・・・カレンを置いたままに、街へと帰還するグロー・・

レイプした後のすっきりした気分で、帰ろうと・・

「あ・・・」

ぐらっと来た

目眩が、視界を歪ませる・・・

まるで、意識にリセットがかかったように、唐突な幕切れ・・・

彼は、入り口を前にしてそのまま倒れ込み・・・
 
 
 
 

「・・・ルイセから離れたせいか」

親元へと引き戻された

正確には・・その魂だけが、彼・・グローと名付けられた彼には家族は居ない

確かに・・母が居た、妹が居た・・・

けれどそれは・・彼にとって家族とは呼べなかった、義妹だからではない、義理であろうと彼等の関係は兄妹であり、親子だったはずだ

問題は・・価値観が明らかに違ったこと

グローにとって、モノは打ち壊すことに意味があった

壊した瞬間に得られる開放感、爽快感こそモノの価値だった・・愛でるべきは汚れていく瞬間、絶望に堕ちる悲劇

・・・価値観の違う者同士は、同種族とは呼べない

だからこそ、グローにとってあの家は窮屈でしかなかった・・サンドラに処分されないよう、自らを戒める日々

解放されて得た物は、自らを満たすに足る、陵辱と破壊、汚れと自由

その理由が・・・・分かった

自分が周りと違う理由・・・そう、創られたからだ

「そう言うことだな?・・ゲヴェル」

言ってやる・・目の前の、巨大な化け物に

自らを産みだした・・そして、歓喜する・・化け物に

「嬉しそうだな」

グローの存在を感じられるのだろう・・それも今なら分かる、ルイセと離れたせいだ

そのせいで・・この化け物の干渉力が強くなった、この化け物にとってグローシアンの存在は禁忌であるからだ

・・・・けれど

『嬉しいとも・・・我が一部がグローシアンを克服したならば』

・・グローは、ルイセの側にいようとほとんど変わることはない

ただ1つ、化け物からの干渉が弱くなることを除けば

「・・・常にルイセが側にいたからな、免疫でも出来たのかも知れないが・・そうか、お前の知識が俺にあったのか」

・・・ティピの改造・・通常なら不可能なそれも、自分には容易かった

それは、自分もまた創られた者だと言うことがあったからだろう

『我が一部よ・・グローシュへの抵抗力を持ち、魔法すら極めた・・・新型のゲヴェルよ、来い・・』

強制力・・・

身体が勝手に動き出す

当然だ・・創られた・・その過程で、その言葉に逆らえないようにされているのだから

けれど・・

「・・・・嫌だ」

グローシアンの側にあったことで、自分には個性が芽生えている

既に自分はゲヴェルの一部分ではなくなっている・・だからこそ、抵抗できる

『貴様』

「だが・・我が父よ、条件を飲むのなら・・お前にもグローシアンに抗う力を与えよう」

・・・条件を・・飲むのなら・・・
 
 
 
 

「・・・っ」

頭がくらくらする

けれど・・

「・・・早いな」

ゲヴェルは既に事を済ませたらしい・・目の前には、自分と同じ顔をした、仮面騎士が数人・・サンドラの研究所を襲う予定だったらしいが

「・・・約束通り、お前の部下として動くように命令されている・・さぁ」

「わかっている」

・・既に、サンドラの研究は写本として残してある、それを・・仮面騎士に手渡し

ドッ

・・・手首を、切り落とした

・・・・さすがに痛いが

「ルイセのグローシュに順応した細胞だ・・腐らないうちに持って行け」

・・・さすがに、手首がないのがきついが・・・

「っ」

・・体が熱い

腕が・・切り落とした腕が熱い

「ゲヴェル?」

仮面騎士を得られたことで腕程度は諦めるつもりだったが

ずぶっずぶぶっ

手首の断面から・・腕が生えていく

再生・・それも凄まじい速度で、なるほど・・ゲヴェルの力、創られた者だという実感がわく

今まではルイセのグローシュに邪魔されて満足にゲヴェルの力の供給を得られなかった、それが今になって

創られた者だと言う事を実感したせいで、ゲヴェルの力を得られる

それも・・凄まじい力だ

「・・・なるほどな・・」

仮面騎士と、そしてティピも・・ゲヴェルの内に取り込んだ

ずいぶんと扱いが楽になる

「足りないな・・」

「うん?」

仮面騎士に問う・・正確には、それを通して見るゲヴェルだろうが

「写本だけでは足りない・・サンドラの研究室の資料も幾つか欲しい」

「・・・出来るだけ騒ぎにはしないでくれよ」

あぁと頷いて、駆けていく仮面騎士達・・それを見送りながら、ふと・・思い出したことがある

彼の血統上の父、ゲヴェルが素体として利用した男は

「パワーストーンを・・何処へやったんだ?」

・・・ゆっくりと・・記憶を紡いでいく、ゲヴェルを通してあの男の記憶を盗み見たのだ、鮮明に・・それを、思い出し・・

「・・・そうだ、指輪にはめ込んだんだ」

ならばその指輪は何処にあるか、シエラに預けたそれは・・

「・・・・・・墓が・・あるんだ」

思い出した・・彼は再び道を逆送し

・・・結局、家に帰り着いた頃には仮面騎士達による研究室の襲撃は終わっていた
 
 
 
 

獲物の希望、女の感想をどうぞ、掲示板はこちら
・・・飽田は反応が少ないとつくづく更新が遅れますので
ちなみに、レスはとことん遅いです
レスが要らない方、こちら↓更新が早まります
 

1,お名前:

2,E−MAIL:

3,SSのタイトル:

4,小説はどうでしたか?:

5,今後どの小説の続きを読みたいですか?:

6、この小説の感想をお願いします:

7,今後の飽田へのリクエストはありますか?