「ふぁふ・・・」

欠伸を噛み殺す

朝までマリア達を弄っていたため、どうにも寝不足だ

・・・眼を擦りながら、ユウは仕事に出かける・・・最近ではショート家から格安で割のいい仕事や良い噂が出回っているので仕事もかなり楽になっている

ユウは首を捻りながら眼を公園に向け・・・・嘆息する

つい先日祭りめいた騒ぎがあったせいでゴミが散乱している、それを片付けることが今回の彼の仕事で

「めんどくさい・・・」

溜息を付きながら仲間達の方へ歩く、彼等は既に掃除を始めているようだ

・・・仲間ばかりに働かせるわけにもいかず、ユウは袖をめくるとゴミ集めを始め

「・・・サクラ亭の弁当が多いな・・」

出店のような真似でもやっていたのだろう、弁当の空箱を集めながらユウは毒づき

・・・・

「ほっほっほ・・こえがぁする・・ひゅっひゅっひ・・・」

・・・公園を走る影に眼を向ける

訳の分からないかけ声で走ってくるパティ・・それに目をやる、いつものTシャツにスパッツで走ってくるパティ

どうやらジョギングのようだ。小刻みに身体を上下させながら公園を走り

「パティか・・・」

「なんだユウ・・何してんの?」

呟くパティに辟易する、誰が原因でと呟き

「ゴミ集めだよ・・・空箱が散乱してるからな」

サクラ亭の弁当が入っていた空箱を見せる、ふぅんなどと気のない返事をするパティに

「あのな・・手伝っていこうとか言う気にはならないのか?」

「何で私が手伝わなきゃいけないのよ・・仕事でしょ?頑張って」

さっさと背を向けて走り抜けていくパティに・・・

・・・ユウは次の獲物を定めた
 
 
 
 
 
 

「ふぅ・・・」

「じゃ、シーラも働いてたんだ・・・手伝っていけば良かったかな」

昼下がりのサクラ亭、昼食を摂る者の姿も減り残るは数人の客と・・カウンターでシーラがジュースを飲んでいる

パティと談笑しながら仕事のことを相談しているようだが

「それでね・・・・最近、ユウ君が元気ないの」

・・・いつもの悩みを打ち明けるシーラに辟易するパティ、どうにも煮え切らないというか・・まぁ、パティもそれほど強く背中を押したわけではない

ただ、このご令嬢は自分に自信がないことが多く、相談にはよく乗るのだが

「あのねぇ・・」

また何か声をかけようとした・・次の瞬間

足場が消えたような錯覚、突然身体から力が抜け

「ヴァニシングノヴァ!」

叩きつけられた衝撃波は、サクラ亭の中にいた者達から尽く意識を奪い去った
 
 
 
 
 
 

「金を用意しろぃ」

へらへら笑いながら喉元にナイフを突きつける男・・不気味な眼帯と拘束具を纏った男は、シーラの喉元にナイフを突きつけたまま自警団を見渡し

動くに動けない彼等にへらへら笑う・・・

準備は万端だ、人質はサクラ亭にいた数人、その中でシーラとパティを縛り上げて猿轡を噛ませて側に置いている

残りは縛り上げて店の中・・トラップを複数仕掛けたため強行突入や逃亡は難しいだろうが

・・・その分、彼の逃走も難しくなっている・・・

そして・・・・

「もうちょっと離れてろ・・でなきゃ、火を点けるぞ」

傍らに置いてある樽に蝋燭を近づける、それに慌てて群衆が仰け反り

・・・辺りに散乱する黒い粉と、風で飛ばされないようにと紙で巻き、石をくくりつけたそれらが転がってるのを見る

・・・ショート家から盗み出された大量の火薬、それをふりまいた男はへらへらと笑いながら握るナイフを閃かせ

「シェフィールド家だ・・身代金もそれなりの物を用意して貰うぞ」

意識を失ったままのシーラを見せつける、首に鎖がかけられその鎖は男に結びつけられている、無闇に手出しは出来ず

「人質はたくさん居るんだ・・・何なら1人殺してもいいんだぞ」

パティの喉元でナイフが閃く・・こちらは意識がある、が・・同じように首に鎖がかけられ腕は背中で縛られている、スパッツとシャツという出で立ちのまま縛り転がされるパティは芋虫のように這いずることしか出来ず

「さっさと用意しろ・・じゃなきゃ人質がだんだんひどい目に遭っていくからな・・一応言っておくが、強行突入なんかしてみろ・・火を点けて人質全員吹っ飛ばすし、こっそり潜入したらばれた時点でシェフィールド家のお嬢さんを犯す、さっさと金を集めな」

リカルドとアルベルトが隣町まで出かけているという状況は事態を硬直化させている。消極的な案しかもたらされない自警団を横目に、パティ等を引きずり

サクラ亭へ引っ込むと・・・・パティの髪を掴み持ち上げる・・縛られたパティは抵抗も出来ず、怪しい人影に掴まれ

「んぐっ・・・」

その頬を舐められる・・ナイフを突きつけながらだ、何も抵抗できず

「へっ・・お前の方は手を出しても誰も文句も言いそうにないからな」

頬と・・首筋や、唇の近くまで舐められる、不快な感触に身を強ばらせ・・・

椅子に座る男は膝の上にパティの腹を乗せるとその尻を撫でてくる、身体を這い回る舌や指の感触にパティは暴れようと藻掻くが

「無駄だ・・諦めろよ」

スパッツの上から股間を嬲られる

縛られている者は目隠しさせられているし、シーラは意識を失っている。誰にも見られてはいないが

やはり、羞恥は全身を縛り付け

「楽しもうかお嬢ちゃん」

唇を舐める男の手が、パティの胸を鷲掴みにする

無駄な肉のない肢体を指が這い回り・・

「お前・・」

人質の1人を引きずる、それに意識のないシーラを握らせ・・・首に鎖をかけると。拘束具と眼帯を付けさせ

「店の前に立っていろ」

かかしにさせる・・これで、しばらく邪魔はないだろう

男、シャドウにはパティを楽しむ時間がたっぷりと与えられ

・・・スパッツに、シャドウの指の形が浮かび上がった
 
 
 
 

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