はじめから読む

ユウキ(9月18日(月)23時24分44秒)
お久しぶりですユウキです。
毎日見てはいたんですが…
綾乃さんの作品読んでると頭が真っ白になって
自分の作品の続きが浮かばなくなってしまいました(^^;)
自分が勝手に動いてるのって、変なカンジですねぇ。
★アニトさんへ
>わたしはHDDの増設で何とかしのいでいます。
HDDは1GBで十分足りてたんですけど、
メモリが足りなくて…モデムスピードも遅くて。
今のところ、快適です。
サーバーが混み合ってるみたいですけど(^^;)
>夢を紡いだり壊したり、異性にあこがれたり失望したり、
>自分を見失いかけたり新たな一面を発見したり・・・。
>少年は少しずつ大人になっていくのでしょう。
だといいですね…大人に、紳士になれるかな…。
本編では見込み薄いですけど(爆)
★数値フェチっ娘さんへ
いつもありがとうございます。
>しゅんとしてる友坂さんって可愛いですね。
はい、可愛いです(爆)カンがよろしいようで…
お察しのとおりになるかもわかりませんよ?
★ 綾乃さんへ
京都編…ついにふたりっきりになってしまいましたが…。
続きが気になって自分の作品はおろか、何にも手につきません。
そのうちお返しさせていただきましょう(にやり)
///////////////////////////
「少年 5」
それから1ヶ月ほどして、
猛特訓の甲斐あって僕は新人の小間使いから2軍に正式登録された。
主な仕事は遊園地などでのショーや販売・CM用の撮影など。
あとはたまにテレビの端役も回ってくる。
一軍のメンバーに何かあったときの代役でもある。
ちゃんと決まった額+能力給のお給料ももらえるし、
いつしか、友坂さんからは食事の一覧表も来なくなっていた。
そんなある日。
八木さんが入院したという知らせが入り、撮影所は騒然となった。
なんでも、ハマチの刺身を食べて食中毒になったとか。
普段スタントでとんでもないことをやってるわりには、
病気だとか、交通事故だとかで
入院することの方が多いという、おかしな世界だ。
「ユウコちゃん、あとは演技の撮影だけやし、入ってくれるか。」
監督さんが呼びに来た。
ハデなスタントはほとんど撮影終了していて助かった。
初出演だ。一軍に混ぜてもらえる。
そう思うと僕は嬉しくてたまらなかった。が。
そのとき、重大なことを思い出した。
一軍に混ざる、ってことは、友坂さんとのカラミがあるってコト…。
しかもキャラクターの設定では
ピンクとブルーは仲良し…というかほとんどデキてる。
ブルーってことは、友坂さんなワケで…
(気にしない、気にしない…)
友坂さんは単なる先輩。
今までだってちゃんと接してきたはずだ。
なのに嫌な緊張感がでてきた。
それに追い打ちをかけるように台本には
『子供を助けて瓦礫の下敷きになるピンク。
気を失っているところにブルーが助けに入り、
抱きかかえて豪火をくぐり、脱出する―――――』
気を静めるまもなく、リハーサルが始まった。
本番で面をかぶったらまだ相手の顔が見えないから
気にならないかもしれないが、リハはジャージに素顔だ。
発泡スチロールでできた瓦礫の山に埋もれている僕。
瓦礫が一個ずつ取り除かれていく。
カメラは瓦礫の手前と奥、つまり僕と友坂さんを一人ずつ追っていて、
最後に一つのアングルになる予定だ。
瓦礫が取り除かれ、友坂さんの顔が覗く。
やっぱり変に気が抜けて、変に緊張する。
アテレコで声が入る。
「おい、だいじょうぶか、しっかりしろ!」
「…う…助けに来てくれたのね…みんなは?」
友坂さんの手が触れた瞬間、身をこわばらせてしまう。
目を開けると、友坂さんが視線を逸らす。
続いて、僕も。
流れているセリフとぜんぜんかみ合わない。
「おい、どうしたんや、しっかりしてくれよ。」
監督さんが言う。
確かに、こんなシーン、ふだんなら一発OKのはずだ。
「友坂―。八木より抱っこしやすいはずやぞ、何してんねん。いけいけー」
一軍メンバーから冷やかしが飛ぶ。
「あほなこと言うな!」
友坂さんが苦笑する。
でもその目はゼンゼン笑ってない。
そのあとも5回くらいやったけど、監督さんの望む状態には至らなかった。
「・・・…使い物にならんな…
撮影は明日まで延期。それまでに何とかしてくれ。
できなかったら代役を捜そう。」
撮影ライトの下で奥歯を噛み締めてる僕に、監督さんが告げた。
「…怖いんか。」
うつむき加減で帰り支度をしていたら、友坂さんが声をかけてきた。
「・・・…。」
「……俺のせいやな。」
「いえ…あれは…触られたことなかったんで、免疫がなかっただけです。」
僕は言った。
友坂さんも、いつになく厳しい表情。
「…演技もできないで俳優だなんて、笑っちゃいますよね。」
僕は吐き捨てた。確かにそうだ。
アクション俳優はスタントだけしてりゃいいってもんじゃない。
「相手が…俺じゃなかったら、できる?」
「……わかりません。」
何もかもが未知数だ。すべてに自信がない。演技にも、自分にも。
「・・・…悪かった。あれからずっと考えてた。
女の子泣かせた俺は最低だ。」
・・・…そう、最低。僕の一番軽蔑する人種・・・。
俺はおまえみたいにはなりたくないよ。
「……怒ってるよな…」
「いえ。」
怒ってない。本当に。
今をなんとかしなけりゃいけないんだから、
過去のことを怒ってる暇なんかない。
「俺と…つきあって欲しい。」
「……え?」
「あのときはただ…抱きしめたくて。俺、口下手だから…。」
「……」
「……好き…だから…一緒にいて欲しい。」
僕はあたまがくらくらしていた。
突然何を言い出すんだこの人は。
「何で私なんですか?すぐに抱ける見込みなんてぜんぜんないですよ。」
「そうじゃなくて!」
僕の言葉を遮った。
友坂さんの顔が真っ赤だ。怒ってるのか…な?
「そうじゃなくて…なんて言ったらいいのか…」
「ほかにもっと綺麗なひとがいっぱいいるじゃないですか。」
「そうじゃなくて。お化粧して綺麗な人って怖いんだ。
ユウコちゃんみたいなのがいい。」
「ノーメイクで田舎っぽくて野蛮でがさつで?」
「・・・…僕の演技を真剣に見てくれた。」
「……は?」
「ヒーローって、子供だましだってよく言われるんだ。
でもそれをユウコちゃんはキラキラした目で見てた。
だから、好きになった。」
・・・…そりゃぁ、まぁ、男の子向けヒーロー番組は昔から好きだったし、
撮影所でハデなアクション見せられたら興奮もするさ…。
あ、そうか。ヒーロー番組なんて、他の女の子は興味ないのかも。
きっとそうだ…。
「そんなコト言われても困ります。」
僕は言った。
僕は純男とつきあうなんて考えたことないぞ?
「俺は、ユウコちゃんがいい。一生抱けなくてもいい。ずっと待ってる。」
おいおい、そこまで言い切るなよ〜。
なんだかかわいそうになってくるじゃないか?
「・・・…」
「……ちょっと来て。」
なおも悩む僕。友坂さんは急に僕の腕をつかむと
強引に引っ張って歩き出した。
「ちょっ…友坂さん、止めて下さい!」

つづく




アニト(9月19日(火)23時47分18秒)
ユウキくん、こんばんは。
身体の調子はいかかですか?。
健全な精神は健全な肉体に宿るといいますからね。
ユウキくんは他でもない、今このレスを読んでいるユウキくんです。
物語でもリアルな生活においても。
もう1人の自分に翻弄されてはいけませんよ。
物語を書くことは自己を見つめる作業です、ガンバってみましょう。




ユウキ(9月21日(木)20時24分03秒)
★アニトさんへ
>物語でもリアルな生活においても。
>もう1人の自分に翻弄されてはいけませんよ。
はい・・・(^^;)ガンバります。
でもなんかたま〜に自信なくなるんですよねー・・・
★さくらさん・唯奈さんへ
>唯奈は、セーラー戦士の中でセーラーマーキュリーが好きですね。
>次はセーラーウラヌスかな
僕もコスプレ系OKですよん♪
僕自身「チビうさが似合う」とか言われてるんですが・・・。
僕は嬉しくないなぁ(^^;)
セーラームーンはヒールが辛いんですよねぇ。
少年キャラ出てこないのかなぁ(ToT)
★綾乃さんへ
>お返し・・(にやり)・・ぞくぞくしちゃいます。
じゃぁ、そろそろ始めましょうか。お誕生日でもあることだし。
プレゼントの準備はできてますよ?(にやり)
★沙希さんへ
>たとえ「河合広海」と
>「河合穂香」が同一人物であっても、
>これは明らかに「三角関係」になるのだろう。
・・・・・・・・・なんだか解る気がします・・・・辛いな、コレは・・・。
自分に重ねてしまって読んでいます(^^)
★数値フェチっ娘さんへ
>「綾乃17才」でのご活躍、ドキドキしながら読んでます。
えぇっ?!これも僕の責任なんですかぁぁ???うひー・・・(^^)
>あ、『i-mode舘』もよろしくお願いしますね。
おかげさまで、i-mode館にハマった月のパケット料が3万越えました。
普通は通話料込みで1万円ちょっとなのに。
でも、おかげで今の僕があるんですけどね(^^)
/////////////////////////////
「少年 6」
ついたところは、撮影所の喫茶店。
観光客用に、豊富なメニューがそろってる。
「座って。」
席に押し込まれるようにして座らされる僕。
友坂さんが何か注文して…。
「どうぞ。」
出てきたのは。抹茶セット。抹茶と和菓子がついてる。
「?!」
唖然とする僕を後目に、
友坂さんは抹茶椀を手に取ると、おもむろに飲み干した。
「・・・…」
「・・・…」
青汁を飲んだようなマズそうな顔になる友坂さん。
それをみて絶句する僕。
「と…友坂さん?」
「・・・…のめるように、なった…」
息も絶え絶え、って感じ。何が起こったんだ?
「なんでまた…。」
「ユウコちゃんが、好きだって言ったから…。
飲めるようになりたかった。」
口のまわりに緑の泡をいっぱいつけたまま。
「飲めたら…ユウコちゃんになれそうな気がした。」
(・・・…?)
「本当は、もっと美味しそうに飲めるようになってから
言いたかったんだけどね。」
照れたように笑う友坂さん。
一方、僕は何か引っかかってた。
『ユウコちゃんになれそうな』。
普通告白するのにそんな言い方するかな?
好きな人の好きなものを一緒に食べたい。
これは解る。でも、僕だったら
『飲めたら、君の気持ちがわかるかも、って思った』とか言うだろう。
『ユウコちゃんになる…』どういう意味だ?
まさか。
「友坂さん…変なこと聞くけど、おっぱい好き?」
「えっ……やっぱり怒ってるの…」
「ううん、なんとなく。
抱きたい、じゃなくて触れたい、ってあるじゃない?」
「……僕…触りたい。柔らかいのが…好きで…」
一人称が僕に変わった。
うつむき加減の友坂さん。
誘導尋問にかけてるちょっとした後ろめたさと、
相手の心を探るドキドキ感。
僕は胸が高鳴るのを感じていた。
「ピンクの衣装、着てみたい?」
「え?あ、うん、着てみたいって思うよ。入ればね。
俺体大きいから入らないよ。」
「……じゃぁさ、スカートは?」
「えっ…考えたことないよぉ。俺変態じゃないしー。」
いや。素質は十分だ。本人が気づいてないだけ。
どうみたってマッチョ男な友坂さんからちらりと覗いた、可愛い女の子。
僕がデートの時感じた「苦にならない」っていうのはこれだったんだ。
友坂さんは女の子になりたがってる。
「ユウコちゃんになりたい」は
「抱きたい」じゃなくて「同化したい」だ。
僕は友坂さんがいとおしく思えてきていた。
「ねぇ、友坂さん。お抹茶ってね、お菓子を先に食べるものなんだよ。
はじめから抹茶飲んだら誰でも苦くて飲めないよ。」
「えっ?!そうなの?!俺、作法とかゼンゼン知らなくて…。」
あわてる友坂さん。
「ふふ。友坂さんって、可愛い。」
「ユウコちゃんのほうが可愛い。」
この子を僕のものにして…僕好みに育ててしまおう。
その素質も、育つ見込みも十分だ。
なんせ、食生活プログラムを自分で作って、
抹茶まで飲むようになったんだから。
「ユウって呼んで。あと、手つなぐ以外は触るの無し。それでいい?」
「・・・…え?」
僕はにっこり笑ってあげた。
まぁ、当分の間は女の子でいるしかないが。
急いては事をしそんじる、さ。
友坂さんが「自分」に気づいたら、自然に流れは変わってくる。
「トモ、口の周りに緑のひげが生えてるよ。」
真っ赤になってる友坂さんの口の周りを、
僕は手を伸ばして拭いてあげた。

つづく




アニト(9月21日(木)23時36分37秒)
ユウキくん、こんばんは。
何事にも自信のある人ほど人間的な魅力は薄れていくものです。
自信がないからそれを補おうと人は考え、努力します。
どうしたら(身も心も)美しくなれるだろうか?、
どうしたらすてきな物語を書くことができるだろうか?。
だからこそ努力する人が輝いて見えるのです。
物語がこういう展開になるとは思いもよりませんでした。




ユウキ(10月10日(火)19時56分19秒)
お久しぶりです・・・
綾乃17歳京都編を書き終えて、
少しお休みを頂いてしまいました(^^;)
気を取り直して、「少年」の続きです・・・
ってみなさん覚えてます???
////////////////
「少年 7」
翌日の撮影はもちろん一発OKだったことは言うまでもない。
そうして僕たちはつきあい始めた。
まぁ、普通のカップルからみれば
かなり風変わりなつき合いだったと思う。
いつも一緒にいるくせに、手もつながない。
手をつなぐのはたまに僕の機嫌がいいときだけ。
公私混同は絶対しない約束だったから、
撮影所では僕は後輩としてお茶くみから使い走りまで完璧にこなしたし、
トモも先輩面を崩さなかった。
そのかわり週末は遊園地に行ったりスポーツをしたりいろいろと楽しんだ。
それはそれで、二人とも楽しかったし満足だった。
僕は男とつき合った経験が無く、
トモはそもそも「つき合う」という経験がない。
つまり二人とも童貞君だったわけで(笑)、
ある一線を越えようとすると背伸びをしたりムリをしたりしてしまう。
だから、ムリしない程度につき合うと、
「少年同士のじゃれ合い」になってしまうのだ。
ただ、困ったことにトモは初めて彼女が出来て舞い上がっているらしく、
たびたび、「お腹が痛い」と偽っては
トイレに駆け込むことが多かった。
彼なりの配慮だったとは思う。
なんせ、僕を泣かせたという負い目があるから。
そうして、手をつないだだけで半年が過ぎた。
トモはそれなりに苦しそうでもあり楽しそうでもあったが、
彼女という張り合いが出来たからか、仕事の方はかなり順調だった。
で、僕はというと、かなり悩んでいた。
学校の友人に彼氏が出来たことがバレて、経過を聞いてくる。
適当にあしらってはいるものの、やっぱり馬鹿者扱いされてしまう。
「えー!半年も何もしてないって、恋人ちゃうやん!」
「彼氏よく平気やなー、かわいそう…」
ほっといてくれ、といいたいけれど、
トモの気持ちを考えると解らなくもない…。
でも、トモは絶対に自分からは言い出さない。
我慢強いというかマゾっけがあるというか、
単にのんびりしているだけなのか…。
半年すぎてやっと、チャンスがあれば
頬にキスくらいはしてあげようかと思うようになったけれど、
40センチも身長差があるとそれもままならない。
トモはまだまだ「自分は男だ!」という意識が強くて、
本当にたまにしか女の子を見せてくれない。
酒が飲めないトモは酒を飲ませると気分が悪くなるし、
完全にリラックスさせるとなると、かなり難しい。
そもそも僕の存在自体が「自分は彼氏だ」と思わせてしまって、
気合いを入れさせてしまう。
でもこのままずるずると彼女の座に座ってしまうのは、
僕としては嬉しくない。
半年もトモばかり見ていると、女の子が恋しくなる。
でも、浮気は性分じゃないしな…。
僕だって性欲がないわけじゃないんだ。
なかなかトモに向かないだけで。
やっぱり中性同士のままでじゃれあってるのが一番気が楽なのになぁ。
トモにしろ僕にしろ、性欲ってのは厄介だ……。
僕はいったいどうしたらいいんだろう。
トモが女の子の自分に気がついてくれれば話は早いんだけれど…
その前にはどうしても、「僕は女じゃない!」という強い反動が帰ってくる。
暴れられたら僕は絶対負ける。
返り討ちにあって僕が「女の子」の殻に
押し込められるようなことにはなりたくないし。
自分が解っていると先の予測がついてしまって、なかなか踏み出せない。
のんきなトモが恨めしい。
そんな悩み事を考えていたある日。
「ユウ、俺次のシーンで今日はあがりやし、一緒に帰ろう。」
「うん、いーよ。先に荷物まとめて食堂でお茶でも飲んでるから。」
先に仕事の終わった僕はおやつでも食べようかと、食堂に向かった。
が。
「……あれれ?」
足がもつれて2.3回廊下の壁に体を打ち付けてしまった。
「なんか、ヘン…?」
壁に手を当てて体勢を立て直そうとした次の瞬間。
「……」
目の前に砂嵐が走ったかと思うと、視界がブラックアウトした。
……ゴンっ……
自分の頭が冷たいコンクリートの床に当たる、鈍い音…
僕はそれを遠くの方で聞いたような気がした。

つづく




アニト(10月10日(火)23時48分44秒)
ユウキくん、こんばんは。
「少年」の再開、うれしく思っています。
前話のラストでセリフの中に「トモ」という呼び方が出ていましたが、
今回はトモ・オンパレードですね〜。
にもかかわらず半年もの間ナニもなく、
女の子として目覚めさせてもあげないとは・・・。
かわいそうなトモちゃん。
相手をリラックスさせる効果的な方法はスキンシップですよ。




ユウキ(10月11日(水)23時48分06秒)
★アニトさんへ
>にもかかわらず半年もの間ナニもなく、
>女の子として目覚めさせてもあげないとは・・・。
お互いに初体験でしたからねぇ。・・・
どうやったらいいのか手探り状態で。
まぁまぁ、じれったいでしょうけど、続きをどうぞ・・・
/////////////////////////////
「少年 8」
目を開けると、医務室の白い天井が見えた。体が重くて動かない。
「ユウ〜!」
頭を動かして横を向くと、
ベッドサイドで僕の手を握りしめて号泣しているトモがいた。
「何、泣いてんの。」
「だってだってだってぇ〜……ふええぇ…っ…」
トモ、女の子モードだ…。こんな時に(笑)
女の子モードの時ってどうしてみんなこんなに可愛いんだろう。
…ってことは僕もユウコのときは可愛いんだろうか。
…なんて考えてる場合じゃなくて。僕はいったいどうしてこんな所に?
「だめじゃない、こんな熱で仕事してるなんて。」
カーテン越しに女医先生が顔を出した。
「40度もあるのよ、風邪かしら?」
「風邪ですかね?喉痛くないし、くしゃみも頭痛もないけど。」
たぶん2年に一回はある知恵熱だ。
トモのことを考えすぎた。高熱と脳貧血で倒れたのか。
たんこぶになった後頭部が、ズキズキしている。
「トモ、撮影すんだの?」
「うん、すんだ。送って帰ろうか?」
「……先生、ここ、泊まって帰ってもいいですか?動けそうにないし…。」
「ええ、隣の仮眠室でならどうぞ。」
トモが女の子モードの時は僕はとっても安らいだ気持ちになる。
傍にいたい。
おちおち帰ってなんか居られない(笑)
「……トモ、食堂行って、
スタミナ定食とポカリスエットのLサイズ2つ買ってきて。」
「食べるの?!」
女医先生が驚いた顔してる。
「食べられるうちに食べとかないと治らないでしょ。」
僕は平然と答える。
高熱が続くと食欲もすぐ無くなる。
トモはというと、一目散に医務室を飛び出していった。
本当に、従順でいい子だ♪
夕飯を平らげると、さすがに熱が41.4度まで上がった。
息が上がってくる。
「この熱で意識混濁しないなんてねぇ。」
女医先生が呆れている。
「解熱剤飲んだからそのうち下がりますって。それに平熱高い方だし。」
僕は答える。意識混濁したら救急車だ。負けるもんか。
そこへ電話がかかって、
「ちょっと出てくるから、何かあったら携帯鳴らしてちょうだいね。」
といって女医先生は出ていった。
きっと撮影所で誰かケガでもしたんだろう。
「俺…風邪とか引いたことなくて…何して良いのか解らないよ…」
静まり返った部屋の中で、トモがまた泣いてる。
しょうがないなぁ。
「ダイジョウブ、ボクは、慣れてるから…」
頭をなでてあげる。
そんなにしんどいつもりはないのに、息が切れて、重病そうに見える。
そうそう、トモとつきあいだして
「ユウ」と中性的な呼び方をされるようになってから、
僕は一人称を「ボク」に変えていた。
トモの頭を撫でるのは、初めてかな…
いつもは高すぎて手が届かないから。
スポーツ刈りの頭、手触りがなかなか気持ちいい。
しばらくそうしていると、トモが泣きやんだ。
ボクの手を頬に当てて、目をつぶってじっとしてる。
たぶん、かなり女の子モードに入ってる。
「トモ…ちょっと、起こして。」
僕は両手を差し出した。
トモが僕を抱き起こす。
手をつなぐ以上のことだけど、非常時だから例外だ。
半身を起こすと、血圧が低いせいかまた頭がフラフラする。
僕はそのままトモにもたれかかった。
「……え。」
トモが焦っているのが解る。
僕は構わずトモの首に両腕を回して肩口に顔を埋めた。
「トモ…抱っこ、して。」
トモの体が冷たくて気持ちがいい。
どうしてこう人肌ってイイんだろう。
寒いときはもちろん、こっちが熱があるときも…
人肌って本当に不思議だ。
「ユウ…」
トモは氷枕を手にとって、僕の後頭部に当ててくれた。
気が利いてる。甲斐甲斐しい子は、大好きだ。
「抱っこ以外は…したら許さん。」
「こんな状態でするわけないよ。」
トモの右手はボクの背中にあって、
左手は氷枕持ってるから動きようがない(笑)
そのうち薬も効いてきて、眠くなってきた。
「トモ、仮眠室に移って、眠りたい。」
トモは僕を抱き上げて、仮眠室に運んでくれた。
ついでに氷枕を取り替えて、水分補給もしてくれて。
「何して良いのか解らない、っていうわりにはちゃんと出来てるじゃない?」
「本当?よかった…」
無邪気な、そして無防備なその笑顔に、僕も何故かほっとする。
下心が全く見えない。
警戒する必要がぜんぜんない。可愛いすぎる。
……体さえ動けば、ぜったい襲ってる(爆)
「トモ…今夜は一緒にいて…。」
半分眠りに落ちながら、僕は言った。
トモは黙って僕を抱きしめていた。
高熱で体が辛いと、誰だって心細くなる…。
僕は熱の所為にして、トモとの距離を一歩近づけることに成功した。

つづく




アニト(10月12日(木)00時01分17秒)
ユウキくん、こんばんは。
わたしにもそんな時代がありました、ふむふむ。
けっしてじれているわけではなく、
むしろほほえましく思っているのです。
わたしはそんなユウキくんに好感を持っているのですよ。
どうやったらいいのか、それを自分で見つけてください。
大いに恋しましょう、恋愛は人を成長させます。


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