はじめから読む

沙希 (7月17日(火)23時12分01秒)
アニト様。数値フェチっ娘様こんばんは。
皆様こんばんは。沙希です。
久しぶりに連夜の書き込みです。
今夜は雷も鳴って、涼しい夜です。
MRF−6:女装者− 第5話「エクスプローラ」 −6th.
「いい?穂香。もし男の人に身体を触られそうになったら、
すぐにその手を払いのけるの。躊躇してると、囲まれちゃうから。」
「か、囲まれる!?そんな……ボク、なんだか怖いよ。」
「肝心なのは、こっちの意思をハッキリと示す事。
そうすれば、しつこく触られたりはしないから大丈夫よ。」
ツインルームの鏡台の前で、優子に化粧をしてもらいながら
ハッテン場での『暗黙の了解』レクチャーを受ける。
「とくに週末の夜の混雑ぶりなんて、凄いわよぉ!
同じ場所に、じっとしていない方が良いかもね。」
「じゃぁ、館内をウロウロするって事?だって、映画館でしょ?」
「本当に映画を観に来てる人なんて皆無よ。みんな女装娘目当てなんだから。」
リップブラシで口紅をひかれ、グロスも塗られる。なんかベトベトする感じ。
こんなに本格的なお化粧なんて久しぶりだ。村岡の一件以来かな?
一体、誰のために化粧なんかしてるんだろう?女装娘目当ての人達のため?
ボクはお化粧しないと成人に見えないからって、優子は言うけれど。
*  *  *  *  *  *  *  *  *  *
「東京のハッテン場の視察?………ハッテン場って……なに?」
東京のホテルへ着くなり、すぐに上野の『円井』に連れてこられ、
大人っぽいドレスばっかり、次から次へとボクの身体に合わせる優子。
「11号だと……選択の余地があまり無いのよね……これなんかどう?」
「ね、ねぇ優子……もうちょっと詳しく説明してよ。
なんの事情も知らずに、ついて来ちゃったボクが悪いんだけれど……
ボク、何をすればいいの?ハッテン場って、何のこと?」
ボクには到底似合いそうもない大人っぽいドレスを選びながら、
優子はかいつまんで説明してくれた。
どうやら、ここ東京上野には、「ハッテン映画館」と呼ばれる、
世にも怪しいプレイスポットがあるそうだ。
その映画館には、毎晩大勢の女装娘達が集まって、集会を開いているらしい。
そして、そこに集まってくる女装娘を目当てとした男の人達も集まってきて、
楽しく談笑したり、カップルが成立したり……その他諸々……
……東京って、怖い。
ボクの知らない世界が、ここ東京にはある感じ。
「じつは、このデパートのすぐそばにターゲットの映画館があるのよ。
期間は1週間しかないから、視察は早速、明日の夜からね。」
GIMELの名前で領収書をもらい、ドレスを購入したんだ……
*  *  *  *  *  *  *  *  *  *
「よし、化粧は完璧!……これでまぁ、何とか……20才くらいには……」
「ホントに?どうみても『背伸びしたコギャル』にしか見えないけれど……」
「大丈夫。あとは服よ。ちょっとケバい感じの服を選んだからね。」
昨日『円井』で優子に選んでもらったドレスを着て、鏡の前で回ってみる。
「……ふぅん……穂香って背が高いから……こーゆーのも割と似合うのね。」
オシャレするのはやっぱり楽しい。
でもね、これから体験するであろう事を想像しちゃうと……
「今回の任務は、その映画館内に集まる女装娘達を視察するのが目的よ。
かなりディープな世界だから、穂香にはまだ早いかな?って感じだから。」
優子はそう言った。
だから今回の任務は、ボクには内緒だったって事なのか……
ボクの知らない、優子は知っている、ディープな世界。
この目で、確かめてみたい!!
ちょっと怖い気もするけれど……でも良かった。
『命のやりとりをするような危険な任務』なんかより、よっぽど平和だよね。
……それにしても、「視察」って、様子を見に行くだけって事かな?
本当にそれだけの、簡単な任務だなんて……何かひっかかる感じ。
「さて。準備も整ったことだし、時間も良い頃合いね。行きましょうか。」
優子もドレスアップを済ませ、ホテルの部屋を後にした。

つづく




アニト (7月18日(水)23時32分49秒)
沙希さん、こんばんは。
どうやら今年は厳しい夏になりそうですね。
わたしも蒸し暑さとともに虫の襲来を無視無視する毎日です。
せっかく眠りに入ったかと思うところに耳元で
ぷぅ〜〜〜〜〜んんん、などと羽音を聞くともういけません。
せっかく夢の中であの娘とこの娘とイチャイチャイチャ・・
と張りきっていたムスコもぐったりです。
日干しにならぬようときどきは夜の街へ虫干しに・・・、
ただし悪い虫がつかないように気をつけてください。

もひとつ 沙希さんへ
天然ボケの穂香ってば、なんて可愛いんでしょう。
わたしの腕の中でも泣かせてみたぁいー。
あっ、ナカセルの意味がちょっと違いました。
むふむふ、今度は《ハッテン場の視察》ですか。
GIMELの行動範囲は広いですねー。
全国の女装娘さんウン万人がレポートを期待していることでしょう。
続きを楽しみにしています。
わたしもあちらこちらのハッテン場を視察したくなりました。




沙希 (7月21日(土)00時44分43秒)
アニト様こんばんは。数値フェチっ娘様こんばんは。
皆様こんばんは。沙希です。
アニト様。
いろいろと怪しい体験をしている私です。
そのうちノンフィクション体験談を書いてみたいと思ってます。
セーラー服で上野公園を連れまわされたときの話などを。
佳菜っち様。
こんばんは沙希です。佳菜さんとお呼びした方がよいのでしょうか。
とってもお久しぶりでございます。
新しいお話、「S.M. in 女装学園(SM3)」読ませて頂いております。
学校の教室の雰囲気がとても良く伝わってくる感じです。
夕闇迫る放課後の教室で、一人で掃除に励む女の子。
ちょっと寂しく、ノスタルジックな感じですね。
圭子さんが、恵美さんにとって唯一の理解者なんでしょうか。
芳美さんを含めて、3人の今後が面白そうです。
帰り道の林で起きている「事件」というのも思わせぶりなのです。
ところで、SM3って、なんですか?
と、おもったら、もう次のお話が書き込まれています。
早速、読ませていただきます。
みやむ〜様。
こんばんは。みやむ〜様もお久しぶりなのです。
上野のハッテン場、ご一緒してみたいですねぇ。
上野駅近くの公衆トイレなんて、そこからすぐ近くなのです。(たぶん)
看護婦さん役は私がやりたい感じです。
MRF−6:女装者− 第5話「エクスプローラ」 −7th.
上野のハッテン場と呼ばれるポルノ映画館に潜入したのは、
夕方5時を少し回ったくらいだった。
仕事を終えたサラリーマン達が、この時間帯から徐々に集まるらしい。
……ボクがGIMELでお仕事をするようになって、もう1年ちょっと。
「勘」っていうのか、ある意味「目」ともいうのか……
だいぶ、研ぎ澄まされてきたと思うんだ。
この映画館は、確かに怪しい。普通じゃない感じ。
「ねぇ優子……入り口からちょっと離れたところで、
変なおじさんがボクたちのこと、見ていた気がするんだけれど……」
「よく気づいたわね。あれはね……たぶんこの映画館の常連さんよ。
あそこから、この映画館に入っていく人をチェックしてるの。」
「なんか優子……一度ここへ来たことあるような言い方して……」
「そうね。何年か前は、よくここに遊びに来たわ。ほら、中に入るわよ。」
……ボク、優子が信じられなくなってきた感じ。
優子ってば、ボクと出会う前には、どんな遊びをしていたんだろう……
入り口でチケットを2枚買い、もぎりのオバサンに渡す。
優子に手を引かれて階段を上り、2階ロビーへ。
狭いロビーには、何人かの女装の人達と、男の人達が会話を交わしていたが、
ボクたちの姿を見るなり、急に黙り込んだ。
まるで値踏みをするように刺さる視線……な、なんか、危険を感じる……
「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。ロビーでは変な事される心配ないから。」
重たい防音扉を開け館内に入ると、階段状になった座席の最後尾に出る。
当たり前だけど、館中は真っ暗でスクリーン以外はよく見えない。
唯一見えるそのスクリーンでは……もう、H!女の子の裸!裸!!裸!!!
ど、どうしよう!ボク、こんな映画を見せられたら、
『男の子』が目を覚まして、女の子じゃいられなくなっちゃう!!
「じゃ、適当に。周りの女装娘達がどんな事をしているのか、観察しなさい。」
そう言うと優子はボクのそばから離れて、館内をウロウロし始めた。
ちょっと待ってよ、優子!
まだ暗闇に目が慣れない感じだし、『男の子』は目を覚ましちゃった感じだし、
どうしたら良いのか、全然わかんない感じー!!
「キミ、どこから来たの?お名前、なんて言うの?」
「……ハッ!!」
突然、サラリーマン風の男の人から声をかけられた。大ピンチな感じ。
「初めて見る顔だけど……よくここへは来るの?」
「あ……あの……ボク……じゃなくて、私………あっっ!!」
ボクのお尻……触ってるっ!!触られてるっ!!
「キミ、純女さん?女装娘さん?区別つかないくらい可愛いね。
あっちにいる、キミと一緒に入ってきたもう一人の方は、純女さんだよね?」
あっ!!ダメっ!!……手が……『目を覚ましている男の子』の方にも……!!
「あ、女装娘さんだったんだね。驚いたなぁ。ホントに純女さんかと思ったよ。」
40くらいの中年サラリーマンだろうか。
ポマードできっちりと固められたヘアースタイル。
黒縁のメガネをかけて、すこし神経質そうな目。
ビジネスカバンを小脇に抱えてる。会社帰りなのだろうか。
そんな、一見マジメそうな人に触られてると……電車の中で痴漢されてる感じ。
「ねぇキミ、これからオジサンとご飯食べに行かない?もちろんその後は……」
「ボ、ボク……今日はダメな日なんですっ!!」
触ってきた男の手を払いのけて、とっさにロビーへと脱出した。
あぁ、ビックリした。ホントに触られちゃった。
館内に入って、2分と持たなかった感じ。
優子ってば、よくこんな場所で、一人でウロウロできるよね。
ここのロビーの方が、明るい分だけまだ怖くないや。
……そう思って、ロビーで会話をしている人達に視線をやると……
一人の女の人と、目があった。
やたら綺麗な女の人……純女の人かな?それとも女装の人かな?
もし女装の人だったら……優子と同じくらいに、ハイレベルな人だ。
ショートカットにした黒髪。グリーンのピアス。細いあごに、広い肩幅。
スラッと背が高くて、髪型や体型だけはボクに似ているかもしれない。
そうだ、この人、なんとなくボクの雰囲気に似てる。
ボクに似てるっていうことは、やっぱり本当は男の人なのかな?
もちろん、ボクはこんなに綺麗じゃないけれど。
……そうしてしばらくの間、その人とボクは、目が合ったままだった。
「どうしたの?怖くなって、逃げ出してきちゃったの?」
喋りかけてきたのは、彼女の方からだった。
「お連れさんは、まだ中に入るんでしょ?一人にしといて大丈夫かしら。」
「あ……あの……優……」
おっと危ない。こういう場所では、本名を語るのはタブーだって言われてた。
もちろんボクたちは女装娘だから、もともと本名じゃないけれど。念のため。
「か……彼女は……この場所、慣れてるみたいだから……」
「あら。でも今頃は、男の人達に裸に剥かれているかもよ。」
は、裸に……!!
「ほら。私と一緒に、中に入りましょう。」
「で、でも……ボク……」
「私ね、穂香ちゃんみたいな女装娘、好みなの。レズしちゃおうか。」
……え?……この人、どうしてボクの名前を!?
「MRF第6級待機。河合穂香ちゃん。確か、17才よね。」
「ど……どうして!!それを!!」
「シーッ!静かに。言うこと聞かないと、未成年だってバラしちゃうから。」
驚きに言葉も出ないまま、ボクはその女の人に連れられ、再び館内へ入った。

つづく




アニト (7月22日(日)00時24分42秒)
沙希さん、こんばんは。
あはははは、《いろいろと怪しい体験を》されてきましたか。
女装スナックやサロン、映画館などが無い地方の人は
うらやましく思っていることでしょう。
とはいえそこは熱意と好奇心、それぞれの活路があるのでしょうね。
インターネットの普及がそれをますます可能にしています。
でも気をつけなければならないのは、ルールとマナーです。
今回の物語、もっともっとそういったことを盛り込んでいただくと
未体験者さんには勉強になるかもしれませんね。
《ノンフィクション体験談》もお待ちしています。




沙希 (7月26日(木)23時33分14秒)
アニト様こんばんは。数値フェチっ娘様こんばんは。
皆様こんばんは。沙希です。
アニト様
今回のお話を読んでしまうと、
ハッテン場未経験の方は、退いてしまうかもしれませんね。
私の経験を元にしていますが、ほとんどがフィクションです。
屋内のハッテン場は、マナーさえ守れば楽しく遊べるところです。
優奈さんへのお仕置き!!とっても良い響きです。
とってもHなのを期待しちゃいます。賛同な感じです。
勝手にこんな事書いて良いのでしょうか。
数値フェチっ娘様
いつもお話を読んでいただきありがとうございます。
「うぅん・・」が、とっても気に入ってしまいました。
なるべく間を空けずに書き込みしたいと思っています。
あ、でも、第5話はまだ完成していない状態で書き込んでるんです。
いちばん「書きたい!」と思っているところを、まだ残してある感じ。
今は夏休みなので時間だけはたくさんあるのでこれからゆっくり完成させます。
MRF−6:女装者− 第5話「エクスプローラ」 −8th.
「言うこと聞かないと、未成年だって、バラしちゃうから。」
今初めて会った人に、悪戯っぽくそう言われた。
しかもこの人は、MRFの存在まで知っている。機密事項の筈なのに。
一体、この人は誰?何者なんだろう!?
暗闇に目が慣れてきたのか、少しずつ館内の様子が見えてきた。
館内にはロビー以上に大勢の女装娘たちがいるようで、
カップルで座席に座り、なにかヒソヒソやっている。
ようやく見えてきたばかりなので、何をしているのかまでは解らないけれど。
ボクは必死になって優子の姿を探した。
でも、いくら階段状になっている座席の最上段だからといって、
後ろから見渡すだけでは、誰が何処にいるのかなんて判りっこない。
優子、どこにいるの?
この女の人、どうしてボクの事を知っているの?
なんだか……すごく危険な感じがする!!
まさかボク、殺されちゃう??ナイフでブスッと!?
「……フフ。そんなに怯えなくてもいいわよ。ほら、手すりにつかまって。」
館内の最後部は立ち見席になっていて、手すりが備えられており、
その手すりと女の人に挟まれるような感じで、後ろから抱きすくめられる。
「穂香ちゃん。座席に座っている人達が、みんな何をしているか、分かる?」
するとその女の人も、ボクの『男の子』の部分に手を伸ばしてきた。
「もう堅くなってるわよ。して貰いたいんでしょ?」
スカートのスリットから入り込んできた手は、
ショーツの上からも、ボクの敏感な部分を的確に捉えてくる。
……今回の任務って、こんな事をする為のものなの?
頭の中は真っ白になり、もうどうでも良い感じ……
ショーツを膝まで下ろされ、少し、足を開かされる。
そしてスカートまでまくられて、『男の子』が外気に晒されてヒンヤリする。
こんなに大勢の人がいる前で、いちばん大切な部分を露わにしている。
普通じゃ、とても考えられない事だよ。
「いやらしい雫が出てるわよ。これじゃ、すぐに出ちゃいそうね。」
慣れた手つきで包皮をめくられ、敏感な部分が顔を覗かせる。
Hな液を指ですくい取られ、その敏感な部分にぬられて、クルクルされると……
「あっ……ダメ……もう……やめて……よ……」
「先端は感じすぎちゃう?こっちの方が良いかしら?」
こんどは、めくられた包皮の部分を、指で小刻みにしごかれる。
あぁ、もう、ボク……だめな……感じ……
「フフ、もう出そうね。いいわよ、イク瞬間、見せて。」
すると女の人は、ボクの足下にしゃがみ込んで、『男の子』に顔を近づける。
それでも、手の動きだけは止まらない。
やだ……恥ずかしいよ……こんなに近くで……見られちゃうなんて……
「みんなに見られながらイクのよ。そんな経験したことある?
どれくらいの量が出るか、どれくらい勢い良く飛ぶか。見られちゃうのよ。」
ふと辺りを見回すと、いつのまにかボク達の周りには人集りができていた。
もう、抑えられない。こんなに大勢の人に見られ……恥ずかしい……
あぁ!……もう………出ちゃうっっ!!
「あっ!!いくっ!!……あんっ!!………あんっ!!………」
今までに経験したことのない程の衝撃が、2度3度と断続的に続いた。
膝がガクガクして、心臓が破裂しそう。
「……すごいわ。3回も噴き上げたわよ。元気なのね。」
登りつめていた意識が、坂を転がり落ちるように急激に醒めてくる感覚。
それと同時に、いちばん恥ずかしい瞬間を大勢の人に見られたという
このうえない羞恥に襲われる。
ボク……なんて事をしちゃったんだろう!!
ショーツを膝まで下ろした恥ずかしい格好のまま、後悔の念に囚われていると……
「ちょっと!水城!?……アンタ、なにやってんのよっ!!」
突然背後から、優子の怒鳴り声がした。
あわてて身だしなみを整える。
「あら、優子……久しぶりね。」
水城……?久しぶり……?どういうこと?この人、優子の知り合いなの?
「……まさか、こんな事をする為に……ここを待ち合わせ場所にしたの!?」
激怒している優子に手を引かれ、水城(ミズキ)という女の人と一緒に
映画館の外へと連れ出された。

つづく




アニト (7月27日(金)23時30分47秒)
沙希さん、こんばんは。
ハッテン場の様子は曜日や時間帯によっても変わることでしょう。
ですから初心者さんが偶然にも一番ハードなときに行ってしまってもいいように
多少脅かすくらいでちょうどいいかもしれません。
などと書いてしまうとさらに退いてしまうかもしれませんね。
より安心なのは優子のような詳しい人に同行してもらうことでしょうか。
と思ったら、穂香がたいへんなことに。
最後には自分の身は自分で守るしかないようですね。
ハッテン場に集う女装娘さんたちに幸あれ。




沙希 (8月8日(水)23時37分41秒)
アニト様こんばんは。
数値フェチっ娘様こんばんは。
皆様こんばんは。沙希です。
最近とても忙しくなってしまったのでまた、間が空いてしまいました。
この時期に忙しいというのは私の正体がばれてしまうかもしれませんねぇ。
由衣美さんなんかは、きっとお見通しなのでしょう。
MRF−6:女装者− 第5話「エクスプローラ」 −9th.
その事があった翌朝、日曜日。東京に来て3日目になる。
目覚ましアラームの音で目が覚めると、ほのかにコーヒーが薫る。
テーブルに目をやると、電気式のコーヒードリップから湯気か立ち上り、
コーヒーカップが2客。そのうちの一つはすでに使われている。
ルームサービスのサンドイッチは半分減った状態でラップが被せてあり、
その上にメモ書きが残されていた。
隣のベッドで寝ているはずの優子は、すでにいない。
『日曜の夜は、次の日が月曜日だからハッテン場も盛り上がらないのよ。』
という理由で、今日の視察は無しという事になった。
ボクを残して、優子は一体どこへ行ったのだろうか?
……もちろん、心当たりはある。だから尚更心配なんだ。
また、あの水城さんという人に会いに行ったのか。
それとも、水城さんから依頼された仕事を、早速実行するために……
きっと今回の東京出張の目的は、『ハッテン場の視察』などではない。
もしかすると、水城さんから依頼を受ける事こそが、本当の目的だったのでは?
……考えたくはない。優子を信じたい。いや、信じてあげなくちゃいけない。
昨夜、僕の目の前で、あんな姿まで見せてくれたんだ。
……でも……気になって気になって、しょうがないよ。
*  *  *  *  *  *  *  *  *  *
「久しぶりね、優子。あなた、全然変わらないわ。」
「水城(ミズキ)は、だいぶ変わったわね。昔は髪もロングだったのに。」
「私じゃ、ショートは似合わないかしら。」
「……そうは言わないけど……どうして?自慢の黒髪だったのに……」
優子に手を引かれて映画館を出た後、
ボクたち3人はすぐ近くのコーヒーショップへと入った。
なんだか、険悪な雰囲気……
映画館の中で、ボクは水城さんに、エッチなことをされちゃった。
ああいう場所では、キチンと拒否しなかったボクが悪いんだ。
たぶん優子は、その事で怒っているんだ……
(……まさか、こんな事をする為に……ここを待ち合わせ場所にしたの!?)
あの時優子は、たしかにそう言った。『待ち合わせ』と言った。
この水城という人と待ち合わせをするために、あの映画館へ入ったのだろうか。
いったいこの人は、何者なんだろうか。
本物の女の人なのか。それとも女装の人なのか、それすら判らない。
MRFの存在を知っている人……優子を知っている人……
そして、ボクはこの人を知らないのに、この人はボクを知っている。何故?
「水城、いつもあんな遊びをしてるの?……もう、やめた方が良いわよ。」
「心配してくれるわけ?ありがたいわね。でももう『遊び』じゃないわ。」
「『遊びじゃない』って……水城、まさかあなた……!!」
「最初に金をくれた奴が悪いのよ。一度金を手にすれば、抜け出せなくなるわ。」
「それじゃぁ、マトモな仕事は、してないの?」
「アンタに言われたくないわね。どうせスカートの下に、吊ってるんでしょ?」
「……今は6級待機だから……銃なんて持ち歩かないわ。」
「フフ……そうね。確かに穂香ちゃんの内股には、何も仕込まれてなかったわ。
でも優子。あなたはどうかしら?ナイフくらいは、持ってるんじゃない?」
……この二人……何を言ってるの?なんだか、凄い話をしている。
ボク、全然会話に入っていけない感じ……
「ね、ねぇ優子……ちゃんと紹介して。この水城さんって人、誰なの?」
「……穂香。彼女の、あのピアスを見て、気づかない?」
あのグリーンのピアス……あっ!!あのピアスは……!!
「……もちろん、衛星からの通信サービスは、もう受けられないけど。」
「水城。GIMELを辞めた後も、そのピアスだけは捨てなかったのね。」
そうか!そういう事だったんだ!水城さんも、ボクたちと同じ……
「彼女はね、昔、私と一緒にMRFとしてGIMELに所属していたの。
穂香がGIMELへ来た後に、すぐ辞めちゃったけど。」
……ボクがGIMELへ来る前に、優子とパートナーを組んでいた人なんだ。
昔の優子を、知っている人なんだ……
だんだん謎が解けてきた。でもその代わりに……心の中が、モヤモヤしてくる。
ハッキリとは形にならない、モヤモヤ。
次々と目の前に繰り広げられる事態の多さに圧倒され、
このモヤモヤした気持ちの原因が何なのか、気づく余地すらなかった。

つづく




アニト (8月9日(木)23時35分11秒)
沙希さん、こんばんは。
書き込みのタイミングがほぼ同時であったため、
申し訳ありませんがレスは本日回しとなってしまいました。
が、どんなことがあっても挨拶は欠かしませんので、
これからも時間帯を気にせずどんどんお願いしますね。
>この時期に忙しいというのは私の正体がばれてしまうかもしれませんねぇ
まさか「お化け」と言うのではないでしょうね?。
内緒ですが、怖いのダメなんですよ、わたしは。




沙希 (8月14日(火)22時08分25秒)
アニト様。数値フェチっ娘様こんばんは。
みなさんこんばんは。沙希です。
ほんの少し留守にしているだけで続々と書き込みがある感じです。
忙しい時期も過ぎ去り、この空想デート掲示板でゆっくりできます。
新しい方もみえているようで、お話読ませていただきます。
MRF−6:女装者− 第5話「エクスプローラ」 −10th.
ウィンドウの縁に肘をつき、タバコをくゆらせる水城さん。
繁華街を行き交う人を、ぼんやりと眺めている。
最初に見たときには、ボクに似てる感じの人だと思ったけれど、
こうして改めて見てみると……ボクより全然大人っぽい。
優子と同い年か……少し年上に見えるほどに。
ハッテン場に出入りしているのは遊びではなく、
男からお金を貰うためだなんて……本当なのだろうか。
まさか……GIMELを辞めた後では、マトモな職業には就けないのかな?
ボクも自分の未来が不安なだけに、すごく身につまされる感じ。
「あ、あの……水城さん……どうして、GIMELを辞めちゃったの……」
そう言い終わるか終わらないかのうちに、ボクは水城さんに睨まれた。
鋭く、冷たい……もし触れたなら、切り裂かれそうなほどの鋭い眼差しで。
「水城……もう、GIMELへ戻ってくる気はないの?」
ボクの代わりという感じで、優子がそう付け加えた。
「いい加減にして。これ以上、他人の事を詮索しないでよ。」
「ほっとけないわ。私は、水城の事を知っている。他人じゃないわ。」
「フッ……お節介なアナタらしいわ。今回の件だって……」
「水城、可愛くないよ。昔の水城は、もっと素直だったわ。」
「悪かったわね!素直じゃなくて!私だって……っ!!」
そう言いかけて、水城さんは言葉を飲み込んだ。
「……幸せな人ね、優子って。……昔からそうだわ。」
一瞬だけ見せた感情的なものを、再び身体の中にしまい込み、
再びウィンドウの外に視線を流す。そして、深いため息。
ウィンドウに反射して見える水城さんの顔は、とても寂しそうな感じ。
ボクたちに見せる顔とは違う、優子と同い年に見える顔……
「同情なんてまっぴらよ。任務を終えたら、すぐに私の前から消えて。」
「私は……水城の現状が、少しでも良くなれば……ど思ったんだけど。」
「ふん……私を、救ってくれるっていうの?今の現状から?」
「……出来る限りのことは、するわ。
でも水城自身にその意思が無ければ、どうにもならないわ。」
「フフフ……やっぱりあなた……おめでたいわ……」
タバコをもみ消し、低く笑う。
その笑いが、水城さんの寂しさを露わにしている感じ。
そして水城さんは続けた。
「私が、どうして髪をショートにしたか、お判りかしら。」
「……女は、フラれた時に髪を切るけど……きっと女装娘も同じよね。」
「それもあるわ。でも、それだけじゃない。私はそんなに純情じゃないわ。」
「………………」
一瞬、優子の表情が凍った。いったいどういう意味だろう?
すっかり冷めてしまったであろうコーヒーに口を付けた後、
なぜか水城さんは、ボクに向かって話し始めた。
「穂香ちゃん……私、昔ね……好きな人がいたの。
……どうしようもないくらいに、その人が好きで好きで……
でもその人は、私を愛してはくれなかった。」
「片思い……ですか?」
「そう。私は何年も、何年も……その人に『好きだ』と言い続けたわ。
でもその人は、一向に私の方へは振り向いてくれなかった。
……でもね……ある時、その人は一瞬で別の人に一目惚れをしたの。
信じられる?一瞬でよ! 私は何年も、その人の事を思い続けたのに!!」
……それは、とても辛い話だった。
最初から、三角関係だと解っているなら、まだ諦められる。
でも、自分が好きだと告白した後に、別の人を好きになられてしまったら……
……誰が悪い訳でもない。でも、辛いよね。
「今でも、その人のことを好きなんですか?」
「……そう。好きよ……好きで好きで……殺してしまいたいくらいに。」
そう言って、水城さんは再び、低く笑った。
「もし、私を救ってくれるというのなら……その人を殺して。
私の目の前で、息の根を止めて欲しいの。そうしないと、私は救われないわ。」

つづく




アニト (8月14日(火)23時28分52秒)
沙希さん、こんばんは。
『空想デート』は物語の書き込みを主としていますから
一件あたりの文字数が非常に多い掲示板です。
にもかかわらず連日多くの人が登場してくれます。
中には睡眠時間を削っている人もいるでしょう。
何なのでしょうね、この活気は?。
書き込みをするお1人である沙希さんならおわかりだと思います。

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