桃原美希子 (1月26日(木)00時04分18秒)
■アニトさま■
またまたテレビネタなのでございますけれど
今インターネットによるクチコミが
商品開発や売れ行きを大きく左右するほどすごいんだそうです。
ブログっていうのは日記みたいに簡単に書けるそうなので
使い勝手とか味とかの消費者評価がネットクチコミで爆発的に広がるんだそうです。
そういうことでは女装ってクチコミの対象になりませんですね。
「今、女装がブーム」とか「女装って楽しい」とか
「流行の女装ファッション」とか「女装でするオナニー」とか。
自分のことが噂になっちゃ困る行為ですものね。
アフィリエイトでお小遣い稼ぎをしていらっしゃる方も多くて
広告バナーだらけでどこから次のページへ行けるのかわからない
サイトも多く見かけます。
その点「空想デート」はシンプルこの上なくわかりやすいです。
物語は新たなジャンルに挑戦してみました。
以前どなたかの物語で
「名探偵 一堂集めて さてと言い」と書かれているのを目にしていて
お上手な表現だなってずっと気になっていたんです。
構想を暖め続けて数ヶ月、謎解き物を書いてみましたぁー!
アニトさまはじめみなさまに挑戦です。
■田神真緒さま■
ご就職おめでとうございます。
ワタシも帰宅が遅い日はめちゃくちゃ遅くなります。
とくに初めころはそうでした。
たいへんなお仕事そうですけれどがんばってくださいませ。
真緒さまの物語は正統女装SM物語という感じで
とってもドキドキしながら読んでいます。
続きを楽しみにしておりますぅ。
■男!鬼束権太さま■
>権太の作風としては、これだけは嫌だ、したくないということを
>つらつらと書き綴っております。
あっそうかぁ〜、そういう視点でも書けるのでございますねぇ。発見!
ワタシの場合は「可能性」みたいなことで書いている気がします。
たとえばこんなお店があったらとか、
こういう人がいてこういう状況になったらとか
具体的には父と子が交わったらとか、えへへ
あんまり自分がしたいことしたくないことって意識していませんでした。
真正面から「ワタシはこういうことがしたい」
って宣言しちゃうのは恥ずかしいですから。
でももちろん願望はところどころに入っているんですけれど。
>普通にレディースのジーンズにすればいいのではないでしょうか。
はい、女の子の友達にもらって1本持っているんでございますよぉ。
ウエストはぴったりなんです、でもお尻や腿の部分がブカブカで
ちっともレディースを履いているように見えないんです。
−−− 阿賀佐水理の事件簿 −−−

阿賀佐水理は言った。
「さて」
場に集まった一同が固唾を呑んで次の言葉を待つ。
「事件を時間軸に沿って整理してみましょう。
睦月さんが三番のビデオ試写室に入ろうとしたときからですが…
ほらあなたですよあなた、スーツを着た恰幅のよいあなた、
先ほど皆さんからのご提案で本名を明かすのは困るから
仮のお名前を決めさせていただきましたね。
睦月があなた、如月はこちらの美しいお嬢さん、
弥生・卯月はそちらのカップル、皐月がそのお隣の学生さん、
店長さんは店長さんのままということで」
店長以外の皆は気まずそうに気恥ずかしそうに阿賀佐水理から視線をそらす。
それはそうだろう、気持ちはわかる。
事件はアダルトショップの店内で起こった。
ここを訪れる多くの人は心に緊張と不安を抱いている。
できるだけ人の接触は避けたい目を合わせたくない話したくない
ここにいた痕跡さえ残したくないと願う隠密行動中の場合が多い。
そりゃときには堂々とした者もいないではないだろうが。
だから警察の捜査ということであればしぶしぶ素性を明かしても
たまたま居合わせた推理小説マニアの男の指示に従う義理はない。
容疑をかけられていることに憤慨しながらも
しかし事が大きくなり本当に警察沙汰になっても困る、
それに犯人が誰なのか知りたい好奇心もあるというのが実情だろう。
「睦月さんが三番のビデオ試写室に入ろうとしたとき、
個室のドアは少し開いていた。そうですね?」
「開いていたといっても中の様子がわかるほどではなかったがね」
「それで睦月さんがドアを開けるとソイツがのたうっていた。
そのとき如月さんがたまたま後ろを通りかかって目撃し
『きゃぁー』と悲鳴をあげた。
声を聞いて何事かと思った弥生さん卯月さんのお二人が見に来た。
次に店長さんが駆けつけた。
最後に一番室にいた皐月さんが出てきて騒ぎに気づいた。
これでよろしいですね?」
一同がうなずく。
「では最初に店長さんにお訊きしますが、このドアに鍵は?」
「ほらドアの前に注意書きがありますじゃが。
開けて入るのは自由じゃがドアを完全に閉めるとオートロック式になっていて
出るときには清算機で料金の支払いをしてもらう。それでドアが開くじゃが」
「ほほう、30分500円ですか。
普段は締め切ってあるドアでどうして入室中かどうかわかるのですか?」
店長はドアの上に目をやった。
入室中の文字が浮かぶ赤いランプがあった。
「入室すると室内のライトが自動的につき、
10秒後に連動してあれがつくようになっていて
清算が終わると3分後に自動的に消えるんじゃが」
「どなたかこの三番室のランプが点灯していたかどうか知ってる人は?」
返事はない。
「では睦月さんはこの部屋にいったい何をしに?」
「おいおいおい、何をしに?ってDVDを見るために決まっているじゃないか」
「ええと…」
阿賀佐水理は鼻の穴の両方に左手の人差し指と中指を突っ込んだ。
それが彼の記憶のたぐり寄せ方だった。
「たしか『セーラー服拘束調教/尻穴拡大編』でしたね」
「そそそそそうだが、それがなにか?」
大手企業の部長然とした恰幅のよい身体が小刻みに揺れていた。
「…いえべつに。三番室のランプは確かに消えていたのですね?」
「一番は使用中ランプがついていた。
二番のドアには『調整中』の紙が貼ってあって三番は開いていた。
いやランプは消えていて、ドアが少し開いていた。
わしが知っているのはそれだけだ、やったのはわしではない」
食って掛かろうとする睦月を無視して阿賀佐水理は如月を見つめた。
両手で自らの臀部を掴み左右に揉み始めた。
それは尻の穴を広げたり閉じたりしているかのようにも見える。
本人はその癖に気づいているのだろうか?
それとも気づいていながら
他人にはわからないようにやっていると思っているのだろうか?
注意深く何かを観察するときの癖だった。
「如月さんは…失礼ですが…男性に愛をお売りになるお仕事を?」
大きなイヤリングに派手なコート、ピンヒールのロングブーツといった
いかにもお水系のファッションをした如月は一瞬ポカンとした表情をしたが、
すぐに細い眉を吊り上げた。
「だったらどうだって言うのよ! 体は提供しても心は売らないわよ!」
「ご立派です。今から時間からご出勤ですか?」
「仕事途中に寄ったのよ。足らないモノがあったから」
「ホテルでお待ちのお客様のご要望なのですね。ちなみにお客様はMの方で?」
「あんた苛められたいの!…っていうかなんでわかったの?」
「お持ちのその大きなバッグには
さぞかしたくさんのプレイグッズが入っているだろうと思いまして。
それに素敵なブーツのかかとを汚す小さな赤い点、それはロウでしょう」
「あんた、やるわね。今度泣かせてあげてもいいわよ」
「いえいえ、私もどちらかというとSでして」
「そして…お次の方が弥生さんと卯月さんでしたね。
お二人は…まぁ関係はお訊きしないことにしましょう」
卯月と名づけられた女の方がぴくりと肩を震わせた。
それを弥生が目でたしなめる。
恋人または夫婦ではなく不届きな関係という線が濃厚だろう。
「如月さんの悲鳴を聞いたとき、お二人はどこにいましたか?」
「たしかビデオ試写室とは反対側の店の奥あたりだよ」
「そこで何を?」
「何をって品を選んでいたに決まっているじゃないか」
「あの辺りは下着売り場でしたね。
ちなみに卯月さんは今どんな下着を履いていらっしゃるんでしょう?」
水色のフレアロングスカートに白いブラウスの卯月は
高原の湖の畔に佇んでいてこそ絵になるが
およそこの場にふさわしくないお嬢様のようにも見える。
対して弥生はだらしなくネクタイを広げ曲げ、けして優秀な会社員には見えない。
部下で社長か上司の娘である卯月を言葉巧みにたらしこみ、
淫靡な世界を教え込むことで優位性を保とうとしているのかもしれない。
「そそそんなことが捜査に何の関係があるんだ?!」
「あの…下着は身に着けておりませぬの。…ああっ」
もじもじしながら上気した顔で卯月が言った。
「ブラボーッ。次にお会いするときには超ミニスカート姿を拝見したいものです」
「あああ…そのような格好はしたことがございませんわ。…今度……」
「さて最後に皐月くんですが、あなたはずっと一号室に?」
「ははははい。ぼぼぼぼくはなんにも見てません、なんにも知りません」
明らかに動揺しているのが見て取れる。
阿賀佐水理は再び両手で自らの臀部を掴み尻の穴を広げたり閉じたりした。

 ▽ ▽ つづく ▽ ▽
ええと…今回は事件編前話でございまして登場人物の紹介をしました。
次回事件編後話で事件の全貌を明らかにし、
そして解決編1話(予定)へと続きます。
この時点で犯人がお分かりになった方は名探偵でございます。
といってもどんな事件が起こったのかまだ書いていないんですけれど。




桃原美希子 (1月26日(木)23時53分08秒)
■アニトさま■
物語の続きじゃないのですけれど
関連ということで書き込みをお許しください。
みなさま、申し訳ありません。
「阿賀佐水理の事件簿」の訂正でございます。
ややこしい名前のつけ方をしてしまったものですから
書いてるワタシが間違えてしまいましたぁ。
物語の28行目
>【そのとき皐月さんがたまたま後ろを通りかかって目撃し】

【そのとき如月さんがたまたま後ろを通りかかって目撃し
『きゃぁー』と悲鳴をあげた。】
に訂正お願いしたします。
アニトさまと、アニトさま経由でご指摘をいただきました聡美さま、
本当にありがどうございました。
■聡美さま
第二回空想デートチャットルームを開催や
近々設置ご予定の空想デートお客様センター、
それにもちろんワタシなんかの物語もちゃんと隅々まで読んでいてくださり、
まさに秘書の名にふさわしい聡美さまのご活躍にとても感謝しています。
 (アニト後記・本文修正をしておきました)




アニト (1月28日(土)00時23分42秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
テレビなどで取り上げられたことで以前より幾分は
「女装をする男性がいる」ということが世間に浸透してきました。
しかし女装自体はまだ好意的に受け止められているわけではないようです。
《女装がブーム》になるためには女装娘さんたちの意識改革が必要でしょう。
>その点「空想デート」はシンプルこの上なくわかりやすいです。
ぐわっはっは、褒め言葉として受け取っておきましょう。
何を目的にHPを作るかによってコンテンツは変わってきます。
日記を書くだけならブログでもいいですし、
小遣い稼ぎをするなら広告を載せるのもいいでしょう。
しかしわたしはそういうことに興味がないのですよ。
ごく《シンプル》に物語を読み書きできる掲示板と
それを保管する場を作ることによって、
わたしと『空想デート』を利用する人たちの交流ができればいい、そう思うだけです。
新作物語、次々とおもしろい試みをしますねー。
わたしも推理ゲームに参加することにします。

みなさまへ
桃原美希子さんの「阿賀佐水理の事件簿」犯人当てゲームをしましょう。
「犯人の名前」と動機や犯行方法などの「推理」を発表してください。
この推理ゲームの書き込みに関して
作者読者を問わず、挨拶文や物語もなくてかまわないとします。
現時点では怪しいと思う者の名前と推測だけでもかまいません。
ちなみにわたしはまださっぱりわかりません。のはは。




淫乱秘書隷嬢 吉田聡美 (1月29日(日)23時19分03秒)
アニト様、
書き込みが遅れており申し訳ありません。
今回は美希子様の推理小説のおかげで原稿無しに書き込みが出来るなんて
幸せの極みでございますぅ〜!
桃原美希子様>
むむむぅ、本格的推理小説できましたかぁ。
ある時は秘書隷嬢の吉田聡美、また或る時はPTAの文化部長
また或る時はダム工事の労働者(だから違うっつうの!)
そしてまた或る時は食いしん坊女装娘
しかしてその実体はぁ・・・・・迷探偵オナンだぁ!
あとで僕の推理を書き込んでおくね、お姉ちゃん!(げげ!来年は回り年じゃん!)
  
(中略)
<迷探偵オナンの推理>
僕の考えではこの事件の鍵はややこしいランプだね。
それともう一つの手がかりは尻穴拡大のビデオ。
先ず弥生と卯月のお二人はおそらく個室の外をプレイの場所にしてたと思うんだ。
つまり露出マゾとご主人様ってとこかな。 
あと店のおじさんから料金請求を見なきゃわかんないけど
個室の中から出てきた皐月は多分白だと思うな。
で、残る二人が睦月と如月。
ここで謎を解く鍵となるのがビデオタイトルだね。
つまり3番の部屋の中には被害者と睦月が一緒に入っていた。
そして睦月は犯行の後、部屋から出たが凶器を隠す必要があることに
気づいたので凶器を拡張されたアヌスに隠していた。
そこを卯月が見つけて「ええ、人間のアナルってこんなに拡がるのぉ!」っと
いう意味で「きゃぁっ!」と悲鳴を上げた。
ということで睦月さん、犯人はお前だぁ!!!
ん?待てよ、まだ何が事件なのかもわかってないんじゃん!
でもまあいいや、とりあえず睦月が一番えらそうな感じの
もの言いで好きじゃないから犯人は睦月、やっぱあんたじゃぁ!





鬼束権太 (2月1日(水)02時16分16秒)
>桃原美希子さんの「阿賀佐水理の事件簿」犯人当てゲームをしましょう。
いいんですか?
権太が推理すれば確実にネタばれになってしまいますよ。
小説をまったく読まない権太でありながら、
父親所蔵の横溝正史だけは読んでいるのです。
で、犯人はズバリ、阿賀佐水理です。
古今東西、探偵小説で探偵が犯人というのは禁じ手なのですが、
ここに少しばかしの抜け道がありまして、
探偵が「自称」だったり偽者ならば犯人でも良いのです。
この「トリック」を使った横溝作品が・・・・・・・、
いや、江戸川乱歩だったかな?????





アニト (2月1日(水)23時57分51秒)
鬼束権太さん、こん○○は。
≫桃原美希子さんの「阿賀佐水理の事件簿」犯人当てゲームをしましょう。
>で、犯人はズバリ、阿賀佐水理です。
わたしもその可能性を考えてみたのです。
しかし「の事件簿」とタイトルをつけ、作者はあの!桃原美希子さんです。
たぶんシリーズ化を狙っていることでしょう。
とすると探偵=犯人説は薄いのではないか。
第2作も3作目もさらにずっとX作目も探偵が犯人となれば
開き直りの型破りさがあっておもしろい気がするものの、
犯罪ばかりしている探偵がいるかぁー、
そもそも自分の犯罪を自ら推理披露してどうする!なわけですから。
しかし作者はあの!桃原美希子さんです。何をするかわかりません。
推理訂正はいつでもよいとしましょう。




桃原美希子 (2月6日(月)21時22分51秒)
■アニトさま■
>「阿賀佐水理の事件簿」犯人当てゲームをしましょう。
ひょええぇぇええーーー!!
アガアガアガアガアガ…アアアアアアアアアニトさま、なんてことを〜!
ううううっ、そんなことなら第1話をもっとしっかり書き込むべきでしたぁ。
ええい、もう開き直っちゃいます。
ストーリーはほぼ頭の中に完成していまして犯人も決まっておりますから
肝心な部分は変えずあとはうまく辻褄を合わせるようにして…。
権太さまとの会話の横レスなんですけれど
>たぶんシリーズ化を狙っていることでしょう。
さすがアニトさま、やっぱり読まれているでございますぅ。
いつかまた阿賀佐水理を登場させようと、
探偵は本業ではなく、しかしてその実体は…にしておきました。
それから、なんだそういう動機と犯行でそいつが犯人と思われましても
素人が書く推理物語ですから平にご容赦くださいませ。
■淫乱秘書隷嬢 吉田聡美さま■
諸事情があってチャットに参加できなくって申し訳ありません。
>或る時は食いしん坊女装娘しかしてその実体はぁ・・・・・
食いしん坊の部分だけ引用しちゃってごめんなさい。
なかなか考えたね、迷探偵オナンくん。
元々は手品用語らしいんだけどミスディレクションという言葉があるのよ。
ネタがばれないようにするために観客の目をそらすためのテクニックで、
推理小説でもよく使われているわ。
こいつ怪しいから絶対に犯人に違いないと読む人に思わせておいて
実は別の善人そうな人が犯人ってパターン。
でも読者はそんなこととっくに気がついているから
作者は裏の裏をかいていかにも犯人の人物がやっぱり犯人にする。
とさらに賢い読者は裏の裏の裏を読み、作者は裏の裏の裏の裏の……。
大人ってずるいのよねー。
オナンくんがもう少し大きくなったらお姉さんが大人の味を教えてあげるわね。
■中出真樹お姉さま■
ご復帰おめでとうございますぅーーーーーー!!!!!!
やっぱり真樹お姉さまがいらっしゃらないと
バラエティに富んだ物語が読める『空想デート』の一角が
なくなったみたいで寂しいです。
>これもラヴクラフト神話などを書こうという行いに対する警告かも・・・
ぎゃっ!そちらの世界からお招きがあったとか…
聡美さまとの会話に横レスでございます。
>わたしが女装者であることを彼女は知っていたのです。
わー、そういうご関係だったのですねー。うらやましーい!
お知り合いになったきっかけとか過程とかすごく気になるのですけれど
この場でお訊きするわけにもいきませんから
真樹お姉さまの日常を勝手にいろいろと空想しちゃってます。
ひゃ〜、そんなこともあんなことも…
■男!鬼束権太さま■
>睦月、如月、弥生、卯月、皐月といった、
>考えているようで何も考えていないネーミング、
>かつ、作者本人が間違えてしまう投げやりさ
うううっ、この部分は大正解でございますぅ。
物語中にもあるようにアダルトショップでの事件ということで
本人たちのプライバシーを尊重したネーミング設定となっておりますけど
関連性のない名前では読む人が混乱しちゃうんじゃないかと思いまして…。
でも書いてるワタシの方が混乱しちゃってましたぁ。バカバカバカ!
探偵が犯人説、これは意外性があり有力候補でございます。
でももしも仮に権太さまの推理が外れたとしても
ストーリーはすでに完成していて犯人も決まっていますから
ワタシの責任じゃございませんですぅ。
−−− 阿賀佐水理の事件簿 第2話 −−−
「皐月くん、緊張しないで。人は誰でもいろんな顔を持っているんですから」
阿賀佐水理は皐月の顔を覗き込んで言った。
ジーンズにネルシャツ、ディバッグを背負った肩が小刻みに震えている。
「ええと、どなたか事件発覚前に…彼を見た方はいますか?」
一同が首を横に振る。ただ1人を除いては。その主が言った。
「他人には関わらない、それがこういう店のルールでな。
彼が来てから店を出ていった客はおらん。少なくともそれは確かじゃが」
突き出たお腹を震わせながら睦月が口を挟んだ。
「電車男みたいなナリしやがって。おい、小僧、お前がやったんだろう。
だいたい近頃の若い奴は仕事もできんくせに
こんな所でスケベなDVDを見ることだけは覚えやがって…」
「こんな所で悪かったな、セーラー服尻穴拡大さん。
この子は店に来てすぐに一番室に入った。それは自分が知っている。
そしてさっきも言ったように中で清算してもらわなきゃドアは開かんじゃが」
「まあまあまあ、店長さんもセーラー服尻穴拡大さんも」
阿賀佐水理のわざとらしい言い方に睦月が顔を真っ赤にして声を荒げた。
「ぶぶぶぶぶぶぶ無礼だぞ。わしを誰だと思っ」
そのときカツッという大きな音が鳴り響いた。
如月がブーツのヒールで激しく床を蹴ったのだった。
「静かにおし。猿轡を噛ませて天井から吊るすよ」
かかとにへばりついていた小さな赤ロウの飛沫が剥がれ落ちた。
「あああ、そんなことをされましたらわたくし…」
卯月が股間を押さえてよろめいた。
慌てて弥生が肩を支える。
「大丈夫かおま…。探偵さんよぉ、そろそろ開放してくれないかなぁ」
「そういえばアタシがこの店に入ったとき女の子がいたわよ。
ちらっと見ただけだけど…あの子はどこに行ったのかしらね」
「わしは他に見るものがなく仕方なく『セーラー服尻穴拡大編』を…」
「あああっ尻穴拡大だなんて…。わたしくはノーパン…バイブがうねうねと…ああっ」
「ぼぼぼぼぼくなんにも知りません」
「まあまあまあまあ、みなさん落ち着いて。
ともかくこれでひとまずみなさんの行動とお人柄が判明しました。
今度は現場の確認といきましょうか。どうぞこちらへ」
阿賀佐水理が先頭に立ってぞろぞろ歩きビデオ試写室三番室の前に揃う。
小さくモーター音が聞こえていた。
「現場はそのまま確保してあります」
そう言ってドアを開ける。
大きく開け広げたところで黄色い明かりが室内を照らした。
「1、2、3、4、5……10」
ドアの上にある入室中のランプに赤い灯りがともった。
「機械に故障はないようですな」
1人で使うにはもったいないほどの4畳半ほどの室内には
背もたれのついたリクライニングチェアがあり、
奥の壁にはモニターが埋め込まれていてデスクと一体になった操作盤が見える。
どういう使い方をするのかは利用者の判断だが
便座と簡易な洗面台まで備わっていた。
そして……。
ソイツはフローリングの床に転がり力なく頭を振ってのたうっていた。
中肉中背、褐色の肌に薄い衣をまとい、
全身にこびりついた粘り気のある液体は一部乾き始めている。
断末魔の呻きは途絶え途絶えになっていた。
ウィィィイイン〜ウィィィイイン〜ウウゥ…ウィイン〜…
「いったいどなたさんじゃがね、こんなことするのは?
金も払わず勝手に使われちゃ困るじゃがに」
傍らに化粧箱。
傷みや汚れはなく店名の入った値札はまさしくこの店にあったバイブだ。
男性器を模した20cmほどの無駄な装飾がないソイツは
コンドームに包まれ残りわずかな電池の力でうねっていた。
「わしじゃない」「アタシも違うわ」「俺たちじゃないよ」「ぼく…でもないです」
「まぁまぁまぁ結論を急がないことです。時間はたっぷりある」
「何の時間というんだ」「お客さんが待ってるのよ」「わたくし門限が…」
皆の剣幕に阿賀佐水理はつぶやいた。
「くそっ、なんでここが人里離れた雪深い山荘じゃないんだ」
「わしたちばかりを疑っているけどそもそもあんたはどうなんだ?
何が名探偵だ推理小説マニアだ。だいたいあんたこそ何しにここへきたんだ? 
小説は小説でもエロの方なんじゃないか? それともSMマニアか!」
「失敬な! わたしは品行方正な性産業ライタ…、
いやや、わたしが犯人でないことはわたし自身がよく知っている。
それにいたずらにしては度が過ぎたこの淫靡な行為を犯した人物を
わたしはすでに特定しています」
「おおっ」「うそっ」「誰だ誰だ」「あんたか?」「あなたこそ」「そいつだろ?」
「第一発見者が犯人ってことはよくあるわよね」
如月の言葉で自分に集中した視線を振り払うかように
睦月は握り締めたこぶしを顔の前で振って言った。
「ぶぶぶぶぶぶふ無礼な! わしは何にもしとらんぞ。
ドアを開けたらバイブが転がっていた。しかもよく見れば使用の痕跡がある。
だったら怪しいのはここにいる2人の女のどちらかだろ。それで決まりだ」
「単純なおじさんねぇ。
なにもバイブを使うのは女に限ったことじゃないわ。
ぶっとい張型を突っ込まれてヒーヒーよがる男のお客さんがたくさんいるわよ」
「なななならばそっちの女はどうなんだ!。
たしかパンティを履いていないと言っていたな。
一番手っ取り早く入れ出しが可能だぞ」
「濡れ衣もいいとこだよ、おっさん。俺たちはずっと一緒だったんだから」
「連れの証言がアリバイになるものか。2人で入っても十分な広さだからな」
「だったらどうやって明かりもランプもつけることもなく
この部屋に入ったと言うんだ? いわば密室じゃないか」

 ▽ ▽ つづく ▽ ▽
ようやく事件の全貌が見えてまいりました。
もったいぶったわりにはしょぼい事件で申し訳ありません。
いよいよ次は阿賀佐水理の推理編(1話予定)へと続き、
そして解決編(1話予定)で完結でございますぅ。




アニト (2月7日(火)23時18分36秒)
桃原美希子さん、こん○○は。
どわはははは、そういう《事件》だったのですか!。
美希子さんのことですから
殺人などという物騒なことはないだろうと思っていたのです。
いずれもクセのありそうな人物たちですねー。
舞台がアダルトショップだけにどの商品も買う前に一度試してみたい
という気持ちはほとんどの客が持っているでしょうから
全員に動機ありといえるでしょう。
わたしの推理は美希子さんの作風から消去法で考えてみました。
まず探偵阿賀佐水理は事件簿のシリーズ化を狙っているとすれば犯人ではない。
もしかしたら順番なのかもしれませんが
睦月と如月は他の人物より書き込んであります。
初めての推理物語で短くまとめ上げようとするならば
事件と関係のない人物を先に出し切っておくのではないかと思われます。
残るは弥生と卯月のカップル、《電車男みたいなナリ》の皐月。
犯人は・・・、皐月さん、あなたでしょう。
一番室に入っていたと見せかけて・・・うむ、そうなると店長もグル?。





前川美佳 (2月14日(火)21時53分44秒)
◇桃原美希子様◇
「阿賀佐水理の事件簿」の犯人は
弥生さんと卯月さんのカップルじゃないかと思います。
アダルトショップで調教露出プレイをしていて、
何らかの理由によってバイブをどこかに隠さなければならなくなった。
それで部屋に投げ込んだのではないでしょうか。


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