OSTS(7月26日(水)00時27分06秒)
MRF−6:女装者
  − 第1話「プライド」 −
1st.

私の名は村岡修造。
あの、村岡グループの次期社長候補の超エリートだ。
36才という若さで、村岡グループの次期社長に推薦されている。
金も名誉も、そして美女も!!私の思い通りにならないモノは何もない。
そうさ。今もこうして俺の目の前には・・・
モデルかとも思える美しい美少女が!
夜景を眺め、窓ガラスに反射して写るその顔は、
どこか寂しげでもあり、また強い決意のようなものも感じる。
「あの・・・私・・・先にシャワーを・・・」
「シャワーなんて後でいいから。ほら、こっちを向いて、穂香ちゃん!」
ガラス越しの少女と目が合うと、たまりかねて体の向きを変えさせる。
こちら側を向かせると、
その瞳は今にも涙がこぼれ落ちそうなほどに潤んでいる。
身長は165cmはあろうか。女としては割と長身な方だ。
それでいてスラッとした体型で、色白だ。
歳は20歳と言っていたが、本当だろうか?
背伸びをして大人を装おうとしているが、
どこか頼りなく幼げで、危うい雰囲気が滲み出ている。
おそらく17か、18といったところか・・・まさに「少女」だ。
髪はショートカットで、首筋のラインがとても美しい。
ロングヘアーはダメだ、うっとおしい。
あの広末玲子だって、首筋のラインでA+なんだ。
そして何より、この娘の恥じらう姿が最高だ!
ちょっとウェストに手を回しただけで、肩をすくめ、頬を赤らめるっ!
「私、少し汗をかきました・・・シャワーを浴びたい・・・」
「そっ・・・そんなの気にしないさ!さぁ、早く!!」
「まっ・・・待って・・・あっ!」
パステルブルーのドレスの裾をめくり、
白く、柔らかな太股に手のひらを滑らせる。
あぁ、柔らかい・・・若い女の躰はなんとしなやかで柔軟なんだ。
一口で食べてしまいたい!
「駄目っ!そこは・・・お願いっ!」
「君から誘惑してきた癖に、ずいぶんと恥じらうじゃないか。
まさか、初めてではなかろう?」
そのまま手を上方に滑らせつつ、ドレススカートをたくし上げる。
おおっ!やはりパンティは純白だ。
レース使いの、清潔感あふれる白だ。
黒や赤のパンティなどでは興奮するもんか。
「お願い、せめて・・・パンティだけでも替えさせて・・・」
「どうせもう、濡れてしまっているんだろう?
良いさ。いっぱい濡らしておくれ!
私は、今キミが身につけている、この白のパンティがお気に入りなんだ!」
「嫌っ!」
首筋に舌を這わせながら、熱い息を吹きかける。
私は愛撫の時、あっという間にパンティを脱がせてしまったりはしない。
パンティを履かせたまま焦らすように愛撫し、
その小さな布片に体温をしっかり受け止めさせ、
恥ずかしい汚れを染み込ませるのだ。
濡れたパンティはやがて透き通り、
脱がさなくともその下の大切な部分を露わにするだろう!
「お願い、嫌です・・・こんなの、恥ずかしい・・・」
高層ホテルらしい大きな窓ガラスに寄りかからせ、愛撫を続ける。
立っているのがやっとなのか、
膝をすりあわせ、小刻みにふるえているようだ。
小さなヒップは両手ですっぽりと包み込むことができ、
激しく揺らすように揉みほぐす。
そこから前方に移動し、もっとも敏感な部分をなぞろうとした瞬間、
手首を捕まれ、激しく抵抗してくる。
恥じらいの演技にしては、頑なに拒みすぎる。
もしかすると、これは・・・
「まさかキミ、本当に処女なのか?」
「・・・」
沈黙での回答は、肯定を意味するのだろう。
今にもこぼれ落ちそうなほどに、瞳にため込んだ涙がそれを裏付けている。
まさかこんなパーティーで、
処女の女を抱くことになるなんて思いもしなかった。
しかも誘ってきたのは彼女の方からだ。
処女の女を抱くのは初めてではないが、
あれこれと手を尽くして誘い、やっとの思いでモノに出来るのであり、
こんなケースはきわめて珍しい。
・・・いいだろう。じっくりと愛撫するのは、むしろ望むところだ。
必ずその気にさせてやる。
「あっ・・・うぅ・・ん・・・」
「かわいい声だ。もっと鳴きなさい。そのうちに羞恥が快感に変わる。
・・・ほら、内股がしっとり濡れてきたよ。この分じゃアソコはもう・・・」
「・・・いやぁ・・・駄目・・・っ!!」
窓に背中をつけたまま、ズルズルと崩れ落ちようとするが、
そんな少女の肩を抱き留め、体制を立て直させる。
少女自身の両足でしっかりと立たせ、そのまま愛撫を続ける。
決して座らせない。寝かせない。立たせたままが興奮する!
頬にはすでに、こぼれ落ちた涙の痕が。
泣いているのか、少女よ。
恥ずかしさのあまりに泣くのか?
それとも、初めての経験に恐怖を覚えているのか?
「はっ・・・あぁ・・・ん・・・」
「男とは初めてでも、自分の指で慰めたことくらいはあるだろう?
さぁ。自分でしてごらん?」
「はぁ・・・はぁ・・・う・・ん・・・」
まだ男のモノを受けたことがない、
ぴったりと閉じた割れ目の上辺りを、指先でソロソロと弄る。
もちろんパンティの上から、ソフトにだ。
「どうだい?気持ち良いかい?
人に見られながらオナニーする気分は、どうだい?」
「恥ずかしいです・・・でも、気持ち・・・良い・・・」
「よしよし。もっと恥ずかしくしてやろう。」
「・・・あっっ!」
抵抗する少女の手を払いのけ、無理矢理パンティを引きずりおろす。
ナイロンのパンティはスルリと音を立てて、白い太股をすべり落ちる!
しかし残念なことに、パンティを下ろすのと同時に、
ドレスのスカートまでもが一緒に下がり落ちてしまった。
まだこの少女の、一番大切な部分を拝むことはできない!
「そのまま続けてごらん!
大丈夫。スカートに隠れて、大切な部分は見えていないよ!」
白のパンティを足下に落としたまま、
スカートの中に手を入れてオナニーに更ける少女。
そしてもう一方の手は、自分の耳たぶを揉みほぐすように愛撫している。
クリトリスと耳たぶが性感帯なのだろう。
なんて絵になる光景だ!
大きな窓ガラスに映るのは、地上32階からの夜景。
最高のキャンバスじゃないか!!
オナニーをしつつも未だ恥じらいは捨てきれないのか、
両足はぴったり閉じたままだ。
頬は赤くなり、目は虚ろに中を仰ぎ、
はぁはぁと息を荒げるその様子は、
まるで熱病に浮かされているようだ。
あぁ、この娘は最高だ!!もう辛抱たまらない!!
「キャアァッ!!」
ブルーのドレススカートの中に頭から潜り込む!もう我慢は限界だった。
 * * * * * *
そこは、とある一流ホテルのパーティー会場。
そこへ招待されているのは、
いずれもが大企業の役員クラスや、政界の大物たちばかり。
超一流を誇るかのような、パリッとしたスーツやタキシード姿の男たちが
シャンパングラスを傾けている。
そして女たちも可憐なドレスに身を包み、
「超一流」達の傍らで談笑を楽しんでいる。
小さな手の甲で口元を隠して笑い、白く華奢な肩を上下に揺らす。
互いの美を賞賛しあいながらも、
心奥では如何に意中の男をモノにするか、
如何に出し抜くかを巧みに計算している。
「今度おたくの、例の商品を・・・」
「キミのあの報告書は・・・」
「その企画は、ぜひ我々のチームで・・・」
「超一流」達の会話はやたらと指示語が多く、
注意深く聞き耳を立てても内容は全く理解できない。
いや、会話の内容だけでなく、この派手なパーティー会場全体が、
まるで異世界の出来事のようだ。
(なにモタモタしてんのよ!?まだ標的見つからないの?)
「人が多すぎるんだよ。あまりウロチョロしても怪しまれるし。」
(言葉遣いに気をつけなさい!
早く見つけないと、口説く暇なんて無いわよ!)
「あっ!ちょっと待て・・・見つけた!!あいつだ!!」

パステルブルーのドレスを可憐に翻し、
「超一流」達の間をすり抜ける。
会場中央に設置された立食バイキングで、
ローストビーフの味を楽しむ中年男。
腕時計の液晶に表示されている
顔写真の男、そいつだ。
(見つけたの?念のために、
そいつの写真送って!
こっちで確認するから。)
腕時計型のデジカメで、
標的の顔を撮影する。
ローストビーフを頬張る間抜け面が
静止画になり、
キャップコム(通信本部)へ送られる。
(確認したわ。・・・チョット!
ずいぶんイイ物食ってんじゃない!?
あんたばっかり良い思いして、なによ!)
「ボクは何にも食べてないよ!
それより優子、どう?こいつで当たり?」
(言葉遣いに注意!!・・・そいつよ。間違いないわ。
あとは穂香の腕の見せ所よ。上手くやってね。)
ピアス型の通信機を切り、標的に近づく・・・
軽く咳払いをし、小さく発声練習。声のトーンを一段階上げる。
「・・・はじめまして。こんにちは。村岡グループの、村岡修造さんですね。」
「あ?や、やぁ、こんにちは。・・・誰だね?キミは。」
「私、河合穂香(ほのか)と申します・・・」

                     つづく




OSTS(7月26日(水)23時03分04秒)
はじめまして。
先に投稿を済ませてしまい、ご挨拶が送れました。
OSTSと申します。
管理人のアニト様へ。>
先に投稿したお話のイラストが数点あるのですが
どこかへ表示できますか?
挿し絵程度の稚拙な物なのですが。
もし可能であれば、お願いできないでしょうか。
綾乃様、その他の方々へ>
初めまして。早速のお返事をありがとうございました。
綾野様のお話も、そのほかの方たちのお話も
ずっと読んでいました。
これからも面白いお話を楽しみにしています。
OSTSは、ただのペンネームです。
読み方も、そのままアルファベットの発音です。
どうぞこれからも宜しくお願いいたします。




アニト(7月27日(木)00時26分21秒)
OSTSさん、はじめまして。
大作の雰囲気漂う出だしですね。
バーティ会場に潜入し
ダーゲットの若き社長候補に近づく謎の女と
さまざまな小道具を用い、陰でサポートするその一味(?)。
なんだかスリリングなスパイ物語のようでドキドキワクワします。
ぜひ完結までもっていってくださいね。
「MRF−6:女装者」とはどう意味なのでしようか?。
できればお名前も暗号?ではなく、
いつも使っている名前で書き込んでいただくとうれしいのですが。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
◆ OSTSさんへ ◆
イラストの表示は写真と同じ扱いになりますから
『別棟』の「キャンペーンガールs」をご覧ください。
http://www.geocities.com/WestHollywood/Chelsea/7469/toko.html
ただし受付はメールでのみです。
この掲示板に直接張り付けないでください。
それとお訊きしたいのですが
イラストおよび物語をどこかに投稿したことはありますか?。
もし他でも読める見ることができるのであれば
残念ながら表示はできません。
これは「キャンペーンガールs」の応募要領にも書いてありますが
『空想デート』オリジナル作品を掲載したいのと同時に、
今後もしかしたら発生するかもしれない盗用を防ぐ意味もあります。
名前を偽り、他者の作品や写真を盗むことはもちろん許されざることですが、
たとえご本人が投稿したにせよ、それは確認のしようがありません。
無用なトラブルを避けるためにもご理解いただけるようお願います。

それと、もしできるならば
やはりお名前はベンネームでない方が望ましいのです。
ときどき書くことですが、
物語は自己紹介であり、自己紹介は物語である、
くわえて名前も人格の大きな部分を占めているとわたしは思っています。
オーエスティエスさんではなんだかあなたの姿が見えてこず、
会話としてのレスがつけにくくもあるのです。
もし、これまでお名前を持たずに来たのであれば、
『空想デート』のみで使用する名前でもかまいません。
ご一考くだい。

なお、ご返答はなるべく物語の前文として
一緒に書き込みをしてくださるか、メールでお願いします。




OSTS>沙希(7月27日(木)23時36分06秒)
こんばんは。
OSTS改め、沙希です。
アニト様からのご指摘により、名前を変えてみました。
今度は、本名に近いです。
どうぞよろしく。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
MRF−6:女装者
  − 第1話「プライド」 −
2nd.
(もしもし?穂香?)
「優子?聞こえてる?・・・これから部屋に入るところ。」
(うまく誘惑できたみたいね。穂香ったら、通信機切るんだから。
穂香の誘い文句を聞いてみたかったのに、残念だわ。)
「そんなことより、ちゃんと録音よろしく。
もう二度と女の子に悪戯できないよう、
村岡のプライドをズタズタにしてやるんだから。」
(ok!まかせといて!)
ピアス型通信機の感度を最大に上げ、個室の外へ出る。
この、扉を開ける瞬間は今でもまだ慣れることができない。
大きな鏡張りの化粧台では、すでに数人の女たちが陣取って、
化粧を直している。女子トイレの鏡の前は、まるで戦場のようだ。
隣同士互いに火花を散らし合うように、
ルージュを引き、香水をふり、ヘアスタイルを整える。
この女だけの戦場に、ボクなんかが入り込む余地なんて無い。
165cmの長身もコンプレックスになり、
そそくさと逃げるように女子トイレを後にした。
エレベーターに乗り、最上階の32階。
長い廊下を突き当たりまで歩くと、そこが標的の部屋。
「VIP−ROOM」と記されたその部屋をノックしたのは、
黒服を着た大柄な男だ。
「失礼します。面会の方がお見えです。・・・女性ですが・・・」
「・・・ブルーのドレスの女か?私の客だ。通しなさい。」
「失礼しました。どうぞ。」
この男、きっと村岡修造のボディガードだろう。
ホテルの一室とは思えないほどの広い・・・
リビングだけで50畳はあるだろうか?
豪華な装飾品が並ぶ部屋に入る。
そこには村岡ともう一人、別のボディガードが付き添っていたが、
すぐに退出するよう命じられたようだ。
「・・・女性ですが・・・ボディチェックは?」
「とんでもない。レディに対して失礼だろう?早く下がりたまえ。」
「失礼いたしました・・・それではごゆっくり。」
なるほど。調査通り、相当なフェミニストだ。
こんな事なら、このブルーのドレスの下、完全武装してくれば良かった。
あんたは今まで、そのフェミニズムで女を騙していたのかもしれないが、
今日はそれが仇となるんだ。
あんたの本性、しっかりと見極めさせてもらうんだから。
「まぁ、座りたまえ。飲み物は何がいい?」
「あ、いいえ、何も・・・」
「そう言わずに、水割りとフルーツでもどうだ?それとも甘いお酒が良いか?」
電話でルームサービスを頼む村岡。
女の前では至ってマメな男になるようだが、そのぶん無防備だ。
本当に、こんな男に騙される女がいるのかと疑いたくなるほどに、
下心丸出しな奴!部屋の照明まで暗くして・・・
「ところで・・・穂香クン。歳はいくつかな?」
「あっ・・え・・・と、20歳です。」
「20歳か。ずいぶん若いんだな。
キミみたいな若い子が、どうして私なんかに?」
「私みたいな子供じゃ、だめですか?」
「だめだなんて、とんでもない。
キミは決して子供なんかじゃない。立派なレディだよ。」
「それでは、よろしければ今夜は、私を・・・」
「今夜は?・・・今夜だけなのかい?」
タキシードを脱ぎ捨て、趣味の悪いベージュのバスローブに着替える。
36歳の腹は醜く出っ張り、毛むくじゃらだ。吐き気がする。
あの腹をナイフで割くと、きっと中身は真っ黒なのだろう。
こんな醜い男に多くの女たちが騙され、犠牲になったのか?
きっと財力に目が眩み、自分を見失い、そして後悔したのだろう。
同情するよ。
「失礼します。ルームサービスですが、通しますか?」
「あぁ。俺が呼んだんだ。通せ。」
村岡が注文したフルーツがテーブルに並べられる。
ボディガードも下げられ、マスターキー以外では扉も開かない。
いよいよ村岡修造と二人っきりになった。
 * * * * * *
(穂香・・・あれから沙希ちゃんはどうしてる?)
「最近は、ずっと寝てるよ。全然目を覚まさないんだ。
起きるとうるさいから、ちょうど良いけど。」
(・・・やっぱり私、気がすすまないの。
まだ彼女の傷は癒えていないのに、こんな事をして・・・
沙希ちゃんは、穂香ほど強くはないのよ。)
「わかってるよ。でも、アイツだけはどうしても許せない。
表社会では次期社長だなんて偉そうな顔してるけど、
ウラでは女の子を食い物にしてるんだから。
あいつがここまでのし上がったのも、きっと悪い事したんだよ。
だから、あいつに騙された女の子達の為だけじゃなく、
沙希の為にも・・・どうしても許せないんだ。」
(・・・そこまで思ってるなら、私に止める権利はないわ。
でも、これだけは忘れないで。
沙希ちゃんだけじゃなく、穂香自身だって傷ついてる筈なんだからね。
絶対に無理しないで。)
「ありがと、優子。・・・あ、もう出てくるみたい。」

高層ホテルの厚い窓ガラスに、
自分の顔を写す。
泣き出しそうな顔。
鏡に自分の姿を映すたびに感じる事。
「なんて不完全な人間なのだろう?」
この窓から見下ろす街の光は、
様々な色で輝きを放ち、
それぞれの方向に向かって進んでいる。
まるで海の底を泳ぐ魚のようだ。
光同士が交わり、波長を変え、
より強い輝きを放ちながら、
新しい進路を取る。
時には強く反発したりしながらも、
決して止まることはないだろう。
そうしてこの街、この社会は絶えず動いている。
・・・だが、自分はどうか。
輝くことをやめ、進むこともやめてしまった。
そうなったのはなぜ?なぜ今の自分はこうなった?
男である筈の自分が、なぜ女を装う?
「どうだね、ここから見る夜景は。なにせ32階だ。
下界を見下ろす気分だろう。」
シャワールームから出てきた村岡が、
背後から私の肩を抱き、首筋に口を付け舌を這わせてくる。
改めて窓ガラスに写った顔を見ると、
さっきまでの泣き出しそうな自分の顔はもう無い。
「素晴らしい眺めだ。この夜景は全て、私のためにある。
見たまえ、あの下界を這いずりまわる人間達を。」
そうだ。鏡の向こう側に写る、自分の虚像に誓ったんだ。
もう二度と、本当の自分には戻らない。
「私は、彼らとは住む世界が違う。いわばこの夜景は、私への貢ぎ物だ。」
過去の自分を殺したのは、全く別の自分を演じる為。
別世界へと足を踏み入れたのは、
ここには本当の自分を知る人間が誰もいないから。
「キミにその気があるのなら・・・いつでもこちらの世界の住人になれるよ。」
だからこそ、演じやすい。
役者の素性を知っている客の前では、演技はやりにくい。
ここは舞台だ。
そして私は、復讐というシナリオを演じる、女優なのだ。
「あの・・・私・・・先にシャワーを・・・」
「シャワーなんて後でいいから。ほら、こっちを向いて、穂香ちゃん!」
村岡に肩をつかまれると、無理矢理身体を反転させられ、
そのまま窓ガラスに身体を押しつけられる。
「ドン」という低い音が広い部屋に響く。
思ったより力が強い。
よく磨かれたガラスの向こうは地上32階のパノラマ。
このままガラスをすり抜けて、落ちてしまいそうだ。怖い・・・
「私、少し汗をかきました・・・シャワーを浴びたい・・・」
「そっ・・・そんなの気にしないさ!さぁ、早く!!」
「まっ・・・待って・・・あっ!」
右手でウエストを引き寄せられた状態で、
左手はドレスの裾から入り込んでくる。
太股をまさぐられると、村岡の熱がじっとりと伝わってくる。
その手はしだいに上方へ滑り、ドレスのスカートをまくり上げる。
骨盤のあたり、下着のサイドの部分を撫でられると、
全身の力が抜ける。・・・弱い部分だ。
「駄目っ!そこは・・・お願いっ!」
「君から誘惑してきた癖に、ずいぶんと恥じらうじゃないか。
まさか、初めてではなかろう?」
屈辱だった。
なぜこんな男に辱めを受けている?
なぜ意思とは無関係に身体が反応する?
身体の力が抜け、このまま崩れ落ちそうだ。・・・崩れ落ちたい?
このまま、32階の窓の外へ落ちてしまいたいのだろうか。
「お願い、せめて・・・パンティだけでも替えさせて・・・」
「どうせもう、濡れてしまっているんだろう?
良いさ。いっぱい濡らしておくれ!
私は、今キミが身につけている、この白のパンティがお気に入りなんだ!」
「嫌っ!」
怖いのに・・・落ちるところまで落ちてみたい。
どのみち、私の先に光はないのなら・・・死ぬのは、舞台の上がいい。
女優として演技を続けたまま死んでしまいたい・・・
この深い闇の底へ・・・ブルーのドレスでイルカになり、
海の底へ沈んでしまいたい・・・
「お願い、嫌です・・・こんなの、恥ずかしい・・・」
もっとも大切な部分へ、手が伸びてきた。
とっさに村岡の手首をつかむ。条件反射だ。
そこを触られたら、舞台の幕は下りてしまう。
「まさかキミ、本当に処女なのか?」
心が悲鳴を上げている。「思い出すな!」と。
過去の記憶を捨てるために、過去の自分からも手を切った。
そうやって私は、「今の自分」を守るために、
大切なものを一つ一つ切り捨てていった。
最後に残るものは何だろう?
(・・・穂香・・・穂香・・・)
・・・どこからか、声が聞こえる・・・懐かしい声。暖かい。
そういえば、さっきからずっとこの声に呼ばれていたような気がする・・・
(穂香!・・・聞こえてる?穂香!!)
その瞬間・・・涙がこぼれ落ちた。

                つづく




OSTS>沙希(7月29日(土)01時10分12秒)
こんばんは。沙希です。
前回の投稿で、誤解を招くような書き込みをしてしまいました。
なんだか私、問題ばかりです。
ごめんなさい。
「沙希」という名前が、本名に近い。
というようなニュアンスの書き込みをしてしまいましたが、
私は男性です。女装子です。女性ではありません。
表の世界で女装をしているときの名前が、そのまま「沙希」なんです。
(これも自分の本名のひとつだ!という実感がかなり強いんです。)
もちろん男性の時の本名は、全然違う名前です。
というわけで、今後ともよろしく。
これにめげずに、がんばって書き込みます。
                沙希




沙希(7月29日(土)23時43分10秒)
MRF−6:女装者
  − 第1話「プライド」 −
3rd.
・・・だめだ。応答がない。
村岡の声は聞こえてくるのだから、通信機に異常はないはず。
けれど、穂香からの合図がないのはどういう事・・・
ピアス型の通信機には、声で応答が出来ない時のために、
合図の信号を送るスイッチがついている。
それさえ押せない状態というと・・・
(1)両手を縛られている。
(2)気絶している。
(3)任務をほったらかして村岡と楽しんでいる。
・・・(3)でないことを祈るわ・・・
それにしても、お腹減ったぁ!
携帯で出前頼んじゃおうかな。ここまで届けてくれるかな?
でも、こんなところで食事なんて、あんまりじゃない!
穂香の奴、きっと美味しい物たらふく食べてるのよ。
どうして私ばっかり、こんな窮屈な場所で・・・
ん?ちょっと待って!・・・この声は・・・!!
 * * * * * *
・・・さっきから、ずっと私を呼ぶ声・・・
この声は優子の声だったんだ。
そしてこの涙は、誰の涙?
河合穂香としての、自分の涙?・・・
深い深い海の底から、ゆっくりと浮上するような感覚・・・
崩れ落ちかけた自分の身体が、村岡の手によって抱きかかえられ、
両足で立たせられる・・・?
いや、そうじゃない。もっとほかの何か・・・
他の誰かに、支えられている。・・・
あぁ、そうだ。沙希だ。この涙は沙希の涙だ。
「男とは初めてでも、自分の指で慰めたことくらいはあるだろう?
さぁ。自分でしてごらん?」
急にはっきりとした声が聞こえた。村岡の声だ。
自慰を強要している。おもしろい。
あんたに触られるくらいなら、自分で慰めた方がましだ。
いまにあんたの方から、私を求めるようになる!
 * * * * * *
・・・この声は間違いなく穂香の声・・・
ちょっと、あの子、何やってんのよ?
エッチな声出しちゃって!ま、まさか・・・!!
(どうだい?気持ち良いかい?
人に見られながらオナニーする気分は、どうだい?)
(恥ずかしいです・・・でも、気持ち・・・良い・・・)
(よしよし。もっと恥ずかしくしてやろう。)
(・・・あっっ!)
こ、これは・・・穂香が自分で、シテるの!?
いやーーーん!穂香が壊れた!ホントに(3)がアタリなのぉ!?
「ちょっと!穂香!やめなさい!はしたないっ!」
(ピーーーーーーッ!!)
信号音・・・穂香、壊れたんじゃなさそうね。
それならば、これは穂香の演技?大丈夫なの?あの娘。
「穂香、聞こえるんでしょ?
もう十分よ。そろそろカタをつけないと、穂香の身が持たないわよ!」
(そのまま続けてごらん!
大丈夫。スカートに隠れて、大切な部分は見えていないよ!)
(ピーーーーーーッ!!)
聞こえてくるのは村岡の声と、ピアスの定期的な信号音。
そして、艶めかしい穂香の吐息・・・
こっちまでおかしくなりそう!
これ、録音してるのよ!わかってるの?穂香!!
(キャアァッ!!)
・・・!!穂香の悲鳴!!
「穂香!どうしたの!もう十分よ!反撃しなさい!!」
 * * * * * *
・・・鈍い音がした。
膝蹴りで村岡の顔面を跳ね上げ、
顎が丁度良い位置に来たところで、手のひらで突き上げる。
ひっくり返った場所がベッドの上で良かった。
テーブルの角にでも頭をぶつけて死なれてしまっては大変だ。
「なっ・・何をするんだ!突然!・・・酷いじゃないか!」
「・・・私の身体に、気安く触ろうとするからよ。」
「そんな・・・だって、今更そんなこと言われたって!」
「触っても良いって、許可した覚えはないよ。」
「まさか・・・ひょっとして、穂香ちゃんは・・・」
バッグに忍ばせておいたビニールテープを取り出し、
村岡の両手両足をぐるぐる巻きにする。
意外にもというか、案の定というか、村岡はおとなしく縛られる。
本当に馬鹿な奴だ。
「やっぱり穂香ちゃん・・・Sか!」
「穂香様と呼びなさい!醜い雄豚め!」
(キャーーーッハッハッハッ!!)
「うるさい!優子!!・・・いや、こっちの話・・・」
「穂香ちゃん・・・最高だよ!!そんなにあどけない顔して、Sだなんて・・・
いや、もしかするとSとM、両刀遣いなんじゃないの?最高だ!!」
ベルトで叩いてくれようか。
それとも、ハイヒールで踏んづけてくれようか・・・
冗談っ!そんなの、こっちのプライドが許さないんだから。
「あなた・・・ずいぶんと大勢の女の子を泣かせてきたみたいね。」
「は?」
「これはね、復讐なのよ。
今まで、あなたに苦しめられた女の子達の、復讐。」
「穂香ちゃん・・・何を言っているの?」
「とぼけないでよ。自分の好みの女の子を見つけては、
あなたの地位とお金で引っかけて、
さんざん遊んだあげくに、ポイッと捨てちゃうんでしょ?」
「そ・・・それは・・・あいつらは・・・!
あいつらだって、俺の地位や金が目当てで近づいてくるんだ!
それが目的で男に抱かれるような女ばかりだ!」
「女の子はね、そりゃ最初は、地位やお金に引かれるかもしれないけれど・・・
最後には愛が欲しいのよ。」
「あ・・愛はあるさ!!穂香ちゃんのことだって愛してる!」
顔を真っ赤にして哀願してくる。
36歳の男が、パンツ一枚で縛られて・・・見ていられないほどの醜態だ。
「・・・最悪ね。私はあなたのこと、愛していないわ。」
「そのうち愛せるようになるさ!キミは今までの女とは違う。
キミが望むなら、結婚だって出来る!
そうすればキミは、一生幸せな生活が保障されるんだ!」
「私を?・・・本当に私を幸せにすることが出来る?」
「ああそうだ。俺に抱かれる女は、必ず幸せになれる!
俺にはそれだけの力がある!」
「・・・残念でした。ボク、男だもんね。
男と女の区別も付かないような奴が、
ボクはともかく、ホントに女の子を幸せになんてできるかな?」
「・・・・・・・・・・」
沈黙が続く。
私が言った事を理解できていないようだ。無理もない。
「ば・・馬鹿言うな!いくらなんでも男と女の区別くらい・・・」
「サービスだよ。」
「・・・っっ!!」
村岡の目の前で、ブルーのドレスのスカートをまくってやる。
パンティはとっくに脱がされて、絨毯の上に小さく丸まっている。
「今までの会話は、すべて録音されてるの。
今夜のことを公表されたくなかったら、次期社長の座を自ら辞退しなさいね。」
「・・・おまえ・・・何者だ・・・?」
「C1NEL。覚えといて。」
両手両足を縛られたまま硬直している村岡を後目に、VIP−ROOMを出る。
「ガチャン!」という機械音と共に、オートロックがかかる。
もちろん鍵は部屋の中だ。
廊下で待機していた村岡のボディーガード達に軽く会釈をし、
足早にエレベーターへ乗り込む。
あの村岡の顔・・・!デジカメで撮っとけばよかったかな。
パーティーフロアにある男子トイレ。
ブルーのドレスを着たまま中に入ると、用足し中の男達に注目される。
一番奥の個室には「故障中」の張り紙が。
その扉に小刻みなノックを6回。内側から鍵がはずれる。
男子トイレの筈が、中にはパステルピンクのドレスを着た少女が
便座の上に居座っている。
「おつかれ、穂香。あんた、また悪い癖が出たみたいね。」
「うん。32階の眺めがあまりに気持ち良くて、少し酔っちゃったみたい。
でももう大丈夫だよ。優子の方は?ちゃんと録れた?」
「バッチリよ。それにしても窮屈だったわ。
男子トイレの個室にキャップコムなんて、
もうちょっと良い案は無かったのかしら?」
「これが一番、簡単だったんでしょ。それより早く!着替えるから。」
「はいこれ。タキシード。」
「あっ!!しまった!」
「どうしたの?」
「・・・パンティ忘れてきた・・・」
狭い個室の中で手早く化粧を落とし、
ブルーのドレスからタキシードに着替える。
慣れたもので、早業だ。
ものの3分で可憐な少女から、タキシード姿の紳士に早変わり。
「それじゃぁ、帰りますか。優子姫。」
「エスコートよろしくね。穂香殿。」
優子と一緒に個室を出る。
用足し中の男たちは驚きの眼差しでボクたちを見送る。
無理もないだろう。男子トイレなのに、
パステルピンクのドレスを着た優子が個室から出てきたのだから。
しかも、ボクと二人で。
さぁ、男子トイレを出た後は、ボクたちは何の変哲もないカップルだ。
「あっっ!!私も忘れてたぁ!!」
「ど、どうしたの?優子。」
優子の目線を追うと、優美なパーティー会場には似合わない、
ラーメン屋の出前持ちがウロウロしている。
そうかと思うと、こちらの方に近づいてきて、
そのまますれ違い、怪訝な顔をしながら男子トイレに入っていった。
「なに、あれ。」
「さぁ・・・何でしょう・・・」
 村岡を閉じこめてきたとはいえ、ゆっくりはしていられない。
ボディガードだって馬鹿じゃない。5分もあれば異常に気がつくだろう。
お腹を空かせている優子には悪いけれど、
二人でご馳走を楽しんでいる暇は無い。
「聞きたいことが2つあるんだけど。」
「なに?優子。」
「・・・あなた、泣いたの?」
「えっ!どうして?」
「化粧を落とすとき、涙の痕があったから。」
「そりゃぁ・・・プロだもん。
必要とあらば、いつでもどこでも、涙くらい流せますよぉ。」
「ふぅん。なんだ、そうか。ならいいわ。」
「聞きたいこと、もう1つは?」
「穂香が本当の女の子だったら、あの村岡とデキちゃっても良いって思う?」
「まさか。ボクにだって、プライドくらいあるよ。」
「その割にはずいぶん良いムードだったじゃない?声なんか出しちゃってさ!」
・・・優子には、かなわない。
パーティー会場内を駆けずり回っている村岡のボディガードたちを横目に、
ホテルを後にする。任務完了だ。
ブルーのドレスの女を捜してるのか?そんな奴、もういないよ。

                             おわり




アニト(7月29日(土)23時44分56秒)
沙希さん、こんばんは。
ご協力をありがとうございます。
これからはこのすてきなお名前である「沙希さん」で通してください。
わたしもそのほうがくどき甲斐、いや、レスのつけ甲斐があります。
物語はなかなか複雑な人間関係がありそうですから
腰を据えてじっくり書き込んでみてください。
それと、行間をもう少し詰めていただいた方が読みやすいです。
いただいたイラストの公開はもう少しお待ちくださいね。

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