はじめから読む

純子 (2003年1月31日(金)13時45分26秒)
■アニト様
■皆様
このところ皆様の想像力にすごく感心させられています。
わたしは今二つの物語を同時進行させていますが。
「晶が晶子になったわけ」
はいわば経験したことを、材料にしたものです。
しかし自身の経験を実録でつづるのはかなり難しいものですね。
「純子」がどうなって行ったか
皆様を待たせないようにこれからは交互に物語を進行させようと思います。
●「晶と純子」(実録二重生活)(その4)
デパートでひとしきり買い物をして、
母に連れられてデパートの中にあるしゃれたティールームに入る。
「お昼はここで軽く済ませましょうね。」と母。
「はい。」とうなずく。
わたしは、パンケーキとミルクティーを頼み、
母はコーヒーとサンドイッチを注文した。
さっきからハイヒールを履かされていて、
慣れないので歩くのに一苦労だったが、腰掛けて少し落ち着いた。
デパートからたくさんの荷物を抱えた母娘は
デパートの表通りでタクシーを拾った。
荷物が多いので電車で帰ることはあきらめたのである。
家に帰って、一度ドレスを脱いだ。
Tシャツとジーンズに着替えようとすると、母が、
「やっぱり当分の間くつろぐときもスカートがいいよ。
早く女の子らしさに慣れないといけないから。」
そういって買ってきたばかりの、カジュアルなミニスカートを持ってきた。
これはかなり短く、ひざ上が20cm以上露出する。
しかもすそが緩やかに広がったフレアータイプである。
「純子かわいいよそのスカート。」
母はそういうが、スカートそのものに慣れていないわたしは、
少しした動きでもパンティが見えるのではないかと
やはり気恥ずかしくて仕方がなかった。
フローリングの床の部屋に連れて行かれた。
母はさっきまでわたしが履いていた
ピンクのハイヒールとは違う新しい黒のハイヒールを私に履かせて、
フローリングの床をゆっくりと歩かせた。
床がつるつるしているし、ハイヒールは床に着いている面積が小さく、
滑らないかと怖い。
母もハイヒールを履いて、見本を示し、わたしに歩き方の訓練をさせた。
なんとなく歩き方がわかるようになった。
今度は椅子に座ったとき脚をそろえて斜めに置く訓練である。
電車ではパンプスであったので
ハイヒールを履いて斜めに脚を置くのは感触が違うし難しい。
母は脚の置き方、ハイヒールのかかとの向きなど丁寧に指導してくれた。
たって少し歩いてきてもう一度座りなおす。
その都度足の置き方などをチェックした。
自分でもなんとなく自信が出てきた。
よくみると、ハイヒールを履いた脚はきれいに見える。
なんとなく自分でもうれしくなった。
Tシャツの上に、ジャケットを羽織って、ハイヒール姿のわたしを母は外に連れ出した。
小さなハンドバックを持たされた。
駅前の商店街をしばらく散歩した。
化粧品屋さんの前で、母が言った。
「一人で中に入って、ハンドクリームとストッキングを買ってきなさい。」
「え?まさか!恥ずかしい!」
「何言っているのよ、女の子として行動してみる訓練よ。」
母は出るときに真新しい財布をわたしのハンドバックに入れてくれているのは見ていた。
「お財布の中にお金も少し入れてあるから、勇気を出して中に入ってごらん。」
母に背中を押されるようにして、中に入る。
「いらっしゃいませ!」
見覚えのある店員さんの声、
わたしは黙って店内を見回してハンドクリームのあるところを見つけた。
それを手に持ち、パンティストッキングの置いてある棚の前にいく。
ストッキングは見るだけでなぜか艶めかしく思える。
恥ずかしさがこみ上げてそれを手に取る勇気がなかった。
店員がそばに来て、
「お嬢さんなら、Mサイズですね。
もちろんフリーサイズもあるけれど、
サポートタイプのMサイズのほうが脚がきれいに見えますよ。」
わたしはあいまいにうなずいた。
「色はどれがいいですか?」
もう恥ずかしくて仕方ないのをこらえて、
「普通の色がいいです。」
「それじゃあこれにしますか?」
とりあえず店員さんが持たせたものを買うことにした。
そのとき、薄いピンクのストッキングがわたしの目についた。
ドレスの色のことを思い出して、
これをあのドレスのときに履けばきれいだろうなと思った。
それは自分で手に取った。
レジのところに店員さんと一緒に行って、
「これだけでいいです。」
とかろうじて小さな声で言えた。
お金を払いレシートとおつりを受け取って、やっとお店から出てきた。
わきの下に冷や汗が流れていたことに気づいた。
母が誉めてくれた。
「堂々としていたよ。気にせずに女の子としてふるまえば何も怖くないからね。」
確かにその通りだろう。
しかしこれで女の子としての行動に、ひとつ自信がついた。
「あのね、もうひとつ自信をつけるためとね、
短いスカートでかがむ訓練だと思ってわたしについて来てね。」
そういって少し歩くと、母はコンビニに入った。
わたしも後から続く、店内で母は、
「そこにいてね。」
と言って、わたしを入り口近くのレジのそばに置いて奥に入って行った。
手に牛乳と、オレンジジュースのパックを持っていた。
「純子、ナプキンも買うから取ってレジの人に渡してね。」
そういいながら奥でまだ何か見ている。
「はい。」と返事をして、キッチン用品のあるところから
紙ナプキンを持ってレジに向かった。
「純子それじゃないの、ほれあのときの――――」
わたしはすぐに意味がわかったが、恥ずかしくてどうしようかと迷っていた。
「お嬢さん、レジのすぐ前の、一番下の棚ですよ。」と女性のレジ係、
わたしは困ってしまった。
勇気を出してナプキンを持つことはできるかもしれないが、
かがめばスカートの中が丸見えになりそうである。
しかしもじもじしていると怪しまれると思って、
わたしは、左ひざを少し折り曲げてほとんど床につくぐらいにした。
自然と右足を前に踏み出され立てひざのようになった。
これならスカートの中が見えないと安心して、
ナプキンを手に取りレジの人に渡した。
後いくつかの商品を抱えて母がレジに来た。
店から出てから、
「コンビにではね、生理用品は、
目立たないようにそっと一番下の棚においてあるの。
えらかったね、短いスカートでのきれいなかがみ方も自然に出ていたしもう合格ね。」
そういって相好をくずす母であった。
かなり厳しい訓練だったと思う。
でもおかげで一気に女の子らしい振る舞いが身についたと、
わたしは内心自信のようなものを感じていた。
いよいよ今夜はレストランでの女性としての
テーブルマナーの練習なんだと、
なぜかわくわくする気持ちを押さえることができなかった。





アニト (1月31日(金)23時55分39秒)
純子さん、こん○○は。
>このところ皆様の想像力にすごく感心させられています。
作者のみなさんの生きてきた証ともいえる空想力や文章力は
まずリアルな生活においていろいろな分野で
おおいに発揮されていることと思います。
その上で女装をテーマにした、エッチな描写も多い(どはは)
物語を書く余力があるのですから、敬愛すべき人たちですよ。
《実録でつづる》のが一番難しいのかもしれません。
自分に嘘はつけなくなりますからね。




純子 (2月10日(月)13時18分47秒)
■アニト様
今回は「晶と純子」(実録二重生活)の続きを書いてみました。
ゆっくりしたペースで進んでおりますが、
この後次回からは、少しテンポを速めて、
むしろあらすじがわかればいいという風に変えてみます。
というのは自らがどういう風にして女性になったのかを
早く皆様に知っていただきたいからです。
「晶が晶子になったわけ」は創作ですが、
そこには女性の身体に徐々に自分を変えていくときの真実も含みます。
ただ、性的なことを含みますのであからさまに書くことがはばかられ、
完全に設定を変えて書き始めました。
フィクションとして書くほうが本音が書けるかなといったところです。
それに比べ、「晶と純子」は実録です。
その代わりあまり性描写をかけませんがあしからずご了承ください。
そのぶん「晶が晶子になったわけ」においては
性描写と心理描写に力を入れていきたいと思います。
■美紀子さま
ちょっと面白い趣向の物語にちょっぴりいつも期待しております。
でもあまりじらさないで−−−
二人はいつ結ばれるの?
■久仁子さま
やはり女装しての外出はどきどきしますしね。
それにその姿で、Hなことされたいという心境。
昔のわたしとはちょっと違うけれど、でも今ならよくわかります。
■権太さま
本当に御久しぶりですね
またまた摩訶不思議な物語を楽しみです。
■舞さま
自分のペニスが小さいというのは
男性にとってやはりコンプレックスなのでしょうね。
わたしも実は小さかったのですが、
(今はもう切り取ってしまってないのですが)
わたしには大きなものがついているほうがもっとショックだったでしょう。
ところで綾はどうなるのでしょうか?
結局胸などは女性になって、股間はそのままなのでしょうか?
なぜかかわいそうな気がします。
やはり女になる限りは、股間はすっきりしたいものですもの。
●「晶と純子」(実録二重生活)(その5)
一度母と私は自宅に戻った。
途中で近所の人とであったが、
このあいだデパートに母と一緒に買い物に行ったとき、
放送局とあだ名されるおばさんに出会っていたので、
煩わしくなくかえっていいと思った。
「晶子さんっておっしゃるの?
ほんと姪御さんだけあって純子さんとそっくりですわね。
ほんとにおきれいでかわいいわ。」
そんな声がかかるだけであり、
いちいちおどおどしながら説明する必要はなかった。
きれいだとか、かわいいとか誉められることは、
わたしの気分をよくさせてくれると同時に
まだなれない女性姿ゆえに気恥ずかしさはどうしても感じてしまう。
そのたびに俯いて頬を赤くしていた。
家に帰ってお茶を飲もうと母が言い出した。
午後の紅茶は我が家の習慣でもあった。
休みの日など家族がそろっているとき、
母がクッキーやケーキを準備し、姉の純子が紅茶を入れてくれた。
私はそれを思い出して、お湯を沸かして、陶器製のポットで紅茶を入れ、
茶漉しを通して温めた紅茶カップに紅茶を入れた。
母とわたしはいつもミルクティである。
姉と父はレモンティだった。
母には生クリームを用意し、
わたしのには冷蔵庫のレモンのスライスを2枚添えて、御茶の用意は整った。
わたしが意識して姉の好みのレモンティを
自分の前に置いたのを見て母は、気づいたのであろう。
母の目には涙が光っていた。
しかし母は気づかないふりをして、
「純子ありがとう。いつも純子が入れてくれる紅茶はおいしよ。」
とだけ言ってそっと涙をぬぐっていた。
姉の入れてくれた紅茶と比べてどこか微妙に味が違い
姉の紅茶のほうが数段おいしかったと感じた。
今度時間のあるときに
母においしい紅茶の入れ方を教えてもらおうとひそかに考えた。
また姉は料理も時間があれば母を手伝っていた。
わたしも母に料理を教えてもらおうとそう考えていた。
しばらくして母が私に出かける用意をするという。
私はあのピンクのミニドレスを手にとり、
ソファーの背にかけると、今着ているものを脱ぎ始めた。
下着だけになって、ドレスを頭からかぶろうとした時、母が声をかけた。
「ちょっと待ちなさい。メークが先よ。
ドレスを着たままだとメークのときにドレスを汚すことがあるから、
メークを済ませてからドレスを着たほうがいいの。
御化粧直しのときはドレス着たままでもまず汚さないでしょうけれど、
入念なメークするときはね。」
「でも御化粧は済んでるしあとは口紅だけじゃないんですか?」
「そうね純子くらいの若い子は日ごろは薄化粧だけだからね。
でも今日は特別なディナーをご馳走になる日だから、
そういうときはちょっと入念にメークしないとね。
お母さんに任せてね。それと特別な外出前にはね、
女は必ず下着も換えるのがエチケットなの。こちらにいらっしゃい。」                     .

姉の部屋にわたしを呼んだ母は、新しい下着を用意してベッドの上に並べた。
わたしに今身につけている下着をすべて取るように言いつける。
わたしはさすが母の前でも裸になるのは恥ずかしいけれど、
なれるまではすべて母に任せようと思い、仕方なくすべて脱ぐことにした。
ブラジャーとパンティだけになって、おずおずとブラジャーをはずす。
そこには形のいい乳房が張り付いている。
母が用意した人口乳房だ。
母はそれを優しくなでるようにしながらずれがないかを確かめる。
さすがにそこには血が通ってはいないし、神経もないはずなのに、
撫でられるとなぜかわたしの官能が刺激されるのであった。
自分の股間が少し固くなるのがわかった。
そういえば女の子の姿で外出していたさっきまでの時間も、
夢中であまり気にならなかったのだが、時々味わった感覚である。
さすがに恥ずかしいから母に背を向けてパンティを脱ぐ。
そして脱いだパンティの肌にあたっていた股布が目に入ったとき、
私は顔から火が飛び出るくらい恥ずかしくなった。
その股布は、わたしのペニスの先端から出たであろう液体によって濡れているし、
その周りにはすでに乾いたしみが広がっていたのである。
慌ててパンティを小さく丸めて床に置く。
そして慌てて、真新しいシルクの白いパンティをはいた。
ブラジャーを身に着ける。
母に向き直ると、母は朝は身に着けさせなかったガードルを持っていた。
そしてパンティの上からそれをつけるように指示する。
朝は意識しなかったがペニスの存在が気になったわたしは、
もういちど母に背を向けてそれを履き、
一度お臍の下からガードルとパンティの中に手を入れて、
ペニスを股の間に挟み込むようにして
ガードルをさらに上に引き上げるようにして固定した。
自分で姿見に映して股間を観察すると
ペニスがあるようにはどうしても見えなかった。
少し安心していると母がわたしの前に回りこんでそこを少しなでた。
「ドレスを着ているから見えないとはいってもね。
やはりここが女の子に見えないと、心配だと思うの。これでいいわ。」
後はその上に、短いペティコートとキャミソールを身につけて
インナーは出来上がった。
母はわたしをドレッサーの前に座らせてメークをはじめた。
今朝までの薄化粧と違い、
やがて大人びた一人前の女性が鏡の中に出来上がっていった。
わたしはその美しさにわれながらうっとりしていた。
気がつくとまた股間が固くなろうとしている。
しかし今度はガードルに抑えられているから、
パンティの薄い布を押し上げて持ち上げようとはしなかった。
少し股間が痛いだけである。
考えてみれば今朝からの外出で、
股間が固くなっているときにスカートの中をもし人に見られていれば、
すぐに男の女装であることが見破られたのだと思うと
冷や汗が出るように思った。
ドレスを頭から被って身につけようとすると母が止めた。
ストッキングを先に履くようにということである。
なるほどあとからでもはけないことはないが
そのほうが楽だろうということがすぐに理解できた。
私はピンクのドレスにあうだろうとさっき買ったばかりの
薄く透き通った淡いピンクのストッキングを履くことにした。
ドレスを身につけ、母の用意したシルバーチェーンの
ダイアのペンダントをつけて出来上がりだった。
そのホテルのロビーにはすでに父がきていた。
予約してあるメインレストランに案内された。
ボーイはまず父と母を並んで腰掛けさせ、
それから、
「お嬢様はどうぞこちらに。」
といって、軽く私の手を取って両親の向かいの席に案内し、
椅子を引いて腰を下ろすタイミングにあわせて、椅子を前に押してくれた。
なぜか自分が本物のお嬢様になったような気がしてうれしかった。
食事はもちろんナイフとフォークを使うのであるが、
晶であったときのわたしはあまりその使い方には気を配らなかった。
しかし今は晶子である。しかも二十のレディなのだ。
晶はまだ15歳の腕白盛りの男の子である。
レディにふさわしく音を立てないように
またマナーに外れないようにと母のしぐさを一生懸命真似ていた。
おかげで料理の味はほとんど覚えていない。
食事が終わって、父が最上階のスカイラウンジに行こうと言い出した。
スカイラウンジにはバンドが演奏していて
何組かのカップルが演奏に合わせて広いフロア−でダンスを踊っていた。
父は、自分がキープしていたボトルを持ってきてもらい
ウイスキーの水割りを飲んでいた。
母は何かのカクテルを頼んだ。
わたしはオレンジジュースを頼むことにした。
そのうち父は母と踊りだした。
父と母のダンスは巧みであった。
二人が席に戻ってきて今度は父がわたしを誘った。
ダンスなどしたこともないし躊躇していると、
「お父さんは上手だからうまくリードしてくださるわよ。」
母に促されて父と組んで踊った。
父の動きについていくだけでうまく踊れた。
ラウンジの人たちはこの父と娘の踊りに
微笑みの目を向けてくれているのがわかった。
わたしは本当にこの素敵な父の娘として生まれてきていれば
どんなに幸せであっただろうと思いながらダンスに酔いしれていた。
そのときのわたしの心は完全に若い女性のものになっていた。
席に戻って、3人ですこし話をしているうちに演奏が終わった。
父がまだ飲みたそうであったので母とわたしはその父に付き合っていた。
父はわたしが姉の代わりを務めてくれるから少しは家庭も楽しいだろうが、
純子をなくした悲しみはなかなか消えそうもないと言い。
3人で姉の思い出話をするのであった。
母が外に出たりするときは近所の眼などもあるから、晶子と呼ぶことにするが、
家の中や3人だけの時には、純子と呼ぶことにしましょうと提案し
そういう約束が出来上がった。
そのうちに休憩の終わったバンドがまた演奏をはじめた。
今度は父がまずわたしをダンスに誘った。
気がつけばわたしはもうすっかりハイヒールを履いての足捌きにもなれていた。
父の胸にもたれながら踊り、わたしはすっかり女の子になってダンスを楽しんでいた。
このとき父が思いがけないことをわたしにささやくのだった。
「晶、僕はね君は女の子に生まれてくるべきだと思っていたんだよ。
最初母さんが君を連れてきたとき、僕はおまえは女の子だと思った。
もちろん男の子とは知ってはいたが、女の子にしか見えなかった。
純子とそっくりだしね。いとこだから当然だと思うが。
おまえさえもしよければずっと女の子として過ごしてもいいんだよ。
そのためにはいろいろ問題もあるが、
今の父さんの経済力からすればそういう問題を解決するくらいは簡単だよ。
もちろん母さんには内緒だよ。
でもね父さんがこう言ったことはずっと覚えておいて欲しい。
父さんはおまえがいつかは
女として生活したいと思うようになる気がしてならないんだ。
その気になったときにまた話そう。」
実は父にとって母は、2度目の奥さんなのだ。
母にとっても父は2度目の旦那様なのである。
それは知っていた。
姉の純子の母は、姉が12歳のときに、乳がんで亡くなったのである。
わたしの母もまた交通事故で最初の旦那様を亡くしている。
身寄りのなかった母はわたしを連れてとりあえず
父の家(このときのわたしたちの住まい)に身を寄せることになった。
つまり姉の母とわたしの母は、姉妹だったのである。
わたしは父の本当の子ではない。
しばらくして二人は再婚した。
後から考えると父は、母以上に
わたしの本質をよくとらえていたというべきであろう。
後になってわかった私の「性同一性障害」を
このとき父はすでに見抜いていたのである。
父の言葉の意味はこのときのわたしには実感がなかった。
しかし父がわたしのことを
心から気にかけてくれていることだけはよくわかった。
わたしは父の分厚い胸に頬を当てて、本当の女の子になった気持ちで、
父のリードに身をゆだねダンスに心を酔わせていた。
席に戻って、母と父がまたフロア−に出て踊りだした。
さっきまではブルースだったが今の曲はタンゴに変わっている。
難しい踊りと見えて他には踊っている人はいない。
激しいリズムで動きの激しいこの曲を華麗に踊る両親は
ラウンジ中のお客さんの目をひきつけていた。
曲が終わって両親が席に戻ってくる。
またスローテンポの曲になった。
そのとき25〜6歳くらいの青年がわたしのそばに来て手を差し伸べ、
「お嬢さん1曲お願いできますか?」
と恭しく頭を下げた。
どうしようかと迷ったわたしは、思わず父の顔を見ていた。
父の目は踊ってくるように促しているようだった。
「お願いします。」
といっておずおずとわたしは立ち上がり、
「実は今日はじめて父に教えてもらったんですよ。」
とやっとのことで青年に伝える。
「大丈夫ですよ、僕がリードしますから
僕の動きに合わせてくれるだけでいいですよ。
お嬢さん。え〜っとお名前聞いてもいいですか?」
「晶子です。」
「若杉といいます。」
青年はさわやかにこたえ、
軽くわたしの腰の上に手を添えてわたしをリードしだした。
いつしかわたしは女としての感覚でダンスによっていた。
青年の下腹が軽くわたしの胸のすぐ下のお腹にあたり、
そこがわずかに固くなっているのを感じた。
わたしはいつしかやはり股間が固く熱くなって
ガードルとパンティの下で息づいているのを感じつつも、
そのとき感じていた幸せな感覚は男性の腕に優しく抱擁されている
少女の感覚はこういうものだろうとなぜか感じていた。





アニト (2月11日(火)00時01分37秒)
純子さん、こん○○は。
みなさんへの挨拶文をありがとうございます。
物語を書く人は、人の物語も読みたがる、
人の物語を読めば感想を書かずにはいられない。
やはり『空想デート』は「挨拶」と「物語」のセットで
『空想デート』らしい書き込みなのだという気がします。
単に物語を発表する場としてではなく、
作者の顔も空想できる掲示板とできるように、
慌てず急がずみなさんとの会話を楽しんでいただけるとうれしいです。
女性になるにはいろいろとたいへんなことが多いのですねー。




純子 (2月14日(金)11時28分09秒)
■アニト様
ありがとうございます。
わたしはここに書き込んでもよかったのです。
自らの調教体験。
皆様に知っていただくのもいいかと思います。
とりあえずアニト様のご判断を仰ごうと思いメールしました。
アニト様のご判断で一部または全部を
ここかまたは他のページで公開していただいてもかまいません。
マゾにとって自分の恥ずかしい体験を人に知られることもまた快感ですから。
どちらにしましても取り扱いはアニト様にお任せいたします。
よろしくお願いします。
■皆様へ
わたしは「晶と純子」(実録二重生活)でかなり細かく
わたしが15歳の中学3年生でありながら18歳の晶子という女の子、
そして20歳の純子という短大卒業前の娘の一人3役をこなす生活の出発の事情と、
そしてその様子について書いてきました。
これから最終的には自らが自分の本来の性を取り戻すべく、
女性になるために治療を受け、最終的には、身も心も女性になり、
女性として暮らすまでの経過を書かねばなりません。
しかし書き方は小説風になっております。
具体的な様子を知るにはこの書き方がいいのかもしれませんが、
この調子でゆくと、せめてわたしが性転換手術を受けるまで書いたとしても、
かなりの長編小説になってしまうでしょう。
期間も何年かかるかわかりません。
わたしは自らの半生を小説にしたいとは思っております。
しかし一度わたしの半生の流れを大まかに整理しなければと思うようになりました。
それから小説にしてももちろんかなりの長編になるでしょう。
ただ経過を大まかに整理するとは言いましても、
時には一部小説風に描写したいときもありますのでご承知おきください。
またここにこられている皆様も
それを早くお知りになりたいのではないかと思います。
小説にするのはそれからだと思います。
そしてこれから性転換や性についての
マイノリティについての小説を書けるようになろうとする私ですので、
そういう意味もこめまして、
これからは自らのたどった略歴を書くというスタイルに改めたいと思います。
もちろん自ずと文体も変わりますから、ご承知おきください。
なお、「晶が晶子になった理由」は今までどおりに書き進めてまいります。
●「晶と純子」(実録二重生活)(その6)
女の子としての初デビュー、
ホテルのレストランでのディナーからラウンジでの父とのダンス。
そして「若杉」という青年の登場まで書き進めてまいりました。
この若杉という登場人物は後々重要な役割を果たしますので、
覚えておいてください。
実はこの青年は父の会社の社員だったのです。
父はこの時点では若杉に何も放してはおりませんでしたが
こういう形でまずわたしとの出会いを作ったわけです。
その後父は若杉に全ての事情を説明し、
わたしの両親と純子または晶子そして晶の生活について若杉は
いろんな意味での協力者になっていくわけです。
ここでわたしの両親がわたしに女装させて、姉の純子の思い出に浸り。
また純子が生きていればこういう楽しみがあるということを
半仮想現実の中で実現したいと思ったのにはわけがあります。
でなければかなり変人の両親であるということになるでしょう。
実は姉の死んだ事情がそれに影響しています。
実は姉は自死だったのです。
ある日、バレーのレッスンからの帰宅途中に数名の暴漢に車で連れ去られ、
廃ビルの一室に閉じ込められ、3日3晩にわたり輪姦されつづけた姉は、
かろうじて隙を見て逃げ出します。
姉は処女であったことは間違いないのです。
私はそう信じています。
まだ若いし処女に降りかかった理不尽な肉体と精神に対する陵辱。
姉のこのときのつらさと悔しさそして肉体の痛みは、
わたしは大人になるにつれ、そして自分が女に生まれ変わったこともあり
自らのいたみとして今でもひしひしと、伝わってまいります。
ずたずたに引き裂かれた衣服と裸足のままで
逃げ出した姉は通りがかりの人に助けを求め、
すぐに病院に収容され入院しました。
警察の人が来ても姉は錯乱していて事情聴取は進まないままでした。
もちろん捜査も。
肉体的な傷はすぐによくなり、
退院できるまでになっても、精神的な錯乱はよくならず
姉は、そのまま精神科に入院いたしました。
しかしある日少し状態がいいということで、病院側も心を許し、
また母も姉の入院以来ほとんどずっとつききりの看病をしていましたので、
一度いろんなものを取りに母が家に帰っていたときに、
姉はコップを割ってその破片で手首を切り自殺したのです。
発見されたときまだ心臓は動いておりましたが
手遅れで姉は発見後3時間で手当ての甲斐もなく息を引き取りました。
そういう体験で自らも精神に異常をきたさんばかりに母も父も取り乱しました。
もちろんわたしもなのですが。
父はさすがに男ですし自分の経営する会社のこともあり
ある程度立ち直りは早かったのです。
しかし母はずっと不安定な状態が続いていたのです。
わたしが思いついて姉のバレーの衣装を身につけて
父母に見せたのもひょっとして
母が元気になってくれるのではないかと考えた賭けでもあったのです。
もちろん私自身が姉を慕う気持ちと、偲ぶ気持ちもそこにはありました。
だからわたしの家族にとって
わたしの女装は自分たちの精神の安定のために
かなり有効なことであったのです。
このあたりの説明をしないと何か変態家族のように思われます。

一応今回は重要な告白を致しましたのでここで書き込みを止めておきます。
次回からはストーリーを追いながら
あらすじを軽快に展開させようと思いますのでご期待ください。




アニト (2月17日(月)00時14分55秒)
純子さん、こん○○は。
>わたしはここに書き込んでもよかったのです。
しばらくの間わたしの心の中だけに留めておき、
時期が来たら効果的な方法で発表することにしましょう。
それまでは「おあずけ」のポーズで待っていてください。
《長編小説》の実現に期待しています。
その足がかりに微力ながらも『空想デート』がなれればと
その日までわたしもがんばって維持していきたいと思っています。


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