■第1話 : 初出動!? QUESTION THREE■
1.初出動でビックリ?? (前編)
やっほ〜っ♪ 私、初等部6年生の”明香”で〜す!(・・っておぼえてる?)
まあ、いいや。今日、凄〜くハリキリモードなの〜っ!
だってねっ、私、リーダーやるの初めてなんだよぉ〜。
今まで、ず〜っと最年少だったから、綾乃さんや香織さんにコキ使われてばっかだったけど・・・。
(え? 爆弾発言!? ち、ちがうよぉ。別に嫌いじゃないよぉ。)
・・でも、これで、ようやく一人前の麗撃天使なのね〜っ!(超〜っ、感激〜♪)
よ〜しっ! 今日は徹底的に・・。もうっ!男の金玉がミンチになるまで責めちゃうんだから〜っ♪
やっぱ、自分がリーダーって事になると”やる気”が変わってくるよね。ふふっ。
・・って、まだ、詳しい事、言ってなかったけ?
えへんっ!
4月1日付で、事務局長ど〜もさんの辞令により結成された”QUESTION−THREE”のリーダーを務める事になりました、”鈴元 明香”で〜す。改めて、よろしくねぇ〜っ!
そうそう。私の可愛い後輩たちを紹介しないとねっ。
え〜と、亜由美ちゃんと美由紀ちゃんだね。麗撃天使の紹介で見ても分かるけど、瓜二つな双子の姉妹。小学5年生だよ。
茜さんや舞さんが小学生の頃に所属してた女子サッカーチームで活躍してて、この前、ホワイト・ルーズの戦いの時に茜さんにスカウトされたんだよ。へ〜っ、こんな小柄で可愛い双子が?? ・・なんて思っちゃったけど・・。
あ、そうだ・・。学校はウチの初等部じゃないけど。・・見沼区の小学校だって。 ちなみに鳳華女学館は緑区だけど。・・って、いつの間にか政令指定都市になってたから、ウチの近所。
(これで茅ヶ崎在住の久美ちゃんに「ださいたま〜」って馬鹿にされないで済む??)
・・って、話がかなり反れちゃったけど・・。
もうっ、亜由美ちゃんも美由紀ちゃんも、抱きしめちゃいたいくらい可愛いの〜っ!
でもね、2人とも小学生サッカーで鍛えてるからキックは本物だよ。
なんでも、必殺技は姉妹二人で喰らわせちゃう”ダブル電気按摩”だって。
なんか、聞いただけでも破壊力ありそう・・。ワクワクしちゃうね!
こりゃ〜、初出動から結構大きな仕事任されるんじゃないの〜!?
だってねっ! 今日だって、わざわざ、日曜日に学校に呼び出されたんだよ〜、ど〜もさんにぃ〜。
あの面倒くさがり屋のど〜もさんが、休日にわざわざ呼び出すんだから、きっと凄い任務でしょ〜!?
・・って、またまた、話が反れちゃったね・・。
・・で〜!私を含めたこの3人で”QUESTION THREE”っていうユニットを組んでるの。
みんな小学生で体重が軽いから、キックや電気按摩に勢いを付ける為に”厚底スニーカー”履いてるんだ〜。もちろん、私のお気に入りブランドの”QU●STION M●RK”だよ。
だから、こういうユニット名になったの。
それと、今日の戦闘服も教えちゃうね。
やっぱ、春らしく、女の子らしく、3人ともパステルカラーのミニスカートで合わせちゃいました〜! 私は水色のチェック柄、亜由美ちゃんがピンク、美由紀ちゃんが薄い黄色。なんか、3色揃ってて本当の正義の味方みた〜い♪ ・って、そんなにジロジロ脚を見ないの! ・・っもう。
え? 靴下? もちろん、ルーズだよ。靴が厚底のスニーカーだから、ルーズの方がスポーティーに見えるかな〜って。
なんか、凄くオシャレでしょ?
これはね。M男を素っ裸にした時に、相手に見せ付けるためぇ〜。
パンツも穿いてない無様な男の前で、完全着衣で立ちはだかる!
精神的に恥辱するのは”麗撃流戦法”の基本だからね。
そんでもって〜、男があたふたしてる隙に手錠掛けて、厚底スニーカーで蹴り潰す!
これで蹴られたら、大男でもフラつくよ、絶対に。もちろん、容赦無用で金蹴りオンリーだけど。
そして今日は、秘密の武器も・・。ど〜だぁ! ビニル縄跳びぃ〜!
どう? カッコイイでしょ〜?
さ〜て。この階段を登ると麗撃天使倶楽部の事務局だよ。
トントントンっ。
「こんにちは〜。鈴元ですけど〜。」
「どうぞ〜。入ってきて〜。」
「失礼しま〜す。」
私が、亜由美ちゃんと美由紀ちゃんを引き連れて事務局の本部に入ると、一番奥の席にど〜もさんが座ってる。休日出勤だというのに、上下、黒のスーツを着たど〜もさんが、メガネを光らせながらニヤニヤしてる。至っていつもと変わらない光景だよ。
「まあまあ、いいから、3人とも、そこの席に座って。」
私たち3人がソファーの長椅子に座ると、カズノリン(←事務局の人)が、私たちにオレンジジュースを出してくれた。しかもサクランボ付き。(・・って、こんなVIP待遇初めてかも〜っ! しかも、あのカズノリンがぁ〜。)
さっそく、女の子3人で”チュウチュウ”って、ストローでジュースを飲み出した。
あれ? これ、アルコール入ってない? なんか、”ぽわ〜”っとするんだけど・・。
私はニコニコした太陽のような眼差しで、ど〜もさんのメガネの奥にあるキツネ目を見つめた。もちろん、ほろ酔い気分。他の二人もオットリしてる〜。なに〜? これ〜!?
まるで、酔わせた勢いで、どさくさに紛れて言い伝えるような口調で、ど〜もさんが喋り出す。(・・これは要注意。聞いた事あるけど、頼みにくい任務を下す時って、天使を酔わせるんだってよ〜、こいつら。)
「実はね。今日、ここに来てもらったのは、これから早速やってほしい任務があってね。」
「はいっ! 喜んで〜!」と私、元気に答えたよ。凄いハイテンションで!(←別に居酒屋じゃないのよ。・・って小学生がなぜ知ってる?)
そしたらね・・。
「いや〜。喜んでもらえてこっちも頼み甲斐があるよ。・・一回しか言わないから、よ〜く聞いてね。」
「えっ?」
私だけじゃない。亜由美ちゃんも美由紀ちゃんも驚いてたよ。(一回だけしか・・って何? やっぱ、私たち騙されてる?)
「実はね。ここの学校の敷地内に生物系の研究所があるの知ってんでしょ?」
「は〜。」
「そこでちょっとした事故が起きてね〜。60〜90cmくらいの人間の形をした実験生物が増殖しすぎちゃって・・・。それを掃除して欲しいんだけど〜。」
「何ですか?それ?」
・・って、亜由美ちゃんが「それって噛み付いたりしない?」って怖がってるし・・。
「いや。別に難しい仕事じゃないよ。そいつらは、神経が股間に集中してるから、股間を攻撃すれば直ぐに終わるし・・。 だって、得意なんだろ? 股間潰すの。 大丈夫、その厚底靴でグリってやれば一撃だから。」
「・・って、ちょっと! そういう言い方は・・」
「まあまあ。落ち着いて。今の言い方は、ちょっと語弊があったかな? ゴメンゴメン。 あっ! そうだ! カズさん。3人にオレンジジュースをもう一杯出してあげてくれます? おもいっきり濃いのをね。」
・・って、あれからど〜もさんが何て言ってたかは、あんまり覚えてない。
「・・って言うか、小学生の女子に酒を飲ませる高校教師は絶対に悪だ! でも、ほろ酔い気分でちょっと嬉しいかも〜。」
「あ、明香先輩ぃ〜。ちょっと足下フラついてますよ・・。」
そんな心配をしてくれたのは、やっぱり酔っぱらってる美由紀ちゃん。
次いで、亜由美ちゃんも・・。お酒に強いのか? 平気そうな表情で私を心配してくれる・・。
「でも〜。明香先輩、散々悪口言ったクセに、最後、ど〜もさんに抱き付くし、カズノリンさんにキスしちゃうし・・。カズノリンさん、小学生にファーストキス奪われたって嘆いてましたよ・・。」
「えっ!!? ・・覚えてないかも〜。 うぇっぷ! 童貞男どもが・・。後で”釣り銭”をたっぷり搾り取ってやる・・。」
うわ〜! 私、そうとう酔ってるみたい・・。こんなんで任務遂行出来るのかなぁ・・?
うっ・・、記念すべき初出動が・・・。
・・で、そんな事を思いつつも私は、ど〜もさんからもらった封筒の中身を開けた。
中には”戦い方について”って書かれた紙と、3人分の靴用の撥水スプレー、ゴム手袋、さいたま市指定のゴミ袋??
何コレ? 撥水スプレーはともかく・・、私らに後片づけまでしろって言うの??
まあ・・。この際、良いとしよう・・。なんか、もう、ど〜でもい〜や。 ハハァ。
・・で、この紙はちゃんと読まないとね・・。
「・・って漢字ばっかで訳分かんないよ〜。う〜、でも、頑張って読まないと〜。」
「頑張って下さ〜い! 明香先輩〜っ!」
「ま、任せといて〜。 ・・え〜と、体長60〜90cmの人間の形をした実験生物が10〜15体。その中で一番、大きい奴を潰さないとダメ? 弱点は神経細胞が集中する股間部で、完全に破壊しないと死なない・・。また、粘りけのある精液を飛ばして相手を攻撃し、女性に乱暴をはたらく性質あり? ・・って、何? これ〜? 私たち、こんなのと闘うの〜? これってかなり危ない仕事なんじゃ・・・。」
そんなこんな、3人で、ぶ〜たれてながら歩いてると、ついに目的の地下室の前まで到着してしまった・・。
「いい!? 亜由美ちゃん、美由紀ちゃん! こうなったら、もう、やけくそよ! そんな気持ち悪いの徹底的に踏み潰しちゃうわよっ! 大丈夫? スニーカーに撥水スプレー掛けた? ゴム手袋填めた?」
「は〜いっ!」
「OKで〜す!」
「じゃあ、行くよ!!」
バタン!
ついに私たちは、その部屋に突入したの!
(次のページへ続く)