パラダイスイベント
作 おにぎり娘。 様




ここは日比谷公会堂。
前回の「パラダイスイベント」が大好評だったというので、
そのPart2が開催された。
今回は、前回の時よりも大規模に展開されたイベント。
今日はそのイベントの最終日である。
俺はそのイベントのチケットを、オークションにて8万円で競り落とした。
この引換券で2人入れるので、1人4万円か…。
前回も同じ値段で入ったっけ…。
あのときは次の日がシドニー五輪の応援かなんかで、
えらい早く“チーム人の壁”に追い出されて、ひどく怒っていたものだった…。
聞いた話によると、今回も“チーム人の壁”は健在で、
前回ほどではないにしても、やっぱりちょっとでも立ち止まると、
それ以降は、ほとんど飛ばされるみたいらしい…。
(ま、ごっちんと握手できればいいや。でも、まりっぺもあいぼんも捨てがたい…。
かおりも近くで見ると、すんごいかわいいんだよなぁ…)
そんなことを考えながら、入場の時間を待っていた…。

今回のイベントも、ミニコンサートがあって、写真撮影があって、
その後握手会という流れみたいだ。
俺は前回同様、握手メインなんで、ミニコンサートは適当にはじけ、
写真撮影の時は周りの写真取りたい人のために、メンバーに目立つようにはじけてみせた。
そして握手会がはじまった。
俺の席は2階の最前列。握手会の順番からいうと最後の方にあたる。
まぁ、それでもいい。握手会は順調に進んでいった。
途中、場つなぎのために進行役のオフサイド大西氏がしゃべっている。
この人、しんドルパーラーやめてからどういう仕事しているんだろ?
そんなどうでもいいことを考えながら、自分の番が来るのを待っていた。

そして、いざ自分の番が近づき、ステージの前まで連れてこられる。
やっぱり緊張するよな。結局がんばってくださいとしか、声かけられないんだろうな。
そんなことを考えながらステージの上に立つ。
今回もなっちからか。なっちはいつも人の顔を見ると驚くんだよな。なんでや?
と思った瞬間、先に握手をしている女の子の左手から何か光るような物が見えた気がした。
他には誰も気が付いていない。その女の子がごっちんと握手をしようとしたその時、
俺はある確信を持って、走り出していた。“チーム人の壁”の静止を振り切って…。
その女の子は「山Pとなにしてたのよ!」と騒ぎながら、
両手でしっかりとナイフを持っていた。その刃先はごっちんの方に向いていた。
周りのスタッフも、メンバーも、そしてごっちん本人も、その女の子の気迫に動けないでいた。
そんなメンバーに俺は「早く下がれ!」と言うと、前の机を奥へと蹴った。
その反動で、メンバーたちは後ろへと机に押し出されるように下がっていった。
それでも女の子は、ごっちんめがけてナイフを持ったまま、前へと進んでいく。
次の瞬間、俺はなんのためらいもなく、女の子が持っているナイフを素手でつかんでいた。

その後はどうなったんだろうか。とりあえず、周りのスタッフとその女の子を取り押さえた。
女の子が暴れる間、ずっとナイフをつかんでいた俺の左手からはかなりの出血があった。
そのまま病院へと搬送された俺は、結局握手できなかったな。そんなことだけ考えていた。
病院で治療をうけ休んでいる間に、警察からの事情聴取があった。
その時に聞いたところ、やっぱりというか女の子はジャニーズファンで、
あのことが許せなかったらしい。
「そんなことで、あそこまでやるかねぇ…。」警察官もなかば呆れ顔だった。

病院から「入院する必要もないし、遠くから来てるみたいだから、
病院教えてくれればこっちからカルテ送るから。」と言われ、
泊まるはずの友人宅へ向かおうとしていたときだった。
不意に携帯がなる。ディスプレイを見るが、「非通知設定」とそこには出ていた。
普段ならそんな電話なんか無視するんだが、何となく出てみた。
「はい、もしもし。」
『あ、私、アップフロントエージェンシーの○○と申しますが。』
「はい、なんでしょうか。」
『本日は誠に申し訳ございませんでした。そこで、メンバーがぜひとも会いたいと。
握手してないから、良ければ来ていただけないかと言ってるんですが…。』
そんな事言われて断るファンはいないだろう。二つ返事でOKした。

とあるホテル。
明日はコンサートで朝早く移動しなければならないらしく、今日はホテルに泊まるとのこと。
そのホテルの会議室らしいところにメンバー全員が集まっていた。
俺の顔を見て一安心したのか、一様に笑顔だがやっぱり包帯だらけの左手を見ると、
「大丈夫ですか?」と聞いてくる。
ちょっと麻酔が切れ始めて痛くなってきていたが、顔は笑って「大丈夫ですよ。」と言った。
裕ちゃんが「今日は本当にありがとうございました。」と言って頭を下げてきた。
周りのメンバーもそれにつられるように頭を下げてくる。
裕ちゃんが、「命の恩人なんやから、今日は特別。モーニング娘。とお話しようや。ええやろ?」と
マネージャーと俺に向かって聞いてくる。
俺の答えは聞かなくてもわかってる。マネージャーは
「明日早いからなるべく早く切り上げてね。」と言って、部屋を出ていった。

その時間はあっという間に過ぎていった。
あいぼんやののが眠たそうにしている。「んじゃ、そろそろ…」と俺は言った。
「握手もしてしてへんし、特別にサインもあげるわ。
吉澤、色紙そこにあったやろ?持ってきてみんな、サイン書いて。」
それぞれがサインをしている。
一番最後にサインをし終わったりかっちが、裕ちゃんに色紙を渡した。
メンバー一人一人と握手していった。裕ちゃんが、
「ごっちん、あんたが一番お世話になった人やから、
一番最後に色紙渡してゆっくり握手しいや。」
と言って、他のメンバーを促して握手した。
そしてごっちんと握手して色紙をもらうときに、小さなメモが折り畳まれていた。
そして、「ありがとうございました。」と言いながら、何か目で訴えているように見えた。

部屋を出て、マネージャーに軽く挨拶を交わして、
ホテルの近くにある喫茶店に入ってコーヒーを飲みながら、
ごっちんからもらったメモを読んだ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
今日は本当にありがとうございました。
なんか、私のためにケガしたみたいで…。
もう少しお礼がしたいです。
あと30分くらいしたら私の携帯に電話してください。
今日は1人部屋なんで、1人で寝るのは寂しいんで…。

090−××××−××××

                        後藤真希
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

メモを読み終わって、思わず飲みかけのコーヒーをふきだしかけた。
え!?ごっちんから誘われた?マジで??
確かにごっちんはホテルとかでは1人で寝られなくて、
いろんなメンバーの所に行っては一緒に寝てるって聞いたけど…。
1人で寝るのは寂しいって?俺と一緒に朝までってこと??
いろんなことが、頭の中を駆けめぐった。
1人、にやけたり、考え込んだり、まわりから見ると、
非常にあやしい人物だったであろう事は言うまでもない。

そうこうしているうちに、30分ほど時間が過ぎ去った。
さっきのメモの電話番号にかけてみる。
3コールほどでつながる。
『もしもし…』
あ、ほんとにごっちんの携帯だ。
「あ、さっきはどうもでした。」
『いえ、今日は本当にありがとうございました。』
「いえいえ……」
どちらもなんとなく無言になってしまう。
ごっちんから『さっきのホテルの1006号室が私の部屋です。
来ていただけますか?』と話しかけられる。
「もちろんです。5分で伺います。」と話し、電話を切る。

1006号室。とうとう来てしまった。ゆっくりノックする。
部屋の中から人が来る気配がする。
ゆっくりとドアが開き、中からごっちんが出てきた。
「入ってください。」そう言われて部屋の中にはいる。
ごっちんがベッドに座って、隣に座るように促される。
隣に座ると同時にごっちんから「今日は本当にありがとうございました」と言われる。
俺は「いや、ごっちんはごっちんしかいないんだから、
守ってやるのは、当たり前だって。」そう言うと、ごっちんは少し涙を浮かべて俺を見ている。
「あの時、すごく怖かったんです。ほんとにどうしていいかわからなくて…。」
と言って、俺の肩に顔を埋めて泣き出した。
俺は、「大丈夫だって。いつでも俺が守ってやるから。」といいながら、頭をなでていた。
そして、俺のことをじっと見つめ、ごっちんの方からキスをしてきた。

「お風呂、入れますか?」ごっちんは俺に問いかける。
「でも、左手がこれだからねぇ…」包帯で巻かれた左手を見せる。
「わかりました。私も一緒に入るから…先に入ってて。」
ごっちんに手伝ってもらって、左手をビニール袋で覆い、先に風呂場に来ていた。
すぐにごっちんは、やってきた。バスタオル1枚で体を隠しながら。
そして、すぐにそのタオルも取ってしまった。
目の前に今、後藤真希の一糸まとわぬ姿がある。それだけで興奮してくる。
「あ、こんなに大きくなってる。でも、もう少し待ってね。」と、
右手で優しく握りながら、子供を諭すように言ってくる。
「私は先に入ってるから…。」そう言いながら俺の体を洗い流してくれる。
(ごっちんなら、入ってなくてもいいよ。)などと思いながら、体を洗ってもらっていた。
全部洗ってもらうと、ごっちんが目の前にまわってきた。
そして、俺の肩に両手をかけながら、キスをしてくる。
さっきよりもディープなキスだ。ごっちんの方から舌をからめてくる。
それに応えるように、俺も舌をからめる。
ごっちんの豊かな胸が、俺の胸にあたる。それだけでもどんどん俺のモノが大きくなってくる。
ごっちんの右手は、その大きさを確かめるようにさっきからずっとしごき続けている。
すっと唇を離す。二人の唾液が混ざり合ってお互いの唇をつないでいた。
そのままごっちんは、俺の首筋から胸へと唇を滑らせ、ついに俺のモノへとたどり着いた。
「すごく、大きいですね。私、今まで同い年くらいの子としかやったことないから…。」
そう言いながら、俺のモノをその唇の中へと導いた。
ゆっくりとしたストローク、そして右手は袋を優しく丁寧に揉んでいる。
時には舌先で筋をなでまわす。どこで、こんな技を覚えたのだろう。
俺は、すでにいきそうになった。
「ごっちん、もうダメだよ。出ちゃいそうだよ…。」
すると、一旦唇から離し、そのまま上目遣いで「いいですよ。そのままいっても…。」
そして、今度は口の中いっぱいに俺のモノをくわえてきた。俺はもう限界に来ていた。
「ごっ…っち……んっ…!」
俺は、ごっちんの口の中でいってしまった。
それでもごっちんはゆっくりと愛おしむかのように俺のモノをくわえ続けた。
口の端から、受けきれなかった俺の精液を垂らしている。
そして、俺の顔を見ながら「すごく、多いですよ…。飲みきれなかった…。」
「無理して飲まなくてもよかったのに…」俺はそう言いながら、優しくキスをした。
ごっちんはその行為に少し驚いたようにしたが、すぐに身を預けてきた。
「フェラした後、すぐにキスしてくれた人、初めて…。」

その後、お互いの体を拭きあい(といっても、俺は左手が不自由なんで、
あんまり役には立っていないが…)ベッドへと移った。
ベッドに移ると、そのままごっちんに覆い被さり、キスをした。
「ごっちん、電気消さなくてもいいの?」
「暗いとあなたの顔が見えないから…。あと…これからは真希って呼んで…。」
「わかったよ。真希…。」
キスをしながら、真希の胸を揉んだ。
柔らかく、大きな胸。しかし若いので、たれることなく張りがある。
その左胸を右手1本で揉んでいく。真希の右胸は、俺の舌で乳首を転がす。
「あっ…んぁっ…」俺の愛撫に少しずつ反応している真希。
乳首を転がしながら、右手を真希の下腹部へと下げていく。
少しある恥毛に覆われた丘を通り過ぎ、湿り気を帯びた場所へと指を這わせる。
真希の突起を見つけた俺は、中指でその突起を優しく、時には激しく触った。
「んっ……あっ…気持ち……いいっ……」
俺の指使いにあわせて真希の声が大きくなってくる。
「真希、そんなに大きな声出すと、隣のメンバーに聞こえちゃうよ?」
「んっ…隣……加護と…辻だし…ここ、角の部屋…だから…あんっ…だめっ…」
俺は真希の湿った淫口に中指を挿し込んだ。
親指の腹で敏感な突起を、中指は真希の中に挿し込み、小指で真希のアナルを弄んでいた。
真希は、目の前にある俺のモノを口に含んだ。まるで大きな声が出せないようにするために…。
「さっきいったばかりなのに、もうこんなに大きくなってる…。」
「だって、真希とえっちしてるんだよ?日本のアイドル、モーニング娘。の後藤真希と…。」
俺は、攻撃を指から舌に変えて攻撃を続けた。
「んっ…はっ…あぅん…」真希は俺のモノをくわえながら、吐息を漏らしている。
「あっ…ダメっ…あぁっ…いっ…いっ…ちゃう…あぁっ……」
真希の体が硬直したかと思うと、そのままぐったりとなった。
真希は肩で息をしながら、それでも俺のモノはずっとしごき続けていた。
「…はぁ、はぁ…男の人に…いかされたのって…初めて…。」
それでもまだまだ何かを求めているのだろう。
真希の淫口からは、淫蜜がどんどんあふれてきている。
俺は真希への愛撫を続けた。真希も俺のモノをくわえ、愛撫を続けている。
「もう…ダメ…。ね、入れて…。」
「真希が上になってごらん。」
「今までやったこと、ないよぅ。どうやったらいいか、わかんない…。」
「そうだな、『恋愛レボリューション21』の一番最後のフリ、って言えばわかるかな?」
真希は「やってみる…。」と言いながら、俺のモノを自分の中へと導いた。
「あぁん…!」真希は腰を落とした瞬間、のけぞるように快感をあらわにした。
そしてゆっくりと腰を上下に動かす。
真希の大きな胸が今俺の目の前で揺れている。その胸を俺は揉んだ。
「あっ…あっ…あぁっ…」腰の動き、そして胸への愛撫にあわせて、真希の声も大きくなってくる。
「真希…」俺は真希に声をかける。真希はそのまま俺の上半身へ体を預けてくる。
キスをしながら、俺は真希を突き上げた。
「んんっ…んぁっ…あっ…」真希は感じながらも、俺のことをじっと見つめた。
「どうしたの?真希。」「あの歌の一番最後、いつもこういう想像しながら見てたのかな?って…」
俺はその質問には答えず、腰の動きを早めた。
どれくらい挿れていたであろう。真希は何度もいっていた。俺も限界が近づいてきた。
そんな俺に真希も気がついたのだろう。「最後はやっぱり、あなたの顔を見ていたいから。」
真希を仰向けに寝かせる。挿れると真希は、俺の腰のあたりで足をからめてくる。
そのまま俺は腰を早く動かした。そして胸への愛撫をし、キスをした。
「あっ…あぁっ…あたし……あっ…また…いっ…ちゃい…そう…」
そう言いながら俺の背中へ手を回し、爪を立ててきた。
「俺も…もう、いきそうだよ…」
「一緒に…いこう…あぁん…ね…一緒に…あぁ…」
「真希…いくよ…いくよ…真希っ…!…」
「あぁっ…いくっ…いっちゃうよぅ…いっちゃ…うぅ…」


朝…
そのまま真希と同じベッドで眠ってしまったらしい。
隣にはスヤスヤとかわいい寝顔の真希が、規則正しい寝息をたてている。
寝顔を見ていると、普通の15歳の女の子だ。
夜、あれだけ女を感じた人と同一人物だとは、想像できないくらいだ。
俺は真希を起こさないようにベッドから出た。
その時、サイドテーブルのメモに気がついた。

−−−−−−−−−−−−−−−−−
ごっちんへ

あんたねぇ、集合時間になっても降りてこないから、
どうせいつもの遅刻だろうと思って鍵借りて入ってみたら…。
まったく、なに考えてるの!
男の人とえっちするなんてまだ早いわよ!!
これがまったく知らない人だったら、
私もごっちんのことたたき起こして、
怒鳴り散らしているんだけども…。
昨日ごっちんを助けてくれた人だもんね。
あんたが結構情に厚いっていうか、
そういうところはわかってるから、今日はなにも言わないわよ。
コンサート会場まで私らは大型バスで移動だから、
隣のお兄さんに車、飛ばしてもらって追いついてきなさい。
1時間くらいあとなら、私らに追いつくと思うから。
とにかく、起きたら1回私に電話すること。
マネージャーにはうまく言っておくから。

隣のお兄さんへ

そういうことなんで、後藤のこと、お願いします。
間に合うからってもう1回えっちしようなんて考えないこと!
なるべく早く私たちの所に無事送り届けてください。
このことは、後藤と私とお兄さんの3人だけの秘密ですから。
会場の住所は、××県××市の××市民会館です。
当然、コンサートは見て行くんですよね?

あ、あと、寝るときはパンツくらいはきましょうね。
来たとき、おしり丸見えでしたよ。
これじゃ、夜えっちしましたよとしか、言えませんから。
それでは、くれぐれも無事に後藤を送って下さい。

                        保田圭
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

あわてて、真希のことを起こす。
「真希、今日の出発時間、何時なの?」
「んぁ?8時だけどぉ?いま何時なのぉ?」
「今、8時35分…。」
「…えっ!?どうしよう!!」
眠気なんて一気に覚めた感じで、真希は飛び起きた。
真希も真希で、ブラもパンツもつけていない。
どう考えても、えっちしてましたとしか言えないよな、これじゃ…。
「とにかく、圭ちゃんからメモがあるから、読んでみて。」

「あ、圭ちゃん?」
『あ、じゃないわよ。なに考えてるのよ。』
真希からの電話だとわかり、小声で話し出す圭ちゃん。
「ごめん…」
『ごめんじゃないの。って言ってもあんたのことだから
いくら言っても仕方ないわよね…。』
「えへへ…」
『まったく、部屋に行ったのが私だったから良かったものを、
マネージャーだったらどうするつもりだったのよ…。』
真希は答えられないのか、頭をかきながらへらっと笑っている。
電話の向こうの圭ちゃんが見たら、怒る気もなくすような笑い顔だ。
『ちょっと、隣のお兄さんにかわって』

「圭ちゃんがかわってだって…。」
真希から携帯を受け取る。
「かわりました。」
『ちょっとぉ、ちゃんと避妊はしたんでしょうね…。』
いっそう小声になり俺に聞いてくる。
「…はい。…」
微妙な間を作って答えてしまった。
その微妙な間に感づいたのか、
『まぁ、いいわ。とにかく事故しないように後藤を送ってちょうだい。』
それだけを伝えて、電話は切れてしまった。

「ねぇ、9時に出れば間に合う?」
「ま、どんなに遅くても9時半に出れば間に合うけど…。」
「んじゃ、もう1回、しよっ。」
言うのが終わるか終わらないかのうちに、
真希に押し倒されて、唇をふさがれていた…。


当然、新聞やテレビで、昨日の事件の事は伝えられている。
コンサート会場でも、声こそはかけられないが、
「もしかしてあの人なの?」と、ささやかれている。
昼公演、こういう時に限って、最前列ステージど真ん中なんていう最高の席である。
メンバーのみんなが、俺の方に向かって笑っていく。
真希は、これでもかと言うくらい最高の笑顔を俺に投げかけてくる。
圭ちゃんも、冷ややかな、それでいてしょうがないよなといった感じで笑いかけていく。
最初のMC。いつもと内容の違うMCが始まる。
「昨日の事件はみなさん、ご存じですよねぇ…。」
『知ってるよー!』『ごっちん、大丈夫だったー?』
あちこちから、そんな声が飛び交っている。
「私は大丈夫だよー!ここにいるお兄さんに助けてもらったからぁ!」
そう言って、俺の方を指さしている。
仕方がないので、ステージの方を見ながら両手をあげる。
『よくやったぞ!』なんて声が飛んでくる。

コンサートはその後も順調に進んでいく。
アンコールの曲も歌い終え、最後に退場していくとき…。
真希は、マイクを通さず俺にだけ見えるようにはっきりと口を動かした。
(大好きだよっ。またえっちしようねっ。)

−END−




もどる 感想を投票する
動画 アダルト動画 ライブチャット