美希子 (9月18日(木)18時30分36秒)
■アニトさま■
いつも「別棟」の更新をありがとうございます。
書き込みをするたびにレスをいただくだけでもありがたいのに
毎月2回必ず更新をしてくださるアニトさまを尊敬申しております。
それに掲示板の書きこみ以外のところでもご活躍をされているようで・・。
U子さまとはさっそく外出調教をされ、
N子さまにはご自宅に招かれ撮影をされたのですかー。
さすがアニトさまというかやっぱりアニトさま、
ちょっと妬けちゃいますけど
そういうことができるほどみなさまからのご信頼は篤いのですね。
>《勇気》は美希子さんが本来持っていたものなのですよ。
勇気を引き出してくださったアニトさまに感謝しています。
一日のお仕事が終わって家に帰って女の子の姿になって
「空想デート」を見たり物語を書いたりしているときが一番幸せです。
■ロマンス純子さま■
>本当にいい夏になったようですね・・・。
自分でもはしゃぎすぎちゃってるような気がして恥ずかしいんですけれど、
まだ気持ちが抑えきれないんです。ごめんなさーい。
でもホントにこんなに素敵な夏ははじめてかもしれません。
>今度、美希子さんの純愛物なんか期待したりしています。
えー、無理ですよぉ。
だって純愛っていうのがどういうものかよくわかっていませんし
どうやって書けばいいのか全然けんとうもつかないんです。
男性と女装娘の純愛は幸せな結末を迎えることができるんでしょうか?
純子さまの物語こそ純愛物だと思っているんですよ。
だってこんな恋愛がしたいって羨ましく感じるときがあるんですもの。
>今はこの空想デートの作者さんが少ない時期なので、
はーい。アニトさまがいらっしゃって、純子さまとご一緒できるだけで
とっても心強いですし安心できます。
■つばささま■
うわーっ、エッチィです。
ついつい自分がつばさちゃんになったつもりで
恥ずかしいことをしてしまいそうになります。
いや〜、だめ、恥ずかしい、でも、あうっ、あああ、気持ちいい・・・
あっ、空想の世界へ入ってしまいました。
■N子さま■
お写真拝見いたしました。
えー、ご自宅にアニトさまをぉぉぉ??
そんなことができるなんていいないいな、ホントに羨ましいですぅ。
だってよっぽど強い信頼関係がなければ男性を呼べないんじゃないかと思うんです。
ワタシもいつかアニトさまをお招きして・・・・・・
あっ、その前にお部屋の掃除をせねばぁ〜
■U子さま■
ひゃ〜、7月某日に第二回の「調教デート」をされて、
8月23日に「2つの空想」を告白されて、
もう「女装外出初体験」(しかも首輪をつけて)されてしまったのですか!
>何であんな事がアニト様とご一緒だとできてしまうんでしょうか。
それってわかる気がします。アニトさまって
>それはそれは素敵な方です。
ですものね。
■読んでくださっているみなさま■
最近書き込みをしていただける作者さまは少なくなっていますけど、
カウンターを見ているとあいかわらず掲示板は毎日300アクセス、
別棟は400アクセスくらいあるようです。
興味を持って「空想デート」を開いてくださっているみなさま、
もしもしもしもできましたらあなたの物語を読ませていただけませんか?
きっと誰でも自分だけの物語を持っていらっしゃると思うんです。
−−−希望的生活 第1話−−−

金曜日の夕方から日曜にかけての学校行事で
山の中にテントを張ってすごした野外体験学習から戻ると
家の玄関ドアに鍵がかかっていなかった。
ぼくの家はマンションの3階、
ピッキングによる窃盗なんかが横行している世の中だから
ママはいつも「出掛けるときには必ず鍵をかけなさい」と言ってるくせに。
不思議に思いながらドアを開けたら何かが違っている感じがした。
何が?って言われると困るんだけど、ともかく家の中に人の気配がない。
玄関を上がってL字に曲がると最初にキッチンへのドアがある。
ぼくは恐る恐るノブにかけてそろりそろりと中を覗いてみた。
無音無臭のキッチン、でもそこに人影が・・・。
ダイニングテーブルに突っ伏していたのはパパだった。
あっそうか、今日は日曜日だったんだ。
平日の夕方の6時だったらいつもそこにいるのはママで、
料理の本を見ながら夕食の支度をしていて、
小学五年生になる妹の青葉もときどきお手伝いをしている。
でも今日は日曜日だから夕食当番はパパだったんだ。
たった2晩家を離れていただけなのに家の中の様子や家族の姿が
こんなにも懐かしかったり新鮮だったりするんだぁ。
思えばぼくは中学一年生になった今まで家族と離れて外泊をしたことがない。
それにしてもママや青葉はどこへ行ったんだろう?
出掛けたんならママが鍵を閉め忘れるはずはないし。
「ただいまー」
そう言ってみたもののパパからの返事はなく、ピクリとも動かなかった。
一瞬いやな思いが脳裏をよぎる。
えっ、パパどうしちゃったの? ママは?
とそのときテーブルに突っ伏していたパパがゆっくり顔を上げた。
なーんだ、生きてる。
パパの仕事は小説家。
一日中書斎にこもっているからけっこう白い部類に入る顔だと思っているけど、
なんだかいつもの元気はなく、ぐったりしているみたいに見える。
スランプに陥っちゃったんだろうか?
「パパ 大丈夫? どうしたの?」 
「ママがね、家出しちゃった」
「えっ! いつ? どこへ?」
「昨日。・・・たぶんおばあちゃんの家だと思う。」
おばあちゃんというのはママのお母さんで、
家出といっても歩いて30分くらいのところなんだけど。
でもママが家出をするなんてはじめてのことだ。
「なんで家出なんかしちゃったのさー?」
「それが・・・複雑すぎて一言じゃ言えない。
ともかく青葉とミッキーを連れて出ていっちゃったんだよ」
そういえば青葉も、ママをご主人様だと思っている雌2才
やんちゃざかりの迷犬ミッキーの姿もみかけない。
「そんなー、じぁぼくはどうなるのよぉ?」
「希望はパパのそばにいてくれるよね?
パパは家にいることが多いから家事はできる。
ママが仕事でたいへんなときにはときどき洗濯もしてたし、
料理が得意なことは知っているだろ?」
「それはそうだけど・・・」
実をいうと小学生のときほどぼくはパパとの関係がうまくいっていない。
嫌いってわけじゃないしギクシャクしているっていうほどのこともなく、
なんとなくほんのちょっとだけどパパの存在が小さく思えるようになっていた。
たぶん中学生になって友達がたくさん増えたことと、
パパのことが以前よりわかってきたからかもしれない。
お世辞にも男らしいっていえない体つきだし、
キャッチボールもテレビゲームもぼくのほうが上手になっちゃったし、
ママには頭が上がらないようだし、ミッキーには吠えられるし。
「きっとママたちはすぐに帰ってきてくれるよ」
「それまではパパと二人っきり?」
「いやかい?」
そう言われると複雑な心境だった。
ママたちに早く帰ってきて欲しいのはホントだなんだけど、
パパは家事はできるし、頭もいいし、ときどき宿題を見てくれたり、
しょっちゅう冗談を言ってぼくたちを笑わせてくれたり、
ママに内緒でおこづかいをくれたりして、ぼくはやっぱりパパが大好きだ。
2人っきりっていう生活もなんだか楽しそうに思えた。
たぶんまだ野外体験学習の余韻が残っているせいかもしれないけど。
「ううん、大丈夫」
「よかったーぁ。ならなんとかなりそうだぞぉ」
なんかすこしだけパパの顔に元気が戻ったみたい。
親子なんだもん、男同士なんだもん、きっとうまくいくさ。
「じゃあ役割分担を発表しまーす。
希望には朝のゴミ出しと3日に一度でいいから食料の買出しをやってもらいます。
大丈夫、買出しリストは作っておくから」
「えっ、うっそー」
こうしてぼくとパパの2人っきりの生活が始まった。

▽ ▽ つづく ▽ ▽




アニト (9月19日(金)23時40分52秒)
美希子さん、こん○○は。
>それに掲示板の書きこみ以外のところでもご活躍をされているようで・・。
どわっはっはっは、妬かない妬かない。
女装娘さんの求めに応じる、これがわたしの役目だと思っているのです。
レスを書く・更新をするといったことは
オーナーとして当たり前にやるべきことだと思っていますし、
それ以外にもメールの返事を書く、デートをするなど
わたし自身楽しみながら行っています。
仮に掲示板の書き込みが月に一件もなくなったらデートのお誘いがなくなったら、
そのときにはわたしの役目も終わったと思い静かに引退してもかまいませんが、
それまではできる範囲で活躍しちゃいますよ。むははははは。
美希子さんの《一番幸せ》がわたしの幸せでもあるのですから。
パパと2人きりの生活を始めた希望くんの前途にも幸あれ〜。




美希子 (9月25日(木)18時52分22秒)
■アニトさま■
めっきり秋らしくなってきましたがいかがお過ごしですか?
お薦めくださった「座頭市」を見てきましたー。
居合いが速くてとってもかっこよかったです。
女形の人ははじめはちょっと違和感があったんですけれど、
踊りを見て生い立ちを知って、すてきって見とれちゃいました。
セリフが現代調でしたので、
そっかぁ時代劇かぁまだ挑戦してなかったって思ってしまい、
時代考証とかむずかしそうですけれど、いつか書いてみたいです。
お殿様に仕える小姓の物語とか女忍者物なんかいいかなって。
それと、お手数ですけれどタイトルにある「(家)」っていうの、
「別棟」へ転記してくださるときに消していただけますか。
いくつかのシーンとして書き分けようという気でいたんですけれど
あんまり意味がないって思っちゃったんです。
■ロマンス純子さま■
>どうですか? もっと冒険したいって、エスカレートはしませんか?
女の子になって深夜にドライブしたり
自動販売機でジュースを買ったりしたことはあるんですよ。
でも行き違う人の視線に晒してみたいとかっていう勇気はないんです。
どんなことを言われるか何が起こるかって怖さや
もしかしたら知り合いに会っちゃうんじゃないかって思っちゃうと
どうしても足がすくんじゃって。
まだまだ修行が足りないんでしょうか?
うわー純子(純太郎)さん、とうとう処女喪失!
なんかすごいリアルっぽいです。
もしかして純子さまの実体験ですかぁ?
■つばささま■
一週間の間に4回もの書き込み、すごいですぅ。
ええっ!半分ホントの話なんですかぁー!!
えっえっ、それはどこの部分でしょう? どきどき。
縛られちゃったとこかなぁ、映画館での体験かなぁ、公園のことかなぁ。
>はずかしいことってどんなことか想像しちゃいます。
えへへ、物語の中のつばさちゃんを思い浮かべて脚をスリスリ、
そのあとは・・・内緒です。
−−−希望的生活 第2話−−−
学校生活にそれほど大きな変化はなかった。
朝、かばんと一緒にゴミ袋を持って家を出る以外は。
ゴミ出し体験2回目を済ませた朝、校門近くでミサキの姿を見かけた。
たぶん同じクラスの子だろう女子2人と楽しそうに話をしながら歩いている。
ミサキは小学2年生のときに近所に越してきた。
チビで泣き虫で人見知りするタイプだから学校では友達ができにくかったようで、
家の近くで一人で遊んでいるうちにそのとき幼稚園児だった妹の青葉が友達になった。
ぼくもそこへ加わるようになって、
青葉につきあわされてママゴト遊びなんかをした思い出がある。
ママ役の青葉の娘にされたミサキはその逆転をなぜかうれしそうに演じていた。
4年5年のときには一緒のクラスになった。
運動オンチでちょっと天然ボケなところがあるミサキだけど
それもなんかおもしろくて、振り返ればぼくの後ろにいつもミサキはいた。
だけど6年生になってぼくがマンションに引っ越したのと
クラスも別々になったことでだんだん顔をあわせることが少なくなった。
6年生の秋頃ミサキがいじめにあっているらしいことも聞いた。
でもその現場を見たわけじゃないし、
家の方向も違って一緒に帰ることがなくなったものだから
守ってやれなかったし話も聞けなくなっていた。
そして中学生になった今は姿を見ても挨拶することもあまりない。
気にはかけているんだけどなんでこうなっちゃったんだろうと思う。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
その日の学校帰りにはじめての食料品の買い出しをした。
パパがちゃんとリストを作ってくれていて、
そのとおりに買い物をするだけだから簡単だった。
ただ3・4日分をいっぺんに買うからカートを使わなければならない量になって
中学一年生の制服姿の男のぼくが食料品を満載したカートを押している姿は
人が見たら変に思うかもしれないし自分で想像してもカッチョ悪い。
とはいえパパは仕事中、ママは家出中だからぼくがやらなければしかたがない。
レジに並んで順番を待っていると
少し離れた場所にレジ袋を持ってミサキがこっちを見ているのに気がついた。
朝会って、よりにもよってこんな姿をまた。
ぼくはミサキに気がつかないようなふりをしながら清算を済ませ
平台に向かうと急いで食料品を3つのレジ袋に詰め込んだ。
「なにやってんの?」
ふいに近くでミサキの声がした。
こうなったらこの場をとりつくろうしかない。
「あっ、偶然だね、こんなとこで。元気にやってる?」
「うん」
「このスーパーへはよく来るの?」
「ううん。・・・友達の家に寄った帰り」
やっぱりどうも会話がぎこちないし続かない。
「美術部はどう?」
ミサキは絵を描くのが好きだったことを思い出した。
ディズニー漫画に登場するお姫様たちの描いてときどき見せてくれた。
ぼくはあんまり興味がなかったけど。
「うん、楽しいよ」
「こっちはまだ球拾いと素振りばっかし」
「ときどき窓からテニスコート見てる」
そういえばぼくが所属しているテニス部のコートからも見上げれば音楽室が見えた。
「お買い物? たくさん買ったね」
「中学生になったからって手伝いをさせられるようになっちゃったんだよ」
ママが家出をしたなんて言えるわけがない。
それ以外のことでは言いたいことはたくさんあるけど
なにを言っていいのかわからなかった。
「じゃ帰るよ」
「・・・うん」
ミサキにはもうひとつ言えないことがある。
今朝からミサキのことばかり考えていたことだ。
そういえば以前は何でも話すことができたパパにも
いくつかの秘密を持つようになっている。
「ただいまー」
キッチンに入ると赤いチェック柄が目に飛び込んできた。
それはママのエプロンだ。
ママ帰ってきてくれたの!
「お帰り。買出し、ありがとう」
でもパパの声だった。
「なんでママのエプロンしてるのさー」
「だってパパのエプロン洗っちゃったし、
ほら、パパはママの役割もしなくちゃならないわけだから
こうした方が雰囲気がでるかなと思って」
パパはパンパンに膨れた3つのレジ袋の中身をテーブルに並べながら
恥ずかしそうにでもちょっと嬉しそうに笑った。
「へん? やっぱ似合わないかなぁ」
「ううん、いいよそれでも。なんかちょっとママといるみたいな気がするし」
「そっかぁ」
パパはそう言って食料品を冷蔵庫に入れはじめた。
そして背中を向けたまま言った。
「パパがときどきママになっちゃいやかい?」
「面白そうだね。いいよ、パパがそうしたいんなら」
ぼくは半分笑いながらなんにも考えずにそう言ってしまった、
後でたいへんなことになるとは知らずに。

▽ ▽ つづく ▽ ▽




アニト (9月25日(木)23時48分54秒)
美希子さん、こん○○は。
>お殿様に仕える小姓の物語とか忍者物なんかいいかなって。
おおっ、それはおもしろそうです。
あるときは小姓そしてあるときはくノ一、しかしてその実態は・・・。
へんに時代考証にこだわってしまうと物語が先に進まないばかりでなく、
面白みもなくなってしまうかもしれません。
この際ですから山田風太郎ばりにぶっ飛んでしまうのもいいでしょう。
ここは『空想デート』なのですから。




美希子 (10月3日(金)07時09分49秒)
■アニトさま■
アニトさまの、みなさまへのレスを読ませていただいていると、
やっぱりポリシーと気配りを持っていらっしゃる方だなーって尊敬しちゃいます。
ワタシもいつかHPをつくりたいって思ってはいるんですけれど、
コンテンツは自己紹介くらいしかできませんし、
でも写真や物語はそんなには頻繁に更新はできないでしょうし、
掲示板へ書き込みをしてくれた方へのご挨拶もそのたびにできるか心配ですし、
管理とかもたいへんそうですし、あれやこれやと悩みが発生しそうですし、
結局見に来てくれる人もだんだん少なくなって自然消滅しちゃうでしょう。
アニトさまがオーナーの「空想デート」だから安心して書き込みができます。
更新をありがとうございました。
アニトさまがどんな方なのかお知りになりたい人は
「8月の思い出 〜アニトさまに会いに〜」を読んでもらえるといいかも?
■ロマンス純子さま■
女装ドライブはすっごく慎重にしてます。
以前アニトさまに教えていただいたんですけれど
万が一誰かに見つかってしまったときには
「こういう格好をするお店に勤めています」って言っちゃうといいそうです。
幸いにもまだそういうことはありません、ホッ。
命令の女装報告、この掲示板で読ませていただけるといいなー。
見えるはずのない誰かがワタシの日常を覗いているとしたら、いや〜ん。
霊が見える体質でなくてよかったです。
■つばささま■
つばささまも物語とおんなじ格好で書かれることがあるんですね
わーい、ワタシもときどきそうしたりしています。
でもさすがに自縛はないですぅ。
そこまでしちゃうと書けなくなっちゃいますから。
えっ 手を縛らなければいい? あっそっか。
■あきさま■
あきさまの物語が「別棟」に収録されて
いつでも読めるようになることを願っています。
−−−希望的生活 第3話−−−
ぼくはミサキと手をつないで歩いていた。
2人とも中学の制服を着ているから登下校のどちらかだろう、
でもその道は小学生のときの見慣れた通学路だった。
「隠してたことがあるの」
ミサキが言った。
ベッドに腰掛けたセーラー服姿のミサキをぼくは見つめていた。
「わたしね、じつは男なの。希望くんと同じ・・・アレがついているの」
もじもじしながら告白するミサキはいつも以上に可愛かった。
「それでもいい?」
もちろんだよ、男だって女だっていいじゃない、ミサキはミサキなんだから。
布団の中でミサキが「ありがと」とささやいた。
うわわわぁぁーーーーっっなんだなんだなんなんだー。
自分の叫び声で目が覚めた。
なんだってんのよ、ありかよこんな夢。
その日は学校で11回ミサキの姿を見かけた。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
学校から戻り、玄関のドアを開けるとそれがあった。
ママの家出を知らずに野外体験学習から帰ってきた一週間前のあの日、
玄関ドアを開けたときに感じた違和感は靴だった。
あるべきはずのママと青葉の靴がなかったんだ。
でも今日はそれがあるってことはママたちがいる!
「ママー」
そう叫んで急いで靴を脱ぎかけていると妹の青葉が走ってきた。
「お兄ちゃん、お帰り」
「青葉、久しぶり。ママと帰ってきたんだ?」
気持ちばかり先行しているぼくに向かって青葉は冷静に言った。
「ううん、おばあちゃんと一緒」
「へっ?」
「今パパと話しをしているから部屋に行きましょ。ついてきて」
ううっ、青葉って小学5年生なのにへんに大人びたところがある。
「うっうん」
部屋とはパパとおばあちゃんが話をしている場所ではなく、
ぼくと青葉が一緒に使っている部屋のことだった。
「お兄ちゃん、ジョソウってなんのことだか知ってる?」
ベッドに腰掛けて足をぶらぶらさせている青葉からぼくは目をそらしていた。
「なにそれ? 知らないよ」
ミサキと違って青葉の身体はまだ幼い。
「男の人が女の人のようふくをきることなんだって。
パパがジョソウしてたってママが言ってた」
「もしかしてそれが原因?」
「みたい。いけないことなの?」
「いけないかどうかは知らないけど・・・おかしいだろ、それ」
「そうかなー? だってパパはときどき赤い服着てるでしょ。
あれってパパの服だよね、それもジョソウなの?」
青い服を着た青葉は続けた。
「ママだってときどきパパのセーターきてることあるよ」
「うーん?? 色は関係ないんじゃない?。
でもパパがスカート穿いてたらおかしくない?」
「なんで女の人はズボンもスカートもはくのに男の人はだめなんだろうね?
パパの足ってきれいだからにあうとおもうんだけどなー」
「そうそう、パパの足って毛がないよね」
「うん、すべすべできれい。あたしパパがスカートはいたとこ見てみたい」
「けっこうかわいくなっちゃったりして」
そう言うと、青葉が笑い、ぼくも笑った。
笑いながらパパではなく、すべすべできれいなミサキの足を思い出していた。
「青葉ーー」
おばあちゃんの声がした。
おばあちゃんの家は代々大工さんで、おじいちゃんはもう死んじゃったけど
おじさん(ママのお兄さん)がみんなからトウリョウって呼ばれている。
ママはいつも昼間の間だけおばあちゃんの家へ行って
伝表を書いたりするアルバイトをしているから、
家出っていうより家戻りといえなくもない。
それにママが自分で言っているんだけど
「帳簿を開いたりしているよりもカンナ持ってたほうが楽しいわ」
って言葉通り、キッチンにある棚やぼくと青葉の机はママの手作りだ。
「おやおや、ここにいたのかい。希望も帰っていたんだね」
「おばあちゃん、こんにちは」
トウリョウはみんなに恐れられているけど(ホントはやさしい)、
トウリョウでさえ頭が上がらないのがおばあちゃんだ(いつもはやさしい)。
そのおばあちゃんがきたのだから事の大きさがわかる。
「希望、ママが戻ってくるにはもうすこしばかし時間がかかるみたいだよ。
寂しいかい? よかったらばあちゃんとこへ一緒に来てもいいんだよ」
「さびしいですけどぼくまでいなくなったらパパがかわいそうですから」
「うん、よく言った。希望はパパが好きかい?」
「はい、大好きです」
「あたしも好きだよ。あの人はいい人だ、たとえ外見がどうであろうとね」
おばあちゃんと話をすると心が軽くなるような気がするときがよくある。
きっといろんなことを見て聞いて体験して知っているんだろうなと思う。
「パパの面倒を頼むよ、ママはなるべく早く帰るように諭すから」
「はい、お願いします」
「じゃ行こうか青葉」
「はい、おばあちゃん」
その後何度呼びに行ってもパパは部屋から出てこなかった。
パパの書斎にはぼくも青葉も入っちゃいけないことになっている。
だからぼくは一人で夕食をとった。
おばあちゃんが持ってきてくれたカレーはママの味だった。

▽ ▽ つづく ▽ ▽




アニト (10月6日(月)23時49分55秒)
美希子さん、こん○○は。
HPは誰でもが簡単に作ることはできます。
しかし維持していくことはなかなか難しい。
好きか嫌いか、楽しいかそうでないか、
そういうことにこだわることで面白いHPができるものです。
その「面白さ」は多くの人に通用するものではなくても大丈夫、
理解してくれる人はきっといる、
というのが『空想デート』を持つわたしの率直な感想です。
《男だって女だっていいじゃない、ミサキはミサキなんだから。》と同じですよ。




美希子 (10月23日(木)16時42分50秒)
■アニトさま■
「10月は運動会」のお許しをありがとうございます。
調子に乗っておバカ路線もときどき書いちゃうことにします。
そういえば「笑って○いとも」で「彼氏が彼女に着替えたら」という
女装のコーナーができました。
真昼間に大勢の前でしかも全国放送のテレビ番組で
女装ができるなんてすごいことだと思っちゃいます。
それに登場する人みんなきれいな人なのも。
なかには元々の女装娘もいるかもしれませんね。
それにしても「笑って○いとも」って
以前にも男性タレントさんの女装コーナーがあったり、
ときどきニューハーフの方たちが登場したりしてますから、
そういう面では先進的な番組なのかなー?って思います。
それと、サッカーの貴公子ベッカムさまが眉を整え細くしたのが
ヨーロッパでは不評なんだそうです。
眉を細くするのは東洋人か女装趣味のある人だからという理由ですって。
あっそうなんだ、ってへんなとこで感心しちゃいました。
■権太さま■
権太さま〜、お久しぶりですぅ。
もうー、どこへ行っちゃったのかと心配していたんですよぉ。
ほらほら準備をしないと二人二脚走が始まっちゃいますよ。
ええっワタシが前なんですか? いや〜ん。
もっと早くピストン運動、じゃなかった、走らないと負けちゃいます。
でもずっと合体したまま走ってもいたいですぅ。
ごん太ちゃんの《ちょんちょぼりん》の似顔絵、見てみたいです。
きっと可愛いんだろうなぁ。きゅうん。
■つばささま■
短期間にこれだけの文章が書けるってすごいなーって思います。
ワタシは書くときはどどどっーて勢いでとりあえず書くんですけれど、
読み返してみると文章はヘンだし誤字は多いしで
その書き直しでずいぶん時間がかかっちゃうんです。
つばさちゃん、行く先々でいろんなことが起こって
かわいそうな気もするしうらやましい気も。
■ロマンス純子さま■
わーい、純子さまにまたまたほめられちゃったー。
「10月は運動会」は「空想デート」の作者さまたちを想像して、
この方はこの種目、あの方にはこれをやっていただきたいなー
なんて考えながら書いたのでした。
>純子は、断然、障害物競走がいいな。
障害物競走って一番過酷かもしれませんけれどいいんですかぁ?
待望の新作「告白」は純子さまが書かれているように
>このような場所、経験されたことがない方には、大変参考になる
なるですなるですなっちゃいますです、はい。
きゃー、エッチな純子さまも素敵ですぅ。
−−−希望的生活 第4話−−−
「へんなこと訊くけど、パパは男の人が好きなの?」
「えっ、まさか。どうしてそう思ったんだい?」
「だってパパ、女装するんでしょ」
夕食を終えてリビングでテレビを見ているとき、ぼくは思い切って訊いてみた。
画面には女っぽいしぐさをする男性タレントが映っていた。
しゃべり方も女っぽい、そしてよくしゃべる。
でもパパからの口はすぐには開かなかった。
「この人、男なの? 女なの?」
「・・・・どっちだと思う?」
「わかんない」
「そうだね、見ただけじゃわかんないんだよ。
もしかしたら本人もわかってないかもしれない」
「どういうこと?」
「じゃパパから質問するけど、希望は男・女どっち?」
「ぼくは男だよ、決まってるじゃない」
「どうして男って言えるの?」
「それはその・・・」
理由がいるの? 
そう思ったけど、あらためて理由を考えてみてぼくは答えに困ってしまった。
うつむくと視線の先には・・・ズボンの中には男としてあるべきものがある。
「おちんちんがついているからって思ったんじゃないかな?
でも世の中にはおちんちんと女性性器を両方持って生まれてきたり、
後から生えてきちゃう人もいるんだよ」
「ホント? そういう人たちは大きくなったらどうなるの?」
「まあまあまあそれはちょっと置いとくとしよう。
ともかく肉体的には男も女もほんのちょっとしか違わないということだよ。
たとえばもしも希望のおちんちんがなくなったら
事故かなんかで取れちゃったんでもいいけど、希望は男?女?」
「痛そうだからそんなのいやだけど、やっぱり男。だっておっぱいはないし」
「お相撲さんは大きいおっぱいをしてるよ、でも男。
つまり男か女かってのは身体じゃなくてココが決めているんだ」
パパはそう言いながらぼくの頭をツンツンした。
なんだかわかったようなわからないような。
「身体と脳は別物だと考えてごらん。
身体に男と女の違いがあるように、脳にも男脳と女脳がある。この人は・・・」
テレビ画面を見つめてパパは続けた。
「身体は男なんだけど脳は女の人かもしれないんだよ」
「そういうことってあるの?」
「ある。逆に身体が女性で脳が男の人もいる。
ホルモンのせいっていう説が有力だけど
そのうち学校で勉強するかもしれないから今はそのことも置いとこう。
希望は身体が男なのはパパも知っている。じゃ、脳は男・女どっち?」
「やっぱり男だよ。・・だと思うけど・・どうしたらわかるの?」
「希望は中学生になって制服を着ているよね。
ズボンを穿いて毎日学校に通っている。それは当然?」
「うん」
「だったらきっと男かな」
そう言ってパパは笑った。でもすぐまじめな顔になった。
「さて希望が男の子の脳だったとするじゃない・・」
「男だってばさ」
「うん、わかってるよ。でも身体が女の子だったとしたら、
パパもママも学校の先生も『スカートを穿きなさい』って言うよね。
そしたらどう思う?」
「なら、もしかしたらホントはいやなんだけど
スカートを穿いてたりズボンを穿いてたりする子がいるってこと?」
「だんだん理解できてきたね。
そうだよ、だけどそんなことを言ったらヘンに思われるから
しかたなく周りの人の言うとおりにしなくちゃならない。
希望の学校にもそういう悩みを持った子がいるかもしれない。
男女とかおかまなんて言われていじめられている子はいない?」
いる。でもそんなことまで考えてもみなかった。
「その子は女なの?」
「結局本人がどう思っているだね。
本人が『男』って言うんならそれでいいし、
『女』って言ったらそれを認めてあげればいいし。
希望はその子をいじめてない?」
「いじめてないよ。っていうか違うクラスだから。
じゃもしその子が自分を『女』だと思っていたら男の人を好きになるの?」
「うーんそこへきちゃったか、じゃまた質問だよ。
希望は脳も身体も男の子だ。好きになるのは男・女、どっち?」
「そりゃあ女の子にきまっているじゃない」
「自分とは異なる性を好きになるっていうのが異性愛、
自分と同じ性を好きになるのが同性愛っていうのは知ってる?」
友達と回し読みしたエッチな雑誌に書いてあったのを読んだことがある。
それを知られるのが恥ずかしくて声には出さずうなづいた。
「自分を女だと思っている男の人が、男の人を好きになったら
それは異性愛? 同性愛?」
えっ?と思った。
脳は女だから男を好きになるのは当たり前、
でも身体が男なんだから・・・・・そうすると同性愛?
あれ? 脳が女だったら男を好きになるのは当たり前なのかな??
でも人から見たらやっぱり男同士の同性愛ってことになっちゃうし???
けど本人にしたら相手は異性だから異性愛??????
「難しい言葉になっちゃうけど、
自分を男か女かって決めるのは『性自認』、性を自分で認めるって書くんだよ、
そのことと異性・同性のどちらを好きになるかっていう『性対象』は
別にして考えなくちゃいけないんだよ」
なんだかわけがわからなくなってきた。
人って男と女の2つしかないんじゃないんだ?
身体に男と女の違いがあるように男脳と女脳があって、
その組み合わせを持った人が誰かを好きになったとき、
相手にも身体がどちらで脳がどちらかっていう組み合わせがある。
他人から見たら同性愛の人でもその人たちにすれば異性愛ってこともありうるんだ?
ぼくは男の身体で男の脳で、まだ誰かを好きになったことはないけど、
女の子を見るとドキドキするから異性愛なんだ、きっと??
パパがぼくの顔をじっと見ていた。
ぼくの答えを待っていてくれるようだった。
でもぼくもパパの答えを知りたかった。
ぼくもパパの顔をじっと見た。
「じゃパパも女装をするから女の人なの? 男の人が好きなの?」
「それが微妙なところでね。パパは自分を女だとは思ってない。
性自認は男か女かの2極しかないんじゃなくて、
数学で習ったと思うけど曲線グラフみたいなものだと思うんだよ。
それで・・・パパは女の人が着る綺麗な洋服は好きなだけで、
女の人が好きだよ、それもママだけをね」

▽ ▽ つづく ▽ ▽
ワタシの女装がなんなのか、頭の整理をしてみようと思って
聞きかじりの知識で書いていますので
間違った部分がありましたらご容赦ご指摘くださいませ。




アニト (10月23日(木)23時32分24秒)
美希子さん、こん○○は。
ソフトな物語からハードなエッチそして《おバカ路線》などなど
いろいろ読めてこそ『空想デート』、空想を限定しては楽しくありませんからね。
「彼氏が彼女に着替えたら」とはタイトルがいいですねー。
その《先進的な番組》ビデオ録画して見てみます。
なるほど《眉を細くするのは東洋人か女装趣味のある人》なんですか。
人の顔で男か女かを印象付けるもっとも重要なパーツは
眉であるという説を聞いたことがあります。
美希子さんは手入れをしていますか?。

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