみてくれない?」
「いいわ」
リビングへ逆戻りする背中を見ながら僕はもう一度股間の位置修正した。
痛いほどきっぱり勃起している。
こ、この現象は自分が女装していることで起こったものなのだろうか?
ならば言葉にするのは難しいけど説明はつく。
そもそも僕は性的な刺激を得るために女装するのだから。
けど女装した耕司に対するなんらかの欲情だとしたら……。
僕ってゲイ!?
それに僕は今、耕司を男として見ているのか
女であって欲しいと願っているのかさえよくわからない。
ただ言えるのはますます耕司の気持ちが知りたくなったということだった。
耕司いわく『こんなチャンスはめったにない』のだから
仮に、仮にだ、手をつないで歩いてみたりしたらどんな感じがするだろう?
そのとき耕司は女装のままでいいのか、男に戻ってくれた方が僕は嬉しいのか?
もしかしたら僕の女装はその行為が終点ではなく
倒錯オナニーすら通過点であって
誰かの前で女として振舞いたい気持ちがあるのかもしれない。
耕司は何を想っているのだろう?
女装した自分のことを、女装した僕のことを。
こんなときテレパシストだったらどんなにすっきりすることか。
勇気を出して確かめようとしたときだった。
歩き止った耕司が振り返って何か言いたげな顔をしたときだった。
ぴぃ〜ぽ〜ん〜〜
玄関チャイムが鳴った。
ひゃ〜〜ぁぁああーーー!!!
僕らは顔を見合わせたままこわばった。
と同時に美鈴ちゃんの泣き声が響き渡った。
耕司が眉を寄せ唇を突き出し顔全体で「?」を表現する。
僕は玄関方向を指差したあと耕司に向け、
自分の胸に手を置いたあと赤ちゃんを抱っこする仕草をした。
耕司の目と口をまん丸に開いて大きく何度も首を横に振る。
「こんにちはー。いらっしゃいませんかぁー?」
「んぎゃ〜んぎゃ〜んぎゃ〜んぎゃ〜んぎゃ〜」

 ▽ ▽ ▽ パニックのまま次回へ〜 ▽ ▽ ▽




アニト (10月14日(土)00時24分06秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
>一昨日のテレビ番組「私が私であるために」はご覧になりましたか?
録画はしてあるのですがなかなか見る機会がありません。
心して観賞することにします。
>でもそれはそれ。
むははは、そうですね。
ほとんどの人は大なり小なりなんらかの問題や障害を持っています。
たぶんどんなに幸せそうに見える人であろうともです。
そうして生きながら人には性器があり性欲があり
オナニーやセックスすることを忘れません。
たぶんどんなにオナニーやセックスに無関心そうに見える人であろうともです。
どの一面のどう見せるかによって
美しくもあり恐ろしくもあり卑しくもあり
か弱くもあり破廉恥でもあり素晴らしくもあるのが人間です。
《女装する男性がいるのも》人間であるがゆえといってもいいでしょう。
女装はそれ自体がドラマなのですよ。
ほら、この物語の2人のように。




桃原美希子 (11月7日(火)17時20分36秒)
■アニトさま■
ここ2週間いろいろありましてたいへんでしたぁ〜。
そんなことはどうでもいいといて…
今年も女性たちの足元をブーツが包んでいるのを見て
無性に欲しくなってついに買ってしまいました、ニーハイブーツ。
文字通り膝上5センチの高さがあって7.5センチヒール
ふくらはぎもぴったりサイズなのです。
アニトさまがお好きな光沢仕様でございます。
ミニスカートに合わせると決まるかななんて思っているんですけれど
車の運転中は危なくて履けないですし、運び歩くにも大きすぎて
未だに家の中専用になっています。
女王さま系にもちょっと挑戦したい気分になっちゃったりして
1人遊びの楽しみ方が増えました。
従順なドレイさんがいたらグリグリ踏みつけてみたいですぅ。
ってホントはされてみたいのかも?
■柏木彩さま■
お久しぶりでございます〜。
自分にとって女装って何だろう空想デートって何だろうって想いながら
ずーっとここに居ついちゃっている桃原でございます。
子供の頃からそれなりに本を読むのが好きで、
何人かの作家の作品を追いかけたことはあったんですけれど
同じテーマの作品を読み漁るというのはしたことがありませんでした。
「空想デート」では年齢や考え方が違う大勢の方々が
女装という同じテーマで書いていらっしゃいます。
最初に物語の多さに圧倒されて、
へぇ〜そうなんだぁとか、わぁすごいとか
そういう見方や捉え方もあるんだぁと感心したり驚いてばかりいました。
読むことでいろいろな発見を繰り返しているうちに
こんなワタシもいるんですって認めていただきたくて書き始めました。
物語を書きながら自分を再確認することが
ワタシの「空想デート」のような気がしてます。
−−− ベィビーシッター 5 −−−
耕司は外の様子を窺いにそろりそろりと玄関ドアに近づいていった。
僕にできることは泣きじゃくる美鈴ちゃんを抱っこしあやすくらいだ。
「こんにちはー。いらっしゃいませんかぁー?」
ドアの向こう側から同じ呼びかけがまたあった。
「ど…どちらさまですか?」
耕司は反射的に返事をしてしまったらしく
裏返った甲高い声に自分ながら驚いているようだった。
「桃の木新聞店の者ですがぁ
今度この地区の担当になりましたのでご挨拶に伺いましたぁ。
粗品をお持ちしましたのでよろしかったら奥さま、ちょっとドアを」
なーんだ、と思うと同時に、あら?と不思議に思う。
相手は不審がらずに受け答えをしている、というより…奥さま?
きょとんとした顔で振り返った耕司に向かって
僕は口の前で手の平を開いたり閉じたりした。
ともあれなんでもいいから言って追い払ってもらわねば。
「今、手が離せないんです」
かすれた裏声を出しながら僕の手を取り身体をつかんできた。
ピンチを察したのか美鈴ちゃんの泣き声が大きくなる。
「ああすみません、お子さんがいましたか。
ならご契約いただければ哺乳瓶とミルクのセットをお付けしますけど」
「ええと……新聞は取っていますし、母乳で育てていますから」
「そうですか、残念だなぁ。じゃ名刺だけでも」
「じゃポストに入れておいてください」
「わかりました」
会話が途切れ、新聞店の人が去っていくのがわかっても動けないままだった。
美鈴ちゃんを抱きかかえたまま僕は固まっていた。
その僕に抱きついている耕司は震えていた。
最初に笑ったのは美鈴ちゃんだった。
「キャッキャキャッキャ」
「……あははは」
「あーびっくりした」
「びっくりしたとか言いながら、お前けっこう奥さまぶっていたぞ」
「だって今は美鈴のママだもん」
「母乳で育ててるんだって?」
「ま、まあね」
「キャッキャキャッキャ」
「それよりミノリもちゃんと女の子らしい言葉を使いなさい」
「えっ、なんだよ急に」
「夢中だったけどなんか壁をひとつ乗り越えたみたいな感じ。
ウチの奥さんもこうして毎日美鈴と一緒にいて
家事の合間に勧誘やお客が来たりしているんだなぁって思った」
「留守番もなかなかたいへんだね」
「重かったでしょ、美鈴は預かるわ。はーい、ママでちゅよぉ。
ミノリがいてくれてホントによかった。女装って刺激いっぱいね」
そう言って耕司は無邪気な女の子のように僕のほっぺにキスをした。
「マジかよぉ……じゃなくて、まじめにですかぁー」
男にキスされた衝撃は突然の来訪者以上のものだった。
けど嫌悪は感じなかった、というより身体が熱くなった。
美鈴ちゃんを抱きあやしているコウミの後姿が可愛らしく見える。
本物の女の子なら抱きしめてもいいくらいだ。
美鈴ちゃんが泣き止んで静寂が戻ったそのとき。
「今はどうだか知らないけど、ミノリって本格的に女装してたことあるでしょ?」
ええっ! ちょちょっと、なんで知っているの?
コウミは背中を見せたまま続けた。
「去年、美登里ちゃんと偶然会ってね。
話が弾んでそのうちに友達の話っていう前提で
男の人には女装願望ってあるんですか?って訊かれたの。
そのときはたんに一般論なのか、もしかしたら彼氏のことかと思ったんだけど
でもさっきミノリは美登里ちゃんのセーラー服を着たことがあるって」
妹は僕の女装癖を知っていたのか。
遠くもない大学生活のために1人暮らしを始めたのはそのせいかもしれない。
にしてもいったいどこまで知ってて何を話したんだろう。
「洋服から下着、かつらまで隠し持っててお化粧もしていたんだってね」
どひゃ〜、ぜ全部。
否定するべきなのだろうか?。
当たり前に考えればそんなの美登里の冗談だよとか
彼氏のことなんじゃないと笑って済ませるのがいいように思う。
けどなぜ今ここでその話を?
いや待て、僕の女装癖を知ってて女装した? 
もしかしてコウミは興味があって誘ったのかも?
ならば認めてたらどうなるのだろうか? チャンスなのではないだろうか?
友達だからできることがある、だけど友達だからできないこともある。
「女装したときってどんな気持ちになるの?」
コウミの言葉には僕をからかっているようなニュアンスはなかった。
真剣に答えていいのだろうか? 言ったあとで軽蔑されないだろうか?
答えあぐねているとコウミはさらに言葉を続けた。
「正直言うとね、稔がヘンタイになっちゃったのかと思った。
でも高校生の時とぜんぜん変わってないし普段はそんなそぶりを見せないし。
インターネットで検索してみたら女装する男の人ってけっこういて
そういう趣味があってもおかしくはないんだって思うようになったの。
ううん……それだけじゃなくて稔の女装姿ってどんなふうだろうとか
勝手にミノリなんて名前付けて……ごめんね……
そのうち自分が女装したらどういう感じになるのかなって
そんなことまで考える自分こそヘンタイなのかなって悩んで、
にもかかわらず自分でも不思議なくらいに女装してみたくなって
でもそんな機会はなくて1人じゃ勇気が出なくて。
今日成り行きで女装することになったとき
ホント言うとちょっとチャンス!って思ったりもした」
ひゃ〜、耕司いや今はコウミになりきって
そんなことを考えながらいつも僕と会っていたのかぁ。
そういう目で見られたいたのかぁと恥ずかしかった。
だけど今は僕以上に恥ずかしさを感じているのはコウミだろう。
「けどね、勘違いしてほしくないのは
私はゲイじゃないし家庭を壊す気はまったくないし……」
「うん、僕も」
一度も僕を見ることなく美鈴ちゃんをベィビーベッドに横たえたコウミは
ようやく振り向いて顔を上げた。
「そ、そうなの?」
「そうなのって、どういうふうに見ていたわけ?」
「男の人と……ほら掲示板なんか読むとすごいことがいっぱい書いてあるから。
デートしたこととかないの?」
「あるわけないじゃない」
「じゃ人前で女装したことは?」
「ないない、今が初めてだよ」
「ホント?」
「ほんとうだって」
「なーんだだよね。私てっきり…」
「てっきりなんだよ」
「ミノリに襲われたらどうしようかって」
「襲わないって。……でも襲ってたらどうした?」
「もちろん抵抗してたよ。……そういう空想もしたことある?」
あるけどさすがに肯定できない。
それに襲われる側で空想することが多かったから。
「変なこと聞くけど女の子になったとき1人エッチしたことある?」
「普通そういうこと訊かないでしょ? ならコウミはどんなふうに1人エッチをする?」
「……ごめん」
「ううん、冗談。そのうち教えてあげるかもしれない」
「あのねミノリ……よかったらときどき2人だけで女装しない?
お化粧の仕方とか教えてほしいし、ちゃんと自分たちの洋服とか買わない?」
「えっ、いいの? コウミも目覚めちゃった?」
「ミノリと一緒ならね」
「でもどうやって買う?」
「お店へ行くのは恥ずかしいからネットショップとかオークションで」
「い、いいけど」
「ホント?」
コウミは僕を手を握り、リビングの隅にあったパソコンの前に引き寄せた。
「そうと決まれば洋服の隠し場所とかデートの方法とかも考えよ」
ねぇねぇ、ものすごーく身体が密着しているよ。
でもコウミはそれに気がつかないかのように、
気づいていても自然であるかのようにさらに身体をすり寄せてきた。
僕も、いえ私もウキウキしてきた。

△ △ △ おわり △ △ △
ううっ、長編だったらこれからが本番というところなんですけれど
持久力がないので早くも力尽きちゃいましたぁ。
その後の2人の物語はまたいつか。




アニト (11月8日(水)23時26分10秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
「ベィビーシッター」完結おめでとうございます。
今回もすてきな物語に仕上がりましたね。
>友達だからできることがある、だけど友達だからできないこともある。
女装娘さんの出会いは赤の他人だから安心なのか
男同士としても友達だから良い関係が保てるのか、はたしてどうなんでしょうね?。
残念ながらというべきかわたしにはリアルな生活上に女装娘はいませんが、
いればどうなるのかと空想デートするときがあるのですよ。
《その後の2人の物語》がどう進展していくのか楽しみに待っています。
《ニーハイ》という言葉は最近知りました。
「オーバーニー」の言い換えなのか何か違いがあるのか、
ファッション用語の変化の早さにはついていけませんよ。とほほ。
そういえば10月に入りデートをした何人かはブーツを履いました。
アスファルトを踏み歩いたときのヒールの響きは魅力的で
人気のなくなった商店街をカツカツカツと一緒に散歩したりもしました。
実はわたしも冬にはブーツを履きます。
といっても男物のショートブーツで、
足首まで包み込むと暖かいからなのですが。のはは。
わたしが《グリグリ》してあげましょうか?。


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