私は21歳以上です。



      山岳救女隊 

                        作:テンちゃん  
その2
     
 「、、、え〜、、、こちら、、聞こえますか、本部?、
、、ただ今、遭難者発見、、、ただ残念なことに、、、、
、、どちらも『遺体』です、、、繰り返します、、、」

 はじめ、佐々木は助かった喜びで彼女がトランシーバー
に何を言ってるのかわからなかった。
 自分は死んでいない。生きている。井上は死んだ。それ
は間違いない。自分も見たし隣にいた。だが、自分は確実
に生きて呼吸をしている。

 そうだ!、、、、、彼女達も焦っているのだろう。見る
と年など自分より下のような若い娘ばかりだ。
 赤いフードから覗く顔は、寒さの為もあるのだろうが、
透きとおるように白く美しかった。

 「、、、ハァハァ、、、ま、、、ちがえちゃ、、ダメだ
よ、、、僕はほら、、、こうして、、、生きて、、いる」

 体力と気力のほぼ大半を『生存』に費やした為、佐々木
の声は小さく震えていた。
 しかし彼女達は何を言うでもなく防寒着を脱ぎはじめる
。戸惑う佐々木。6人のなかでも一番年上の女が言う。

 「あなたは今『低体温症』にかかっています、、、、す
ぐに暖めないと、、、あなたにも脱いでもらいます、、、
、みんな、、彼の衣類脱がせて、、」

 低体温は自分でも解っていたが、まさか『人肌』で暖め
る気か。マニュアルを思い出す。確かにあった。だが、自
分は脱がない方が良いのでは?
 いや、ここはプロに任せよう。とにかく自分は助かった
のだ。おそらくあと少しでヘリでも来るのだろう。
 それに今まで過酷な条件で生き抜いてきた自分自身に、
なにか褒美もしてみたい。それぐらいは許されてもいいは
ずだ。
 
 佐々木は不意に帰ってからのことを想像した。井上は救
えなかったものの冬山から生還した自分は英雄視されるだ
ろう。山岳部において佐々木ありと絶賛されるだろう。こ
のような美しい救助隊に『肉体』で看護されたこともいい
土産話になる。顔がほころぶ。
 
 厚手の防寒着から脱皮するかのように、白くツヤのある
裸体が姿を見せる。どうやら6人全員で暖めてくれるらし
い。井上の死体がこちらを見つめているようで恥ずかしか
ったが、ソレが逆に言い表せぬ刺激になった。

 横になった佐々木の上体を起こすと、周囲からモチのよ
うな感触の肌が密着してくる。
 それにしても女の肉体は温かい。全身をカイロで覆われ
たようにポカポカとする。

 「どう、、、生き返るでしょう、、足も冷たいわ、、」

 4人ほどの太股が自分の冷たい足を挟みこむ。えもいわ
れぬ感触と暖かさ。
 テント内は女達の熱気に包まれる。チーズのような甘い
香りが充満する。冬山の小さなハーレム。

 「こちら、顔も冷たいみたいですね、、、わたしのムネ
で暖めてあげますね、、、」

 一人の女が言う。豊満な、果実でいえばまさに収穫期の
ような熟れた乳房。
 その先にはサクランボ色の突起。
 血行が良くなったせいか。自分のモノがムクリと立つの
がわかる。
 このような緊急事態においても『種の保存』という本能
が機能していることに苦笑する。
 <右>の女が言う。

 「クスッ、、、だいぶ血行が良くなってきたみたいね、
、、もっともっと暖めてあげますからね、、」

 嬉しい反面、となりで冷えきった友人に悪い気がした。
口の筋肉がだいぶゆるんできた。普通に喋れる。
 
 「い、いや、、これはいくらなんでもマズイんじゃない
かな?、、、井上もいることだし、、、そ、それよりヘリ
なんかまだ来ないのかな?、、、それともソリとか?」

 <左>の女が意味ありげな微笑で言う。
 
 「え?、、ヘリなんか来ないわよ?、、、なにか勘違い
してるんじゃない?、、、フフ」

 「ち、ちょっと待て、、、君らは救助要請されて来た山
岳救助隊だろ?、、、先に二人下山して、、それで、」

 <背後>から幼なさの残る女が言う。

 「キュウジョヨウセイ?、、二人?、なんのことかな?
、、ウチラ山岳救<女>隊だよ!、年に何人かいんだよね〜
、、アンタみたいなマヌケがさ〜!、、、キャハハ!」

 状況を飲み込めないまま<前方>の女と目があった。
 ネコのような目をした美しい女性。
 
 「もぅ〜、、、おしゃべりね〜!、、フフフ、、、バレ
ちゃったじゃないの!、、、ま、動く力も残ってないよう
だし、、、、あ、それといくら大きい声出してもいいよ!
、、どうせ誰もいないし、、ハハハ!」

 なにかの冗談。彼女の笑いにつられ佐々木も半笑い。

 ビタ〜ン!!

 いきなり、笑っていた前方の女から強烈なビンタをくら
う。目の前に星が散る。笑ってた女が真顔になる。ますま
すネコに似ていると思った。

 「ね?、、まだ目が覚めてないのかな?、、、眠くなっ
たらこうやって起こすんでしょ?、、、いい?、、変な抵
抗したら裸んまま外にほっぽり出すからね!、、」

 え、、、???、、、あ、、??、、何か言おうとした
佐々木よりはやく、背後の幼い女が続く。

 「、、ってゆーか、別にアンタが死のうが生きようがぜ
っんぜん関係ないんだよね〜!、、わかるかな〜?、、エ
ッチしたいだけなのウチら!、、キャハハハハ、、見て見
て!、、、このポカ〜ンとした顔!、、、あれだよ!、、
別に連れて帰るなんて思わないでね!、、こ〜んな冬山に
ワザワザ来る方ワルイんだよ〜!」

 「、、、ち、ちょ、、、まっ、、、エ?、、、」
 
 辺りをキョロキョロと見渡すと一番年上らしい女と目が
会う。彼女だけ立っている。腕を組んで自分を見下ろして
いる。

 「、、そうゆうことなの、、フフ、、友達の見てる前で
タップリ犯されてちょうだい、、、」

 「バ、、、バカな、、た、たのむ、、助けてくれ、、、
、下山させてくれ、、、、ま、まだ生きたいんだ、、な?
わかるだろ?、、、」

 ネコ目の女がイタズラっぽく言う。だが、自分に対して
ではない。

 「あ、そうそう、、、ね?、二人ってひょっとしてアノ
二人のことかな?、、ほら、、来る途中つまみ食いした、
、、今ごろどうしてるかな?」

 恐怖。絶望。崩壊。身をよじるが体力がない。

 「じゃ、みんなっ!、、<新鮮>なうちイタダキましょ!
、、ホラ、、ビンビンにしてぇ、、パクッ」

 「あ!、、アタシにもチクビ吸わせてぇ!、、」

 「オトコのからだって、、、じゅるじゅる、、、ナンデ
こんなオイシイのかしら、、、ペロぅ」

 「オシリの穴もナメてあげるネ、、、ちょっとソッチで
足持ってくんない?」

 「フフフフ、、恥ずかしいわネ、、友達の見てる前なの
に、、そんな格好で、、ンフフ、、たっぷりアッタマッテ
ちょうだい、、」
 
 「う、、、ウワァァァぁぁああ!!、、、、や、やめ」

 井上の死体。半開きのまぶたでコチラを見ている。
 全身を愛撫されながら悶える彼の脳裏に、ふと叔父から
聞いた言葉が甦った。

 『山には魔物が住んでいる。特に冬の鶴ヶ岳は気をつけ
ろ』、、、、、、、、、、、、、

                  おわり

 あとがき

 この作品は、あえて後半の『性描写』を省かせていただ
きました。あとの展開は読者のみなさんの豊富な想像力に
お任せします。
 果たして佐々木は無事下山できるのか?それとも山のモ
クズになるのか?『結末』はアナタ次第です! 作者


                     
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