○夏の図書委員

「莫迦な事するんじゃなかった………」
 茜色の雲を眺めながら、高瀬川蛍は呟いた。
 高瀬川蛍は鳳心中学の二年生で、図書委員を務めている。彼女が今いるのはその図書室で、鳳心中学の旧校舎、木造三階建ての一番上の階にある。この木造校舎は実習室だけで構成されており、その為、放課後など人気のなくなる時間になると、しんと静まり返り、不気味なほどであった。もっとも、一年の頃からと図書委員を務めてきた蛍はこの静けさに慣れており、この静けさだからこそ図書室がここにあるのだと考えていた。
「ふあぁ〜あ」
 蛍の口から大きな欠伸が漏れる。
 彼女の言う莫迦な事とは夜更かしのことであった。奥様深夜名作劇場という訳の分からない深夜番組がある。その枠で昨晩、「新説・フランケンシュタイン」というホラー映画をやったのである。蛍はホラーやオカルトが好きで、ついこの番組を見てしまったのであった。(ちなみに次週の放送は「狼の血族」だそうだ。………いやはやなんとも。)
 ところで、蛍のホラー好きは結構友人達の間では有名で、呆れられていた。何しろ、深夜のB級ホラー映画を見て夜更かしする事なんて当たり前で、その為に日中はぼーっとすることが多く、人の話をまるで聞いていないのである。一度などは、英語の時間に国語の教科書を逆さに読み出したこともあった。そんな蛍だから、あまり身繕いのことや男性に興味が無く、(実はこれは友人達の偏見で、本人は人並みに外見に気を使い、男性に興味があると主張している)その美貌を台無しにしていた。腰まで伸びた細く、豊かな黒髪。中学生にしてはグラマラスな肢体。あどけなさが残るものの端整な顔立ち。黒目がちの大きな瞳に、扇情的な唇。そんな魅力的な少女が、キラートマトやバタリアンがどうのとスプラッターな話をし、ラヴクラフト全集を買うためにお小遣いを使い果たす。その上、髪の毛も梳かさず、鏡も見ない有様で、これでは周囲が呆れるのも無理はなかった。
 さて、夕方とはいえ夏の日差しはまだ強く、図書室に射し込む光が眼に痛かった。その上、朝からこめかみが重く、頭の中も霞がかかったように朦朧としていた。
 頭がふらつき、蛍は思わずカウンターに突っ伏す。こんな暑い日、しかも放課後に、誰も本など借りに来る筈もない。蛍は下校放送が鳴るまで、そのまま突っ伏していることに決めた。
 じっとしていると、耳の中に色々な音が入ってきた。蝉の鳴き声はもとより、吹奏楽部の練習する音、踏切の音や豆腐屋のラッパの音。
 なんだかもの悲しく、切なかった。
 小さな衣擦れの音をさせながら、蛍はその白い指を股間に伸ばしていった。臙脂色のセーラー服の胸元に、もう片方の手を差し込む。
 他人から見れば理解しがたい変な行動かも知れないが、蛍にはその行動は直結していた。
 暑くて、眠くて、頭がぼんやりして、そして、むらむらと淫欲が沸き上がってくる。
「………ん」
 指が敏感な部分に触れ、小さく溜め息が洩れる。
 もう片方の手はブラジャーの中に差し込まれ、下の指と呼応するかのように突起を摘み、優しく円を描くように刺激する。
 図書室以外は倉庫と被服室、少々の物音を立てたところで誰に気付かれることもない。その上、蛍は貸し出しカウンターに突っ伏している。誰か入っていたところですぐに気付かれる心配はない。蛍はだんだんと大胆になり、もどかしげに乳房をまろびだすと激しく揉みしだき、あられもない声を漏らす。中学生にしてはやや大きめの乳房に細い指がめり込み、むにむにと変形する。
「………あ、はぁ」
 せわしなげに指を動かす蛍。
 と、そこに、背後からやや躊躇いがちに声がかかった。
「あの、すみません………」
 蛍は心臓が飛び出しそうなくらいに驚いた。まるでからくり人形のように、ぎしぎしと鈍い音を立てて振り返る。
 そこに立っていたのは線の細い、端整な顔立ちの少年。名前を南広太郎と言い、一年下の、蛍と同じく図書委員であった。
「み゙、み゙な゙み゙ぐん゙がどゔじでごごに゙?」
 あまりの恥ずかしさに赤くなったり青くなったり、目には涙が滲み、声が震える。
「あ、あの、どうしても何も、………僕も今日当番で、放課後になってからずっと一緒にいましたよ?奥で蔵書の整理をしていたんですけど、気が付きませんでした?」
 蛍はその言葉を聞いて愕然とした。確かに言われてみれば、いつも当番は二人で、今日も誰かと一緒だったような気がする。広太郎は割と物腰が柔らかく、悪く言えば影が薄い。その上、今日は朝から意識が朦朧として、一日何をしていても上の空であった。広太郎に気が付いていなかったとしても不思議ではない。尤も、だからといって、この失態はあまりにも恥ずかしすぎるが。
「僕もう帰りますから、カウンターの下にある鞄、取ってもいいですか?」
 赤面し、なるべく蛍の方を見ないようにそう言うと、広太郎は蛍の横から自分の鞄に手を伸ばした。
 ふと見ると、広太郎のズボンの前が勢いよく膨らんでいる。女の子の痴態を目の当たりにしたのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、蛍はその膨らみを目にした途端、ずきりと胸に甘い痛みが広がるのを感じた。
「………がい、………て」
 鞄に手を伸ばした広太郎の手首を、何事か口の中で呟きながら蛍はぐっと掴んだ。ドキドキと鼓動が早鐘のように鳴る。ドキドキと、広太郎の心臓の音が伝わってくる。広太郎は何も言えず、視線を泳がせながらじっとしていた。やがて蛍の瞳から涙がこぼれ落ち、広太郎は心臓が飛び出しそうになった。
「うわっ、た、高瀬川さん?ぼ、僕、誰にも何も言いませんからっ!な、何も泣き出さなくても………」
 狼狽える広太郎。しかし、蛍は何も聞いてはおらず、広太郎の手首を力一杯引き倒した。
 カウンターの角で強かに頭を打つ広太郎。
「いたたた……。いきなりなにするんですかぁ?」
 抗議の声を上げる広太郎を無視して、蛍はいきなりその唇を自分の唇で塞いだ。
「………んむぅ!?」
 広太郎の唇に、柔らかな少女の唇が押し付けられ、甘い感触が広がる。
「………お願い、南君。私の胸、触って?」
 顔を上げると蛍は頬を染め、そう懇願した。しかし、気の弱い広太郎は事ここに及んでも及び腰で、手をあげようともせず、蛍はそんな広太郎の様子に自分から少年の手を導き、その柔らかな乳房にあてがった。
 むにゅ。
 かちかちに緊張した少年の手が、ふくよかな胸に沈み込む。そして、あまりの柔らかさに手が震えるが、木訥な手はまるで動こうともしない。
「………揉んで?」
 少女が囁く。
 広太郎はぎこちなく指を動かし始めた。初めて触れる少女の乳房は想像していたよりずっと柔らかで、滑らかで、温かかった。
「………はあぁ」
 少女の口から甘い溜め息が漏れる。
 広太郎は熱心に蛍の胸を揉んだ。ぐにぐにと指を食い込ませ、ひたすら揉みまくった。「はあぁんぅ………。お願い、お願い南君。胸にキスしてぇ………」
 熱に浮かされたように、蛍は乳房をせり出した。
 広太郎は息を飲み、荒々しく乳房にむしゃぶりつく。口を大きく開け、咥え込み、ぷりぷりと弾ける乳首を必死になって舐め回した。
 それは、愛撫と呼ぶにはあまりにも稚拙で、乱暴な行為であったが、それでも蛍の胸にはじんじんと甘い快感が沸き上がり、切ない感覚で満たされていく。
 やがて、赤ん坊のように乳首に吸い付く広太郎。その広太郎の顔を優しく離すと、蛍はゆっくりと少年の身体を滑り降りた。
 痛いほどに勃起し、ズボンを突き上げる少年自身。蛍は胸をときめかせながらジッパーに手を添え、それを引き下ろしていく。解放されたそれは下着の中から勢いよく頭を飛び出させた。
「………これが、南君のおちんちん」うっとりと呟く蛍。
 どんな形の物か、知識としては知っていたが、本物の陰茎を見るのは初めてであった。
 愛おしげに細い指を絡ませ、優しく愛撫する蛍。
「あ、あぁ、だめですよ、そんなに触っちゃあ!?」
 悲鳴を上げる広太郎。
 一瞬、亀頭が大きく膨らみ、濃厚な樹液が勢いよく飛び出した。
 粘つく精液は蛍の顔にもかかり、蛍は何事が起こったのか分からすに、きょとんとした顔を向ける。
「…………」
 広太郎は言葉が出なかった。早漏を気にするほどの経験はなかったが、なにやら妙に恥ずかしく、胸の中にじゃりじゃりとした感覚が広がる。
「汚れちゃった」
 さしたる感慨も見せず、蛍は顔に付いた精液を指ですくうと、そのままぺろりと舐め取った。そして、広太郎のぐんにゃりと力を失った生白い陰茎に顔を寄せると、舌の先をおずおずと伸ばし、亀頭に触れた。
「き、汚いですよ、高瀬川さん!?」
 広太郎の言葉など気にせず、蛍はぱっくりと陰茎を飲み込んだ。
 思わぬ刺激に顔を仰け反らせる広太郎。
 少女の柔らかな舌に絡まれ、しごかれ、広太郎自身は再びむくむくと活力を取り戻した。
 のっぺりとした亀頭の感触を味わいながら、蛍は喉の奥までぐいぐいと若竹を飲み込む。
 誰もいない放課後の図書室で、少年の陰茎を貪る淫らな女子中学生。そんな背徳的な状況は蛍をわくわくさせ、ますます淫らな欲望へと駆り立てていく。
 涎にまみれた舌と唇でカリ首や竿を舐め回し、淫嚢を口に含んで舌で転がし、そして、また亀頭を飲み込む。
 ちゅばちゅばと猥褻な音が暗くなった図書室に響きわたる。
 やがて、二度目の絶頂感が広太郎を襲い、白い溶岩をたっぷりと蛍の口の中に吐き出した。
 喉を鳴らし、それを飲み下す蛍。名残惜しそうに舌先を亀頭の割れ目に差し込み、ちゅうちゅうと吸い出す。
「今度は………」ふらふらと立ち上がる蛍。「今度は私のも可愛がって?」
 そうは言われても広太郎にはこうした経験はなく、一体どうすればいいのか分からなかった。戸惑う広太郎に、蛍は蠱惑的な笑みを浮かべて囁いた。
「………あなたの、…………好きなようにして?」
 スカートの端をちらりと持ち上げる蛍。広太郎は頭に血が上り、訳の分からないまま少女の太股にしがみついていった。
 スカートの中に頭を入れると、そこは女の匂いでむせ返るようだった。先程の自慰の名残であろうか、簡素な白いショーツは淫液で濡れそぼり、柔らかな丘の上に張り付いている。濡れた布を通して見る秘肉は生々しく、そして卑猥であった。生地を通して、広太郎はそのサーモンピンクの柔肉にかぶりついていった。
「………やんぅっ!?」
 小さな悲鳴を上げる蛍。広太郎は構わずに、飢えた獣のように少女の秘部にむしゃぶりついた。唾液がショーツを濡らし、愛液と混じり合い、再び広太郎の喉を潤す。
 やがて、じれたように蛍がショーツに手をかけた。ぺろりとショーツがめくれ、湯気と共に濡れた花弁が姿を現す。ねっとりと糸を引く花弁。
 初めて見る女性器に、広太郎は興奮して気絶してしまいそうだった。鼻血が出る前兆のように後頭部が重く、耳の奥で耳鳴りがしている。また逆に、外の音は一切耳に入ってこなかった。広太郎には図書室のこの限られた空間が、隔絶した、まるで異次元ででもあるかのように思えた。
 何かに突き動かされるように蛍の股ぐらに顔を寄せ、舌を突き出す広太郎。蜜が舌先に触れる。
 しょっぱい。
 無心に舌を突き動かし、蜜を貪る広太郎。ぬめぬめと舌が花弁を這い回る度、快感が湧き起こり、蛍の背骨を痺れさせた。
「はぁあっ!」
 ぴくぴくと肩を震わせ、嬌声をあげる蛍。蜜壷からはとろとろと、いくらでも愛液が流れ出してくる。
 ふと、広太郎から離れる蛍。怪訝な表情を向ける広太郎を余所に、蛍は自身の花弁を指で割り開いてみた。にちゃりと音がして、鮮やかな肉色の粘膜が目に飛び込む。内臓が淫靡な光沢を放ち、ぴくぴくと収縮を繰り返している
 蛍は淫裂を拡げたまま、勃起している逸物にあてがった。そのままゆっくりと腰を沈めていく。奇妙な性衝動に駆られここまで来たものの蛍には性交の経験はなく、自然、手が震える。
 しかし、蛍は途中で止めようとは思っていなかった。背徳感と好奇心は快感を助長し、恐怖はそのスパイスでしかなかった。
 そのまま幼花は広太郎を飲み込んでいく。しかし、十分に潤っているとは言え、やはり痛みはあり、蛍は眉をしかめ、額に脂汗を滲ませる。
「…………ん、んあっ!?」
 神経をぶちぶちと引きちぎられようで、蛍は歯を食いしばってそれに耐えた。股間からは鮮血が伝い、目に涙が滲む。
 やがて、体重に助けられ、蛍は広太郎の腹の上に完全にしゃがみ込んだ。
「だ、大丈夫ですか?」広太郎が心配そうに声を掛ける。
「………ん、平気。お陰で目が覚めた」
 蛍が悪戯っぽくクスリと笑う。
 そうして、痛みを振り切るようにゆっくり腰を動かし始める蛍。
 処女の膣圧がきちきちと陰茎を握り締め、広太郎は腰が引き抜かれそうに感じた。
 やがて潤滑油が十分に行き渡ると、蛍は痛みの中にうずうずとした甘い感覚が広がっていくのを感じた。いや、痛みこそが快感なのかも知れない。オナニーなどでは得られない、充足感。体内に男根を飲み込み、たっぷりと満たされているという充足感。
 蛍は更なる快感を求め、一層淫らに腰を揺すった。
「き、気持ち好いぃの………」
 熱っぽい瞳でそう言うと、蛍は広太郎の胸に身を預け、唇を這い回らせた。蛍が身体を揺する度、汗でぬかるんだ乳房が広太郎の腹の上で蠢く。吸い付くような肌の感触、鼻腔をくすぐる甘い体臭。広太郎の脳も蛍同様、快美感で一杯に満たされていた。
 蛍が腰を振る度、ぬちゃぬちゃと内臓を掻き回す猥褻な音が図書室に響く。既に痛みは和らぎ、快感の奥深くに疼くように存在するだけである。愛液でぬめる肉襞は陰茎にまとわりつき、擦りあげる。広太郎の動きも、だんだんと加速されていった。
「んぁっ!…………やぁ、はげ……しぃ、あんっ!…………奥までぇっ!?……あんっぅ!!」
 子宮を激しく突き上げられ、内臓を深くえぐられ、蛍は悲鳴をあげる。もはや二人は快感の虜となり、互いを貪ることにのみ意識を集中していた。血の混じった淫水が溢れ、太股を濡らし、飛沫を飛び散らせる。蛍は広太郎の唇を奪い、舌を絡めた。舌が絡み合い、甘い唾液がそそぎ込まれる。そうして、広太郎は半身を起こすと、そのかいなを少女の細い腰に回し、下から更に激しく攻め立てた。
「ひぁっ!き、気持ち好いっ!…………はぅんっ!!気持ち好すぎて、あんっ!へ、変になちゃうぅっ!!」
 白い顎をがくがくと揺らし、嬌声をあげる蛍。下から突き上げられる度、腰を逸らし、涙を滲ませて啜り泣いた。やがて、じわじわと絶頂の波が押し寄せる。
「はあぅっ!!やぁあっ!だめぇっ!だめだめだめぇええええっ!!!」
 悲鳴を上げる蛍。
 広太郎も絶頂感を迎えるが、このまま体内に吐き出すわけにはいかない。
「だ、だめですっ!!身体をどけてぇっ!!」
 蛍を押しのけ、陰茎を抜こうとする広太郎。しかし、蛍はそれにあらがい、広太郎の身体を足で挟み込んだ。
「だ、だめぇっ!!こ、あんぅっ!このま、あぅんっ!!中へ、お腹の中に熱いの入れてぇええええっ!!」
 しがみつく蛍。
「そ、そんな、だ………」
 その時、亀頭が大きく膨らみ、マグマが一気に噴出し、蛍の子宮を直撃した。
「あ、あんっ!!あああぁぁぁあっ!!」
 それと共に蛍は一気に登りつめ、魂を消し飛ばせた。そのまま床にへたり込む蛍と広太郎。無意識に手が合わされ、二人は互いの両手を掴んでいた。

 その後暫く、蛍と広太郎はぐったりとしたまま、互いの身体の感触を感じ、快感の余韻に浸っていたが、辺りがすっかり暗くなっていることに気が付き、まず蛍が起きあがった。
「………もう、すっかり暗くなったね?」
 身繕いをしながら、蛍が呟く。カウンターから顔を覗かせると、窓の向こうには星が見えた。
「校舎の鍵、閉められちゃいましたかね?」
 広太郎も起きあがり、身繕いを始める。忘れていた後頭部の痛みが思い出され、眉をしかめる。
「だったら、もう一度すればいいじゃない?」
 悪戯っぽく微笑む蛍。広太郎はその愛らしさに、苦笑を漏らした。
「それよりさ………」瞳を輝かせる蛍。「旧校舎って色々お化けが出るって言うじゃない?お化け、出るかな、出るかな、出るかなあ?」
「やけに嬉しそうですね?お化け、好きなんですか?」呆れた声を出す広太郎。
「好きだよ?」
 蛍はそう言って、広太郎の頬に軽く唇を触れた。

 

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