はじめから読む

桃原美希子 (2月23日(木)19時12分45秒)
■アニトさま■
苦労しております「阿賀佐水理の事件簿」
コナンくんの事件で容疑者がだいたいいつも3・4人くらいである理由がわかりました。
あまり多いと30分じゃ解決できないからです。
というよりも犯人と確定した納得いく説明ができないからです。
物語を書くって国語力だと思っていたのですけれど推理物語は数学みたいです。
a+b+c+…=Xという式が
aはなぜaで、bはどういうbで、cはどうして足されたのか、
そういう証明を求められているような気がしてきちゃいました。
しかも考えなしに書き始めちゃったものですから
1話2話の状況や人物設定を引継ぎ膨らませなくてはならなくて、
何度も何度も読み返しているうちに、こうした方がおもしろそうだなんて
さらにややこしくなっちゃうような新事実を書いて
自分の首をどんどん絞めちゃっているような…
どっひゃ〜、今も頭ショートしちゃってます。
>犯人は・・・、皐月さん、あなたでしょう。
えへへ、どうなんでしょう?
■田神真緒さま■
>その気のない相手をSMすると言うのはどうも苦手なんです。
>異常な世界だからこそ、お互いの合意が必要だと思うのです。
SもMも体験がないものですから空想するしかないのですけれど
ワタシも同じように思っています。
その気のない相手を拘束したり屈辱したらレイプとか強姦になってしまいます。
あくまで物語の中だけっていうことで。
でもリアルなプレイをされている方でも、あくまでプレイということで
その気のないふりをして縛り上げられたり痛めつけられたりしながら
「あれ〜、ご勘弁をぉ〜」と楽しんでいらっしゃる方もいると聞きます。
空想のSMと実際のSMの違いは大きいような気がするんです。
『空想デート』の読者さまの中で
ゴッコのSMのつもりでデートしたら相手はそうではなかった
なんてことが起こらぬようにと願うばかりです。
果てた先の快楽ってどんなものなんでしょうね? 知りたーーい!
>…この推理小説、まだわかりませんが、
>どうも店長が一枚絡んでいるような気がします。
えへへ、どうなんでしょう?
■前川美佳さま■
ワタシも「空想デート」への初参加は実体験物語だったんです。
でもデートはしたことはありませんでしたし
(その後アニトさまとだけ1回、男装でしました)
オナニーにしてもそんなにすごいことも変わったこともしてないですし
それに書いているうちに、ひゃ〜これじゃ恥ずかしすぎるって思えてきちゃって
空想物語を作るようになりました。
でもワタシが生み出した登場人物たちですから
どんな人物であれきっとどこかにワタシが入っていると思うんです。
思考言動趣味嗜好、男性に愛されたい縛られてもみたーいっていうのも
ホントにできるかどうかはわかりませんけれど願望としてはあります。
わからないから物語を書いているのかもしれません。
リアルでアニトさまとのデート記を書かれる美佳さまに
ワタシの方が教えていただいていることが多いです。
その勇気や行動力、見習わなくっちゃ。
>「阿賀佐水理の事件簿」の犯人は
>弥生さんと卯月さんのカップルじゃないかと思います。
えへへ、どうなんでしょう?
■男!鬼束権太さま■
>いやいや、ネタバレした権太が全面的に悪いのです。
>どうか遠慮なくストーリー変えてください。
>けして美希子さんを責めたりしませんってば。
なーんだ、責めていただきたかったのにぃ〜。
でもこの物語はまず「この人を犯人にして推理物語を書こう」と決めて、
後から脇を演じるいろいろな人を作り出してきましたので
細かいところは書き直してもストーリーと犯人は変えませんよーだ。
>今年は美希子さんのほのぼのとしたバレンタイン物語はあるのでしょうか?
うっ、アニバーサリー物語のこと忘れていました。
次にやってくるのは雛祭り、それに4月4日のおかま…女装の日
(勝手に「女装の日」にしちゃいました)
ワタシの物語って3〜5話で完結する短い物語がほとんどなんですけれど
アニバーサリー物語は当日のみ有効なので1話で完結しなければならず
かえって難しく思えちゃうんです。
ますます鈴木クン(仮名)が魅力的に思えてきました。
■中出真樹お姉さまさま■
>本屋さんへ行くと推理小説と幻想怪奇小説というものは
>近くに置いてあることが多いのです。
>SF小説なんかも近くに置かれていたりします。
そうなんですよぉ、それでずいぶん前に驚いたことがありまして、
なんとエッチ系の雑誌のコーナーにSFマガジンが置かれていたんです。
たぶんSFとSMを間違えたんじゃないかと思うんですけれど…。
それでいろいろ空想しちゃいました。
もしかしたら本屋の店長さんがわざと置いた。
雑誌ジャンルの知識のないアルバイトの店員さんが間違えて置いた。
お客さんがわざとか間違えてそのコーナーに置いた。
もしもその雑誌を手にレジに向かったとしたら
手にしているのは間違いなくサイエンスフィクションなのですけれど
店長さんか、アルバイトの店員さんか、まだ店内にいるかもしれないそのお客さんに
「こいつエスエム雑誌を買うつもりだぞぉ」と思われるかもしれない…
なんてことを空想すると、ひぃー恥ずかしすぎますぅ。
あっ、これって物語ネタになりそうです。
真樹お姉さまはエッチな雑誌とか買われます?
−−− 阿賀佐水理の事件簿 第3話 −−−
「いえ、この事件は密室犯罪なんかじゃありませんよ」
阿賀佐水理が口を挟んだ。
皆がきょとんとして注目する。
「わたしは誰かがこの小部屋に入って事を起こしたとは一言も言っていません。
先ほど試したようにドアはある程度開けなければ明かりはつかない。
睦月さんほどの体格の方でも十分通れるだけの角度が必要でしょう。
使用中を示すランプは部屋の明かりに連動している。
ということはわずかな隙間とわずかな時間さえあれば
誰にでもバイブを投げ入れることは可能です」
「しかしつい今しがたまで使われていたかのようにのたうっていたぞ」
バイブを体内から抜くとき普通はスイッチを切るものじゃないか」
「さすがは尻穴睦月さん、お詳しいですな。
つまりこういうことでしょう、投げ込んだときに偶然スイッチがONになった。
コードタイプではなく持ち手にスイッチがありますから」
「なるほどね。電車に乗っていてバックの中のバイブが突然動き出したことがあるわ。
つまり犯人は…もちろんアタシ以外の誰かが、
棚から商品を持ち出し、箱を開けてバイブにコンドームを被せ、
どこでどういう使い方をしたのかしらないけど使用後に
三番室のドアを少しだけ開けて箱とともに投げ入れた、ということ?」
「そう推理するのが一番妥当だと思いますね」
「そうだとしてもこのアベックが犯人ではないという証明にはならんだろ!」
遅遅として進まぬ展開に睦月はいらだちをみせ始めた。
「だからなんだって俺たちが!」
「女がノーパンだからだ。こんな茶番は早く終わらせてくれ」
「まあまあ睦月さん、落ち着いて。
たしかに卯月さんはノーパンでしょう。
しかしアソコにバイブを入れることはできません」
「なぜそう断言できる?」
「股縄をされているからです。もしかしたら全身亀甲緊縛なのかもしれない」
「ええっ!?」
何人かから驚きの声が上がった。
「事件が発覚したとき弥生さんと卯月さんは下着コーナーにいたとおっしゃいました。
その少し前わたしはお二人を見ていたのです。
清楚なお嬢さま風の卯月さんが自ら手にしたのは真っ赤なボンデージ衣装でした。
それを弥生さんが微笑ましく見つめていらっしゃった。
素敵なご夫婦だと思いましたよ」
だらしなくネクタイを広げ曲げた不良サラリーマン風の弥生がうっと呻いた。
「ってあななたちそういう関係だったの?!、アタシてっきり…」
「この怪しい人物設定もプレイの内だったのではないのですか?」
「…どうしてわかりました?」
「なーに簡単なことです。指輪ですよ、お揃いの結婚指輪」
「あっ!」
「ご主人のコスプレと演技は残念ながら少しばかり過剰気味でした。
如月さんが女王様的発言をされて卯月さんがよろめいたとき、『大丈夫かおま…』と。
あれは『おまんこ』ではなく『おまえ』と言いかけたのでしょう。
対して奥さまのなりきり度は素晴らしく、わたしも騙されかけたほどです。
一点だけ難をいえば……ときどき股間に手をやり、何かを引き上げる仕草」
阿賀佐水理は鼻の穴を広げて自信たっぷりに言い放った。
「下着ではないとすれば股縄以外にわたしに思いつくものはない!」
「あああっ、だってだって感じるんですもの」
「ややこしいことを! ならば胡散臭いそっちの女はどうなんだ?」
睦月が額の汗をぬぐいながら如月を睨む。
「誰が胡散臭いですって!。ホントにシバクわよ」
「如月さんはなにも商品に手を出さずとも、もしそうしたければ
バッグにたくさん入っているグッズのどれかを使えばよろしい。
にもかかわらずバイブコーナーで品定めをしておられた」
「あなた、他人を観察するのが好きなようね」
「商売柄どうしても。…この方が購入しようとしていたバイブは
そこにのたうっているようなタイプのものではないのです」
「どういうことだ!」
「なんと説明しましょうか…。
バイブはバイブでもUの字に持ち手がついているというかYの字といいますか、
そういう特殊な形のバイブをご覧になっていたのですよ」
「わたくしそういう形の品をひとつ持っていますわ」
卯月が股縄を引き上げながら恥ずかしげに口を挟んだ。
「奥さん、どう使うのか説明していただけますか?」
「あううっ…それで主人に責められたり…1人のときにもこっそりと…」
「こらこらおまえ、ここで告白することはないじゃないか。あっ、わかった!」
弥生が叫んだ。
「如月さんの客というのは女性なんだ。それは2穴用のバイブだから」
「ご名答。わたしは聞いたことがあるのです。
この街に女性をターゲットにした出張マッサージ嬢がいると。
その人はレズでありSでもあるそうです」
皆の顔が如月に注目した。
「如月さん、増岡久蔵という名前に心当たりはありませんか?」
「マスオカクゥゾォ?」
「久しいに蔵と書いてキュウゾウです」
「あっ、携帯メール! しつこいあの取材申し込みは…もしかしたら!?」
「あるときは名探偵阿賀佐水理、またあるときは性産業ライター増岡久蔵、
またまたあるときはミステリーハンタ…、おっとここまで。
ともかく店に入ってすぐにたまたまなにげなくメールしてみたんです。
と間髪いれず店内で着信音がしたではないですか。
ですから女性お二人を観察していたのです。
卯月さんでないのはすぐにわかりました。
とすれば容姿容貌からしても如月さんあなたです。
ああなんという偶然、お会いしたかった話をお聞きしたかったぁーーー」
両手を広げ抱きつかんばかりに歩み進んだ阿賀佐水理の鼻っ面に
如月の裏拳が炸裂した。
鼻血を垂らしながら阿賀佐水理は一堂を見渡した。
「というわけで如月さんもわざわざここでバイブを試着する動機はないのです」

 ▽ ▽ つづく ▽ ▽
作者の予想さえ裏切ってどんどんお話が長くなっています。
前回予告しました阿賀佐水理の推理編(1話予定)は2話予定に変更になり、
そして解決編(1話予定/たぶん)で完結でございますぅ。




アニト (2月27日(月)00時00分30秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
《推理物語》に限らず物語を書くには国語に算数理科社会・・・
今の小学校には総合学習という時間があるそうですが、それらすべて、
さらに学校では習わなかったもっと多くの知識や体験が元になります。
おもしろいことに書けば書くほど知らなかった世界が増え、
新しいことにもチャレンジしたくなります。
だから《苦労》が多くともハマる人はハマるのでしょうね。
犯人当てゲームで新たな推理をしてみました。
美希子さんの物語を美希子さん以外で最も多く読み返しているのは
たぶんわたしだと自負しています。
ですから「阿賀佐水理の事件簿」には妙な違和感を感じていたのでした。
それは何か?、それこそこの物語の仕掛けだと思い当たったのです。
犯人は・・・今は名前を書けません、メールで推理を披露しますね。




桃原美希子 (3月9日(木)23時49分32秒)
■アニトさま■
推理物語を書くにあたってあれこれ悩みました。
ワタシのピンク色の脳細胞じゃ斬新なトリックを思いつくことはもちろん、
犯行現場を完全密室にしたら自分で解き明かせなくなっちゃいます。
それにあまりにも大げさな事件にしてしまって
犯人の後々の人生を狂わせたくないと考えたのでした。
ですからトリックの仕掛けとかミスディレクションというよりも
穴だらけの文章ゆえに犯人を当てていただくことは難しいかも
…と思っていました…けれども。
>犯人は・・・今は名前を書けません、メールで推理を披露しますね。
メール拝読しました。
どっひゃ〜、さささすがアニトさま。大当たりでございますぅ。
詳しいことは解決編で披露させていただくことにして
ほぼ100%そのとおりでございますですぅ。
やっぱり幅広いジャンルにおいて読書量が多くていらっしゃる方には
素人が仕掛けるオチなんかはお見通しなのですね。
>美希子さんの物語を美希子さん以外で最も多く読み返しているのは
>たぶんわたしだと自負しています。
ありがとうございますっ、感激です。
やっぱりアニトさまはすごいお方ですぅ。
■看護婦田神真緒さま■
>その気のない女性の人格を無視して、心身ともに崩壊させて、
>そこに美しさがあるという話は、やはり私好みではありません。
真緒さまの物語にある根源を教えていただきありがとうございます。
物語の中で滝先生や他のみなさまに辱めを受けながら
それでも看護婦真緒さまが「ストップ」と言わないのは、
そういうことなんですねってすんごく納得しました。
辱めを望んでいる人がいて、その気持ちに応じるように責める人がいて、
責めていただくことに感謝でき、責めながらも自制心があり、
そういった釣り合ったバランスがあってのSM、というか……。
合意なしのSMが実際にあったら怖いですものね。
そういえば少し前に自分を王子様とかなんとか呼ばせて
女性を監禁奴隷にしていた事件がありました。
そういう事件の背景にゲームや小説が影響しているって言われますけど
影響されちゃうおバカさんが増えたってことでしょうか?
■男!鬼束権太さま■
>鈴木(仮名)というのはモテるのだけが取り得で後は何もない薄っぺらな人間です。
>うっかり近づこうものならば日替わり定食にされてしまいますよ。
でもハコちゃんは、イビョンホン顔のチョットいい男みたい、って見てますし、
いくつかの物語に登場する鈴木さまの登場シーンをよくよく読めば
人間観察が鋭く、秘密を知っていながら黙っていてくれて、
しかも友達?としてお付き合いしてくれる優しい人に感じます。
ちょっぴりイジワルなところがあるのは
逆にその人を大切に思っているからじゃないんでしょうか?
だったら日替わり定食にされてもいいかなって。
言葉や態度以外に鈴木さまはどんなテクニックをお持ちなんでしょう?
あれ、でもそういえば日替わり定食シーンってないですね。
行間から読みなさいって?
クールな仮面を脱ぎ捨てて本能むき出しの鈴木さまを見てみたいですぅ。
■淫乱秘書隷嬢 吉田聡美さま■
伸びるペンの先にゴムで作った乗馬鞭の先が付いてるって感じの携帯用調教鞭
で思いついたのですけれど
昔のおもちゃでピッチングマシーンってあるじゃないですかぁ。
アームにピンポン玉くらいのボールを乗せて
くくくくくっとアームが回転してビュッと投げるのをバットで打つっていう。
あのアームの先に鞭をつけたら自動鞭打ち機ができませんかぁ。
高速自動鞭打ち機をご希望なら扇風機がお勧めです。
>隠れファン様がゲストブックに書き込んで下さって
>天堂さんと美希子さんの作品がよかったって仰有ってましたよ!
ひゃあん、とってもうれしいですぅ。
女装娘さんと純女さんの絡み、ぜひ書かねば。
ずっと暖めている設定がございまして、
女装家庭教師が主人公なのですけれど
教え子を男の子にするか女の子にするか、
何歳くらいにしようかと迷っているんです。
そして奥さまとも関係を持ったりして……うん、書かねばっ。
■中出真樹お姉さま■
>ところで美希子ちゃんはエッチな本は買うのでしょうか?
てへへ、ときどき買ったりしています。
古本屋さんの100円コーナーで官能小説とか
コンビニでエッチな漫画雑誌とか。
以前は写真系の雑誌もときどき手にしていたのですけれど
インターネットの方が量も質もよりどりみどりなので
あんまり買わなくなっちゃいました。
しかもだんだんと読む目的が変わってきて、
以前は1人エッチの刺激物として何回か読み返していたのですけれど
今は描かれたストーリーを女装に置き換えたらどうなるだろうとか
ワタシだったらこうするのにとか考えてしまいます。
新しい企画としての「HPLその他の物語」はおもしろそうですぅ。
へぇ〜、ラヴクラフトさんってそういう人なんだぁ〜。
そこから真樹お姉さまはこういう物語を書けちゃうんだぁ〜、
一粒で二度おいしいキャラメルのようです。
−−− 阿賀佐水理の事件簿 第4話 −−−
「説得力のない顔にしちゃってゴメンね。痛かった?
でもさぁアタシ、その着信があった数分前に若い女の子を見かけたんだけどなぁ」
「人は誰でもいろんな顔を持っているものです。
こうなったらアリバイを証明するしかないでしょ、ね、皐月くん」
ジーンズにネルシャツ、ディバッグを背負った皐月がうつむいた。
「皐月くんはたぶん店に来てすぐに一番室に入ったのだと思います。
そのときたまたま如月さんに姿を見られはしましたけど。
そして着替えをし、室内にある洗面台でメイクを落としていた。
間に二番室を挟んでいては三番室には手は届きませんし
店内で何が起こっていたかさえ知る由もありません。そうですよね、皐月くん」
皐月がこくんとうなづく。
「もちろん店長さんはそのことを知っていましたね?
だから皐月くんが疑われたとき庇った」
「申し訳ない…じゃが。彼は常連さんでの。しかしなぜ女装娘じゃと?」
「髪の生え際や耳の下はメイクが残りやすいんですよ。
薄明かりの室内、狭い洗面台では無理もありませんけどね」
店長は申し訳なさそうに皐月を見た。
「いいんです。着替えができる場があるだけで助かっているんです。
阿賀佐さん、店長さんはいい人です。
それに自分のお店でお客さんに迷惑がかかることをするはずがありません」
ずっとうつむいてばかりいた皐月が晴れやかな顔で言った。
「女装娘? …可愛かったのに」
如月ががっかりしたようにつぶやいた。
「おや如月さん、女装娘は対象外ですか? 皐月くんは男性に戻っても可愛いですよ」
「どどどいつもこいつもへへ変態ばかりだな。もういいっわしはかか帰る」
「とするとやっぱり犯人は第一発見者の睦月さんかぁ。
さんざん人を疑っておいて逃げる気か」
弥生が睦月の進路をふさぐ。
「どどどどけ、わわわわわしはもうもう…もたん」
「睦月さん、トイレなら向こうです」
「どういうことです?名探偵さん」
「睦月さんもバイブを使うことはできないんですよ。というのも…」
「言うな!」
脂汗を流しながら睦月は呻くように叫んだ。
「というのも…ウンチが漏れそうだからです」
わっと皆が一歩退いた。
三歩退きながら阿賀佐水理は言った。
「でもみなさん安心してください、睦月さんはオムツをしています」
「オムツ! どういうことです?」
「お願いだー、それ以上言わないでくれー」
「睦月さんはアナル嗜好なんですよ。
店には『セーラー服拘束調教/尻穴拡大編』しかありませんでしたが
願望としてはもっと幼女がお好みなのでしょう。
アナルとロリコンが合わさったとき、実際にはそれをすれば犯罪ですから
自分で疑似体験する方向に進む人が多くいます」
「それでさっきからこの人はいらついたり焦っていたりしたのか。
でもなんでオムツまでしていると?」
「もともと恰幅のいい睦月さんですが、
お腹の出具合とお尻の大きさがアンバランスに見えました。
それでさっきこっそりとお尻を触ってみたのです。
しかし睦月さんはそれに気がつきませんでした」
「なんでもしますね、あなた」
「なはは、商売柄です」
「ももももういいか? わしじゃないことがわかったのなら…もういってもいいか?」
カツッという大きな音が鳴り響いた。
如月がブーツのヒールで激しく床を蹴ったのだった。
「お行き! トレイに行って思いっ切りぶちまけておイキ」
「あああありがとうごじゃいまちゅ イッてきまちゅぅ」
内股で小走りにぴょんぴょんと飛び跳ねながら睦月は店の奥のトイレに向かった。
途中一度立ち止まり背を丸めたかと思うと大きく身震いをした。
「あ、やっちゃったかも」
「浣腸して店にやってくるとは困ったロリオヤジじゃが」
「あんなことまではわたくしできそうにない……こともない…でもやっぱり…」
「彼の性癖をとやかく言うことは誰もできませんよ。
表裏のない人間などつまりませんからね」
神妙な面持ちで阿賀佐水理は言い、続けた。
「浣腸していただけに詰まることはない、なんちゃってぇ」
「あんた、利口なのかおバカなのかアタシの方が取材したい気分になるわ」
「コホン。…さてみなさん、この難解きわまる事件も大詰めを迎えました。
事件を暴くとは人間性を暴くことです。
お集まりの中には動機のない者、物理的に不可能な者がいる中で、
アダルトショップの店内で購入前の品を使用し、
なおかつ三番ビデオ試写室にこっそり投げ捨てた犯人は…」
場にいる全員が固唾を呑んで次の言葉を待つ。

 ▽ ▽ つづく ▽ ▽
お待たせいたしました。
次話冒頭でいよいよ阿賀佐水理は犯人の名前を言います。
穴だらけの文章でこんがらがっちゃってますけど
犯人を示す最大のヒントは出しているつもりです。
アニトさまにはそこのところをずばり言い当てられました。
みなさまの推理は当たっているでしょうか?




アニト (3月11日(土)00時29分18秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
>どっひゃ〜、さささすがアニトさま。大当たりでございますぅ。
ぐわっはっは、どうだっ!という気分でいっぱいです。
動機については謎なので解決編を楽しみにしていますよ。
推理小説は大昔に海外物を中心に読みました。
中にはこれで解決としてしまうのかい?というものもあって
プロの作家でも《穴》があるものです。
推理小説といえどトリックにこだわりすぎたストーリーよりも
《事件を暴くとは人間性を暴く》を重視した作品の方がおもしろいですね。
美希子さんの物語は登場人物たちの言動に優しさや愉快さがあります。
それはきっと作者美希子さんの人柄なのでしょう。

さあみなさんも最終推理を披露してください。
作者以外の方で推理ゲームに参加してみたい人は
「お客様センター」へ書き込みをどうぞ。


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