エトが物珍しそうに辺りを見ている
奴隷として隷属させたディードの案内でハイエルフの森、帰らずの森を抜けているのだが・・さすがに人の踏み入れたことのない秘境は博識な彼にも珍しいらしい
同じようにスエインも辺りを見ているが
「ここは時間の流れが違う、急いだ方がいいぞ」
その中でギムが言う・・ディードが目を見開いている以上、それは事実なのだろう
ディードの首輪を引くパーンは歩幅を拡げ
「あく・・」
菊門に拡張用のバイブを埋め込まれた彼女にとっては、それは拷問に等しい
けれど、抵抗は激痛を招くことになる
エルフ族の知識すら有するギムに疑惑の眼を向けるディード・・もっとも、この4人はそれぞれが異常極まりないのだが
そんな中で、彼等は急ぎ・・森を駆け抜け
・・・視界が開ければ、そこは闇夜だった
「ほう・・星が動いてますね、どうやら数日をこの中で過ごしたらしい」
スレインが星辰の傾きからそれを推測する・・・時間の流れの違う世界、その感覚は、パーン達にはひどく奇異で
「まぁいいでしょう・・我々の目的地はヴァリスです・・パーン、頼みますよ」
・・パーンの鎧を見ながらに言うスレイン・・パーンは暗黒騎士として鍛練を重ねた、けれど彼の父は元々ヴァリスの聖騎士だったのだ
そのつてを使ってヴァリスに潜入し、後方攪乱を目論んでいるのだが
「行くぞ・・ディード」
・・・エルフの娘は一見、今までと変わらぬ格好をしているが・・下着の着用は許されず、菊門には張り型が詰め込まれている
魔術による従属、彼女はパーン達に逆らえない・・死すら、自分の意思では選べない
スレインが長年の研究と、ファラリスへの信仰と共に身につけた束縛の魔術だ・・自由は他者を従属してこそ果たされる、そんな教義を、スレインは抱えている
・・・エルフの奴隷を連れ、街道を行く5人・・その脚は屈強で、ディードを除けばそれほど問題もなく
・・・どれほどの道程を重ねたろうか、少なくとも数度の夜の後に・・パーン達は珍しくも街道を戦争の方向へ向かう馬車に遭遇し
「うん?・・」
馬車が近付いてくる、女が乗った馬車と・・騎士達
・・・かなり高貴な身なりをした女が乗っているようだが、ヴェールに包まれてよくは見えない
パーンが残念そうにしているが、ヴァリスに向かおうと言うときにそんなことをしている時間もなく
挨拶だけを交わすと戦場に向かうそれを、やり過ごし・・・・そして、やや時間が経った頃に
スレインが新たな人影を見つけた
「・・また騎士が来ます・・ですが今度のは・・・・・ヴァリスの聖騎士」
遠くを見ていたスレインが呟く、そして、すぐにも聖騎士の鎧を纏った騎士達が馬を駆ってくる
かなり焦ったような騎士達は、パーン達を詰問するように問いただし
・・・パーンの逆鱗に触れた、鎧ごとそれを両断する、嘆息しながらギムも騎士達を斬り刻み
「ひっ・・」
生き残りの騎士達は死を免れようと必至で
「何故・・馬車を追っている?」
「ひ・・姫様が、フィアンナ姫様が誘拐されて」
・・・聞きたいことを聞くと、パーンは騎士にとどめを刺した
死体を焼き、灰にすると・・騎士から奪った情報を吟味し
「・・・スレイン、竜を」
「やれやれ・・人使いが荒い」
言うか言わないかのうちに杖を持ち、何事かを呟くスレイン・・次第に、その姿を変え
・・・巨大な皮膜を持つワイバーンとして姿を変える、変身呪文・・・
その巨体に3人が跨り、尻尾でディードを絡め取ると・・・彼等は舞い上がった
・・・拠点の発見、そして襲撃はその日の夜行われた
最も・・・
「俺だ・・死にたくなければ剣は向けるな」
・・・アラニア同様に、マーモの騎士達であったが故にパーンが顔を出すだけですんだが
カーラとか言う、魔術師と言葉を交わし、彼等の目的を知り・・・ギムが探していたレイリアという女の事を聞き
しばらく、スレインとエトはカーラと一緒になって何事かを話していた
結局は、フィアンナ姫はパーン達の好きにしていいことになり・・・その代償として、ヴァリスの後方攪乱を求められた
・・・彼等にとっては、造作もないことだ
そして・・・
喜劇は巻き起こった
コンコン
「・・・姫」
微かな声が響く、窓からゆっくりと・・月明かりが漏れ
「助けに参りました・・姫」
・・・聖騎士の鎧を纏った彼は、柔らかな笑みをフィアンナに向けた
「・・・」
闇を疾駆する影、2人の人影が闇夜を斬り裂いて走り抜け・・
「申し訳ありません」
「い・・いえ」
人影の1つの背で、フィアンナは身体をぎゅっとすり寄せ
・・・ファリスの神官服を纏ったエトはフィアンナを背に闇を駆け抜ける、その傍らにはパーン・・・
・・・スレイン達はそんな2人の上空を舞っている
簡単にパーンの鎧を偽装しただけなのだが、ファリスの神官(偽)がいたこともあってか、比較的簡単にフィアンナを騙すことが出来
・・・どうやら、自分達が味方であると信じてもらえたようだ・・・実際はどうあれ
こうして、馬が居るところまでとフィアンナを担いで走り抜ける2人は・・灯りをつけることなく走り抜け
ディードが万一要らないことを口にしないよう、会わせないことにしたが
・・・エトは背中に当たる細身の肢体の感触を確かめ、それが相手するに相応しいことを知ると
・・・馬を駆る2人は、街道から僅かにずれて走り抜ける
「追っ手が街道を探すからです、少々荒れた道を走ることになりますが」
・・・・人気のまず有り得ないような道を走り出す3人
・・旅は、始まったばかりだ・・
なぎごと・・・・・・・
・・えっちがない楽でいい(待て)
とりあえず、生きて帰ってこれました
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・・・飽田は反応が少ないとつくづく更新が遅れますので
ちなみに、レスはとことん遅いです
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