それを見上げる・・自分達が幾度も訪れ、そして笑い合ったそこは、今日はひどく・・落ちぶれて見え
「・・・・」
彼女は静かに、目の前で自分に対し怒りと奇異の眼を向ける少女達に向き直り・・顔を覆う仮面を取った
「・・浦島景太郎の妹・・浦島可奈子です・・今日からひなた荘の管理人に就任しました」
ぺこりと頭を下げ・・面食らい、呆然とする少女達の前で・・彼女は復讐の牙を研ぎ
「妹ーー!?」
・・・彼女は、ひなた荘の改修に着手した
「お部屋の方は今まで通りですので好きに使ってください、兄が決めたことを今更どうこうするつもりはありませんので、皆さんの権利等はそのままです」
言うかな子は・・呆然とする面々の前で、僅か三日で古びていたひなた荘を改修し、今までの雰囲気を残したまま屋台骨をしっかりした物に変えてしまった・・
変わってとすれば
「あの・・景太郎の部屋がちょっと離れた気がするんだけど」
ぎっと、触覚女が一瞬睨まれる
一対七ほどで向きあう彼女達は、妙に殺気立つ可奈子に押される形で腰が引け
「・・女性寮にそもそも兄が居た時点で間違ってるんです、部屋を離すのは当然でしょう・・ましてあなたの部屋と兄の部屋は鍵もなく通行できるようでしたし」
あうあうと何か言いたげな触覚・・付き合ってるとでも言いたいのだろうが・・
「その割にあんたの部屋は隣り合ってるんやな」
飲兵衛が言ってくる・・
「兄妹ですから構わないでしょう」
そもそも兄と自分の部屋を離すことからして嫌なのに・・
「センパイの居ない間にこんな事して、いいんでしょうか」
言う、ロリ・・
「兄の居ない間の管理は私ですから」
その兄の・・頼みでもあるわけだし
「私の部屋まであるんですが・・よろしいのですか?」
・・亀女
「構いません、今更一部屋や二部屋」
・・1人や2人
「新装備が増えたんやな」
黒ロリ
「防音設備と内鍵を付けました、女性寮にしては些かにぎやかなようですので」
最低限必要な物は揃えたし
「浦島よりずいぶんとまともな方ですね」
・・・堅物女
「・・・兄に比べればまだまだです」
・・・・ずいぶんと・・言いたいことを言ってくれ
「あんな兄ちゃんよりずっとまともだって」
ガキ・・・
「・・・いいえ・・兄さんに比べれば」
ガラッ
「お前等、何やって・・・」
8人目・・
煙草女・・・
それがこっちを見・・喉が震え
「か・・可奈子・・」
「お久しぶりですねはるかおばさん・・兄の代理として管理人を任されました」
・・・確か、私の過去は知っていても裏は知らないはず・・なら問題ない
「しばらくは書類整理に当てますので、私は自室にこもらせていただきます」
ぱたぱたと消え・・耳にイヤホンを当てる
事と次第によっては計画の繰り上げも
『・・お、お前等・・浦島の悪口言ってないよな?』
『?・・何でですか?』
『可奈子は・・少なくとも五年前までは重度のブラコンで、あいつを虐めた全部のガキは可奈子に制裁されてんだよ』
『ブラコ・・・あんな奴の?』
『なんて言うか・・たて喰う虫も好きずきというか・・そう言う意味ではお前と趣味が合うのかも知れんが』
『わ・・私とって・・』
『・・・まぁ、まだブラコンのままなら浦島を追って留学でもしてるか』
『頭いいのか?』
『・・・浦島家の財政管理を一手に担っている、婆さんの秘蔵っ子だ、そう言った意味では管理人なんて職に就くことからしておかしい』
『・・浦島とは似てないんですね』
『まるっきり似てない・・高校には行ってないが、大検には合格して・・もうすぐにも東大に入学するつもりだったらしい』
『・・それって・・・』
『・・あいつを追って・・だろうな・・』
・・・些か偏った情報では在ったようだが
やはり事実までは知られていないようだ、ならまだやりようはある
イヤホンを外すと、自室へと戻り・・彼女は準備を始めた
「・・・」
スゥとか言う女のセキュリティを突破する
全カ所に設置した監視カメラの機能を把握し
・・・可奈子は、最初の獲物を見定めた
・・・まずは・・・一番厄介な相手からだろう
・・・自分の企みを粉々に破壊しかねない不確定要素
「・・・スゥ・・」
可奈子は・・唇を高く吊り上げた
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・・・飽田は反応が少ないとつくづく更新が遅れますので
ちなみに、レスはとことん遅いです
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