「・・・」

表情1つ変えずに敵の頭を叩き割る

それに・・卜部が不気味な貌をしながら

「お前・・いくら敵だからって・・」

「敵だから・・だよ」

雑魚の鬼門のなり損ないを吹き飛ばしていく

その様を・・卜部や希美子は気味悪そうに眺め

「情けをかけないことは大切さ」

金の髪をかき上げながら・・新たな仲間とやらが言ってくる・・ジェレミー大崎サードとか言う

前世の縁もないのに手伝う変な輩・・

それが奇妙なステッキで・・図書室の鬼門もどきを退治しているのを眺めながら

純は手にした剣で鬼門の首を狩る

傍らでは卜部が木刀を振り回し、希美子が火縄銃を振り回す

・・・このまま街でも歩けば一発でお縄にかかりそうだが・・・

GOSU

・・純の脚が敵の膝を踏み抜き、その眼窩に指を突き入れる

飛び散る脳髄に、倒錯した快感を覚えながら・・純は足を踏み出し、敵の爪先を踏み抜くと、そのまま心臓があるべき部位を貫き・・・

図書館に封じられた鬼門もどきを駆逐していく

無表情ながら、その瞳は確かに昂揚し・・縦長に斬り裂かれるような眼光を宿し

・・・図書館に紛れ込み、冷めた眼でそれを眺める少年は吊り上がるような笑みを浮かべた
 
 
 
 
 
 

図書館に封印された鬼門が居る・・・それでの訓練

あまりにふざけたその行為は、鬼門をただの敵・・ただの害虫と認識している確たる証拠

それ自体がさして気にしていなかったが・・問題があったとすれば

「強いんだね、兄ちゃん」

「・・ああ」

図書館で肝試しをしていたという・・子供、たっくん、姫山辰夫とか言うらしい・・

それを護るために、なし崩しに戦闘になり・・ジェレミー達に叱られているが

本人に気にする様子は見られない・・純も、気にしては居ない・・・

そんなことはどうでもいいことなのだから

「・・・」

・・・あんな奴等では、こいつは殺せない・・それは、はっきりと分かっているのだから

(久しい・・匂いだ)

血と狂気

死と墓土の匂い

図書館の鬼門もどきなどとは比べ物にならない死の感覚がその身体には満ち溢れている

・・・鬼門、それも・・最強と呼ばれし7匹の鬼門の一柱

何故こんな所にいたかは分からない・・けれど・・・

はっきりと分かる、これこそが鬼門だ

自分の中の魂が警鐘を鳴らす

・・・慟哭と、叫びを同時に伴いながら・・・

今まで倒してきた鬼門などとは比べ物にならない力、絶対的な畏怖と・・喜びが身体を支配し

「・・兄ちゃん、なんか気分悪そうだけど?」

悪くもなる・・これだけの血の匂いを嗅がされているのだ

自分の中の奴が・・叫びを上げ・・・・

(駄目だっ)

制止する・・まだ・・駄目だ

・・・もう分かっている・・自分というイキモノのことは・・だから、駄目だ

こいつの側に居ちゃ行けない

「・・・」

顔を背け、辰夫を突き放す・・それに、不満そうな顔をする辰夫に、背を向け・・

「へへへ・・・」

・・死にかけていた鬼門が顎を鳴らせる

自分の倒した物ではない、そんなへまはしない・・・残る1人の仲間、由里によって倒された鬼門だろう

どうにも、甘い彼女はとどめを刺しきれず

・・・その頭蓋を踏み割ろうとした純に

「もう遅いんだよ・・・今頃、貴様の家は・・」

・・・頭蓋を踏み抜き駆け出す、それに・・慌てて源の者達と辰夫が続き
 
 
 
 
 
 

・・・劫火に包まれる自宅

炎の乱舞が眼に眩しく、牙を噛み締め・・その様を見る

犯され嬲られ・・火に包まれる、妹の姿を・・・

「教えてやろう佐藤純」

「我々が貴様の家族を殺し・・・」

ふざけた口を利く雑魚の口蓋に拳を叩き込む

顎がひしゃげ、唇が裂け・・純の拳を飲み込んだ男が泣き咽ぶのを間近で眺めながら

・・・拳を解くと指をそれぞれの歯にかけ、上下に顎を引き裂く

頬を引き裂かれながら倒れる鬼門の頭蓋を踏みしめ、脳髄を踏みにじりながら

「・・・」

・・久しぶりの激昂に酔いしれる

怒りが、身体を包み込む・・憤怒すら生易しい怒りの境地、無表情に近くにいた鬼門の喉を爪で裂きながら

・・・相手と自分の血で濡れた拳を握り、今ので割れた爪を構える

痛みなど消え失せた、脆い人間の身でもこれぐらいの力は引き出せる

「・・お前達が・・鈴花を殺したのか」

殴りかかってきた男の眼に指を突き入れる、膝をへし折り・・睾丸を踏み潰し

転がして踏み潰す。単純な動作に次々に苦悶する芋虫が出来上がる・・・純は、容赦なくそれらを駆逐し

・・源の手助けもなく・・十人からの男達を素手で解体した

燃え盛る篝火に照らし出されてのその行為は、ひどく残虐で、鮮烈で

「純・・・・」

肩を叩く卜部の腕をへし折りたくてたまらない

燃え落ちていく自宅を前にして、純は・・涙を流すこともなく怒りの劫火に身を窶し

「・・・残っていたモノが・・消えたな・・」

笑うような眼で見てくる辰夫を睨み付けると、壁を背にして力を抜く・・

今にして、鬼門を殴りつけた拳が痛く

「大丈夫ですか?」

包帯を巻き付けてくる由里に任せ、瞑目する

・・・誰がやったかなど、考える必要もない

・・・けれど、自分を育ててくれた家族を灼き殺されたことには。残っていた人の心が慟哭を漏らし

「・・あいつ等・・・」

漏らした呟きは、誰にも聞こえることなく闇に消える

・・そして・・

「お兄ちゃん・・」

・・鈴花と同じ抑揚で話しかけてくる声に怒りしか覚えない

救急車や消防はまだ来ていない、今は野次馬達しか居らず・・・その野次馬の中で一際異彩を放つ5人

2人は知らないが、3人には見覚えがあり

「・・・お前達・・鬼門か・・・・・・俺の家族を殺したのは、お前達か?」

呟く

慟哭が激しい、身体が燃えるように熱い

・・血が滾り、飢えが身体を支配する

「お兄ちゃん・・・」

「まだ目覚めていないのか・・」

呟く声・・・これも・・・家族を灼き殺したのも俺の目覚めを促すためだろう

だが、こんな事は望んでいない

こんな物が無くても・・・

「まだ駄目みたいだよ・・」

・・辰夫が呟きながら、鬼門達の列に連なる

卜部や希美子の声が耳障りに響く、戦おうとしているようだが・・無駄だ、力が違いすぎる

「・・・お前達か?」

「ああ・・・そうだ」

その呟きに握っていた剣を投げつけ・・

「・・・まだ、のようだな・・・また会おう」

名残惜しそうに去っていく少女の背を見送る

「何で・・・・だ・・」

すれ違い・・と言うべきだろうか

後少しだというのに

後・・少し
 
 
 

動画 アダルト動画 ライブチャット