・・・夢を見た

可憐な美少女と妖艶な美女を抱き、犯し・・奉仕される、天国のような夢

「・・・何だかなぁ」

溜まってるのかと、辺りを見回す・・変わらない部屋だ

いつもと同じ部屋に、変わらない日常・・ただ・・起きたとき、付けたままのバンダナが・・違和感と共に押し寄せ

『ほたるとテレサはここにはいない』

響いた声に、声にならない絶叫を上げた

・・確かに頭の中で響き渡った、その感覚は・・以前にも

『それより、高校や仕事先では今までと変わらぬ生活を続けろ』

・・・・自分に取り憑いた男の言葉に、こくこくと黙って頷き

(こ・・これぞ人生の転機)

・・・横島の飼われ犬人生は始まった
 
 
 
 

と言っても

(この人は何も変わらないわけだな・・)

・・・横島の身の回りの環境は数日のうちに一新された

あのアパートは買い取られ、横島以外の住人は別のアパートへ引っ越し・・今ではそれらの部屋の内装を変え外見はともかく内面は高給マンション並の設備となっている

霊的な加護によって地震、火災の心配もなく周囲数件の地上げも終了し料理店が建ち並び、出前ならば全て無料という今までの生活からは考えられない天国

高校の方でも・・・いつの間にか単位を全て取得していた

・・・と言うより、既に卒業証明書等手続きは全て終えている

どんな手を使ったかまではバンダナも教えてくれなかったが、教師陣の対応はそれほど変わっておらず

・・・出席日数の状態が毎日のように変動する異常事態に、校長以外は騒然としていた

とにかく、外見上は今までの生活を変えることなく、けれど・・自分に逆らう者が存在しないのだと言わんばかりに自由が約束され

渡されたカードには限度額が存在せず、それこそ・・どんな物でも取り寄せることが可能で・・・

「くおぉぉぉぉっ」

・・・目の前の女以外は、それこそ自由を約束されている

自分に巨大な荷物を持たせ1人何も気にせず先を行く、ボディコン姉ちゃん以外は

(こんな仕事やめちゃえばいいんじゃ・・)

『落ち着け・・お前はあの乳、尻、太腿をあきらめられるのか?』

心の声は冷静に叱責された・・自由にならない物はもう一つある、女だ

なまじ女の味を知ってしまったため却って我慢しづらいのだが、バンダナはそれを許さない・・煩悩に集中することで霊力を高めろと言ってくる

バンダナには凄まじい霊力が内在しているが、それを使えば美神に気付かれるため主には横島の霊力を使いたいからだそうだが

(拷問だぞそれは!)

『心配するな・・すぐに雌奴隷を調達してやる』

・・バンダナの言葉には信憑性がある、横島は雑念を捨てると美神の尻に意識を集中し
 
 

・・・そして、置いて行かれた
 
 
 
 

「あの女はぁぁぁっ」

重い荷物を抱えながら既に影も形も見えない美神を追って歩く横島

ほとんど振り返りもしなかったのだ、苦痛の声を上げていた自分を・・まぁ、そんな奴だとは思っていたが、つくづく情が薄い、金にしか興味がないのだろう

1人・・置いて行かれた横島は巨大な荷物を抱えながら這いずり・・・

『少し、身体を借りるぞ』

感覚が消えた、背にのしかかる巨大な荷物も全て・・消え失せ

ふわふわと浮いているような不思議な感覚に捕らわれる横島、身体は今まで曲げていた腰をピンと伸ばし、辺りをうかがい

「・・・」

荷物とは別に、懐から数枚の札を取り出すと、霊力に呼応して淡く発光する札を構えながら言霊を呟く

「大地に鎖ざされし草花の女王よ、我が意をもってその力封印す・・疾くっ」

淡い発光を伴ったまま、札を地面に叩きつける横島・・五芒を描いた札が大地に光を走らせ・・・その中心に小さな種が生まれる

それを・・瓶に詰めると

「さて・・眠り姫の所へ行こうか」
 
 
 
 
 
 

氷に埋もれた袴姿の少女

美神ほどではないが、美人・・むしろ可愛い部類に入るだろう

清楚な面持ちで眠り続ける彼女に、横島は手をかざし・・・その氷が溶かされていく

死んでいたように眠っていた少女がゆっくり解き放たれていく、そして・・その身体の半分ほどが氷から解き放たれると

特殊な塗料で額に呪紋を描いていく、円を描くように刻まれた法陣に指で触れ

・・横島が放った霊力は、その額に飲み込まれた

「これでいい・・・」

再び少女の身体を氷に閉ざすと

・・地脈を掴む、確か地脈の楔となっているはずだ・・地脈の流れを支配下におき

「貴様っ、何のつもりだ!?」

突如現れた初老の男の霊体を消し飛ばす、意識を集中し

「・・見つけた」

ズボッ

地脈から、少女の霊体を引きずり出す

袴姿で幽霊生活を送る。可憐な美少女は・・・意識を失ったまま、横島の手の中に残る

少女の幽霊としてのキャリアが数百年に及び、横島の全身に霊力が内包されているため触れることは簡単で

細く白い首に指をかけ、地面に叩きつける横島・・・あらかじめ幽霊に霊力を流し込んでおけば、普通の人間のようにしか動けず

「・・あ・・・・」

横島の手から離れたことでゆっくりを意識が戻ってくる。自分の存在、目の前で凍り付けの死体、地脈からの離脱・・・・あいつの復活

「な・・・何て事を!」

本来なら忘れていたはずのことだった。けれど強力な霊力は彼女にかつての記憶を取り戻させ

「奴なら封印した」

小瓶の中、転がる種を見せつけてやる・・それに安堵する少女に

「心配しなくても、今度はより強い地脈に根ざしてやる・・・・あっと言う間に日本は壊滅だ」

はっきりと絶望を口にしてやる

歓喜に変わるはずだった顔が一瞬に引きつり、横島を責めよと詰め寄り

「これが、あいつの種だ」

・・・日本を壊滅させられる種を手に、少女の顎を掴む

「種を解放すれば大変だ・・・世界にはたくさんの子供が居る、あの姫さんの子孫もいるし、お前が助けた子供の子孫もいるだろうな」

少女の性格は分かっている、どう誘導すれば従うかも・・全て

「お前が地脈の守をおろそかにしたおかげで楽にこいつが手に入った」

その言葉は、予想以上に効いたようだ・・・顔を真っ青にし、震える少女は横島を睨み

「俺に従え・・そうである限り、俺がこの地を守護してやろう」

・・・少女が頷くのに、そう時間は必要なかった
 

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