はじめから読む

美希子 (10月29日(水)16時20分39秒)
■アニトさま■
眉の手入れはちょっとだけしています。
といっても毛抜きで整える程度です。
あんまりやっちゃうと私生活に影響が出ちゃいますから。
堂々と「女装娘です!」って言ってしまいたい気持ちもありますけど
やっぱりそれは空想の中だけにしておかないと。
ですからアニトさまとデートされる方たちをうらやましく思っています。
同じ趣味を持つ女装娘さまと一緒に過ごすことができたら
それもきっと充実した楽しいときでしょうけれど、
男性から自分を女として見てもらえたなら、
女として男性に甘えることができるなら、
どんなに幸せなことなんだろうって思えます。
あー、甘えられる人がいないかなー。
これからもアニトさまに甘えちゃっていいですか?
■つばささま■
>筆が止まらないんですよね。
そういう台詞を書いてみたいです。
ワタシなんか書いては止まり書いては止まりと悩みっぱなしなんです。
でも書かずにはいられない、不思議ですね。
つばささまはなんでここに書こうと思ったんですか?
■セーラー服久仁子さま■
久仁子さま、お久しぶりです。
久仁子さまの物語の主人公はみんな「久仁子さま」。
ですから思いがストレートに伝わってきて、どなたであっても
自分の物語のように置き換えて読めるんじゃないかと思うんです。
それにみなさまが思い描いているようなエッチな空想を
どうしたらこういう自然な流れの会話が書けるんだろうと
うらやましくなっちゃうほどの素敵な台詞の積み重ねですから、
声に出して読んだら感じまくりです。
またいっぱい書いていただけるとうれしいなー。
−−−希望的生活 第5話−−−
ママが家出をしてから10日。
その日の学校帰り、おばあちゃんの家へ寄ってみた。
ぼくが以前住んでいたアパートから歩いて5分。
大通りからずっと奥まった昔ながらのたたずまいを残す旧市街の一角に
おばあちゃんの家はある。
そのあたりの古い家々はどれもすぐそばまで迫った振興宅地の家の
3〜5倍くらいの敷地があって、なかでも緑の植木に囲まれて
総ヒノキ造りの門を持つおばあちゃんの家はひときわは大きい。
全部おばあちゃんのお祖父さんが建てたらしい。
長い垣根沿いに勝手口へ廻ってインターホンを鳴らそうとしたとき、
どこからかおばあちゃんの声がした。
「いらっしゃい、希望。そこからじゃなくて茶道口から入っておいで」
おばあちゃんにはいつも驚かされる。
きっとどこかに監視カメラがあってぼくの姿をモニターで見ているんだろう。
茶道口というのはぼくが生まれる前に使われていた勝手口だ。
そこから中庭に入るとおばあちゃんのお気に入りの場所、
『空想庵』の玄関へと続いている。
格子の引き戸を開けて土間に立ち
「こんにちはー。おばあちゃん、入りまーす」
大きな声でそう言ってからぼくは板張り廊下に上がった。
南向きに縁側、反対側が障子戸、正面にお便所。
ここを歩くだけでなんだかいつも緊張してしまう。
「お入り」
障子戸を開けると囲炉裏のある畳部屋におばあちゃんがちょこんと座っていた。
濃い赤茶色の小箪笥や書き物机といった
博物館で見たことがあるだけの家具がここにはある。
その奥の襖戸の先には入れてもらったことはない。
「ママは現場に行っているよ。さあ、おいで」
静寂っていう漢字をぼくは書けるぞ沈黙も閑静もと思いながら
ぼくはおばあちゃんの前にかしこまった。
鉄瓶から注いだお茶が目の前に差し出され、
熱くて飲めないでいるとおばあちゃんが言った。
「気持ちは希望やパパのところに帰りたがっているんだがね、
身体が現場に向かわせるんだろうねー、現場が好きだから、あの娘は」
ママがかなづちをふるっている姿は容易に想像できた。
と同時にパパのことも思い浮かべていた。
「気持ちと身体が違ってしまうことはやっぱりあるんですか?」
「そりゃあるさ、人間だからね」
パパが以前言ったことがある。
(パパは理詰めで考える癖がある。
でもおばあちゃんは大局的な見地を持った人だから・・)
意味はわかんなかったけどおばあちゃんは何でも知っている
ということだろうとそのときは思ったのだった。
「もしかしたらママの脳は男脳なのかな?」
「どこでそんなことを習ったんだい?」
独り言のつもりだったんだけどおばあちゃんは聴いていた。
ぼくはパパとの会話をすべておばあちゃんに話した。
「だったらパパとママはますますお似合いってことになるねー、うふふ」
笑いごとじゃないんだけど、たしかにそうかもしれないと思った。
「でもパパは女装はするが自分は男脳だと言ったんだろ?
ならばママも女脳なんだけど現場が好きということだろうと思うがね。
男とか女とかに関係のない『好き』だってあるさ。
どっちにしてもいいコンビだね、あの2人は。
落ち着くところ落ち着くから心配せずに待っていなさい」
おばあちゃんと話をすると心が軽くなるような気がするときがよくある。
きっといろんなことを見て聞いて体験して知っているんだろうなと思う。
「ところで・・・さっきミサキちゃんが来ていたよ」
「えっ、ミサキが?」
ぼくたちが小学生で家が近所のとき、
ミサキはぼくにくっついておばあちゃんの家に何度か来たことがある。
「今も来ているんですか?」
「ときどきね。青葉が来てからは一日おきくらいに来るようになったかねー。
一昨日も来てあたしの似顔絵を書いてくれたよ。
優しくて可愛い子だねー、ミサキちゃんは」
そういえばこの間スーパーマーケットで会ったとき、
何か言いたげな表情をしていた。
もしかしたら「友達の家に寄った帰り」というのは
おばあちゃんちのことだったのかもしれない。
でもなんでなんだ?
ともかくミサキはぼくんちの事情を知っているんだ、と思った。
なんだか胸がドキドキした。
会いたいと思った。
「さっきまでいたんだけど、青葉と一緒に買い物に出かけたよ」
おばあちゃんがぼくの心を見透かしたように言った。
今は会いたくないともと思った。
そういえばぼくはなんでミサキと付き合わなくなったんだろう?
いやもしかしたら心の奥で避けているのかもしれない。
なんで避けなければならないんだろう?
「みんなが仲良くなれたらいいんだけどねー」
心の奥がズキンと音をたてた。
その日ぼくはミサキに会うことなくおばあちゃんの家を後にした。

▽ ▽ つづく ▽ ▽




アニト (10月29日(水)23時48分59秒)
美希子さん、こん○○は。
自分の中にある正直な自分を誰かの前で出すことは
なかなか難しいことだと思います。
思い切って告白してしまうには女装はリスクがありすぎです。
ですがそれを受け止めてくれる男性はどこかにいるものです。
慎重にしかし臆病になりすぎず行動を起こしてみてください。
それまではわたしでよかったらどーんどん《甘えちゃって》いいですよ。
安心かつ安全に女装のできる機会を提供すること、
約束を守ること、これがわたしのモットーです。




美希子 (11月5日(水)18時12分19秒)
■アニトさま■
先日噂のヌードブラを買っちゃいましたぁー。
すっごく安くて998円だったからきっと偽物なんでしょうけれど
偽物の胸につけるのでそれでもいいんですぅ。・・・うう、自虐的。
密着性のある材質なので胸にぴたっと張りついて
ほんの少し重みすら感じます。サイズはMです。
触った感触も良く、それに装着した偽胸の頂点をツンツンと叩くと
乳首に響いて気持ちいいことも発見しました。
ただ真ん中にあるストラップの長さ調整ができないのがちょっと不満です。
洋服を着たときどうしたらきれいに見えるか研究してから写真送りますね。
■男!権太さま■
ワタシはお休みが不規則なので平日に書き込むことが多いです。
>むふふふふふふ、権太がいるじゃないですかぁ。
この書き方、なんだかアニトさまと似てきたんじゃありませんかぁ?
もしかして男を磨く旅とはアニトさまでの修行とか?
「空想デート」の作者さまたちって
書いている物語はエッチを多く含んでいますけど
実際にお会いしたら紳士淑女って感じがして(事実アニトさまはそうでした)
その中にいられることをうれしく思えるんです。
甘えちゃおっかなー、でも足の裏はくすぐったいので
他のところにしていただけませんか?・・たとえば・・・。
■みやむ〜さま■
みやむ〜さま、おひさしぶりです。
三連休なんていいなー、です。
ワタシはずっとお仕事でした。
飴玉浣腸ってなんかすごいですね。
今度便秘のときに、そうじゃないときにもやってみようかな。
どうしたらみやむ〜さまの元気いっぱい弾むような文章が
書けるのかも研究してみたいです。
また物語もお願いいたします。
■つばささま■
早く体調を戻されて元気な物語を読ませてくださいませ。
待ってまーす。
−−−希望的生活 第6話−−−
「どうかな? 似合うかな?」
パパは鏡の前で恥ずかしげにクルッと一回転してから言った。
ハイネックのセーターにデニムのロングスカート、
ちょっとだけ脚が見えて白いソックス。
洋服はママのもので、青葉のコーディネートだった。
「はい、似合ってます」
ぼくが思ったことをミサキが声に出して言った。
肩までかかる髪の毛はプローっていうのをして内巻きに頬にかかっている。
化粧まではしていないけど元々パパの顔はつるりんとした卵形だから
不自然な感じはそんなにしない。
むしろパパの雰囲気を残しながら若返ってお姉さんになったという感じ。
小生意気な青葉よりもやさしいお姉さんがいてくれたらなーと思ったことが
正直言うと、いや言ったことはないけど、何度もある。
「ありがとう。希望はどう思う?」
正直に言うのが難しいことは多いものだ。
パパがちょっと遠くへ行ってしまって
男同士の付き合いができなくなっちゃうかもって気がしたし、
でもお姉さんとしてこのままこの家にいてほしいとも思える。
「・・いいんじゃない」
結局それだけしか言うことができなかった。
「お兄ちゃん、それだけなの? もうー」
「だってこれはぼくじゃなくてママが決めることだろ?」
「2人ともけんかはしない。パパは希望と青葉にも見てもらいたかったんだよ」
今まで書斎にママやぼくたちを入れてくれなかったのは
書き物をしているときにもこっそり女装をしていたから、とパパは教えてくれた。
あるときパパの留守中に出版社の人から電話があって、
何かの資料が急に必要になったからと言われたママは
書斎に入って捜し物をした。
そして押入れの中の秘密の段ボール箱を開けてしまったらしい。
「知られてしまったときどんな感じだったんですか?」
ミキサが遠慮がちに言った。
「どうしていいかわからなくなっちゃったんだ。もう終わりだって思った。
・・・でもね、同時にほっとした気持ちもあったんだ」
もうじきおばあちゃんがママを連れてやってくる。
パパの女装姿をママに見てもらうことを提案したのはおばあちゃんだった。
ぼくと青葉となぜかミサキも加わっておばあちゃんとママを待っている。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
「お兄ちゃんはどうなの?」
パパとママとおばあちゃんが書斎に入って30分くらいたつ。
ぼくたち子供はぼく(と青葉の共同)の部屋で結果を待っていた。
青葉とミサキはベッドに並んで腰掛け、
ぼくは向かい合って椅子に座っていた。
「どうって言ったてさ、やっぱりママがどう思うかじゃない」
「そうじゃなくてジョソウっていうのをどう思うかよ」
青葉はいつになく真剣な顔で言った。
ミサキまで同じ顔でぼくを見つめる。
「きっとパパとママは仲直りすると思うの。
そのときあたしたちが賛成してなかったらパパ悲しむでしょ」
「ママさえ良ければぼくも反対しないよ」
「ああよかった。あのね、じゃあ本当のことを言うね。
ママはもう帰ってくることにしているの」
「へっ?」
ぼくはそうとう間抜け面をしたのかもしれない。
ミサキがぷっと吹き出した。
ということはミサキも知っている?
「なにがどういうこと?」
「だってママはパパのこと好きだもん。
だけど家の中でならジョソウしてもいいけど、外へ行かれたらこまっちゃうでしょ」
そりゃそうだ。
学校のみんなにばれたらなにを言われるかわからない。
「だからそういうことをちゃんと決めてから戻ることにしているの。
ひとつ、ジョソウは家の中だけ、かぞくの前だけですること。
ひとつ、パパとしてのセキニンをはたすこと。
ええと、あとは・・・」
「今それを話し合ってるわけ? ってなんで青葉がそれを知っているだよ?」
「だってママといっしょに考えたんだもん。おばあちゃんもいたよ」
だぁーっ、まったく女ってやつはぁ〜。
あーーっ、パパも半分女になっちゃうんだー。
「お兄ちゃんもジョソウしてみる?」
「バカ言え」
「でもパパがするのはかまわないんだよね? じゃほかの人がするのは?」
「パパが言ってた。本人がそうしたいというのなら認めてあげればいいって」
「ふ〜ん、そうなんだぁ。
だったらミサキちゃんがそうしたいって言ったらしてもいい?」
「はぁ〜〜〜〜???」
小学4年生のときに知り合い、人見知りが激しくてちょっと泣き虫で絵が上手で、
いつの頃からぼくも青葉も「ミサキ」と呼び始めたのかは忘れたけど
青葉の隣に座っている岬広志は・・・男だ。
だってどう見たって・・・・・・と言いかけてはっとした。
・・・・・・・・・身体は男、だ。
「ミサキ、お前・・・女になりたいのか?」
「ミサキちゃん、はっきり言ったほうがいいよ。
じゃないとお兄ちゃん鈍感だからいつまでも気づかないから」
ミサキが伏し目がちに口を開いた。
「希望くん、ごめんね。ぼくね、女の子になりたいのかどうかはわからない。
でもね、女の子の格好をするのが好きなの」

▽ ▽ つづく ▽ ▽
次回最終話です。




アニト (11月5日(水)23時29分47秒)
美希子さん、こん○○は。
おおおっ、《噂のヌードブラ》を!、ですか
偶然にもわたしも先日ヌードブラを間近に見たのですよ。
ついでにちょっと(?)触ってみるととても良い感触でした。どはははは。
ブラジャーの中にティッシュやパンストを詰め込んでいる人もいますが、
998円という安さを考えればまさにお買い得ですね。
ところでそのヌードブラはどこでどのようにして買ったのでしょう?。
そこにも物語がありそうです。
うおおおおおっ、ミサキちゃんは・・・だったのですかぁ!。




美希子 (11月11日(火)18時49分35秒)
■アニトさま■
アニトさまの影響で映画を見るようになりました。
先日「キル・ビル」という映画を見てきました。
殺陣はイマイチでしたけれど、音楽の使い方がとってもかっこよかったです。
それと2週間かかって長編の小説を一冊読み終えました。
それで思ったんです、物語を創るためのヒントって
いろんなところにあるんだなーって。
でも思いついた小さな小さなヒントを膨らませいくのが難しいです。
構想を練っているとついついエッチな方向に空想が暴走しちゃって、
アソコを膨らませるのは簡単なんですけれど。てへっ。
「希望的生活」は今回で完結です。
メールでいいただいたアドバイス、ホントにホントにありがとうございました。 
■ブラ男さま■
はじめまして、美希子といいます。
へぇへぇへぇ〜、ブラをする理由は人それぞれなんだなー、
と思いながら読ませていただきました。
ワタシも環境が許せば毎日ブラをしていたいのですけれど
そのための苦労と万が一の危険性を考えると
どうしても実行はできずにいます。
女装とは違うことでかえって興味がわいてしまいました。
ブラ男さまの生活をまた教えてくださいませ。
−−−希望的生活 第7話−−−
ぼくの家はマンションの3階。
玄関ドアを開けるとパパのと並んでママと青葉の靴がある。
それは当たり前のことではあるんだけど、今はとってもうれしい。
ぼくんちのあの歴史的会合の翌日、ママは青葉と一緒に帰ってきた。
そのときに調印された家族内のルールを守りながら、
パパは家の中だけで女装をするようになった。
といってもスカートを穿いた姿はめったに見ることはなくて
たいていはレディースのズボンなんだけど。
そしてパパは仕事が終わった後ならば書斎へ入れてくれるようになった。
ママはトウリョウのところへパートに出かけているのは同じだけど、
経理としてではなくて毎日現場へ行っているらしい。
ときどきパパとママがお揃いのピンクのシャツなんか着ていることがあると
ママが2人いるように思えるときがある。
なんだかパパもママも生き生きしているし、
以前に増して仲が良くなったようにも思える。
ミサキは家へよく遊びに来るようになった。
ぼくは岬広志のことを相変わらず「ミサキ」と呼び、
ミサキはぼくの前だけでは自分のことを「わたし」と言うようになった。
ミサキの両親には女装のことをずっと秘密にしていくつもりだそうだ。
だってぼくんちと『空想庵』とで女装ができるから。
ときには女であるママと青葉とおばあちゃんと、
女装したパパとミサキ、そしてぼくで夕食をとることもある。
男が3人いるはずなのに周りは女だらけになってしまって
ぼくの男としての発言は通りにくくなってしまった。
それに「女なんだから」とか「女のくせに」なんて言葉ももううかつには使えない。
「見た目なんかどうだっていいじゃない」
今ではママがその言葉を一番よく使う。
そうそう、あの会合の計画はかなり綿密に練り上げられていたんだ。
まず、パパの女装がママにわかってしまったこと、
これは偶然の出来事だった。
ママは本気で怒り戸惑い、パパも本気で戸惑い後悔した。
そしてママは青葉を連れておばあちゃんの家へ行ってしまった。
ちょうど学校行事の野外体験学習へ行っていたぼくはパパと残された。
今思えばたいへんなピンチだったんだけど
それとは別にたいへんな出来事がおばあちゃん家にもあった。
クラスが別々になってしまった小学6年生のとき、
ミサキはクラスの男子たちからイジメを受けていたらしい。
おかまとか男女とかひどい言葉を投げつけられながらの下校道、
ミサキはある人に助けてもらった。
その人の名前は健一さん。
聞いた話の中ではそれがたまたまおばあちゃんの家の近くでのできことで、
たまたま散歩をしていたおばあちゃんが2人に声をかけて
ミサキとおばあちゃんは知らない仲ではないから『空想庵』に招き入れた。
ということなんだけど、そんなたまたまの偶然がある?って感じ。
なんだかスッキリしない説明の中は他にも
スモモさんなんていうマンガみたいな名前の人も出てきてますます怪しい。
しかも健一さんやスモモさんと今も付き合いがあるみたいなんだ。
なぜかミサキもおばあちゃんもそのことはあまり話したがらない。
うううっ気になる、いつか絶対つきとめてやる〜。
もとかくそれ以来ミサキは『空想庵』に出入りするようになって
おばあちゃんといろいろ話をしているうちに女装をするようになったという。
ところで驚いたことにおばあちゃんの『空想庵』は
ぼくが知る範囲では昔ながらの隠居庵だったんだけれど、
襖戸の奥には最新のパソコンが3つもあるハイテク部屋だった。
どうりでいつかぼくが訪れたとき、敷地の外にいたぼくに
隠しスピーカーからおばあちゃんが声をかけることができたわけだ。
おばあちゃんっていったい何者だろうと思う。
そこへ家出をしたママに連れられて青葉がやってきてミサキと再会した。
ただしミサキの女装をママはその時点で知らなかった。
そりゃあそうだ、パパの女装で頭が混乱していたんだから。
そして青葉とおばあちゃんとミサキが仕組んだ。
パパとママの「仲直り作戦」のついでに、ぼくとミサキのことも。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
「おいおい、もうちょっと離れろよ。人が見たら変に思うだろ」
学校からの帰り道、ぼくとミサキは公園のベンチに腰掛けていた。
季節は秋から冬になりつつあり、空が突き抜けるように青かった。
ぼくもミサキも黒い学生服を着ている。
男子同士で肩が触れ合うほどのこの座り方は人が見たらなんと思うだろう。
「だってこうしていたいんだもん」
そういえば昔からミサキは座っているときに膝を閉じていた。
何か動作をするとき両手が同時に動くことが多い。
たとえば物を差し出したり受け取ったりするとき。
何も動作をしないときには両てのひらを合わせている。
話すときほんのちょっと首を傾けたりする。
そういうしぐさが女の子っぽくみえるから
イジメられたりしたんだろうなーって思う。
最近はミサキにとってぼくが一番のイジメっ子なのかもしれない。
だってときどき今みたいに意地悪なことを言ってしまうから。
それでもミサキはぼくの前ではいつも明るく笑っている。
いやぼくの前だけでなく誰に対しても優しい。
これがありのままのミサキなんだなーって思う。
自分に正直に生きるって難しい。
言いたいのに言えないことはたくさんある。
ミサキは正直だ。
パパもそう、ママもそう。
青葉はますます生意気になってきただけだけど
それでも人の生き方を認める正直さを持っている。
ぼくはどうだろう?
ずっと誰にも言えない秘密を持っていた。
ぼくには気になる男の子がいるということ。
なんでその男の子を見るとドキドキしてしまうんだろう?ということ。
自分がヘンなんじゃないかって思ったこともある。
もっと早く気がつけばよかった。
ミサキが女の子かもしれないということを。
でももうミサキが男だろうと女だろうとどっちだっていいことだ。
     ▽ ▽ ▽
これがぼくの家族やミサキが思い描いていた希望的生活。
そしてぼく=希望の生活。

▽ ▽ おわり ▽ ▽
最後「まとめちゃった」という気がしないでもありませんけど、
おばあちゃんと健一さん(通称ケンちゃん)やスモモさんとの関係は
また別のお話で。




アニト (11月12日(水)23時26分39秒)
美希子さん、こん○○は。
「希望的生活」完結おめでとうございます。
美希子さんの優しい眼差しがたっぷりと注がれた素敵な物語でした。
すべての女装娘さんがそれぞれの《希望的生活》を見いだせるといいですね。
《また別のお話》を楽しみにしています。
《いろんなところにある》《物語を創るためのヒント》を
見つけることができるようになったのは
美希子さんの感性が豊かになってきた証拠でしょう。
これからもたくさん映画を観、本を読み、物語を書いてください、
空想とアソコを膨らませながら。


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