観月 (3月30日(日)00時34分37秒)
始めまして。
ウェブサーフィンで波に任せてたどり着きました。
まだほんの少し覗かせていただいただけですが、
このサイトは色々すごいですね。
特に参加者の皆様の文章力には感服です。
空想・妄想のたぐいはすることもあるのですが、
言葉に直すとなると、根が理系の私にはとても真似できませぬ。
情景が目に見えるような皆様の文体はうらやましい限り…
しかも過去の作品全て保存とは…とてつもない容量ですね。
少しずつ少しずつ、じっくり読ませていただきます。




アニト (3月30日(日)23時57分48秒)
観月さん、はじめまして。
女装世界でも辺境の地にある『空想デート』にようこそおいでくださいました。
いろいろな自己表現の方法がある中で、
『空想デート』は空想(体験も可)物語にこだわっています。
なぜならそれはみなさんの、
そして観月さんの心の中にも必ずあるものだからです。
書くことを難しい作業だと考えないで、
いつ、誰が、どこで、なにを、どうした、を基軸として
50行を目標に観月さんの「想い」を書いてみませんか?。




観月 (4月5日(土)17時38分16秒)
…先日はご迷惑おかけしました(苦笑)、観月です。
なるほど、書き込み件数が増えると物語消えますもんね…申し訳ないです。
こういうタイプの掲示板利用には慣れていなかったもので。
っと、考えてみたらこの書き込みも件数1件になっちゃいますな…
ふみ、確かに練習しなくては上達しないのは当然ですし、
とりあえず書いてみるのも一つの手ですか。
でも私の場合、「書けない」というより、
大雑把に広がっていくイメージをまとまった作品にできないことのほうが問題で。
まあ、だらだらと言い訳するより一度挑戦してみますね。
とはいえ、濃縮還元趣味100%使用だと他の方と系統離れちゃいますし…
趣味率30%くらいにして、
まずは多くの人に読んでもらう事を目標にしましょうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「きたがわ…さくや…はたち…郵便番号が…」
面倒な履歴書作成も、いつの間にやら滞ることなくできるようになっている。
「でも、なんでカテキョのバイトでこんなの書く羽目に?」
時折文句も口をつくけれど、それよりも好感触だったさっきの電話が嬉しい。
「突然のお電話申し訳ありません。家庭教師の御用はありますでしょうか?」
数年前までうっとおしいとしか思わなかった電話をかける側になった今、
もう少しやさしい対応をしておけばよかったと思えてくる。
別に因果応報というわけではなかろうが、
突っぱねられた電話番号が3桁に届くかという頃になれば、
神の見えざる手も信じたくなろうというもの。
だから、その電話も一瞬自分から切りかけてしまった。
「あら、ちょうど良かったわ。娘が今年高校受験なんですのよ。」
柔らかな女性の声は、その時のぼくには女神のように聞こえた。
「北河朔哉さんでしたわね?失礼ですが、どちらの学校にお通いなのかしら?」
「あ、詩禅師北大の経営学部です。」
自分で言うのもなんだが、私立大学ではそれなりの名門校である。
「よろしければ、御写真つきで履歴書を送っていただけます?」
「え、履歴書ですか?」
「ええ、生憎とお夕飯の支度をしなくてはいけませんので、
あまり長くお電話も続けられませんのよ。」
なるほど、学歴を一通り確認しておきたいわけか。
学校ブランド志向の人間にはよくいるタイプである。
履歴書まで要求するのが普通なのかはさておき。
「わかりました。すぐにお送りいたします。」
「お待ちしてますわ。よろしくお願いね。」

(…すごいな、これは。)
履歴書を送った翌週、ぼくは最終確認のために家へと招かれた。
『桜丘』、そう書かれた表札は重厚な門に取り付けられ、
玄関との間にはちょっとした花壇が造られている。
どこもそれなりの金持ちであろうこの住宅街でも、
ひときわ広く、古めかしい屋敷であった。
「こんな事ならスーツでも引っ張り出してくるんだったなぁ。」
薄緑の春用ベストにまだ青の濃いジーンズ。
親しみをもってもらえるようにと選んだカジュアルな上下が、余計に場違いに思える。
決まり悪さに耐え切れなくなり、
シャツから覗く腕時計を眺めてふうっと溜息をついたそのとき。
「家に何か御用ですか?」
すぐ後で、澄んだ声がした。
「あ、いや僕はその…」
漠然とした後ろめたさを打ち消して振り向くと、
あまり見ない制服を着た、声によく合った少女が目前にいた。
整った部品一つ一つが集まって上品な顔立ちを形成し、
肩を超えて伸びる涼やかな黒髪が艶めかしい。
絶妙なバランスを保つスレンダーな肢体と肌の白さは
高貴さを感じさせても病的なイメージを持たせず、
輝く瞳が身にまとうはかなげさを滲み出す意志の強さに代えている。
美少女というのは、まずこの少女のような存在を示す言葉なのであろう。
「あ、北河先生ですね?お待ちしてました!」
目が合うなり、彼女はそう言って微笑んだ。
「あ、うん。僕は北河だけど…まだバイトが決まったわけじゃなくて。」
僕の訂正が聞こえているのやら、彼女は門を開けつつ言葉を続ける。
「写真を見ておいてよかったわ、すぐにわかっちゃったもの。
さあ先生、お入り下さいね!」
彼女について門をくぐり、閂をかける。
「あたしは桜丘美由紀、先生の生徒です。よろしくお願いしますね。
…お母さーん。先生、来てくれたわよ!」
バックに構える屋敷へと駈ける彼女に両脇の花壇が添って、
一枚の絵を描き出している。
彼女を囲む花々の名前が一つとしてわからないことが、
僕は急に恥ずかしくなった。
応接間に案内されるとすぐ、彼女の母親が紅茶盆を手に現れた。
美由紀さんによく似た顔立ちに年月がもたらす威厳と落ち着きが加わり、
この屋敷の女主人として相応しい気高さがある。
しかし、プレッシャーに押しつぶされそうになっていた僕の予想とは異なり、
話そのものはごく簡単に終わってしまった。
美由紀さんの言っていた通り、採用はすでに決められていたようなのだ。
実際にここまで通い、授業を行ってくれるかと聞かれた僕が
「はい」と返答すると、
「では、美由紀の事をよろしくお願いしますね。」
と、あの柔らかな声で頼まれ、それで決定だった。
それからは、何事につけ驚くほどにスムーズだった。
私服に着替えた美由紀さんはますますその上品さを増し、
形容するなら『世なら華族のお姫様』という言い回しがぴったりと思えたが、
ありがちな高慢さ、わがままは無く、人の訓戒を素直に聞ける子だった。
予定をつき合わせた結果毎週火曜と金曜の2回授業を行うことになったが、
利発な彼女は半月ほどで僕の教え方に順応し、手際よく課題を進めていった。
2人とも、理想的な教師であり生徒だと感じていた
…少なくとも僕はそうだった。

「随分早くできたね、美由紀さん。今日はここまでにしておこうか。」
一学期中間テストの直前、まだ時間を残して僕は言った。
「はい、北河センセ。ありがとうございました。」
ゆったりとした空色のワンピースにしわを寄せ、美由紀さんが頭をさげる。
「あとは自分が不安なところを復習しておくこと。
それと、失敗してもそれを悔やみ過ぎないように。
次の科目に集中したほうがいいからね。
まあ、美由紀さんなら問題はないと思うけれど。」
事実、彼女は15才とは思えないほどの理解力がある。
周囲の環境も手伝って、僕はいまだに5才年下の彼女をさん付けで呼んでいた。
もっとも、それはおたがいに余所余所しい関係だという意味ではない。
「じゃあ、明日からの中間テスト、頑張って。」
「はい、センセ。
…ねえ、いい成績がとれたら、ご褒美にキスしてくれます?」
いたずらっぽく微笑む彼女と目が合い、僕も苦笑する。
「…OK、僕でよければいくらでも。
ほら、そんなことより、もう質問はないね?」
まったく、女の子ってのは早熟なものだ。
キスなど具体的な単語が出たのは初めてだが、
最近彼女はふとした隙を見つけて僕をよくからかう。
もっとも、それだけ親しんでくれた証と思えば、正直悪い気はしない。
「じゃあ、また金曜に。」
「センセ、ありがとうございました。」
しかし、だんだんと威厳が無くなってきている気がするのも確かだ。
最近では彼女が僕を呼ぶ時、最後に1文字足りていないような…
身長161cm、体重50キロ。
80%が祖母の隔世遺伝でできた顔は、
よく言えば中性的、悪く言えばなよっとした奴、となる。
「僕じゃ、中学生でもお友達感覚なのか…?」
そんなことを呟きながら、僕は桜丘の屋敷を後にした。

結果から言ってしまうと、『ご褒美のキス』どころじゃあなかった。
桜岡美由紀の成績は見事なまでに変わらず、
昨年最後の順位とぴったり同じところにあった。
僕自身信じられないことだったが、結果は結果。
最悪、家庭教師をクビと言うこともありえる。
しかし意外なことに、かの女主人はそれほど怒ってはいなかった。
一通りの苦情を並べ立てられたものの、
美由紀さんの希望もあるので今後もバイトを続けてもらいたいと言われ、
一も二もなく僕は首を縦に振った。
成績を取った本人の方はもう少しきつく叱られたようで、
部活を辞めるよう言われたとしょげていた。
僕自身も申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、
「僕もできる限りの事はする、今度の期末テストこそは頑張ろう」
…そう励ますのが精一杯だった。

そして、6月最初の火曜。
「センセ、これ…」
さすがにこたえたのか、めずらしく歯切れの悪い様子の美由紀さんが
僕に紙袋を押し付けた。
「ん?何かな、これ?中を見ていいかい?」
「あの、それでね、センセ…」
僕の声に構わず、何かを無理矢理吹っ切るかのように彼女は見を乗り出した。
「センセ、今度…女装してくれませんか!?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あら?一区切りついたのにまだ着替えてもいない…おかしいなあ(苦笑)
元のイメージは10分くらいでエンディングまで考えついたんですけど。
うーむ、このまま書き続けるとやっぱり長くなりそうです。
とりあえず投稿してみますね。
件数に余裕が残っていたら残しておいて下さると嬉しいです。
しばらくしても残っているようなら、
もう少し書く訓練を続けるよう努力しますので。
なお、お読みいただいた方から構成などアドバイスをいただければ嬉しいです。
追伸
単行本化…自費出版?もしくは同人誌…ちょっと違いますか(笑)




アニト (4月5日(土)23時44分54秒)
観月さん、こん○○は。
>書き込み件数が増えると物語消えますもんね…申し訳ないです。
いえいえ、書き込みは大歓迎なのですが、
「物語」に限定しているためなのです。
観月さんのこの物語は『別棟』に転記し、
より多くの人に読んでもらえるようにするつもりですよ。
それにしても、お上手ですねー、書き慣れている感じを受けます。
ぜひとも完結を目指してください。
それと物語のタイトルをよろしくお願いしますね。
>単行本化…自費出版?もしくは同人誌…ちょっと違いますか(笑)
やるからには「ISBN(国際標準図書番号)」のついた
商業出版を夢見る方が楽しいでしょう。
なぜならここは「空想」の場ですからね。むはははは。




観月 (4月10日(木)17時16分27秒)
本日、『ひなた戦記』を読み終わりました。
このお話を思いついた原因のソフトって…プリンセス・ミネルヴァ?
いや、こういうのって大好きです(笑)。
わたしには非常になじみ深いネタなので。
ファンタジーっていいですよねぇ。
ちょっとやそっと妙な事がおきても、
世界の法則が違うから、とか言えば万事オッケ〜ですし(こら)
今度一本書いてみましょうかね、パロディぎゅうぎゅう詰めで。
…あ、皆さんこんにちは、観月ですー。
つい過去の作品に没頭しちゃってました。
先にお話の続きを書き上げなくちゃ、ですよね。
(書き込み確認中…)
うわーうわー、皆さんそんなにほめないで下さいよーっ(あせあせ)
続きを書くのにプレッシャーがますます増えちゃうじゃないですか。
>管理者のアニトさんへ
え?書き慣れてなんていませんよー。
読むほうならばよく読むので、以前読んだ本などを思い出して
「それっぽい」書き方にしているんです。
ただそれだと結局は人の真似っこになっちゃうので、
自分なりの書き方を見つけなくては、と思っているんですが
…難しいです、心底。
それと、このお話は結構変則的な創り方をしてまして、なんていうか…
ごめんなさい、タイトルまだ思いつきません(泣き笑い)
次までに何か考えておきますので、もう少し待っていただけますか?
>純子さんへ
感受性が強い…そうかもしれませんね。
考えられる理由としては、「人に言えない」趣味の持ち主なので、
自然と妄想が多くなりいい訓練になる、とか
一般に女性のほうが精神的な楽しみを求める「ロマンチックさ」が強く、
女性に近い感覚を持つ?女装趣味者はそれに準ずる、とか
もしかしたら、自分で書いたお話に自信が持てない人は
読むだけに留まっているので、高レベルなお話がほとんどになる、とか?
日本人は謙遜する民族、とよくいいますし。
あと、根気もあるかもしれませんね。
話数が3桁ってものすごいと思います。脱帽…
>美希子さんへ
あ、やっぱりそういう人は多いんでしょうか?
同病の患者同士、相憐れみましょう(苦笑)
美希子さん好みの家庭教師ものになるかはわかりませんが、
ならなかった場合もできる限り
「いい意味で」期待を裏切る形にするよう努力いたしますので、
もうしばらくお付き合いのほどを。
ただ、私の場合別の趣味のおかげで(どマイナーなので説明省略します)
「思いついたネタに、あとから設定を付け足して無理矢理こじつける」
という技を多少は身につけているんですが、
「付け足した設定を取捨選択して、適度な長さに調節する」
という技術はまだ欠片も無いのです。
結果、背景の説明にやたらと行数がさかれ…
わかりやすい例が今回のお話です。
今日の分は付け足したシーンがほとんどで盛り上がらないんですが、
はぶくのもリアリティに欠けてしまうような気がしまして。
どなたかよい調整法を知っていたら教えてください(←結構必死)
さて、なんだか言い訳が長くなってしまいました。
そろそろ、カテキョのさくやちゃんを登場させますね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ごめん。なんだって?」
とりあえず、聞き返してみる。
「女装してくれませんか?女性に変装してほしいんです。」
漢字の解説までつけてきたところをみると、聞き間違いでもないらしい。
「やだ。」
短い拒否の言葉は、すぐに口をついて出た。
「どうしてですか?」
(どうして、って…)
当たり前だと思う。
何が悲しゅうて男の僕がわざわざスカートを穿いたりしなくちゃいけないのか。
美由紀さんはごく自然な様子で質問しているが、
本当ならそれはこちらのセリフであるべきだろう。
「どうしてって、まず僕のほうから先に聞きたいんだけど。」
気を取り直して、負けないようにこちらも身を乗り出す。
ペン1本くらいの距離を開けて視線がぶつかり合い、
「それなら、簡単に理由を。」
思いのほかあっさりと座り直した彼女は、少しうつむいて話し始めた。
「お母さんに部活動を止められたので、その分の時間が空いたんです。」
「うん、それについては…僕にも責任の一端はある。ごめん。」
どことなく活気の無くなった彼女の様子に、
僕もつられて申し訳ない気持ちになる。
「その時間を、少し受験勉強のほうにまわそうと思うんですけれど、
今まで通りに家で勉強するより、資料の多い図書館とかを使いたいんです。」
話が見えてこない。
そう口をはさもうとしたが、彼女はつっかえている何かを
全て吐き出しきってしまいたいとでもいうようにしゃべり続ける。
「北河先生に教わるとよくわかるから、
できればその時も家庭教師して欲しいんです。でも…」
少し予想できた事がある。
いや、本当ならもう少し早くから気づいていたのかもしれない。
それが自分の身に降りかかることだと考えたくなかっただけで。
「わたしの学校の事、前に話しましたよね?」
「たしか、聖パトリック女学院、だったね。」
創立は明治という筋金入りのカトリック系女子校。
創立以来の伝統と教育方針を頑な過ぎるまでに守り続けており、
理事長以下用務員を務めるシスターまで関係者は全て女性。
敷地内に入ることのできる男性は、唯一生徒の父親だけだとか。
聞いた話を並べていくと、美由紀さんは小さく頷いた。
「そうなんです。ですから、たとえ家庭教師といっても若い男の人と
二人で過ごしているのを知り合いに見つかって、学校に知られた場合…」
「内申書に傷がつく、と。」
なるほど、納得した。でも、
「でも、それで僕が女性のふりをすればいいっていうのはなあ…」
何か違う。そう言おうとした矢先に。
「お願いよ、先生!わたしを助けてほしいの!」
胸の前で軽く手を組み、祈るような姿勢で美由紀さんが僕を見上げる。
その視線にぶつかった瞬間、僕は続きの言葉を飲み込んでしまった。
慌てて、断る理由を新たに探してみる。
「そもそもいくら変装したって、すぐにバレると思うよ?」
「大丈夫ですよ、先生って顔もきれいだし背も高くないし、体つきも華奢だし
ひげとかも目立たないもの!」
(褒められたととれなくもないけれど…嬉しくない…)
「それに、かわいい娘の家庭教師が女装なんかしてると知ったら、
お母さんが変な心配しないかな?」
「それが心配なら…仕方ないです、黙ってましょう。」
なにか、随分と思いつめた感がある。
あまりこういうことを言う気はなかったが、手を変えて試してみる。
「そうなると、その分のバイト料はでないよね。さすがにそれは嫌だなあ。」
一瞬、彼女の瞳が曇った。が、すぐに答えが返ってくる。
「その分は…わたしが払います。貯金ならありますから!」
(…だめだ、このままでは押し切られてしまう。)
焦る僕の頭に、最後の希望が浮かんだ。
「で、でもさ。それが学校のほうに知られたらよっぽどひどい事になるよ、絶対。
やめたほうがいいよ。」
そう、根本的にリスクが高すぎる。
そのことさえわかれば美由紀さんも諦めると思えた。しかし。
「そこまでわかっちゃうようでしたら、その時こそ諦めます。
先生には文句も言いませんしご迷惑もおかけしません!ですからお願いします!」
涙に潤む瞳で見つめられ、腕に縋りつかれると突き放す事もできず。
「この1年が勝負なんです。今度はもっと成績を上げないと駄目なんです…」
はっきりとそう言われると、力及ばなかった家庭教師の身では何も言えず。
(何かが間違ってる、絶対…)
心の隅にその思いを押し込めたまま、僕はとうとう首を縦に振ってしまった。
美由紀さんの日程と僕のスケジュールをもう一度確認し、
新たに月曜と水曜に家庭教師を行うことになった。
それも、結局他の家族には内緒で、だ。
(言える訳もないけれど、ね。)
アパートに帰り、手渡された袋の中身を見ると、現実がのしかかってくる。
薄い紺色のワンピースにホワイトのサマーセーター。
女性用の下着一揃いに、最後の箱には鬘まで入っていた。
僕は一つ大きく溜息をつくと、全てを紙袋に戻して部屋の片隅に押しやった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ごめんなさいごめんなさい、次回こそはきちんと着替えさせますから〜!!
追記
個人的にお勧めの本です。
コバルト文庫 『少年舞妓千代菊が行く!』シリーズ
内容は言いませんが、大体ご想像の通りです。
古都の風情がお好きな方、着物と白塗りに憧れる方には特にお勧めかもしれません。
千代菊ちゃん、可愛いですよ。




アニト (4月10日(木)23時46分25秒)
観月さん、こん○○は。
《よく読む》人は書けるものです。
まずは《「それっぽい」書き方》でおおいにけっこうですよ。
焦らずとも観月さんの気持ちを込めれば
そこから《自分なりの書き方》が生まれることでしょう。
タイトルは今月中まで待ちますのでゆっくり考えてください。
>私の場合別の趣味のおかげで(どマイナーなので説明省略します)
気になりますねー。




観月 (4月12日(土)18時05分32秒)
2日ぶりでーす!観月です〜。
思いついたことを忘れないうちに書き込みをしておこうかな、と思ったので、
今回は出没が早めです(笑)
>アニトさまへ
お騒がせしました。本日めでたく(?)タイトルが決定しました♪
とある諺をもじって「教え子に教えられ」です。
転記の際にはよろしくお願いします〜
…え、私の趣味ですか?TRPGって言うんですが、ご存知でしょうか。
ええとですね…(権太さんあて書き込みに続く)
>yuriさんへ
あら?もう私も発掘されちゃうほうですか!?
…いつの間に埋められちゃったんでしょうねぇ(笑)
では、なるべくどんどん書くようにして
過去ログをもっと深くに埋めてしまいましょう。
ざっくざっく(←埋める穴を掘っている)
>権太さんへ
はじめましてー、観月です。今後ともよろしくお願いしますね。
って、正解です権太さん!TRPG系の観月です。
知ってる方でしたか。嬉しいです〜。
(おそらく大多数であろう、知らない方々へ。
TRPGとは、簡単に言えばTVゲームのRPGを、
コンピュータを使わずに何人かの人の手だけで遊んでしまおうという
コミュニケーションゲームです。
空想の冒険談を作り上げていく過程は、
このサイトの『空想オフ会』ににてるかも?)
おかげで、ジャンルがドレス・コスプレ系に。
反面、さくやちゃんに着せるような普段着は詳しくないんですよ〜。
この先どうしましょう。
いっそアニトカイザーにでも放り込んじゃえばらくかな…
はっ。何考えてたんでしょう、私は。
話は変わって。
むむ、アニトさんは神様ですか。
神罰が来ないように気をつけねばなりませんね。
とりあえず、皆さんに習って上のレスを「さま」付けにしてみましょう。
あとは、変なミスをしないように…
はうっ!過去の書き込みを見直したらすでに1箇所誤植してたのを発見(苦笑)
後は…単行本化計画、地道に進んでますね。
成年コミックコーナーなどを見ると
最近はかなりアレな装丁やタイトルのもありますし、
発売できれば需要はあるかも。
ただ、単行本化のために別棟の物語をつぶしてしまうのはどうでしょうね?
まだここを発見して半月も経たない私が言えた事ではないかも知れませんが、
私は、この『空想デート』はこのサイトに集まる方々が書いた物語を
お互いに披露する場なのだと現在認識しています。
そうすると、サイトによく来る方からすれば逆に、
いわば分家である「単行本化」のために
いままで本家で読めていたものを何で消してしまうのか、
ということにもなるような?
(本音:お願いですからただで読ませてください。あんまりお金ないんです。)
でも、これでほんとに発売されたら売上金はどこに行くんでしょう(笑)
忘れないうちにタイトルを書き残しておきたかったので、
本日はちょっと本文が少なめです。
では、スタート〜
『教え子に教えられ』3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2日後。
恥ずかしいから止めろと叫ぶ理性と常識を
約束の2文字で無理矢理押さえつけ、僕はワンピースを手に取った。
シャツとジーンズを脱ぎ捨て、紺の布地を頭からかぶる。
襟首に頭がつかえて焦ったが、
胸の部分で組まれたリボンを緩めて首周りを広げ、どうにか出した。
腕を袖に通すと、しなやかで柔らかい布が手首までをふんわりと包む。
ついさっきまで着ていた硬いシャツとの違いがはっきりと実感でき、
不思議な心地良さが広がっていった。
(手に持っただけの時と違って、随分と気持ちいい感触なんだな…)
腕を適当に動かすと、そのたびに布が肌を撫でる。
しばらくの間、僕はその感覚に身を任せた。
さらっ、しゃっ。
衣擦れの音だけがかすかに響く。
(ふふ。これ、なんだか…)
「気持ち…いいなぁ…」
(えっ!?)
耳に入った言葉がぼくを我に返らせる。
もちろん、1人暮らしのこのアパートに他の人がいるわけもなく。
(僕、何か言った?)
改めて恥ずかしさがこみ上げてきて、背筋から上にかあっと熱いものが広がる。
照れ隠しに意味もなく泳がせた視線が壁の時計に止まった。3時2分。
「あ、まずい!」
急いでサマーセーターを羽織り、鏡の前に立つ。
茶色が買った鬘をかぶり、その下から覗く自分の前髪を中に押し込む。
襟から肩の方まで手を入れ、服を整える。
胸と腰の位置が少しずれているようにも思えて
ワンピースを軽く揺すったりもしたが、どうにも上手くいかない。
仕方なく、着心地のいい位置におさめて家を出た。
3時半。
仕事に家事に部活にと忙しい大半の人はそれぞれの職場に篭っているため、
人通りはそれほど多くない。
(とはいえ…罰ゲームにしては厳しすぎるよう…)
この図書館に来るまでの工程で、僕の精神的疲労はすでに極限に達していた。
道行く人の顔がこちらを向くたびに心臓が跳ね上がる。
なるべく人に見られないよう物陰に隠れて進むのと、
何でもないふりをして堂々と歩くのと
どちらがより怪しくないか本気で悩んだりもしたが、
どちらでも不審人物に変わりないことに気がついて、
あらためて落ち込むだけに終わった。
何度引き返そうと思ったかわからない。
くるりと振り向いて駆け出したくなる衝動を、
大事な生徒への責任感全てを振り絞って打ち消し足を前に出す。
今度はそのまま走り去ろうとする膝から下を引きとめ、
極力自然体を装い歩調を保つ。
図書館の入り口をくぐった時には、
そのまま座り込んでしまいたくなるほどに全身がこわばっていた。
(もう少しだけ我慢。辛抱しなくちゃね、僕…)
八方から見つめられているように思えて周囲に散乱していた意識を引き戻すと、
少ない利用者の中から美由紀さんを探し出すのに時間はかからなかった。
「お待たせ、美由紀さん。」
しばらく見ることのなかった制服の後ろ姿に近づき、
なるべく彼女にだけ聞こえるように声をかける。
振り向いた彼女の笑顔が…
「あ、センセ。お待ちし…」
一瞬にして引きつった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
…次はもう少し長く書きますので。




アニト (4月14日(月)23時36分02秒)
観月さん、こん○○は。
>2日ぶりでーす! 今回は出没が早めです(笑)
わはは、どうやら観月さんも「書きたがり」のようですね。
誰かの何かの言葉に対してついつい?反応してしまう、
しかもそれがきちんと愛情のある会話として成り立っています。
交流の場として挨拶だけの書き込みでは物足りない、
物語をメインとしているのに物語しか読めないのでは味気ない、
これが『空想デート』、これが『空想デート』の作者さんたちです。
《TRPG》というのもおもしろそうですね。
わたしは「バイオ・・」「デビル・・」「鬼武・」といった
戦う系のTVゲームで遊ぶこともあるのですよ。

>発売できれば需要はあるかも。
どははは、「できれば」が大いなる課題ですね。
>いわば分家である「単行本化」のために
>いままで本家で読めていたものを何で消してしまうのか、
ご安心を。観月さんの経済事情を考慮し、削除はいたしませんよ。
逆に、もし仮に仮に仮に仮に仮に仮に仮に仮に仮に仮に仮に仮に
単行本化されたとして自分の物語が掲載されるのは困る
という人がいましたらご連絡ください。
>でも、これでほんとに発売されたら売上金はどこに行くんでしょう(笑)
ひとまずわたしのポケットにというのではどうでしょう?、どわっはっは。
ただしそのお金で「『空想デート』出版記念パーティ」を開催し、
みなさまをご招待します。(もちろんただで。)

むはははは、これぞ『空想デート』らしい空想的盛り上がり。
ご意見・ご感想をお待ちしています。

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