ミクロとマクロ
作:テンちゃん
(4)
『ミクロとマクロの意味』
<ファラコ>という金縛りの術で身動きできない裕二に、
地球外生命体の美女2人が交代で上に乗ってくる。
女の持つ独特の甘い香り、美しいボディラインにそった
柔らかな肌質、触れるとモロく崩れそうなツヤのある髪。
そのどれを取っても<人類>以外のナニ者でもなかった。
「んァァ!、、そうョ、、ジッとしてればいいの、、、
ウゴかすのはワタ、、シ、、なんだか、、ら、、ァン」
彼の脳にダイレクトに響くノリカの歓喜に満ちた声。ユ
ウカとは違う完成されたプロポーションは『銀色の宇宙服
』を脱ぐと、おそろしいほどに洗練されたものになる。
モデルのような東洋人離れした肉体は圧倒的な色気を発
散し、彼を犯す一つ一つの動作がバワフルに感じられた。
「ャはっ、、ン!、、もうオナカいっぱいなの〜?、、
まだまだ出るんだから、、ハイ、ア〜ンして、、!」
自分の仕事は彼に『乳』を飲ませること、と悟ったのか
飽きもせず、仰向けになり突っ張った裕二の頭をかかえ豊
満なムネに押し付けるユウカ。
彼女のボディはとても女性らしく、角ばった所がまった
くない。自分の肌に吸い付くピチピチとした『やわ肌』は
弾力がありみずみずしい。
そんなことをいちいち分析するクセのある裕二は、自分
が犯されているのを<客観的>にとらえようとする。
だが、大きくなったモノは彼の理念に反して限界を迎え
ようとしていた。
「なに?、、興奮しすぎてボ〜としてるの?、、んぁ、
もっとイジめてアゲル、、ほらぁ、、ホラ、、どう?、、
このカンカクは、、キミ童貞クンなのね、、わかるワ、」
ボリュームのある肉体でダイナミックに腰を使うノリカ
の息づかいと彼の息づかいが夜の砂浜で揺れる。
クネッ、クニゅと大きな彼女の動きは、そのまま彼に伝
染し砂地を動かした。
ムネをホウばらせるユウカをチラリと見ると、夏の月光
に照らされトロけそうな表情。
直後、、、、、裕二の中でのビッグバーン。宇宙創造。
ドピゅンッ!、、どぴュン、、ドッピュュン、、ドピュ
彼はイッたことに自分でも気づいていない。初めて女の
壷に入れることを体験し、初めて犯された男が感じること
、、、、、、、、アレ?、、、なんか、、出ちゃった、、
不思議に男棒は感覚が麻痺に近い状態になり、部屋です
るアノ行為とはまったく異質な射出。
いつのまに自分が絶頂に達したのかまるでわからない。
アエぐことも、彼女に懇願するヒマもない裕二の速射砲。
「ァン、、ン、、なに?、もう出しちゃったの?、、、
フフ、、ね?、、自分でイッたのわかる?、、わからない
ほどキモチよかったのね、フフ、、カワイイ、、チュ!」
放心した彼のヒタイに軽くキスすると、貴重な『精子』
を体内に早々に帰路に着こうとする2人。
「そ、その、、ど、どうしても気になることがあるんだ
、、、最後に聞いてもイイかな、、?」
<ファラコ>が解けかかった彼は身を起こし、勇気を持っ
て『異星人』に質問する。
クチのまわりには、ユウカの甘ったるいコンデンスミル
クが付着しノリカがそれをナメとる。
「ペロゥ、、チュ、パ、、、フフ、、イイわよ、、次に
くるのは当分先になりそうだし、、、なに?」
「ぼ、僕らと同じ進化をしてきたなら<寿命>も同じくら
いのハズだよね、、なのに」
「あぁ、、それね、、簡単よ、、すべてが地球の『20
倍』くらいなの、、わかるかナ?、、フフ、、人間でいう
太陽の大きさも、ワタシ達が住んでる星<ノシュル>の大き
さもよ、、、、とうぜん太陽からのキョリも20倍ぐらい
、、気候はほとんど同じだわ、、星が大きいぶん自転や公
転もゆっくりでね、、太陽をまわる軌道も20倍、、つま
りアナタ達のいう1日が20日分、24時間が480時間
なの、、、どう?なんとなくわかった?」
わからない。星の大きさが違えば『時間』の概念は確か
にズレる気がするが、、そんな単純なものなのか、、
天文学を愛する裕二には信じられない話だったが本人達
が言ってるのだ。間違いないのだろう。
「だから寝る時間も160時間ぐらいなんだよ〜!、、
ビックリっしょ?、、別に<長生き>してるつもりナイんだ
けどね〜!、、でもさぁ『お湯』沸くのに3時間くらいか
かんだよ〜!、まぁウチらにしたら3分ぐらいだけどネ!
、わっかるかなぁ?、、笑っちゃうでしょ!、キャハハ」
ユウカの言ったことで、ますます解らなくなる裕二。
「まあ、どのみち<短い寿命>なんだもの、、あまりフカ
ク考えない方がイイわ、、、それにしても『旬』なオトコ
に会えてラッキーだったわ、、ホント、、人間って、あっ
という間に老いるんだもの、、、」
勇二は『セミ』を思った。確かに人から見たらセミの寿
命は短い気がする。でも、彼女達からすれば自分達も、、
「ちなみにね〜!、、『次』行く星はウチらよりずぅ〜
と<長生き>するとこなんだよ〜!、、うらやましいくらい
にネ!」
「ンフフ、、そろそろ行きましょう、ユウカ、、ユウジ
くんだっけ?、、地球のオトコってカワイイわね、じゃ」
そう言った直後、二人の姿は宇宙船と共に消えた、、
だが、砂浜にとり残された裕二は納得いかなかった。2
人の言ったことがホントなら『行動』そのものが人間の2
0分の1、、、<カメ>のようにゆっくりでなければ、、、
それに<体長>も20倍でないとおかしい気がする、、、
そもそも湯が沸くのに3時間?、、え?、、、
だいたい自分と共に『正時間』を過ごせるものなのか?
ん?、、、あれ?、、、アレレ?、、
いやいや、、、ミクロとマクロ、、、、まったくもって
宇宙には我々寄生虫、、、いや、人類の想像を遥かに越え
る現象があるものである。
おわり
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