はじめから読む

ユウキ(9月27日(水)20時08分41秒)
★アニトさんへ
>まだまだユウキくんに遅れをとるわたしではありません、どははは。
むっかぁ〜(--+)です。
アニト兄さんの青ざめた顔が早く拝めるように
ガンバることにしましょう(^^)v
★梓さんへ
>あの京都弁、本当に芸奴はんや、女将はんみたい。
>ひょっとして、経験があるのでは・・・??
会話文は全部綾乃さんの「綾乃17歳」からの引用ですんで、
それを言うなら綾乃さんにです(笑)
僕も一応生粋の京都人ですけどね、
今はだいぶん大阪弁が混じってしまってます(笑)
綾乃17歳京都編、
いよいよ綾乃さんの担当部分が終わりになります・・・。
次回から、僕に振られてしまったラスト1日です。
どうなることやら・・・。
//////////////////////
「綾乃17歳京都編 ユウキ版5」
綾乃の幸せそうな笑顔が嬉しくて。
僕はおでこにキスしようとして…止めた。
綾乃が僅かに首を横に振ってる。
……あああああもうまったく。調子狂わされっぱなしだ!
僕は綾乃を抱きしめて、唇を重ねた。
ちょっと強引…だったかもしれない…が。
僕のキスに綾乃が応じて…
もっともっととせがむように求めてくる。
だんだん激しくなる。
うっとりしてる綾乃。
僕だって他人事じゃない状態。
ふっとびそうな理性にブレーキかけてるのにも疲れてくる。
自分の部屋だからどこになにがあるのか解ってはいるけど…
使うのも面倒くさい。綾乃が欲しい。
18歳未満でラブホに入っちゃいけないが、
自分の部屋でHしちゃいけないって法律あったっけ?
綾乃の喘ぎ声が一段と激しくなる――。
すっかり理性を吹っ飛ばしてしまった様子。
僕にすべてを預けてくれてるという満足感……
僕も、理性を手放すことに、決めた。

短いセーラー服の上着の裾から手を入れて、
綾乃の敏感な部分をそっと指でつまむ。
(綺麗な肌…)
嫉妬混じりに少し歯をたててみたり。
綾乃の嬌声が耳に心地よい。
僕にしがみついてきた綾乃の
セーラーのミニスカートの下で、
パンティを濡らしてしまってるそれが
僕に押しつけられる。
「…可愛い…」
耳元で囁く。
綾乃には聞こえてない…たぶん。それでも。
僕は左手で綾乃を抱えたまま、
右手でそれを愛撫しはじめた。
「あ・・ぁあ・・ユ・ユウキさん・・・」
悶える綾乃が愛しくて。
触れなば落ちん・・
綾乃の敏感な部分が熱く脈打っている事を確かめて、愛を込めていく。     .
五感全部で綾乃の快感を受け止める。
そして、自分自身も快感の渦の中に呑まれて……
「あ・・ぁや・・んんぅ・・やん・・も・もぅ・・」
悲鳴に近い声を上げる綾乃。
僕もまた、体の奥に弾けそうななにかを抱えてその時を待っている。
「あ・・もお・・も・う・・やん・・ユウキさ・・ん・・」
ユウキの体の少しの動きが、綾乃をとうとう導いた。
「ああ・・い・・いっちゃ・・う・・くぅ・・ん・・あ・ぁ・・」
綾乃が体を反って天を仰ぎ、激しい昂ぶりそのままに、
その快感の源から真っ白な悦びをどくどくと放った。
その瞬間、僕もまた同じ射精感を感じていた。
「……で・出る…っ…」
イク、だけじゃない、何か、が僕をそう呟かせた。
(あ・ああ、これが・・・)
そのとき、ふっと尚ちゃんと毬奈さんのことが頭に浮かんだ。
僕・綾乃・尚ちゃん・毬奈さん
――たぶん全員が、この瞬間、この不思議な高揚の余韻を楽しんでいる。
そんな確信だった。
綾乃が腕の中に倒れ込んできた。
そして、僕もふっと意識が遠のく。
(――果てた、な…久しぶりに。)
そんなことを思いながら、僕は綾乃を抱きしめた。

「さあ、そろそろ戻ろうか?」
ベッドから起きあがりつつ、僕は言った。
タオルケットにくるまれて、綾乃が不満そうに顔だけ出している。
「毬奈さん達も心配してるかもしれないし」
心配どころじゃなくて、捜索願出されてたりして…?
いや、毬奈さんならそんな野暮なことしないか。
あちらさんも今頃慌ててたりして?
「あ、そうですね・・」
綾乃がセーラー服にちらと視線を送る。
脱ぎたくないんだろうな。
「よかったら、あげようか?」
「えっ・・いいんですか?」
途端、うれしそうな顔になる。
「うん。但し、そのまま着て戻る事」
「え〜〜・・・」
声の割には嫌がってないな。
「京都駅で、ぼくの上に落ちてきた罰だよ」
僕はにやりと笑って見せた。
僕も…着替えるの面倒くさいし、学生服のままつき合うか。
どこの、ってわけじゃなく、
それらしいスラックスとカッターシャツとネクタイを
着てるだけなんだけど。
夜も更けて、人の少なくなった京阪電車の上り線。
電車に揺られながら、綾乃が僕に告げた。
この旅行のこと。大阪のアヤミン王女のこと。
そしてもらった薬のこと。効力は一日だとか。
「ふぅん。」
僕はそう言うしかなかった。
京阪四条についた。もう外は真っ暗だ。が。
綾乃は駅から地上へ上がる階段ではスカートに気を取られ、
地上へ上がってからは何とか上着をひっぱってお腹を隠そうとし、
じたばたして見事に転んだ。
「きゃあ・・」
ミニスカートは完全にめくれ上がってしまって、
くまさんのバックプリントのパンティが丸見えになってる。
(あちゃ〜)
赤面する僕。
可愛いんだけど…冗談じゃない。たちまち、人垣が出来る。
野次馬なんかに見せてたまるか、だ。
慌てて綾乃を助け起こす。でも。
「ほおぅ・・」
と感心した様に声と何故だか拍手まで・・・
むかつきはしたものの、どうすることもできず、
僕は綾乃の手を取ったまま、うつむいて歩くしかなかった。
そんな僕たちの目の前に、
十数人のやじ馬を引き連れた尚ちゃんが通りかかった。
「あ・・尚ちゃん・・その格好・・」
「綾ちゃん・・その格好・・」
自分の姿は棚に上げて、互いの姿に驚き合う二人。
(よくまあ、そんな格好で・・)
乱れ髪の尚ちゃんにちょっとドキッとするが…。借り物だぞ、それ?
よくまぁハデにやったもんだ。
あーこれなら僕の浴衣でも綾乃に着せとくんだった。
とにかく、そのまま、合流したやじ馬数十人を従えて? 
置屋への道を俯きながら戻っていった。
女将さんに、4人揃ってたっぷりと叱られて、
ようやく解放された時には夜の十一時を回っていた。
…って言っても怒られる原因は尚ちゃんと毬奈さんであって、
僕たちじゃないぞ。なんで一緒に怒られるんだ。
「どうする?・・さすがに疲れたみたいね。
ホテルまで送っていきましょうか?」
と、毬奈さん。もちろん、と頷く僕。
可愛い少女の夜道の一人歩き(二人歩き?)は危険すぎる。
僕は綾乃の肩に手を回す。綾乃が寄り添ってくる。
すごく自然にそうなって、僕は嬉しかった。
背中に毬奈さんの視線。
なんだかチェックされてるみたいな気分でちょっと落ち着かない。
でも、毬奈さんも尚ちゃんとしっかり手をつないでいい雰囲気だし。
「おやすみ。」
ホテルの脇で、僕は綾乃におやすみのキスをする。
そして軽く抱き合う。
ちらっと横目で見ると、毬奈さんと尚ちゃんも同じく、だ。
二人がホテルの中に消えるのを見送って、
僕は初めて毬奈さんとちゃんと顔を合わせた。
「お疲れさま。」
「いえ、僕の方こそ突然乱入しちゃって。」
と、時計を見たらもう12時近い。
「うわっ、もうこんな時間!」
近鉄線は終電が早いから嬉しくない。おまけに始発も遅い。
「すみません、僕もう帰らないと。」
僕は毬奈さんにぺこりと頭を下げて、駅へダッシュした。

つづく




アニト(9月27日(水)23時37分41秒)
ユウキくん、こんばんは。
怒った顔がかわいいですよ、わはははは。
が、その意気です、ここでしょげかえるようでは
兄弟の杯を返すところでした(って、まだ交わしていませんでしたね)。
いろいろな人と出会い、大いに恋をして、
「今」を精一杯生きてください。
そうすればいつかわたしの背中が見えるでしょう。
「ユウキ版」の締めくくりを楽しみにしていますよ。




ユウキ(9月28日(木)21時01分00秒)
★アニトさんへ
>怒った顔がかわいいですよ、わはははは。
・・・・・(--+)
>「ユウキ版」の締めくくりを楽しみにしていますよ。
しめくくり・・・じゃなさそうです、はい。
今までと同じぐらい、5〜6話ありそうなんですよこれが・・・。
そういえば、おとといメールを送ったんですけど着いてます?
いつもきちんと返事を下さるのに返事が無くてちょっと心配しています・・・。
★綾乃さんへ
>もお、綾人くんでも尚也くんでもユウキくんでも
(あ・・これは駄目です)
「さん・くん」までは許すけど・・・・こんどは「これ」かい?
もう一回、アニト兄さんに頼んでお仕置きしてもらおうか?(^^)
★沙希さんへ
綾乃さんが言ってますけど・・・
僕も出番があれば出していただいて良いですよ(^^)
ユウキでもユウコでも、好きに使ってやってください。
いよいよ、綾乃さんの監修の入っていない、未知の部分に突入です・・・
どうなることやら。お話はまだまだ続きます・・・あと5〜6話くらい。
長いですけど、よろしくおつきあい下さいマセ。
////////////////////////////
「綾乃17歳京都編 ユウキ版 6」
「はうぅ…」
家に帰り着いて、シャワーを浴びて、ベッドにひっくり返る。
綾乃の残り香。落ち着かない。
床に転がったティッシュ箱も、夢じゃなかったことを物語ってる。
「綾乃…。」
綾乃の香りの染みついたタオルケットに顔を埋めて呟く。
『もし…明日になっても…気持ちが変ってなかったら…』
綾乃の言葉が脳裏をよぎる。哀しげに潤んだ瞳と。
時計を見る。午前1時半。
綾乃はシンデレラじゃぁなかった。
離れていても、薬の効き目は切れてない。
「そうだ、薬…」
僕は思った。もしかしてあの薬、プラセボなんじゃないか?!
医者が患者に睡眠薬だとか言って小麦粉を渡しても、
睡眠薬だと思って飲んだ患者は眠れてしまう、というダミー薬。
自己暗示ってやつだ。
ただの水やちょっとした香水を、秘薬と偽って渡す…
好きな人が振り向いてくれる、という強い期待が、自分自身を輝かせる。
アピール度を増し、結果、その人が振り向く…。
惚れ薬、というものが本当にあるのかもしれないが、
プラセボ効果でも十分可能だ。
薬の効き目は一日…というのも怪しいし。
つまり、アピールし続ける努力を怠ったり、
両思いになれなければ終わり、というわけ。
でもこれこそが王家に伝わる秘薬なのかもしれないな。
自分をより良くして、愛する人と結ばれるための。
ありがたいことに、どうやら僕は冷めてないらしい。
綾乃も冷めてないといいんだけど。
明日、チェックアウトの時に綾乃を迎えに行こう。ゼッタイに。
僕は思った。
明日はどこへ行こう?
あ、それに綾乃に…なにかプレゼントしたいな。制服とかじゃなくて…
ああ、でもいきなりキワドイ下着もなんだしなぁ。(爆)
「あっ…しまった。」
綾乃に、好きだって言ってない。可愛い、しか言わなかった。
やっぱちゃんと言っとかないとな。どこでどんなふうに言おう?
しばらく考えて、僕は名案を思いついた。

午前九時半。
ホテルに到着。
フロントで部屋番号を確かめてエレベーターに乗り込もうとしたら、
目の前に見慣れた?後ろ姿。
「ま・・毬奈さん?」
「あら、ユウキくん。来たのねー。」
毬奈さん笑い方が意味深…。
二人でエレベーターに乗り込む。
「昨日は…どうだったのかしら?綾ちゃんと。」
「毬奈さんこそ…尚ちゃんとどうだったんです?」
…沈黙。エレベーターがすごくのろく感じる!
やっとドアが開いた。部屋に向かう。
なんて声かけよう?なんて考えていたら、
毬奈さんが先にドアをたたいてしまった。
「はーい。」
中から二人の声。
「私よー。」
ドアが開いて、尚ちゃんが飛び出してきた。
その後ろに不満そうな綾乃の姿。
毬奈さん越しに僕を見つけて、満面の笑みになって飛び出してきた。
「おはよう♪」
綾乃のほっぺにキスをする。綾乃の目が潤んでる。
「泣くなよーこれくらいでー。」
からかってほっぺをつついてやった。
「で…今日の予定は?」
と、毬奈さん。
「お買い物に行きたいな。京都らしいもの売ってるとこがいい。」
と尚ちゃん。
「私は…晴明神社に行ってみたいんだけど…」
と綾乃。
「晴明神社?今流行だもんなぁ。
いいよ、僕知ってるから連れていってあげる。」
日本の怪奇単に興味のある僕。
晴明神社は僕の高校にも近くて、庭みたいなもんだ。
「じゃぁ、別行動ね?京都のおみやげ物なら新京極かしら。」
と、毬奈さん。
帰りの新幹線は5時。
とりあえず、2時くらいに京都駅で待ち合わせることになって、
僕たちはホテルを後にした。
「晴明神社って場所がよくわからなくて…」
「そうだねぇ。市バスしか通ってないし、目印ないし。」
バスに揺られながら肩を並べて他愛ない話をする。
それだけでなんだか幸せだ。
「次はー一条戻り橋―晴明神社前ですー」
アナウンスが入った。
「おもったより小さいんだぁ。」
晴明神社に入って、綾乃が一言。
平日とあって、人はいなかった。
小さな売店にも、ご用の方は本殿へ、と札が下がっている。
「うん、そうだね。
晴明はあの一条戻り橋の橋の下に式神を住まわせてたんだよ。」
いまはもうすっかり整備されて、
コンクリート固めになった堀川を指さす。
ちょこん、と石造りの橋がかかっている。
以前はもっとうっそうとした木立の中に、
いかにも、って感じでかかってたのに。
「あー、縁結びの絵馬がある。
ユウキさん、私たちも書かない?」
「おいおい、ここは縁結びの神社じゃないよ?
占いは当たるけど、基本的に呪いだよ。」
「えええっ?!そうなの?」
まったくもって、最近の流行とは恐ろしい。
「だいぶん、涼しくなったね…。」
晴明神社の奥に入っていく。
苔生した木陰が、すっかり秋めいて涼しい。
「森林浴にはもってこいだねぇ。」
僕は木陰で立ち止まる。綾乃が寄り添う。
そのまま自然に、抱き合った。
軽くキスを交わして、微笑みあう。
僕は綾乃の腰に腕を回し、ぐいと抱き寄せた。
「あ…」
綾乃の吐息が耳をくすぐる。気にせず、僕は腰を押しつける。
「あん…ユウキさん…」
綾乃の、熱く、硬くなったものが、僕の股間に押しつけられて、苦しそう。
そのままゆるゆると腰を揺すってやると、だんだんと綾乃の吐息が荒くなる。
抱きしめたまま、お尻を触ってみたりして…。
ミニスカートがすこしめくれあがって、下着に触れる。
「綾乃のおしりだぁ…なんか、初めて触ったな…」
僕もぼうっとしていて、なんだか馬鹿げたことを言っている。
今日のバックプリントは何だろう?
強弱をつけて、くいくいと腰を押しつけてやると、
綾乃がしがみついてきた。
自ら、僕に押しつけてくる。
突然、近くの木でカラスが鳴いた。
びくん、と正気に返る綾乃。
頭上を白鷺が飛んでいく。
「綾乃…晴明様が見てるよ。」
「え…」
「式神ってのはね、カラスや鷺や…
ネズミとか、小動物の形を取ることが多いんだ。」
耳元で囁きながら、キスの雨を降らす。
「晴明様、嫉妬してるかもね。」
「バチ当たらないかな…」
「遊びの恋じゃないなら、大丈夫さ。」
言いながら、後ろから回した手で、下着の上からなぞると、
もうそこははちきれそうに震えていた。
「あ・・ぁあ・・ユ・ユウキさん・・・」
再び快感に落ちていく綾乃。
「ほら…みんなが、見てるよ…」
雀、烏、犬や猫の声までが、綾乃を苛む。
真っ昼間、木漏れ日に照らされた綾乃の顔。
膝をガクガクさせながら、僕にしがみついてる。
「あ・・ぁや・・んんぅ・・やん・・も・もぅ・・」
「声が大きいよ、綾乃。宮司さん、出て来ちゃう。」
キスでその唇をふさぐ。
「う…うぐぅ…んんんっ…ん――…・」
もがく綾乃をさらに強く抱きしめる。
口を塞いでしまうと余計に感じる子と、
息が出来ない苦しさのほうが勝って
ぜんぜん感じなくなってしまう子と2タイプあるが、
綾乃はどうやら前者らしい。
昨日の猿轡でもそうだった。
綾乃はしばらくもがいて、くぐもった悲鳴とともに体を突っ張らせ――
やがてぐったりと僕の腕の中に収まった。

つづく




アニト(9月29日(金)00時04分29秒)
ユウキくん、こんばんは。
物語が長くなるのはいっこうにかまいませんよ。
むしろその方がうれしいくらいです。
ユウキくんもノリノリのようですからね。
>もう一回、アニト兄さんに頼んでお仕置きしてもらおうか?(^^)
物語の中でお仕置きしたらどうでしょう・・・
って、そんな雰囲気ではないですね。
ムムム、うらやましかったりして・・・。




ユウキ(9月29日(金)20時59分46秒)
★アニトさんへ
>ユウキくんもノリノリのようですからね。
もう半分ヤケになってるというか・・・「やってまえー」ってカンジで。
頭のネジが一本とんでるかもしれませんです、はい(^^;;)
★綾乃さんへ
>なのに、綾乃は、せっかくのユウキさんのお話を少し汚してしまってますね。
「綾乃なんか」に類するものとして、減点1! 給料減額。
メールでの感想文次第では考え直してあげても良いよ。
///////////////////////////////
「綾乃17歳京都編 ユウキ版 7」
お賽銭入れて、手を合わせて。晴明様にお参り。
僕と綾乃の仲がうまくいきますように。
あと、尚ちゃんと毬奈さんが嫉妬して
呪いをかけに来たりしませんよーに。
「ユウキさーん、おまたせ!」
綾乃が戻ってきた。
「しっかし…着替えの下着まで持ってくるなんて用意が良いね。」
「てへへ。」
ちょっと呆れ顔の僕。
綾乃、こうなること予想してたのかな?
だったらちょっとは嬉しい・・けど。
晴明神社を出て、時間が余ったから、
叡山電車で鞍馬まで足を延ばすことにした。
堀川にはお昼を食べれそうなところもないし。
「山の方はもう紅葉してきてるかな?」
もみじ電車の広い窓から、ふたりで外を眺める。
のんびりと、誰も僕たちを気にしない。
たぶん、普通のカップルに見えてるんだろう。
「綾乃、沿線にラブホがあるんだけど、入るぅ?」
「えっ…」
「嘘だよ。」
「もうっ!」
軽口まで出てしまう。怒った綾乃の顔も可愛い。
すっかりリラックスしている二人。
電車は鞍馬に着いた。
先にレストラン鞍馬で食事を済ませて、あたりを散策する。
紅葉こそまだだが、緑が綺麗だ。
「京都って、ほんとに自然がいっぱい…」
綾乃が気持ちよさそうに目を細めてる。
あーあ、カメラもってくりゃ良かった。
「あっ、ユウキさん、あれ見て!」
綾乃が指さす先には…
「鞍馬温泉 この先混浴」
いや〜な予感。
「ユウキさんっ、混浴だって!」
綾乃が腕を引っ張る。入ろうってか?
「イヤだ。僕、体見られるの嫌いなんだってば。」
マジ顔になった僕に、綾乃がしゅんと俯く。
「…ごめんなさい…」
あ、あ、何も泣くことないじゃないかっ!
女の子はこれだから卑怯だ。
「綾乃、わかったってば、悪かったよ。な?」
抱きしめて、頭を撫でて。あああ、どうしよう?
「わーい、ユウキさんとお揃いっ!」
すっかり機嫌を治した綾乃がはしゃいでいる。
お揃い、っていうのは単に、タオルの巻き方なだけで。
僕はバスタオルを胸から巻く、女の子巻きはすごく抵抗があるんだけど、
かといって腰だけ、とか全裸、というのは
やりたくてもできないので、仕方なくそうしている。
でも綾乃は違う。
「お揃いなんかじゃないやい。」
ふくれっ面の僕。
でも、そんな会話も温かなお湯につかると消えていく。
「気持ちいい…」
綾乃が背中にぴったり寄ってくる。
初めて直に手足が触れる。
乳白色のにごり湯に首まで浸かっていると、
自分の体のことなんかどうでも良い気がしてくる。
「ユウキさぁん…」
綾乃が甘えた声を出す。振り返ると、湯気の中に、上気した綾乃の顔。
「うっ…」
「?」
「綾乃、もしかしてわざと誘惑してる?」
「やだぁ、ユウキさんのエッチ!」
……綾乃の、…馬鹿っ。
タオル越しに体を寄せ合う。
ぬるっとしたような温泉の感触が、妄想をかき立てる。
綾乃の手が、僕の太股に触れてる。
綾乃になら触られても平気かも…って、ぼんやりしている。
のぼせてるのかな?
「…あ…」
ふうっ、と意識が遠のいて、自分の口から零れた声に、我に返る。
「ユウキさん、可愛い♪」
「馬鹿。」
お風呂にはいるのは好きなんだけどなぁ。
二人で入ったときって、良い思い出がないぞ?
僕、お風呂のHは苦手かもしれない。…なんて考える。
「綾乃、また、なの?」
「ユウキさんの意地悪。」
晴明神社から、二人ともヘンだぞまったく…。
あれ、惚れ薬じゃなくて媚薬じゃないのか?
いつの間にか、二人のタオルは腰までずり上がって、
熱いそこが、直にふれあってる。
ひとつのおチンチンを共有して、なんだか昨日のことを思い出す。
その周りに、温泉のぬめりだけじゃない、別のぬめりも感じてる。
「しょうがないなぁ…二人とも。」
「くすくす…ユウキさん可愛い。」
「怒るぞほんとに。」
「えへへ…ごめんなさぁい。」
綾乃が笑ってる。僕もつられて笑ってる。
「鞍馬天狗が見てるかも…」
「かもね。」
綾乃も妖怪好きみたいだ。
さっきから…いや、京都ではどこにいたっておかしくないが。
怪たちのたくさんの眼が、僕たちを見てる気がする。
風情があって、いいんじゃないか?(笑)
僕は綾乃を浴槽の縁に腰掛けさせて、
ちょっと乱暴に足を開かせ、顔を埋めた。
「きゃ……あっ…」
真っ白なバスタオルで体を隠してるのが、余計に色っぽい。
真っ昼間の露天風呂で。…何やってるんだろう…ほんとに。
鼻血が出そうだ。
すでに温もった綾乃の体が限界を告げるのに
そんなに時間はかからなかった。
「ああ・・い・・いっちゃ・・う・・は、離して…ユウキさ…」
僕は首を軽く横に振って、イヤだの意思表示。
「くぅ・・ん・・あ・ぁ・・」
綾乃が僕の頭を抱えて、大きくのけぞる。
温泉のにおいの混じった綾乃のそれ。僕は味わうようにして飲み込んだ。
頭から水道の冷水を浴びてる僕。
すっかりのぼせてしまって、浴槽から上がるのも必死の思いだった。
この先午後からの予定もあるし、
こんなとこでこれ以上悩殺されたり湯冷めしてる暇はない。
「先に上がってるからね。」
「あーん、ユウキさん、待ってぇ!」
ホントに、露天風呂誰も来なくて良かった。
鞍馬天狗の嫉妬ぐらいは、構いやしない。

つづく




アニト(9月29日(金)23時44分45秒)
ユウキくん、こんばんは。
「半分ヤケ」が思わぬ力を引き出すこともあります。
若いのですから当たって砕ける心意気で、
とことん前進あるのみです。
物語を書き続けることで必ずや得るものがあろうと思います。
物語の中のユウキの心も揺れ動いてますねー。
なんだかほほえましくも感じますよ。

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