私は21歳以上です。



  前立腺刺激月間 
                  作:モナラー
Chapter10 


「な〜にをなやんでるの?」
大学の食堂を出たところで篠が言った。
「わかる?」
「うん、悩んでるってことは。」
「なんで分かった?」
「朝食も昼食も手を上下させてるだけで味わってなかったでしょ。」
「いつものことながら鋭いなあ。」
「愛し合ってるってそういうことだよん。」
「何悩んでるって思う?」
「恋とかじゃないよね。お金でもなさそう。」
「じゃあ、何?」
「・・・分かんないよぉ。いつもなら分かるんだけど。」
雄太の顔がちょっとうれしげになる。
「あさってには教えられると思う。それまで内緒!」
2人は医学部のほうへと走っていく。時計台の針は13時、午後の授業が始まっている・・・
夜・・・今日も晴れていた・・・院内に月の光が差し込む・・・
いつものように雄太は病院に入る。
中には京がいた。検査は粛々と行われた。だが、雄太の顔色がさえない。
検査が終わり、201号室へと2人は入って行った。
「よければ私を1晩好きにして構わないです。」
淡々と京はいつもの台詞を言った。
「本当に好きにして良いの?」
雄太の顔が曇る。窓の外には小さな雲が現れている。
「構わないです。」
「本当に・・俺でいいの?」
「何が?」
「初めての相手・・・俺みたいに知らない人でいいの?」
一瞬、雲が月光をさえぎった。
京の目が閉じる・・・
・・・瞬時、沈黙の時・・・・
再び現れる月を吸い込むかのようにパープルのアイシャドウと真紅のルージュで彩られたリップが開かれた。
「どうして・・・私のこと・・・由里先生に聞いたの?それとも大先生?」
「検査の様子見てたら、三田さんが男知らないってこと位分かりますよ。」
「さすがは由里先生の愛人、見破っちゃうのね。」
「愛人じゃないですよ。ただの友達です。」
雄太は微笑しながら答えた。
「で、どうするの?」
「三田さんはいいんですか?俺で?」
「構わないよ。」
「・・・じゃあ、シャワー浴びてきてください。」
バスルームに入ろうとした京に雄太が呼びかけた。
「言い忘れたけど、すっぴんにしてください。」
雲が再び月光を遮った。雄太のいる病室にシャワーの音が漏れてくる・・・
やがて、雲の隙間から月光が差し込み始めた。ドアが開く。
「ごめん。待たせて。」
京の手は胸と股間を覆い隠そうとしている。
だが、その胸は隠しきれないほど大きい。
顔を飾っていたものは全て剥ぎ取られていた。唇は血色よい朱色を見せ、目は黒々とした睫毛で柔らかな曲線美を表している。
けばけばしかった金色の髪も月の光を浴び、むしろ優美に見える。
「三田さん、手をどけて」
言われたとおりに手をどける。少し京の頬が赤らんだようにも見えた。
豊かな胸と手入れされた愛らしい茂みが現れた。
「綺麗だよ、三田さん」
「京って呼んで。」
雄太は京を抱き寄せた。
京は背伸びをして唇を近づける。
「キスは初めてじゃないみたいだね」
「うん・・・」
二人の唇が重なる。
京は強く抱きしめた。雄太の舌が京の唇を割って入り、京の舌と絡み合っていった。
雄太の腕が緩み、二人の唇が離れていくと、そのまま二人はベッドに倒れこんだ。
雄太の顔が京の胸に埋まっていく。
「すばらしい胸・・・・」
顔を上げ、両手でつかんで揉み始めた。
「んん・・・」
乳首を舌先ですっとなでる。
「ぁは!」
京の口からは、かすかな声が漏れ始める。
唇が京の右乳首を咥える。
「吸いたかった・・・実習の時からずっと・・・」
「そうだったの・・・好きなだけ吸ってね・・・」
京は吸われる感触を覚えた。
「・・・軽く・・・お願い・・・敏感だから・・・ぁあぁ!」
左の乳首が雄太の指に挟まれ、優しく揉まれる。
「あ・・・んんぅ!」
京の瞼が次第に閉じていく。しばらくして、左右への愛しみが入れ替わる。
「はあ・・・」
雄太の腕が京の脚を開いていく。
胸への愛撫を終え、顔が次第に京の下腹部へと下がって行った。
京の秘部はまだサーモンピンクである。
すでに十分濡れていて、ラビアが開いていた。
両方の人差し指でラビアを広げ、親指で膣口を広げる。
「膜ないでしょ?私メンスが激しいから・・・」
「うん。でも・・・」
雄太は人差し指を入れる。きつく締め付けてくる。
「あ・・・・」
「男を知らないね」
指を抜くと雄太の舌が入り口を舐め始める。
「あん・・・」
「今から入れるよ。力を抜いてね」
ほぐすように舌は膣を出入りする。
顔を離すと、雄太の視界に窓が入った。窓の外に見えるのは翳り一つ無い月だけだ。
「月が出ている・・・照明消すよ」
雄太は部屋のライトを全て消した。
部屋を照らすのはただ月光だけ・・・
薄く、透き通った光は京の裸体を人工の光よりも清らかに見せた。
「始めるよ・・・・」
青く、淡い光は雄太を京の中へと導いて行った。
「あ!んぅ!」
京の手がシーツを握り締める。
「痛い?」
「痛いんじゃ無くて・・・熱い・・・」
出し入れを繰り返しながら奥へと入れていく。
「あ・・・あぁ!」
あるところに達すると急に膣がペニスを引き込んだ。雄太はその勢いで子宮へと達する。
「どう?痛かったら・・・止めるよ・・・」
「ううん、そんなこと無い・・・続けて・・・」
雄太は腰を動かし始めた。京の両足は無意識に雄太に絡みつく。
「ああ、あ、ん・・・もっとはやくぅ・・あ!」
「んぅ・・あ・・・京の・・・締りが・・・あ・・いい!」
腰の上下が激しくなっていく。京の声は次第に甲高く、大きくなる。
「ああ、し、締まる、ああ・・・すごくて・・・ああ・・・」
「もっとぉ・・・あは・はあぁ!」
京は無我夢中で雄太に抱きついて来た。
「ああ・・え!ああこ、こん・・あああ・・あはぁ!あああ!」
京は今、雄太と結ばれた。
京の頭中・・・
・・・雄太の顔がおぼろげに現れてはまたおぼろげになっていく・・・
それが繰り返された後、おぼろげな雄太が消えていき、全身の内側から熱い物がこみ上げてくる・・・
それに身を任せると全てがよくなる・・・
声が聞こえてくる・・・
京・・・さん・・・
意識を取り戻した時、京は雄太と唇を重ねていた。
重ねていたのは唇だけではなかった。
無意識のうちに二人は手足を重ねていた。
下腹部は結合したまま・・・・
月は朧になっていた。
「わたし・・・」
「気が付いたね。」
雄太の顔が晴れる。
「暫く気を失ってた」
「そうだったんだ・・・」
沈黙したまま二人は抱き合った。
月は完全に雲に隠れた。落ち着きを取り戻すと、京がつぶやく。
「全然痛くなかった・・・」
雄太の手が照明のスイッチに伸び、部屋が明るくなる。二人は身体を離し、結合していた部分を見つめた。
「血・・・出てない・・・」
「教科書どおりに血出たり痛かったりするってわけでもないのさ。」
「結構バージン相手にした?」
京の視線が雄太の顔に戻る。
「まあね」
「よかった・・・」
「どうして?」
「あたしね、慣れてる人としたかった。」
京の眼がそれる。
「昔、失敗したんだ・・・裸になって、いちゃつきだしたらメンスが急に・・・」
「・・・」
「随分メンスには振り回されたんだよ。こんな性格になったのも・・・ごめん、愚痴こぼして」
「いいよ。本音を言うのがベッドトークさ」
雄太の腕と言葉が京の身体を包む。
睦言が終わりに近づいた頃、雄太は再度照明を消し、唇を近づけた。
・・・・名も知らぬ男に純潔を捧げた女神へ・・・
月光は再び二人の裸身を照らし出した。

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