「・・・逃げろ・・」

「・・・お父さん?」

返事はもう、帰っては来ない

血に濡れたその身体は、眼前で倒れ伏し・・・その微笑だけが目障りで
 
 
 
 

・・・十年近く前、母が死んだ、引っ越しの途中で患った病気が思わしくなかったのだ

そして、ふさぎ込む自分に父は頭を悩ませ

・・・狭間で苦悩していた自分は、友達と出会った

可愛らしい・・・闇の妖精と

自分が3歳か4歳の時だった、それを知った父は喜びと苦悩の狭間の複雑な表情をした

・・・精霊使いとして生きていた父にとって、娘が同じ道を歩むことに様々な錯綜があったのだろう

けれど母を亡くした自分に、産まれて初めて出来た友人は何よりの支えとなり

異端の自分でも、精霊使いという異端の存在ならば容易く受け入れられた

闇の総本山での暮らしが始まった

水を怖がった自分のために引っ越しは決まり、母は死に・・・友人を見つけた自分のために父は総本山へ戻り、多くの同胞と友達を手に入れ

自分を愛してくれた父は血に伏した・・・大切な者の死を受け入れるたび。怒りが沸き上がる

弱い自分に、大切な者を踏みしめてしか生きられない自分に泣きたくなる

倒れ伏す父から生命が零れ落ちる、精霊使いである自分にはそれが形として捉えられ

・・・父を貫いたままの剣、変わらぬ微笑。父を殺した怨敵を睨み付ける

「シオン!」

袖から短刀がこぼれ落ち、同時にベルトから抜き放つ・・・指に挟み手に握る。小さな手を限界まで使った射刀術

短刀を同時に数十本、手から放つ・・・覚えた護身術は父の教えもあって十分達人レベルに達し。特にダーツやナイフ投げには父さえ驚く才を見せた

雨のように刃がシオンに向かい

・・・けれど、シオンはあろう事か踏み込んでくる・・数に走りすぎた、十分速度の乗らなかったナイフの隙間を縫うように。シオンは踏み込み

「ふんっ」

振り下ろされる剣を避ける・・・護身術は父譲り、そう簡単に遅れは取らず

・・・幼いながらに戦闘力ならばここで父に次ぐという自負がある。自分が止めねば誰もこの男には抗えず

「死すべき魂は死すべき運命へ」

さらに十本、ナイフを投げる・・速度を落とさぬまま投じられる限界。微妙にタイミングを変えたそれの一本はシオンの肩に突き刺さり

「・・・よくもっ」

先とは比べ物にならない速度で剣が振るわれる・・実力はある、けれど間合いはシオンにこそ有利な距離、中距離戦闘を得意とする自分に近距離での戦闘は無謀で

血が・・・頬を伝った

流れる血が白い頬を染め、顎を伝ってこぼれ落ちる・・・まるで、涙のように

「・・・・・ダーク・・ロード?」

・・・死が感じられる

父と同じ、生命が輪廻の輪へと還る瞬間

また・・自分のために大切な人が失われる

死者の魂に触れることが闇の精霊使いの本質、それが感じる・・・もう1人の父、師にして誰より自分に優しかった彼は・・・・輪廻の輪へと向かい

「あぁぁぁぁっっ」

無我夢中で全身に隠したナイフを投げ放つ、意識が跳び・・自分が理解できず

ただ、シオンの微笑に向かってナイフを投げる、華奢な腕が軋み。指を刃で傷つけ・・それでも、愛する者を失った悲しみから逃れるために。ナイフを投げ続ける

(お前のせいじゃないよ・・・)

母が亡くなったとき、父はそう言って抱きしめてくれた・・・・水を怖がらなければ、引っ越す理由もなかったのに

(逃げろ・・・)

そして、父も死んだ・・自分を護るために

今また、父以上に慕った人は・・・自分の盾となって命を失い

全てを失い、全てを振り払うように・・・・ナイフを投げ続け
 
 
 
 

・・・・暖かな温もりに抱かれ、眼を醒ます・・・眼前の壁には自分のナイフが数十本、突き刺さり

・・・もう、シオンの姿はない

辺りは崩れ去った瓦礫の山・・・とても無事とは言えず

「・・・・・ロード?」

ダークロードに抱きしめられる

いつもと同じ温もりで、優しさで・・・

けれど、腕の中には・・・父とロードの亡骸

自分が抱きしめているのは亡骸、もう・・現世に彼の姿はなく

魂は輪廻の輪へと還る、それが闇の精霊使いの仕事で

・・・しばし、自分を抱きしめていた魂は自分から離れ

「嫌・・・いゃ・・」

父は既に輪廻へ還った、今また。ロードも輪廻への旅路へ赴こうとして

泣きじゃくる自分の視界、歪む世界の中でロードの魂は・・・動きを止める、冥界へ行こうとしない

しばらく亡骸の周りを漂うと、何処とも無く姿を消し

「・・・憑依の秘術?」

禁術に属される術だ・・・シオンと同じ行為に走るのかと一瞬身を強ばらせ

「・・・わかり・・ました」

安堵する、遺していった言葉はシオンさえ倒せれば命など惜しくないと言う物

優しかったその心は変わることなく

「・・・・・・すぐに・・追いかけますから」

・・・家族に等しい闇の総本山を去ることを決意した

大切な父を失った、ロードを失った。独り立ちできるほど強くはない、誰かに縋らなければ倒れてしまいそうで

「その時は・・・・・また胸で、泣かせてください」

零れた涙が血を洗い流す、頬に穿たれた血の痕は・・・蒼い涙に拭い去られ

・・・初めて交わした唇は、死の香りがした
 
 
 
 

・・・その数ヶ月後、とある村で青年が助けられる

全ての記憶を失った彼は、ただ・・名前だけを思い出すのが精一杯で

空虚な心を抱えたまま、激動の時代へと流されていく

・・・一振りの、ナイフだけを握りしめて
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さぁ、どうするか

チャットで急かされて書き上げたグローランサー3・・・最初っから設定が変わってるのはいつものこととしても。本当にどうしよう

・・・1人、ひどいことをしたくないのがいたもんでこういう風にしたんだけど
 
 

・・・・・・・・・・・H無しでも書けるな・・・・(止まれ)
 
 

まぁ、そっちの方が元々得意なんで書くのはそっちのが楽なんだろうけど

てか、久しぶりに書きたいかも知れない・・

最近表のHP全然更新してないし

どしようねぇ・・・

ちなみに、現時点ではそっち方向で書いてます

ナイフ投げてるのが名前は勿論女か男かも出してないし、だからほら・・まぁ、ゲームやればすぐ分かるんだけど

ビクトルと言う可能性もなきにしもあらずで(待て

ロードの名前も出してない、文字サイズも変えて・・・飽田じゃなくて別のHNの書き方で書いてるな(汗
 
 

@鬼畜外道ストーリー

Aハートフル(大嘘)ストーリー

Bいいから設定通り書き直せ
 
 

募集してみようか久しぶりに(朗らかな笑い

BBSへの書き込み議論、チャットでの直訴有り

チャットの場合、飽田が居なくても<閲覧者>でしばらくぼぉっとしてたら地獄へ誘う声がするんで、それに誘われて地獄へ堕ちて伝言を頼めばオッケー

間違いなく意図を曲解して飽田に伝わります(待て)

では
 
 
 
 
 

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