はじめから読む

美希子 (2003年8月1日(金)14時06分00秒)
■アニトさま■
長かった梅雨が明けて暑い夏が、あれ? いつもの夏と違います。
今年は何年か以来の冷夏だそうで、お洗濯の回数が少なくてすみそうです。
だって男の子モードの普段着とは分けて、
女の子の洋服や下着もお洗濯しなければならないんです。
みなさん、お洗濯や干すときはどうしているんでしょう?
昨夜はうれしい更新日。
作業のお邪魔をしてはいけないと思って書き込みを控えていました。
でもって物語は書きかけになっていた
「マネキン」を久しぶりに引っ張りだしてみました。
書き始めた頃はラスト(オチともいう)が決まっていたのですけれど、
もしかしたらこのお話は終わりのない方がいいのかとも思っています。
場所(お店)とキャラクターが美希子ワールドの核になっている気がするんです。
■男!権太さま■
>権太がレスをつける前に終わるなんて、、、
えへへ、短編志向の面目躍如といったところでしょうか。
>てっきり折波男太が権太だと思っていたのですが、
だってぇ、折波男太(「先輩 ファイト!」ご参照あれ)は
ドラえもんに出てくるジャイアンみたいなイメージで書いたんですよぉ。
田所っていう苗字の人はたくさんいるでしょうし、
気まぐれなお姉ちゃんを持つ人はもっともっといるでしょうし、
なにより田所耕太くんは高校の先生なんですもの。
偶然ですよぉ〜、きっと。
■ロマンス純子さま■
>一度描いたキャラって気になりますよね。
はい。しばらく抛っておくと「書いて〜」って言っているような気がします。
それと、あんまりたくさんの人を書き分けられないので
できあがった設定の人物だと書きやすいというのもあるんですけれど。
もしも自分の秘密をすべて知っている少年が現れたらどうしょう?
純子さまの物語にはそう思わせるリアルさがあって、
怖いんだけど読まずにはいられません。ぴゃ〜。
−−− マネキン 4 −−−
「あの、こちらでサイズ直しをしてもらえると聞いて来たんですけど」
一通り店内を見歩いた後、その女性客はレジカウンターへ来て言った。
20代前半くらいだろうか、
連れのなかなか素敵な好男性も同じくらいか少し若い。
平日の6時以降は私1人での店番で、他にお客もなかった。
「はい、どんなものでもお引き受けしています」
「よかったね、恭ちゃん」
女性の後ろに隠れるように立っていたキョウちゃんと呼ばれた男性は
我が事のように顔をほころばせ、しかし私を見て恥ずかしそうにうつむいた。
その手に紙バッグを提げている。
「でもちょっと変わったお願いになるんですけど」
だって初めからおかしなカップルだとは思っていんですよ、とは言わないでおいた。
2人はつきあい始めたばかりのような初々しさがある一方で、
すでにもう何事においても女性が男性をリードしているようにみえる。
歩くスピード、手荷物、立ち位置、人との対応・・・。
とはいえ私が関与する問題ではない。
それにときどき無理を言うお客さんはいる。いや、いすぎる。
「恭ちゃん、それを」
女性はそう言って男性が持つ紙バッグからスカートを取り出した。
何の変哲もない、たぶん5000円前後のスカートだった。
バッグには他にも何か入っているようだったが、それを取り出す様子はない。
「で、こちらをどうしましょう?」
「ウエストと丈を直してもらいたいんです。・・・この子に合うように」
え、なになに? この子って、この好男性のこと?
私の仕事はブティック店オーナーだ。
既製服を仕入れ売り、寸法直しもすればオーターメイドの服も作っている。
小さなお店だから小回りが利くし、だから仕事の範囲内ならなんでもする。
なんでもするが、1人の人間としては理由を知りたい。
いったいあなたたちはどういう関係?
そう訊きたい旺盛な好奇心を営業スマイルでねじふせた。
「いいですよ、喜んでお引き受けします」
「本当ですか! よかったね恭ちゃん、やってくれるって」
女性が恭ちゃんの手を取って喜び跳ねた。
恭ちゃんも照れながらも目を輝かせている。
こんなにも喜んでくれるのならば・・
悪魔に魂売り渡しはしないけど、お安い御用だわ。
私の仕事はその人に合った服を提供することで人を幸せにすること。
それにしてもこのはしゃぎようったら・・・。
「もしかしたらウチへ来るまでに何軒か廻られたとか?」
「いえ、そんなことはないんですけれど。
お友達にこちらなら引き受けてくれそうって聞いてきたんです」
なーんだ。私が空想した苦節何十軒物語はあっけなく崩壊した。
「でも断られるかもしれないって思っていましたからすごく感謝しています。
ほら、恭ちゃんもお礼言いなさい」
促されて入店後初めて恭ちゃんが口を開いた。
「・・ありがとうございます・・・お願いします」
そういえばこの好男性、見たような顔をしている。
ええと、いつだったか? どこでだったか?
「それでサイズなんですけれど、計ってもらっていいですか?」
「ええ、かまいませんよ。じゃこちらへ」
フィッティング・ルームに着くまでの短い時間にまたまた空想物語を思い描く。
つまりこういうことなのだろう。
2人は何らかの知り合いで、会社の同僚とか幼馴染とか、最近付き合い始めた。
彼は何らかの理由で女性モノのスカートを履かねばならない。
そういうこともたまにあるかもしれない、地域の仮装祭とか社員旅行の出し物とか。
ただし何らかの事情で友人知人には頼めない。
だから2人は相談の上私の店を訪れた。
私はできるだけ善意な空想を心がけた。
「あとは恭ちゃん、自分でお願いしなさい」
フィッティング・ルームの前で女性がピシリと言った。
好男性の身体がピシリと震えた。
つい30秒前とは2人の関係があきらかに変わったような気がした。
私の肥大した好奇心が展開を見守る。
彼は背後に立つ女性を振り返り、観念したような表情で私に向きあった。
「あの〜、その〜、せせせせ正確にサイズをははは計ってほしいので
上着を・・上着を脱ぎょ・・脱ぎ・・ぬぬ脱いでもいいですか?」
彼はデニムのシャツを着ていた。
「ええ、そうしていただければ」
下半身が必要な採寸ポイントだから本当ならジーンズも脱いで欲しいところだが、
こちらからは要求しないでおいた。
細い指先がシャツのボタンをひとつずつはずしていく。
善意の空想はやはり善意でしかなかった。
目の前に現れたのは白いキャミソール。
彼は「好」男性じゃなくって「女子」男性なわけね。
そういえばウチにもこんな子がいたわ。
私ってこういう人たちに縁があるのかしら。
「下も脱いだほうがよろしいかしら?」
真っ赤な顔をしてうつむく女装娘の背後で女性の声がした。
そういえばこの男性は以前にもウチに来たことがある。
たしかランジェリーのセットを買っていった。
「ええ、もちろんですわ。この子にぴったりのスカートにするためには」
ええい、こうなったらとことんお付き合いしてあげますわよ。

▽ ▽ つづく ▽ ▽




アニト (8月1日(金)23時57分10秒)
美希子さん、こん○○は。
女装は「愛人を囲っているのと同じ」とはある女装娘さんの名言です。
美希子さんは《女の子の洋服や下着》を室内に干しているのでしょうか?。
むふふふ、きっとカラフルな部屋なのでしょう。
いつの日か忍び込んでみたいものです。
美希子さんワールドの核としての「マネキン」は
ずっと現在進行形、永遠の未完でもいいのかもしれませんね。
更新時には「2003年の物語」に移動しておきます。
それにしても沢川くんのママ、いいキャラクターです。




美希子 (8月7日(木)17時36分08秒)
■アニトさま■
蒸し暑い日々が続いてちょっとバテ気味の美希子です。
おかけで動きの鈍い脳内神経回路がさらに活動を鈍らせちゃってます。
こんなときは物語のヒントを得ようと大先輩さまたちの作品を拝読します。
綾乃さまってすっごーーい多作。
みずきさまやユウキさまとのコラボレーションもあって、どれも素敵な作品ばかり。
カオルさまの作品はどれも趣向が凝っていて、すごい方だなーって思いました。
優奈さまの物語、興奮ものです。いけないことをしちゃいそうになりました。
書ききれませんけれど、大先輩のみなさまー、ご復活をお待ちしています。
そういえばワタシは「空想デート」を見るとき、まずこの掲示板を開いて
時間があるときには「別棟」に寄らせていただくのですけれど、
掲示板のカウンターより「別棟」のカウンターの伸びの方が多いみたいです。
書き込みはされないけどROMされている方ってやっぱり多いんですね。
アニトさま、ワタシ、がんばっちゃいますね。
■「空想デート」名代 男!権太さま(長〜い!)■
>姉御肌のお姉さま(おばさま)の描写が上手いですね。
わーい、褒められちゃったぁ、うれしいです。
宮崎アニメが好きなので、その影響なのかもしれません。
でも姉御肌のお姉さま(沢川くんのお母さん)が言っていました。
「わたしはそのアニメに出てくる女性たちほどふくよかじゃないわよ」って。
きっとごん太くんのお姉ちゃんも20年後には
素敵なお姉さま(おばさま)になっているんじゃないかなー?
その頃ごん太少年は今のアニトさまみたいに?
>それはコインランドリーでやったらどうでしょう。
あっ、物語の場所設定としてはいい、いつか書いちゃおっと。
つづくの下、まねしちゃいました。
■ロマンス純子さま■
自分の物語を読み返すのは恥ずかしいですけれど、
ホント書き流しの掲示板じゃなく「別棟」があって良かったです。
読んでくれる人もなく1人でこっそり物語を書いてもたぶん続かないと思うんです。
でもここに書き込みをすれば
アニトさまはじめみなさまから励ましのお言葉をいただけますし、
物語は「別棟」に残していただけますし、
それに発想の貧弱なワタシでも
みなさまの物語を読んでヒントを得ることができますし。
ワタシも純子さまのキャミソール姿を見てみたいでーす。
−−− マネキン 5 −−−
恭ちゃんはシンプルなコットンのショーツを穿いていた。
中身の形がわかるほどに勃起し、ほんの少しお汁で濡れていた。
「ちょっとロリなんですよ、この子」
女性が言った。
恭ちゃんは顔を真っ赤にして棒のように身体を硬くして立ちつくしたままだ。
私は膝をついて恭ちゃんの背後からウエスト部にメジャーを当てた。
ピクリとお尻が揺れる。
「動かないでね、お嬢さん」
そう言って顔を上げると女性が微笑んでいた。
なぜだかわからないけれどこの女性とは気が合うように思う。
接客のプロという意識が感じられるのだ。
私だってプロフェッショナルである。
メジャーをお尻周りに当てようとしたとき玄関ドアの開く音がした。お客さんだ。
「そのまま試着室に入っていなさい」
女性はすばやく密やかにそう言うと、
2つあるドアの右側を開けて恭ちゃんを押し込んだ。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
「女装っていう世界をご存知ですか?」
「ええ、まぁ・・」
そういえば息子の帰りは今日も遅い。
以前から週に1〜2回はマージャンだといって遅い帰宅になることもあるが、
このところは週半分がお店k終わる時刻より遅い帰宅だ。
残業かしら? 彼女ができたかな?
それとも・・・彼氏とデートしていたらだったらどうしょう?
新たにやってきたお客様は中年の女性3人組で、1人は常連客だった。
おしゃべりをしながら店内をワルツでも踊るように動き回っている。
とりあえずエスコートする必要はなさそうだった。
「わたし、夜のお店に勤めていて、そこでの名前をスモモっていいます。
あの子はお店のお客さんで、女装コースってメニューがあるんです」
スモモさんはそう言って微笑んだ。
多くは話せない、これだけの情報で理解してほしいという意味だと理解した。
「そういう男性は多いんですか?」
「けっこういらっしゃいますよ。
最近始めたメニューなんですけど十人以上の常連さんがいますし、
その人たちはちゃんと自分で洋服一式を持ってくるんです。
初めての人のためにある程度衣装は置いてあるんですけど、
お持ち帰り用じゃないものですからどうしてもっていう人には
お店の女の子たちの余った洋服をあげてもいたんです」
「需要が供給に追いつかなくなった?」
「ええ、それに元々サイズが合わないことが多かったものですから」
「それであの子を連れて私のお店に」
あの子、恭ちゃんはフィッティングルームの中に下着姿で隠れているままだ。
「ご迷惑でしたか?」
どう返事をしていいものか悩んだとき、3人組のお客様から声がかかった。
「このお洋服の1サイズ上はございますかしら? あれば試着がしたのですけれど」
ひぃぃ〜。
声に出さなかったけれど私とスモモさんの頭が5センチばかり上がった。
「スモモさん、ひとつお願いするわ。
あそこにあるマネキンのウィッグとワンピースを彼に渡してくれる?
万が一の場合に備えて」
スモモさんはウインクをすると、さも店員であるかのように
「いらっしゃいませ」と女性客たちに声をかけ、指定のマネキンに向かった。
頭のいい人ね。
私はますますスモモさんが好きになった。
▽ ▽ ▽ ▽ ▽
「今日は楽しくお買い物ができましたわ。
さっきの方、新しくお店に入られた方?」
中年女性3人組のうちの常連客が言った。
「いえ、今日だけお手伝いしてもらっているんです」
「あらそう、残念ね。この先ずっと働いてもらったらいかが?」
「そうねそうね」「ほんとに」などと他の2人から合いの手が入る。
「ええ、そうお願いしているんですけれど、
他にお仕事を持っているものですから良い返事をもらえないんですよ」
「大きな会社の秘書さんか何かしていらっしゃる? お上品だから」
「そうねそうね」「ほんとに」「どこのご令嬢かしら?」
「外資系の会社かも?」「きっとそうよ」「まあすごい」
勝手にスモモさんの人格が作られていく。
とはいえ風俗嬢だと言っても冗談と取られかねないほど
スモモさんの接客は上手だった。
その証拠に3人とも手にひとつずつの店名入りバッグを提げている。
この店で働いてもらえたらと心から思うが、
現在勤めているお店のことは口には出せない。
「試着ルームではお時間を取らせてしまってご迷惑をおかけしました」
「あ〜ら、いいのよ。
だって割れた鏡の破片がまだ床に残っていたら危ないですものねぇ。
おかげであの方にいつもと違った雰囲気のお洋服を薦めていただいて
新しい自分を発見いたしましたし、
お着替えが一人ずつだったからかえってファッションショーみたいで」
「そうねそうね」「ほんとに」「あなたのお洋服も素敵でしたわよ」
「そう言う奥様こそお綺麗な」「あらまぁやだ、奥様だって」
「ああ、恥ずかしかったわ」「でも楽しゅうございましたね」
すべてスモモさんの機転のおかげだった。
スモモさんが薦める洋服をご婦人たちはワイワイ言いながら
鏡が割れていない方の小部屋で代わる代わる着替えをし、
私ならば考えもしなかったコーディネイトで購入までにいたらせたのだった。
しかもその間鏡が割れてしまっている(ことになっている)もう一方の小部屋には
恭ちゃんが出るに出られず隠れ潜んでいたというのに。
アクシデントをとっさに逆利用してしまうとはすごい。
「ありがとうございました」
3人の女性客がいなくなったと同時にスモモさんが駆け寄ってきた。
「ありがとう。今のお客様たち、とても・・・」
「いいのいいの、そんなことより、来て」
そう言ってスモモさんは私の手を引きフィッティングルームへ向かった。
扉を開けるとそこには下着姿の恭ちゃんではなく、
可愛らしいワンピースを着た女の子がはにかんだ表情で立っていた。

▽ ▽ つづく ▽ ▽

▽ ▽ おまけ ▽ ▽ 
ブティック「沢川」は名前を改め、
ってまだ正式に命名はしてなかったんですけれど、
「想ING」(ソーイング)にしました。
「裁縫」の意味と、
想いを込めて洋服を作っている沢川母さんの「想い」と、
それに「空想デート」から一字をいただきました。
これで「想ING」と「フルーツ畑」の2軸がつながり、
美希子ワールドの2つの核ができあがりです。
女装娘の皆さーん、お洋服をお求めの際には「想ING」へ、
エッチをご希望の方は「フルーツ畑」へ(『女装の気持ち』参照)
美容院をお探しのときには
リンゴさんの夫でありマゾ奴隷サチコさんのお店へ
あっ、まだお店の名前決めてないですけれど。(『あなたの前で』参照)
フィリピンへご旅行の節にはホイくんを訪ねてみてくださーーい。
(『七月の海 〜太平洋、二人勃起〜』参照)
http://www.muvc.net/fantasydate/kuso2002/tokomikiko.html




アニト (8月7日(木)23時49分53秒)
美希子さん、こん○○は。
『空想デート』は通過点でいいと思っているのですよ。
女装をしたいと思ったときから空想は始まり、
物語に託して夢を語ると同時に自己確認をしていく。
のめり込む人もいるでしょう、止める人もいるでしょう、
室内だけに留まらず外出派の道を進めば
物語を書いている時間は取りにくくなります。
その時代確かに女の子として生きた自分がいた、
『別棟』にはそんな想いがたくさん詰まっているのです。
《おまけ》部分は美希子さんワールドがわかりやすくなって、
たいへんよいっです!。


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