腰を引き抜く、サンは・・呻くように声を漏らしながら、涙に耐え
・・・地獄が過ぎ去った、毎夜繰り返されるレオンハートを交えての乱交パーティー・・それに、サンは主賓として扱われ
・・・ホームズやシゲン、レネやレオンハートにその身体を嬲られ
「・・・私は・・」
・・・レオンハートもまた悲しみにくれる、レネに命じられるままにサンを犯す彼は・・既にまともな思考すら出来ず
ホームズの傀儡としての機能を十分に果たし
・・・ホームズは、サンを犯しながら見ていた親書をシゲンに放る、それを・・何人かで確認し
・・リュナンからの協力要請だと確信する
正確に言えば、レオンハートに共通の敵であるセルバ砦を落とさないかという協力要請だが・・レオンハートを既にホームズが落としているとは思わなかったのだろう
実際・・レネを得られた故の幸運だったのだが
「一度合流するか」
・・・調教した女の交換も必要だし
呟きながら、ホームズは軍備を進めるようにゼノに命じ
レオンハートの軍勢を形式的には協力、実質支配下に置き・・・彼等はリュナン達の方へ向かう
自らの欲望のままに進む彼等が世界の覇権を握ろうとしていることを覇王の資質とするならば、彼等が力を求めたとき得られる物は何だろう
答は・・全てが終わった後に見出せる
「・・・・・さてっ」
ちょうどその頃のリュナン、エンテを傍らにセルバ草原に展開される敵の陣形を見る
・・・全兵力・・薬等によって心を無くした戦闘機械達を使えば、簡単に陥落できるだろうが
この後、より大きな戦いが控えている・・それは、避けたい
加えて薬などによる無痛覚兵士は目立ちすぎる、矢に射落とされても倒れることなく向かってくる兵士は恐怖で相手を縛るだろうが・・・ゾンビを使っているなどと下手に噂立てられるのも気分が悪い
幸い、近くに共通の敵を持つ者が居た・・・レオンハートに協力要請を送った彼等は、既に調教された女達を後に退かせると、北に・・馬による土煙が上がるのを確認して、走り出る
・・・破壊欲で己を満たしながら・・・彼は走り出し
「ラフィン、俺を乗せて行け」
・・この間の戦いで、竜騎士へと進化を遂げたラフィンの騎乗竜の足に捕まるリュナン・・そのまま、高速度で敵陣へと飛んでいき
「やれやれ・・」
ナロンは馬を駆る
ああなっては、リュナンは自分が満足するまで殺し続けるだろう・・敵陣から女の匂いがしなかったのが失敗だ、男は全て殺すつもりだろうから・・・・・
「情報操作が大変そうだ」
レオンハートに虐殺を狂喜するリュナンを見られないよう注意する必要があるだろう・・・せめて覆面くらいしてもらえれば有り難いが・・・
「ナロン様」
・・・その・・中で
「先遣隊が女を発見しました・・それなりに上玉の部類にはいるので手出しは控えさせていますが」
・・・頭を抱える
せめてもう少し早ければリュナンの暴走を止められたのだが
「仕方ないですね・・先遣隊というと」
「死神部隊です」
・・心を無くした戦闘機械の部隊だ、それで答は出た
彼等を見た者は、死か従属しか許されない・・が
「金髪の女ですが、まだ幼いくらいです・・・後数年もすればリュナン様好みになるんでしょうが」
・・・嫌な言葉を聞いた
この間・・助けた・・・
「・・後で、私が向かいます」
・・・それは、些細な気紛れ
・・・ひょっとしたら・・まだ自分にも心は残っているのかも知れない
「さて・・」
血塗れの腕を振るう・・脳漿を飛び散らせながら倒れる男は、見ていて楽しいものではないが
命を奪う一瞬は恍惚に似た快感を味わえる、地を洗い落とす面倒は別として・・この感触は悪くはなく
「ん?・・」
ふと、見上げる・・すると
空を舞う・・ペガサスナイト、マーテルではない・・あれは
「・・マーテルの妹か?」
この間調教の終わったマーテルに、何処か似た少女の姿
「・・・処女の臭いがする」(本当か?ヲイ)
そしてその奥に見えるレオンハートと・・見覚えある旗、間違いない・・ホームズだ
「・・・射落とせ」
近くにいた兵士に命じる・・・心の無い男はリュナンの命令を正確に解釈し、騎士に当てることなくペガサスの羽を射抜き
リュナンはマーテルを連れてくるよう命を与えた
砦はもうすぐにもラフィンが落とすだろう、後は・・
「楽しませて貰おう」
笑いながら、リュナンは針を取り出した
「はっはっはっ」
荒く息を吐き出しながらフラウが走る
・・・延々と続く草原、そこを走る小さな影
普段、ペガサスを駆っている彼女の脚は騎士としては明らかに華奢で、自分でもそれを自覚していたが
(お願い・・もっと早く)
疲労と痛みに遅々としか動かない脚を叱咤する・・けれど、やはりそれは満足に動くことなく
ザ・・ザザザ
草原をかき分け何かが迫る・・それも、十に近い数が
人・・だろうか、けれどその動きは早く・・人影は微かにも見えず
何よりも早い・・・尋常な速度ではない、自分を優に数倍する速度で草原を駆けながら包囲していく・・逃げ道は塞がれ、闇雲に走ることすら出来ず
・・・実戦経験に乏しく、初陣に等しい彼女にとってこの瞬間は恐怖で敷かなく
「っ・・」
草原の果てに黒く蟠る・・森、木々の生い茂る
微かに脚に力が入る、あそこまで逃げれば助かると・・・自らを鼓舞し
「くっ・・」
包囲を抜け出すようにひた走る・・周囲の気配が彼女に群がるように狭まり
「・・・・・え?」
足が止まる
草原は抜けた・・彼女と共に草原から走り出す小柄な影、黒い・・血走った眼の、狂犬
けれど・・それより
「やっと来たか」
立ちふさがる、男・・・逃げ込もうとした森の前で、剣を携えながら
「狩りは、矢を放つことよりも獲物を如何にして追い込むかが大切にされる」
十匹ほどの犬・・凶悪な面構えをした、辺りの魔物より明らかに屈強な・・・それから逃れてきたフラウは、ゆっくりと青ざめ
「必要なのは・・本陣からどうやって引き離すか、射落とした獲物を運ぶより・・自分で走らせた方が危険は少ない」
脚が震える・・犬が近付いてくる
彼女に、逃れる術はなく
「いいぞ・・食らいつけ」
・・・犬たちは揃って、発情したように腰を振りながらフラウに襲いかかり・・・・
フラウの首筋に針が突き刺さった
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・・・飽田は反応が少ないとつくづく更新が遅れますので
ちなみに、レスはとことん遅いです
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